2007.08.29 11:51 |  診療  |  おっさん  | 推薦数 : 0

所詮お金か?

昔は、医療費はほとんどただ同然だったから薬屋で薬を買うよりお年寄りなんかとくに、病院で薬をもらいに行っていた。病院の診察室はさながら、「老人デイケア」であった。それに社会的批判がきて、わたしもそんな医療体制がいやでいやでしょうがなかったが、なにがいやって、とにかく診療しているんだかなんだか、あの薬をくれ、この薬をくれといって、医者と言うより薬局の店員だったね、それで処方を断ると、やぶ医者だと、冷たい医者だと、なんかこの業界はおかしいなぁ、と常々思っていて、その頃はまだ、医療経済のことなんて全く知らなかったし、正直、やる気なくしていたよね。大学病院でさえ、そうだった。
時代はあっという間にかわり、よかったんだか、わるかったんだか、無駄をなくす方向のつもりが、全体をがさっと削ってしまったものだから、悲惨なことになってしまっている。とにかく、医療の自己負担、介護保険に名をかりて市場主義経済の導入、当然払えない人が出てくる。わたしのとこにもたくさんいます。退院しようにも行き場のない人が、おまけに入院費の払えない人が、払うつもりの全くない人も、結構いますね。病院の赤字がじわじわ効いてくる。
ようするに病気にならないことと、お金に余裕がないと、安心して生きられないと言うことになってしまっている。皆さんが自民党にいれるものだから、軍事費と警察費は増えるが、それ以外の予算はどんどん削られていく。そのかわり規制ははずして、儲けられる人だけが儲けられるようにしている。
医者ですか、、医師不足に予算がついたみたいだけど、桝添が大臣になったって?だって、あんた、親の介護でだいぶ世の中のことはわかったみたいだけど、それで解決するかねぇ。あんな少ない予算で。
そもそも、医療の改革とはようするに予算削減が前提にあるわけで、削減していながら、今度は増額、入院基本料や税制を改革すれば一発なのに、それはしない。なんかおこってそれに対処する。犯罪が増えているから警察を増やす?実際は犯罪は増えてないんですよ。戦後すぐの方がすごかった。報道の仕方に幻惑されている。

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2007.08.28 12:17 |  診療  |  おっさん  | 推薦数 : 1

うつだから抗うつ薬か

製薬会社はそういう宣伝をしている。社会不安だの、パニックだの、医療は「適応」というのがあって、この病気にはこの薬を使ってよろしい、という厚生労働省の審査がある。それには治験といって、実際、そういう疾患の人に投与して、効果があるかどうか、確かめるわけである。実際には、かならず、審査に通るような、治験がされているといっていいだろう。いかに医者に考えさせずに、治験を合格させるかが製薬会社の腕の見せ所である。最近では治験を外部の会社にさせるように規定が設けられているが、なんのことはない、その会社も営利企業なので、製薬会社が喜ぶような治験プログラムを組む。治験の面倒くさい書類をそばで指示してくれるアドバイザーみたいなのもついてくる。それはだいたい女性で、大学病院の治験では美人、、、が多い。(たまにそうでもない人もいるが。民間病院の治験担当はなめられているのか、あまり美しくない人が多い気が、、)
さて、それでめでたく適応をとりました。今度は宣伝しないといけない。そこに出てくるのが、その筋の「権威」である。だいたい声をかけられる「権威」は決まっており、またこいつか、みたいな感じである。さして、臨床もしとらんくせに、ちょこちょこ軽症を治療して、俺は名医だ、みたいな顔をして、ようするに「この薬は効く」みたいなことをプロパガンダするわけである。こういう輩は、はっきりいって、同じ患者を経時的に、5年、10年、みた経験がないといっていいだろう。いたとしてもかなり少数。
わたしが何になりたくないかといえば、こういう医者には絶対なりたくないね。こんなことするくらいなら、医者やめるね。たかだか、数百万のお金をもらって、人生の切り売りをするかねぇ。しかし、いつの世にもこういう輩はおるのである。しかも自分ではいいことしているとおもっているからやっかいである。
さて、めでたく、宣伝も終わり、だいぶ、精神科はおろか、内科の開業医、整形の開業医、など洗脳した、、あとはだしてもらうだけ、そのためにパンフレットがあり、そのなかに、ハミルトンスコアだの、なんだの、これで何点以上なら、うつですよ、と宣伝する。素人だからわからない。医者は、他科のことに関しては、はっきりいってずぶの素人です。ちなみにハミルトンはうつ病を診断するためのスコアではなく、うつ病のひとの「重症度」を計るスコアである。だからこれを理由に薬など出すのはもってのほかなのです。熱があるからすぐ解熱剤をだしますか?だしませんね、やっぱり原因を考えるでしょ。
さて、かくして、抗うつ薬の乱発作戦は成功し、世の中に大量服薬患者や自殺企図者が増えてしまって、その系の入院がわんさと来るのである。(最近は、お金が払えないので安易に入院もしませんけど)大学病院の救急でよく見られる光景ですね。もち、ちまたの精神病院でもありますよ。
何が言いたいかというと、うつだから、抗うつ薬を出すのは間違っていると、だから患者はほとんどうつ病のうつと勘違いしている。分裂病かもしれないし、アル中かもしれないし、わかんないのです。
これは大きく考えれば、それを許している国の責任が問われるし、ミクロではやっぱ、製薬会社の営利主義とそれに便乗している医者の怠慢が指摘されるべきでしょう。薬の作用なんて経験積まないとわからないところもあるし、研修医はなおさらだまされやすいものです。わたしもよくだまされました。大学教授が新薬をつかえと叱るものだから。その当時はそんなからくりなんて知りませんよね。

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2007.08.23 13:25 |  診療  |  おっさん  | 推薦数 : 0

精神療法について

精神科治療において薬物治療の選択肢がなかった時代、様々な学説が生まれそれに準じた精神療法が開発された。精神療法というものはそもそも個性がつよい。何をもって治療と呼ぶのか、判定は難しいが、治療である以上は病気か病的な状態、あるいはその人が本来あるべき生活能力の減退など、軽度から重度までとにかく不安定な状態が存在しなければならない。どこまでなら薬物療法でどこまでなら精神療法なのか、明確な境界はないが、現在の医療は薬漬けが優勢であることは間違いない、だからといって、精神療法だけで解決するわけでもない。そもそも一般の人が精神療法と聞いた場合、どういう場面を想像するだろうか。話でなにか、適切な「生き方」をアドバイスしてくれるかもしれない、と思うだろうか、今の精神科医療には精神科医自身がのんびり患者の話を聞いているヒマはない。もしそれに時間をとっていたら経営が成り立たない。そこでそれは臨床心理士に任せる傾向にある。それはなんか人生の指針などではなくて、指導ではなくて、とりあえず聴くという作業なのだが、それが何をもって精神療法なのか、よくわからない。私は精神療法家ではないし、どう説明していいのかもわからない。精神療法を否定しているわけではないし、なぜなら、いくら薬の使い方がうまくても、「なんだか嫌な人」治療を受けたくないし、そこにはなんらかの心理的過程が存在するのだし、結局、一般的な対人関係と一緒じゃないかとそういわれればそうなのだとも言えるし。とりあえず、わかっているのは明らかに病的な精神状態がしなければ、そもそも聴いて話し、理解するという過程が患者自身の側でできないことだ。そこにはしっかり薬が介入しなければならない。

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2007.08.21 12:15 |  診療  |  生活 / くらし  |  おっさん  | 推薦数 : 1

医療崩壊、という本

これは売れているのでご存じの方も多いと思うが、「立ち去り型サボタージュ」などの隠れた流行語を生み出した、力作である。正直、医者の立場から医師のおかれている現状をこれほど質的、量的に紹介し意見を述べた本を知らない。

虎ノ門病院、泌尿器科の部長とのことであるが、部長の仕事をしながらこんなすごい本を書けるのだろうかという、「不安」はあるが、現実の本人がどういう人かはとりあえず置いておいて、大学の批判や警察へのそれ、defensive medicineの問題、読んでいてうなづくことがあまりにも多かった。私のように未熟で、好戦的な人間は、「だったら、患者の側にも落とし前つけてもらおうじゃねぇか、」なんて態度に出やすいが、それが無論、間違いであり何の解決も産まないのもわかっている。しかしながら、この業界の人間はそろそろ忍耐の限界を迎えているのではないかと思う。普段診療していて思うのは、「とりあえず、いちゃモンをつけておこう。」というような患者およびその家族が昔に比べてとにかく多くなった。医療はサービス業だと、医師会はいうが、7割も税金がまかなうサービス業がこの世に存在するだろうか。治して当たり前、最高の医療をして当たり前、貧富の差は関係なく、時には暴力も受け、罵倒され、それでもにこにこして「様」づけして、治療にあたらなければならない、なんともつらいものだ。

この前、朝、NHKの番組を何となくみていたら、学校の先生も医療の現場と同様、いちゃモンをつけられることが非常に多くなっていると言うこと、これはなんだろうか、一つには権威の低下ということがあるだろう。官僚もあまりにもいじめられ過ぎじゃないか、官僚の権威というのも昔と比べ、かなりおちているのではないか。要するに権威あるものがすべて、失墜してきている、そんな世の中になりつつあると、これは、力のある者とされてきたあらゆる職業に訪れている、津波のようなものだ。共通点はなんだろうか、と、それはお金、である。その分野への資金が減らされているのである。医療、教育、官僚の(天下り≒再就職先)これらがすべて攻撃されている。しかし、権威があがっているところもある。警察と軍隊である。なんか、おかしいですね。国際情勢ですか?それが一番なんでしょう、アメリカが手をひこうとしているから当然だと思っているのでしょうが。

この前、ニュース23で、高級?官僚から俳優に転身した人がテレビに出てた。テレビは作為的なのでにわかに信じることはできないが、官僚は天下の極悪人だと、それで俳優かよ、といいたくなるが、正直、もう嫌になったんだと、俳優がどうのこうのいうより、もう嫌になった、それが感じられた。だって、大学時代、俳優で燃えてたとかなんとかでもない、俳優だったらできるか、程度の認識、俳優を馬鹿にしたような、その程度の認識で。この人は結局、別の仕事につくんだろうなと、そう思う。

とにかく、税金が別の方向に行ってるんです。皆さんが自民党に一生懸命投票するから、参院選で負けた?もっと負けるべきだったのに。医師会が押したあの先生が落ちた程度では効くわけないのです。なにしろ、相手は小泉であって、安倍なんかじゃない。まだ小泉政権は続いているんです。

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2007.08.20 18:39 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  おっさん  | 推薦数 : 1

精神科病床数の削減

日本の病院病床の多くは精神科が占めている。したがって、医療費削減のため精神科の病床数を減らすことが厚労省の目標だと思われている。アメリカでは60年代実際、人権擁護?の政策に基づいて精神病院の閉鎖が進んだしかし、それによって、刑務所が増えていった。重罰化と進んでいまや刑務所ビジネスはすさまじい勢いで発展した。病床数を減らすことと地域での退院患者へのケアがまったく連動しなかったのだ。日本も地域社会へとは聞こえよいがその分、リハビリ部門での医療費を増やすわけではない。ようするにほったらかして、とりあえず追い出す政策なのである。これでは元国会議員の山本譲二じゃないが、刑務所が生活の面倒をみるようになる。普通の生活をする権利がどんな人にもあるけれど国はそんなことより、軍事費を増やしたり、北朝鮮の悪口を言ったりすることに必死である。

多くの人は精神病院が何をしているか、また同業者の医師でさえ知っている人は少ないし、本当に社会から差別されていると日々感じる。精神科に行くのは大変ですよねとか、卑屈な台詞も治療者自身から発せられる、それに自分自身も慣れている。精神科クリニックで治療されている人よりももっと悲惨で差別されている人々がいることを社会は知るべきだ。

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2007.08.20 12:01 |  診療  |  おっさん  | 推薦数 : 2

医療情報の発信源

あれよりこれが効く、実はこれの方が効く、などいろんな薬物の情報があるけれど、みんなどれが事実なのかと、それを確かめるすべは実際に投薬してみないとわからないことが多い。あるいは誰かが処方しているのをみて判断するかもしれない。私は新薬がでても1年くらいは使わないことにしている。いまでもよくつかわれているのかどうかわからないが、ラ○カットという活性化酸素?に作用すると言われている高額医薬品がある。大学病院にいた当時はみんなが乱発していたがそのうち、腎不全が出現する人がいて、大騒ぎになった。そもそも活性化酸素が悪さをしているのかという疑問もあるし、これが言われていた頃の論文と今日の論文ではなんか、すごく乖離がある。しかし、この薬はおそらく大ヒットしたと思う。私は他人が使っているのをみて全く効果がないと感じたので使わなかったが、そのせいで大学教授からいじめられた経験がある。

ようするに効くだのきかないだの、どこからきた情報なのかということが大事ではないか。それでおそらく現在の医療情報のほとんどは製薬会社が操作しているといって過言でないと思われる。精神科のテリトリーでは、精○神経薬理という雑誌があって、薬広告の嵐と提灯論文でいっぱいという印象を受ける。これを真に受けたちょっと勉強好きな医者は新薬をつかおうと思う。自分のフトコロで高い薬を買うわけではない。患者も新しい薬≒最新の治療と思っている。だれもこまらないではないか。そう思って、新薬に気軽に手をつける。こうして、医療財政は逼迫し自民党が医療費をへらそうと入院基本料に手をつける。ゾロ薬に変更するまでもなく、無駄な新薬を使わないだけでだいぶ医療費は減る。

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2007.08.17 16:45 |  診療  |  おっさん  | 推薦数 : 2

SSRIについて

最近読んだ本でおもしろかったもの
「抗うつ薬の功罪、SSRI論争と訴訟」みすず書房
「ビックファーマ」
なんか、悪い噂ばかり流れていますね。私自身は正直言って、ほとんどこの系統の薬は使わないのです。勤務医なので、うつ病を見る機会がさほど多くないからかもしれない。とはいえ、開業中の知り合いの先生もいってましたが、重症はそんなに効かないよとか。本当に従来の抗うつ薬よりよく効くのか。

製薬会社の戦略というのはまったくもって、営利主義に徹したもので、それは当たり前といえば当たり前なのだが医者のなかではそのからくりがなかなかわからない。プロザックが日本でなかなか認可されないのは、ひとつはパテントのせいだと思うがもう一方では犯罪と訴訟のせいじゃないかと、厚労省の悪口が多いものの、これはある意味良いことをしているのではないかと、なんかそんなふうに考える。

 

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