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『おまかせください、ドクターヘル。』最近アレルギーのレビューをする機会が多くなった。アレルギーの話は書こうと思えばいくらでもおもしろく書けるものだ。『生体防御』が生み出す適応能力とその進化はとてもドラマチックだ。私が特に興味を持つのはIgEである。以下、私的考えであることをご了承願いたい。私たちは生き延びるために必要なものを獲得し、不要なものを自然淘汰してきた。IgEは生命維持に必須なものではないにも関わらず残存し、むしろIgEを有する人間のポピュレーションが増加してきた。環境に適応しようとして我々が獲得しようとしている免疫機構のようにもおもえる。Job症候群/高IgE症候群はIgEがこの世に誕生した理由を理解する上でのヒントを提供している。この疾患では高IgE血症の他に好中球機能不全が認められ、ブドウ球菌などの細菌に対するIgEも出てくることからIgEが好中球の機能を補償するため上昇しているとも解釈でき、興味深い。このような観点から考えると、アトピー性皮膚炎も生体側のなんらかの自然免疫不全を補償するためにIgEが産生されているのではないかとも推察できる。進化がIgEという免疫機能を選択しつつあるのは変化する環境への適応の一つなのかもしれない。いづれにせよ、「防御」において私たちに既に準備されているアイテムの豊富さに甚だ感銘を受けているのである。
このように、かのチェコスロバキアの作家、カレル・チャペックは言った。僕が今、こうして仕事をさぼってブログに書き込む行為もある意味、「無駄」かもしれない。でもこの中に無限の豊かさがあればいいと思う。チャペックは「ロボット」という言葉を作ったのでも有名である。そもそもロボットの語源は強制労働者(robotnik)であった。「おまかせください、ドクターヘル」の私もある意味rototnikだ。彼はノーベル文学賞にノミネートされたが、その後、すぐに亡くなったため受賞できなかった。かれの残した作品は言われるように確かに無限の豊かさがある。
こんな風に思えると楽しい。今日も僕の外来予約は定員をはるかにオーバーしていた。診察の数は無駄ではなく、そこには豊かさが隠れていると思って臨床するととても楽しかった。みんなにも教えてあげたい気分になった。
出勤前の僕の仕事は3歳になる娘を保育園に送り届けることである。僕の唯一の通勤手段はBMWのバイクである。娘を乗せるにあたりバイク用のチャイルドシートをつけ、娘のヘルメットと保育園バッグ、私のバックも入るようにとパニアケースも完全装備した「保育園通学スペシャル」なのである。乗せる前に娘は必ず「お父ちゃんのバイクかっこいい」といってくれる。私はちょっと嬉しくなる。移動中「大丈夫?」と聞くと「だいじょうぶ」と答えてくれる。これもなぜか嬉しい。11月に入りめっきり寒くなったある日いつものように「大丈夫?」と聞いた私に、あまり弱音をはかない娘が言った。「さむいー」。本当に寒かったんだと不憫に思い通学用にLL Beanのスキー用のkidsつなぎを買った。ピンクのかわいいやつだ。娘は喜んで着てくれた。それから「大丈夫?」と訪ねると「だいじょうぶ」と僕らのいつもの会話が始まった。しかし霜がおりるような寒い日が続くようになると、再び僕たちの会話に異変が生じた。「手がさむいー」。娘は息子のお下がりのオフロード用のネオプレーン製の手袋をしていた。私はちゃっかりいつもの冬の防寒用をしていた。しかもグリップヒーター付きだ。娘は本当に手が寒かったはずだ。明日は今年初の送りの日だ。娘用に新調したピンクの防寒手袋を気に入ってもらえるか、今から楽しみなのだ。