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ものすごく暑い夜だった
わたしはとんでもないことが起こるような気がしていた
われわれは洒落た小さな店の中にいた
天井にはミラーボールがあり
国旗なんかも飾ってあった
われわれはビールを飲んでいた
ジュークボックスではビージーズの「小さな恋のメロディ」が
続けて三回かかった(195p)
二十代半ば近くの男に、なぜ毎月、十万も仕送りしなければならないのか
真鶴で小さな乾物屋を営むキムラサクヤの両親にはさっぱりわからなかった
だが、両親は、仕送りを止め、キムラサクヤが家に戻る事態になることだけは避けたかった
「それだけは勘弁して」とキムラサクヤの妹が泣きながら頼んだからだ
「あんなお兄ちゃんがいることがわかったら、恥ずかしくって、結婚できない! みんなにイジメられるわよ!
お願い! あたしの給料、全部送っちゃっていいから
お兄ちゃんを、家に戻さないで!(略)」
実に兄思いの妹であった(97~98p)