ProfileHome
「人間失格」の葉蔵が他者の視線を気に懸ける有り様は、精神病理学の域に達している
しかし、病理は、より普遍的な人間の性向が極端に現れた結果に過ぎない
(略)怪我をした子供が、痛みを我慢して家に帰ってきて、母親の顔を見たとたんに泣き出す
私たちはそれを「安心して泣きたくなったんだね」などと言う
しかし、他者の視線がないのに泣く意味などないのではないか
(略)泣くことも笑うことも、つまりは他者の存在を前提にした、社会的な行為に過ぎないのである(118~119p)
固定リンク