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そして江藤淳もまた自裁してしまった
(略)葬儀の折私は友人の一人として弔辞を読んだ
その場についに顔を見せることのなかった、かっての同じ世代を代表した友人の一人大江健三郎は
江藤の死についてどこかから言葉を求められ
「彼の死は同じ脳梗塞で倒れた後リハビリに務める人達に対して失礼だ」といったそうな
聞いて呆れたというより、うそ寒いものを感じさせられる(443p)
氏がよく冗談に、五十過ぎたら俺は
三島由紀夫を魅死魔幽鬼翁に改名するんだといっていた言葉のように
その肉体の外形が何であろうと氏が自らの美学に徹し切って
幽しい鬼のような存在に成り得ていたなら
私たちはもっとさまざまな刺激や啓発を氏から受け
日本も今ほど退屈でなしにすんでいただろうに(114p)