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一回性の偶然の機会は
外からやってくるとは限らない
自分の無意識もまた
偶然の機会の宝庫である (222p)
(セレンディプはスリランカの古い呼称であるらしい)
現代社会は三人称的文脈がもたらす過剰流動性の弊害が目立つ
(略)三人称的文脈をとりあえずはエポケーして
クオリア原理主義に立ってみるしかない
クオリア原理主義とは
自らの生の一人称的文脈に寄り添うこと
そこから逃れまいと覚悟を決めることなのである
社会で流通している文脈を無意識のうちに受け入れて
対象は「こんなものだろう」と高をくくってしまうことの弊害を
私自身何回も経験している(189p)
ニーチェのいう個別化されたこの宇宙では、世界という鏡は割れ
無数の主体性の破片となって散らばっている
それでも、神の視点というものがもしあるとすれば、それは
宇宙全体に散らばった個別化された世界の破片を
かき集めたときに現れるのであろう その時
その一つになった鏡には、どのような光景が写っているのであろうか
私たち一人一人は、おそらく奇怪な個別に過ぎない
理由がわからないままこの世界に生み出され
やがて消えていく しかしこの奇妙な個別が
なぜかは知らないが普遍に接続できるということを
私たち一人一人が、意識の中で刻一刻と感じる
クオリアのプラトン的完全さを通して知らされている
(終章より)
(うまくいってない、というような)ネガティヴな感情にも、生きる上での「感情のエコロジー」の中で、ある一定の意味はある
ネガティヴな感情を持つことは、人間が制御不能な人生を生きていくための、創造的適応の一部分であるとさえ言える
(茂木健一郎著2005年、第1章より)
「ペスト」とは、「私」が「私」として存在することを自明であるとする人間の本性的なエゴイズムの別名である
(略)「自分の外部にある悪と戦う」という話型でしか正義を考想できない人間、それが「ペスト患者」である
(・・・略・・・)ここにタルーのモラルの独自性がある
(内田樹著「ためらいの倫理学」より)
タルー:(略)誰でも自分のうちにペストを持ってるんだ(略)
(・・・略・・・)
タルー:結局、僕が心をひかれるのは、どうすれば聖者になれるかという問題だ
リウー:しかし、君は神を信じてないんだろ
タルー:だから、人は神によらずして聖者になりうるか・・・これが、僕にとっての唯一の問題なんだ
チフス菌の学名は
サルモネラ・タイファイ
コレラ菌の学名は
ビブリオ・コレライ
すなわち、チフス菌はサルモネラ菌(属)の一種であり
コレラ菌はビブリオ菌(属)の一種である
ノーベル賞作家カミュは、現在の私の年齢で交通事故で急逝している(大体私の生まれた頃だ)
私はカミュと誕生日が同じである
ペストは1947年の作品である
(扉はダニエル・デフォーの引用が用いられている)
ある種の監禁状態を他のある種のそれによって表現することは
何であれ実際に存在するあるものを
存在しないあるものによって表現することと同じくらい
理にかなったことである
存在した「第二次世界大戦」を架空の「ペスト流行」によって表現しているというわけかな・・・
私も小説の題名を考えてみた
感冒、インフルエンザ、結核・・・使えそうにないな
コレラ・・・筒井康隆だな
天然痘・・・ちょっと使えるかも
筋萎縮性側索硬化症・・・覚えてもらえないだろうな
黒田研二著2000年(第16回メフィスト賞受賞作)
「ねえ、多元宇宙の存在って信じる?」
「なんだよ、突然。平行世界(パラレルワールド)のことをいってるのか?」
「そうともいうのかな?」(33p)
メフィスト賞受賞者たち
http://www6.ocn.ne.jp/~misty/mephisto.html
受賞者達のその後
http://nununi.net/cgi/archives/001539.html
宇宙物理学の権威である難波は、あるはずのない第十惑星を観測
脳科学者の澤口は、人間の自我のありかを追求していたが
自我をもたない子どもが、世界中で新たに誕生しはじめた
二十一世紀の銀河を軽やかに創造する、清水義範流宇宙論(「銀河がこのようにあるために」2000年早川書房)
「なぜ、ないものが見えるんでしょう」
「それはまだわからない。そもそも、観測とはどういうことなのか、から考え直さなければならんのかもしれん」
難波の口調には当惑の色が現れていた(153P)
おまけ:観測問題http://hp.vector.co.jp/authors/VA011700/physics/2slits.htm