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カズイスチカとは、臨床記録を意味するラテン語である
初めは父がつまらない、内容の無い生活をしているように思って、それは老人だからだ、老人のつまらないのは当然だと思った。
そのうち、熊沢蕃山の書いたものを読んでいると、志を得て天下国家を事とするのも道を行うのであるが、平生顔を洗ったり髪を梳ったりするのも道を行うのであるという意味のことが書いてあった。
(略)自分が遠い向こうに或る物を望んで、目前の事を好い加減に済ませて行くのに反して、父はつまらない日常のことにも全幅の精神を傾注しているということに気が附いた。(森鴎外「カズイスチカ」1911年)
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