かつて勤務していた病院で上司だった、有名な産婦人科医の野末悦子先生(コスモス女性クリニック院長)の影響もあって、医師になった頃から漢方薬を良く使っています。
・漢方薬は長く飲まないと効かない
・風邪には葛根湯がいい
などという誤解がありますが、漢方薬はぴったり合えば1回飲んだだけで劇的に効くこともありますし、そもそも自分に合う漢方薬は匂いをかいだだけで効きそうな気がする、とさえいいます。
「長く飲まないと・・・」というのは、高価で効かない薬を長期間飲ませたいという陰謀から出た迷信かもしれません。
また、葛根湯の説明書を見るとこう書いてあります。
「自然発汗がなく頭痛、発熱、悪寒、肩こり等を伴う比較的体力のあるものの次の諸症。
感冒、鼻かぜ、熱性疾患の初期、炎症性疾患(結膜炎、角膜炎、中耳炎、扁桃腺炎、乳腺炎、リンパ腺炎)、肩こり、上半身の神経痛、じんましん。 」
ですから、体力が消耗してじっとり汗をかいたお年よりなんていうのは、もっとも使ってはいけないケースです。逆に、若い男性の風邪のひきはじめで後頭部が痛く、熱はあるけど汗が出てこない、なんていう方は、飲んですぐどっと汗が出てきてすっきりします。
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さて、内科の外来でしばしば伺う症状に「のどの奥がつまる感じがする」というものがあります。喉仏あるいはその下くらいに、何か引っかかるようなつまるような感じがする、というのです。
多くの方は食道がんを心配されてきますが、そもそもこういう症状を訴えるのは40代くらいまでの女性が多いので、「喫煙、飲酒の多い50代以降の男性」という食道がんの特徴とはイマイチあいません。
このような症状を「ヒステリー球」あるいは「梅核(梅干の種)気」といいます。
カラダの中を流れる「気」が、うまく流れない。簡単に言えばのどのところで「気」が渋滞する、という考え方です。
こんな症状のとき良く効くクスリのひとつが「半夏厚朴湯」です。内科や耳鼻科で内視鏡などの検査を繰り返しても原因がわからず、何年も同じ症状で悩んでいた方が、早いときはほんの数日で良くなったりします。
http://www.tsumura.co.jp/password/m_square/products/tempu/pdf/016.pdf===
漢方薬の考え方は、西洋薬のように「症状を抑える」というものではありません。「風邪に葛根湯」が間違いであるように「ヒステリー球に半夏厚朴湯」はいつも当てはまるわけではありません。
ただ、漢方薬が劇的に効いた症例を見るにつけ、もっと医療現場で漢方薬が多用されてもいいな、といつも思うのです。
西洋医学にピンと来ない症状を抱えて困っている方、ぜひ「漢方外来」を持った医療機関を訪ねてみてください。
益田総子先生の名著「不思議に劇的、漢方薬」↓
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4886834833患者さんにとっては、病気が治れば基本的にはどんなクスリでもいいですよね。
たいていの漢方薬は健康保険がきくわけですし。
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【アンコールシリーズその1~原文は2006/9/4掲載、若干の修正をしています】
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ゆうあいクリニック理事長日記
written by Atsushi Katayama(片山 敦)
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