ゆうあいクリニック理事長日記
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先日(2007/10/31)、厚生労働省が血液中の「p53抗体」血液の検査に健康保険を適用しました。

厚生労働省のWEBサイト。↓
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/10/dl/s1031-6b.pdf

「食道癌、大腸癌及び乳癌における血清中の抗p53抗体測定」ということで、170点(=1700円)の保険点数がついています。

これらのがんが疑われるか、すでに診断がついており、さらに詳しい検査が必要な場合は、3割負担の方で500円ほどで検査できることになります。

(どんな検査もそうですが、「健康診断」目的では健康保険は使えません、あくまでも病気が疑われる、あるいは病気の診断がついていることが健康保険を使うための大前提です。)

==========

私たちは検査専門のクリニックですので、いろいろな新しい分野の情報をいつもウオッチしています。

抗p53抗体については、論文レベルではいくつか面白いものがあったのですが、検査自体が実用化されて保険収載されるまでがずいぶん早かったような印象を受けます。

医療費抑制が叫ばれる中ですが、この検査に関してはやはり有用性が高いと認められたのでしょう。

自費の健康診断分野でも、PETなどの画像診断と組み合わせることによってより精度の高いがん診断ができることが期待されます。

ゆうあいクリニックでも早急にメニュー化を検討しています。

==========

試薬メーカーのWEBサイト↓
http://www.mbl.co.jp/diagnostic/products/p53.html

みずきクリニックのWEBサイト↓
http://blogs.yahoo.co.jp/kuwadayukiko/26192943.html

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【みずきダイアリーより転載】

昨日 血液検査で p53抗体測定が一般に検査可能になったというニュースが報道されました。

一部に、[血液検査で早期がんが可能!]というような内容の見出しがあり やれやれまたかいな、と思いました。
 
<ご注意>
 ・p53抗体検査をすれば早期がんがすべて発見されるわけではありません。
 ・p53抗体が陰性だからがんはないのだ、ということもありません。
 ・p53抗体だけを検査し、あなたは何々のがんです、と診断はできません。診断は今までどおり、いろいろな検査をして総合的に判断されるものです。 

画期的な検査だとは思いますが、、、過大な期待を持たせるような報道はしないでほしいです

検査会社の資料によれば
 食道がんの患者さん 127人 に測定し 
 食道がんの一般的な腫瘍マーカー SCC抗原で 陽性 38人 (陽性率 30%)
 p53抗体で 陽性 42人 (陽性率 33%) ということは、食道がんがあっても、67%は陰性でしたということですよ

SCC抗原検査と、p53抗体検査を両方して、片方あるいは双方が異常値だった場合を陽性とすると 66人、陽性率が 52%に上がりますよということでした。

つまり、内視鏡やバリウム検査とかしなくても、p53抗体検査をやれば、食道がんが分かるのだっ!
ということにはなりません。

ただ、この結果は、今までの腫瘍マーカーに比べたら確かに、かなり高いな、というものです。
前立腺の腫瘍マーカーのPSA検査以外では、がんの発見目的には使えないというのが医学的見解でしたから。

今までは腫瘍マーカーではひろえなかったごく早期のがんも検出できるという利点がありそうです。
大腸がんでは、CEAという腫瘍マーカーでは 0期のがんは3%未満しか陽性にならなかったものが、p53抗体では、28.6%、1期では CEA 3.7% のところ、p53抗体は40.5%と、今までの腫瘍マーカーに比較して早期から陽性になります。いずれがんになるかも、の予測として使えるのかもしれませんが、これは手元にデータがないのでわかりません。

さて、早期に強いというのは、この検査が腫瘍マーカーとは異なるものを測定しているからです。

今までの腫瘍マーカーが、がん細胞が作り出している成分の血液中にある量を測定していました。
しかし、p53抗体は、がん細胞に頻度が高く起こっている遺伝子の変異(p53遺伝子の変異)を間接的にチェックする方法です。遺伝子変異が起こって、異常な遺伝子産物ができると、それに対して、「これは異常な物質だぞ」、と体が抗体を作るので、それを測定しているのです。(p53遺伝子はとっても興味深い重要な遺伝子ですがここでは書きません、、脱線)

現在のところ、p53抗体が陽性であった場合に、疑っている病変がますますがんらしいぞ、あるいは、なんらかの不調があって病変がわかっていないときに、がんの検索を重点的にする、といったことになるのかな、と思います。

【転載終わり】

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ゆうあいクリニック理事長日記
  written by Atsushi Katayama(片山 敦)

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