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20代の女性。
別の病気で診療をしていたのですが、あるときふとこんなことをおっしゃいました。
・10年前に「顎関節症」と診断されて以来、歯科や口腔外科で治療を受けてもなかなか改善しない。
・顎の痛みや開口障害、顎関節のクリック音など、典型的な症状は揃っている。
・朝の肩こりがひどい
・疲れたり、ストレスがかかると症状が悪くなる。
内科の外来では、患者さんは心臓や胃腸など「内臓」のことしかお話にならない傾向があります。
目は眼科、耳は耳鼻科、口は歯科、口腔外科という分業がありますからこれは当然のことではありますが、人間の体はあくまでもひとつにつながっていますから、「分野外」「専門外」と思われる病気や自覚症状が、その方の全体像を把握するのに大きなヒントになることが良くあるのです。
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よくお話を伺うと、この方の今の症状の主体は「うつ」「不安」が原因と思われました。
甲状腺機能低下症など、うつと似た症状となる他の病気を注意深く除外した後、以下の処方を提案しました。
1)パキシル(塩酸パロキセチン)10mg 1錠 夕食後
2)マイスリー(酒石酸ゾルピデム)5mg 1錠 就寝前
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「ブラキシズム」という概念があります。
まあ簡単に言えば「歯ぎしり」のことです。
Wikipediaよりブラキシズム↓
http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%82%BA%E3%83%A0&oldid=11528620
ストレスや不安、緊張で睡眠中に歯ぎしりがおき、結果として顎関節症や肩こりの原因となる可能性があります。(このあたりはまだ理論として確立していませんのでご参考までに)
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顎関節症の他にも「首から上」の症状・・・例えば
・筋緊張性頭痛
・偏頭痛
・三叉神経痛
・舌痛症(主に中年以降の女性で、舌が痛い、しびれるといった症状で来院されます。舌癌の心配をされている方も多いです)
・眼瞼痙攣
などなどは、かなり心理的な要因が多いように感じます。
首から下の器官が、脳から脊髄経由で「脊髄神経」へとつながっているのに対して、首から上の器官は12対の「脳神経」で脳と直結しています。そんなことも関係あるのかなあ・・・。
私の頭痛体験はこちら。ブログ「からだの症状は心の叫び」↓
http://blogs.yahoo.co.jp/rijichonikki/17804626.html
最近では、東京医科歯科大学の先生を中心に「頭頚部心身医学」という概念も提唱されているようです。
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さて、この女性は2週間後の外来で「この10年で顎の調子は一番良いです。朝の肩こりもなくなりました!」と嬉しい報告をしてくれました。
パキシルはうつだけでなく持続的な不安を軽減する効果もありますし、マイスリーで睡眠の質が改善したことにより、睡眠中のブラキシズムが減ったのでしょう。
もちろんうつ状態が軽減したことによる効果も大きいと思います。
自分の診断、病態の理解、処方、患者さんへの説明が全てかみ合って患者さんがハッピーになることは、医師としての最大の醍醐味ですね。
これからも勉強してゆきたい分野です。
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※ここに登場する患者さんにはブログ掲載の許可を頂いております。
※これはあくまでも私の経験した一例です。患者さんの自己判断は危険です。病気の診断や治療については必ずおかかりのドクターにご相談ください。
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ゆうあいクリニック理事長日記
written by Atsushi Katayama(片山 敦)
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