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がんにかかわる仕事をしていると、いわゆる「がん難民」という方々にしばしば出会います。
とても残念なことです。
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例えば・・・
(1)がんが発見される
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(2)A病院で治療する
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(3)がんが再発する
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(4)今度はB病院の門を叩く
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(5)B病院では「紹介状がなければダメ、そもそもどうしてA病院で診て貰わないの?」と言われる。
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(6)A病院に戻ると、「他で診て貰いたいなら紹介状は書きます、でももううちでは診ませんよ。」と言われる。
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(7)C病院を訪れるが、「再発ではねえ・・・」と断られる。
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(8)行くところがなくなる。場合によっては怪しい商売に引っかかってしまう。
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一部のランキング本には、「病院別、がん生存率ランキング」などといった記載を見かけます。
一見信頼できそうに思いますが、がんはがんでも治りやすい早期のがんばかり扱えば生存率は上がりますし、進行した難しいがんや再発がんを頑張って引き受けると、生存率は当然下がってしまうのです。
しかし、藁にもすがる思いの患者さんはランキング本を頼りに右往左往、生存率やら手術数やらはたまた病院のブランドの間で混乱し、果ては最初に一生懸命治療してくれたドクターとの関係も悪くなってしまう・・・。
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特に再発がんの場合、どうしても最初に治療してくれたドクターに疑念を抱きがちです。
再発の可能性はあるけれど、全てをきちんと説明した上で力を尽くして治療に当たり、そのあともしっかりフォローをしているドクターが、ある日患者さんから「他の病院に移りたい」と言われたら、嬉しいはずがありません。
病気への怒りをドクターや病院に投影してしまう患者さんの心理状態も充分理解できますし、納得のゆくまでいろいろなドクターの話を聞いてご自分の病気のこと、治療のことを考えるのは当然必要なことです。
しかし残念なことに、今はどの病院にもドクターにも「ゆとり」がないのです。
自分に信頼を置いてもらえなかった、と感じた瞬間、患者さんに尽くそうという気持ちが萎えてしまう、という事情もこれもまた真実です。
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もちろん、ドクターと良好な関係をずっと続けている患者さんの方が多いと思いますが、巷で問題にされているような「がん難民」の生産過程には、「○○の責任」というように単純に片付けることのできない深い深い問題が横たわっているのです。
まずは、どこまでも患者さんの気持ちに寄り添って味方になってくれる家族、そして、元気なときも、病気の時も、家族ぐるみで気軽に相談に乗ってもらえるかかりつけ医、この二つがしっかりしてこそ、病気と戦う力をいつまでも失わずにいられるのでしょう。
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私は、PETの仕事を通じて、まじめで優秀な多くのドクターの方々と広く交流を持たせていただいていますが、
「よほど特殊ながん以外は、どの病院もどのドクターも治療方針や治療成績に大きな差はありません。転院を考える前に、まずは目の前のドクターを信頼して、ありのままの気持ちや疑問をぶつけてみて下さい。」
ということを、がんに悩む患者さんに改めて伝えたいと思います。
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ゆうあいクリニック理事長日記
written by Atsushi Katayama(片山 敦)
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