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昨日のニュースで、愛知県の病院に入院中の乳がんの女性患者さんが、知人の男性によって殺害される、という悲しい事件がありました。
詳細はまだわからないのですが、
・「彼女の願いを私は拒めませんでした」というメモがあった
・患者さんは乳がんの骨転移で毎日痛みに苦しんでいた
ということは確かなようです。
今から10年前、WHO(世界保健機構)から「WHO方式がん疼痛治療法」が発表され、世界中の多くの医療機関で採用されています。
しかし、日本では、モルヒネの使用量は諸外国の数分の一の量にとどまっており、まだまだ多くの患者さんが痛みに苦しんでいるのが現状です。
この事件の患者さんも、きちんと除痛がなされていればこんなことにはならなかったと思われます。
モルヒネは、適正に使用すれば便秘くらいしか副作用の出ない安全な薬です。
便秘は下剤でコントロールできます。
「痛みを取ると寿命が縮まりますが、それでもモルヒネを使いますか?」といったでたらめな説明をしている医師もまだ残念ながら少数いるようです。
痛みをきちんと取って快適な環境を整えれば、患者さんの「がんと闘う力」も高まりますし、食欲も出て体力も保てる。当然元気でいられる時間は延びるのです。
逆に、四六時中激痛があれば「早く死にたい」と思うのは当然ではないでしょうか?
「緩和ケアはがんの診断の日から始まる」
私が医師になりたての頃、指導医からまずこれを教わりました。
予後がよくないと予測された患者さんには、積極的な疼痛管理と、抗うつ剤を含めたメンタルケアを早期に開始することにより、ずいぶんと生活の質を上げることができるのです。
このあいだ、ある患者さんから「私の主治医は名医ベスト○○の本に載っていないのですが、大丈夫ですか?」と相談を受けました。
医療に関しては本当に情報が貧しいのですね。
ランキング本なんか見るより、「先生はがんの痛みについてどう考えますか?」とひと言質問すれば、その医師の考え方がよくわかります。
その意味でも、早めにきちんとしたセカンドオピニオンをお受けになることをお勧めします。
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