実家の静岡で私が高校生の頃からお世話になっていた方が、肺がんになりました。
手術後は調子がよかったのですが、数年後に再発、時を同じくして急に元気がなくなってしまいました。
お会いしてお話しすると、「食欲がなく食事がとれない」とのこと。
あたりまえですが、食事は生命の基本です。急性の胃腸炎など胃腸を休めた方が良い時などを除いては、やはり食事がとれないのはいけません。
いろいろとお話を伺ったあと、私は漢方薬「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」を飲んでいただくことを提案しました。↓
http://www.tsumura.co.jp/password/m_square/products/tempu/pdf/041.pdfもちろん「がんに効く」とは書いてありませんが、いろいろな理由で胃腸をはじめとする全身が衰弱している状態を改善するには大変効果的な薬です。
飲み始めてすぐ、「おなかがすいてきた」との感想。そのまま飲み続けていただくと、すっかり元気が出て、がんをお持ちの方とは思えない元気と活気を取り戻され、それから数年の間ずっとふつうに生活していただくことができました。そして80歳を遙かにこえた頃、老衰のようにして亡くなりました。
不思議なもので、たとえば同じ1200kcalでも、点滴で注入するのと食事で摂るのでは、明らかに食事で摂った方が元気になるようです。
私が医師になって初めての上司がいつも口癖のように言っていたのが「食事を摂ってもらえるようにあらゆる工夫をしなさい」ということ。その方法の一つが、その方の病状や体質に合わせた漢方薬の活用です。
がんにかかった方の本来の目標は「がんをからだから消す」ことではなく、「元気で長生きする」ことのはずです。がんを消すために患者さん本来の生命力を失わせるような治療をするのは本末転倒でしょう。
漢方薬に限らず、よいものはよいと虚心坦懐に受けとめ、患者さんのQOL向上を唯一の判断基準とする医療を心がけたいものです。
私はゆうあいクリニックでは経営に専念して診療を行っていませんが、お友達の桑田有希子先生のクリニックで週1回だけ外来を担当しています。
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