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何かのニュース番組で、ある解説者が、「医療制度は国の政策、事業である」といった意味のことを言っていた。
日本、厚労省は主に診療報酬を上げたり下げたりして、わが国の医療、すなわち病院、診療所などをコントロールしている。我々は保険医である限り、厚労省のコントロール下、手の平の上で動くしかない。仮に、厚労省のコントロールに背いて理想の医療を実現しようとすると、必ず病院は赤字となり、手の平からこぼれ落ちてしまうのだ。
例えば、入院患者の平均在院日数が増えると診療報酬が減るという御達しを厚労省が出す。日数中央値ではないので、1泊2日の短期入院を増やし、何ヶ月も入院するような患者を減らす方が報酬が増える仕組みであるため、患者は目まぐるしく入退院を繰り返し、1ヶ月以上入院すると、主治医は患者に転院を勧めなければならない。患者に苦情を言われて、謝るのは主治医である。
7:1看護を導入すると、報酬が増えるという規定を厚労省が作る。すると病院は一斉に看護師を採用し、増員して、なんとか7:1にする。すると一時的に病院の収入は増えたが、導入した翌年には、7:1病院が増えすぎたからという理由で看護師の数を揃えただけでは駄目、看護度の点数が高くないと駄目というおふれを出す。こういうのを朝令暮改というらしい。そのせいで、病院はまた看護師の雇用を考え直さなければならない。場合によっては給料の削減や、看護師の辞職勧告をするかもしれない。
厚労省の役人は、自分の出した指示、診療報酬改定で現場の病院、医療関係者が振り回され、実際に不利益を被っているのを知っているのだろうか。国会対策に振り回され、現場、特に地方の病院の実情を知らないのではないか。マスコミ受けのする政策(初期臨床研修制度の導入など)に走っていないか。厚労省の役人が医師不足の病院を見に行ったという話を聞いたことはない。
医療関係者の皆様、我々は手のひらの上でコントロールされている存在です。その手は菩薩や釈迦の手ではなく、我々と同じ人間の手です。しかも、その自分の手のひらで起こっていることを本当に把握しているのか、それが心配です。
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