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2008.06.06 23:35 |  診療  |  仕事 / 職場  |  その他(医療関連)  |  エピソード  |  SAM  | 推薦数 : 1

エピソード6:気胸

Fさんは意識がもうろう、冷や汗をかいて失禁状態で運ばれてきました。

80歳のFさんは兵隊で覚えたタバコがやめられず、重症の肺気腫になっていました。健常な肺を、目の細かいスポンジに例えると、Fさんの肺は、スポンジのひとつの目が2-3cmに荒くなった状態です。その荒くなった目は非常にやぶれやすくなっており、肺が破れて空気が漏れた「気胸」にFさんはなっていました。

若い人がなる「自然気胸」と異なり、肺気腫や肺線維症が原因の気胸は難治性で、重症化しやすい特徴があります。Fさんは以前より慢性呼吸不全がありましたので、レントゲンでは大した気胸ではなかったのですが、重症化し、CO2ナルコーシス(炭酸ガスが体内に貯留した状態)となって、意識を消失していました。

私はFさんを入院させてから処置をする暇はないと判断し、救急外来で肋間を2cm程切開し、ペアンで肋間筋を分けてスペースをつくり、直径が約1cmの胸腔チューブをすばやく挿入しました。肺気腫の人は痩せていることが多く、Fさんの肋間にはほとんど脂肪がありませんでした。そのため肋間を広げるのはたやすく、ほんの数分でチューブを挿入できました。時間節約のため、糸でチューブを皮膚に固定するのを後回しにして、吸引装置にチューブをすぐに装着しました。すると、「ブクブクブク」という空気の音が勢いよく装置から聞こえてきました。

10分後、Fさんの様子を見に行きました。「昔、兵隊で煙草覚えたんだ。そう簡単にはやめられねえな。」といつものように悪態をついているFさんがいました。

 

しかし、3ヵ月後、Fさんは気胸が再発し、再入院しました。今回はほとんど呼吸が止まった状態で運ばれ、胸腔チューブを挿入、人工呼吸器にもつなげましたが、今回は救命できませんでした。

……これが呼吸器内科医が対象としている病気なのです。

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こんにちは.気胸患者さんの喫煙率は結構高いのでしょうか.私もそうですが,なかなかタバコが辞めれません.頭では分っているのですが...手術は痛くてもうこんな思いするなら煙草辞めようとおもったのですが,完璧に辞めれてはいません.煙草の威力は本当に怖いものです.気胸と煙草の因果関係は「関係ある」という医師と「関係ない」という医師2つに分かれてますね.でも煙草は肺胞構築を壊すことは間違いないと思っています.勤務中の暇潰しにと思い独り言ブログを途中まで書いています.
written by ボダレイリオス / 2008.10.10 15:09
ボダレイリオスさんコメントありがとうございます。
典型的な自然気胸の患者さんといえば、若年痩せ型の喫煙男性でしょうか。もちろんタバコを吸っていない気胸の人もいますが、少数派だと思います。
タバコをやめる日を決めて、タバコを連想させるものをすべて捨てましょう。タバコや灰皿、ライター、タバコの臭いのするものなどすべてです。同僚には自分の近くで吸うなと言いましょう。しばらく飲み会は断りましょう。
禁煙しないと手術できないといわれると、ほぼすべての人が禁煙します。要はやる気です。
written by SAM / 2008.10.10 23:01

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