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『第10回日本成人先天性心疾患研究会』の演題で二尖弁の勉強をしました。
成人大動脈二尖弁の多くは健診で発見
手術時年齢50歳代以上が多い
先天性大動脈弁膜症, 特に大動脈二尖弁は小児科診療で遭遇することはまれであるが,成人大動脈弁疾患のなかには大動脈二尖弁が見られ病態が進行し手術適応になる例がある。
榊原記念病院(東京都)小児科の森克彦氏らは,2005年から 3 年間に入院した成人大動脈二尖弁135例の臨床像について検討。
「大動脈二尖弁の多くは無症状に経過し成人となり,約 4 割が健診で初めて診断されていた。入院例の多くが手術適応であり,手術時年齢は50歳以上が多かった。先天性大動脈二尖弁,特に大動脈弁狭窄(AS)例の一部に上行大動脈の拡張が見られ,上行大動脈置換術が施行されていた」と報告した。
手術101例中28例に上行大動脈置換
対象は2005年 1 月~07年10月に同院に入院した成人先天性大動脈二尖弁135例で,男性は女性の約2.3倍の頻度(男性94例,女性41例)であった。
これらの患者を,大動脈閉鎖不全(AR)群42例, AS群74例,AR+AS群19例に分類,発症時期や治療について後ろ向きに検討した。
その結果,入院時年齢は19~83歳(中央値55歳)で,半数以上が50歳以上であった。
無症状に経過する例が多く,44%に当たる60例が健診で発見されていた。
その他の心起因の症状は,胸痛19例,息切れ42例,動悸 9例,めまい 9 例であった。
感染性心内膜炎に罹患した例,大動脈縮窄を合併していた例がそれぞれ 2 例,4例あった(表)。

手術適応は101例あり,73例に大動脈弁置換(AVR)が,上行大動脈が45 mm以上に拡張していた28例には上行大動脈置換が施行された。
9 例は昨年末時点で手術待機中であった。
また,調査した2005年 1 月~07年10月に,同院で大動脈弁疾患に施行したAVRは420例で,このうち73例が成人先天性大動脈二尖弁であった。
大動脈解離,マルファン症候群など他の疾患に上行大動脈置換を同期間に施行した86例のうち,先天性大動脈二尖弁が28例で約30%を占めていた。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M4109241&year=2008
Medical Tribune 2008.2.28
版権メディカル・トリビューンン社
<参考サイト>
二尖弁と大動脈疾患
http://blogs.yahoo.co.jp/chibanishi_artery/10510349.html
アーノルド・シュワルツネッガーも二尖弁による大動脈弁弁膜症により手術をしています。
正常な弁尖は右冠尖・左冠尖・無冠尖の3つからなりますが、二尖弁は前後型と左右型に分けられます。弁尖の癒合部位は、左冠尖と右冠尖(前後型)・右冠尖と無冠尖(左右型)が多いです。癒合した弁尖の間にはraphe(縫線)と呼ばれる線状構造が50~75%の症例に見られます。rapheを認めない例では弁輪狭小と狭窄を起こしやすいといわれています。
合併病変として、大動脈弁狭窄症または閉鎖不全症で、大動脈弁尖への血流の摩擦による機械的刺激は三尖よりも二尖のほうが大きく反応性繊維性変化や石灰化を生じやすくなり狭窄や逆流を生じるようになります。また、感染性心内膜炎を20~40歳に起こしやすく、大動脈二尖弁の10~30%に合併するといわれ、初発症状であることも多いです。
大動脈壁の異常を伴うことも多く上行大動脈や大動脈弁輪の拡大や、大動脈解離などを合併することがあります。また、大動脈縮窄や心室中隔欠損も合併することもあります。
ターナー症候群での大動脈縮窄や大動脈二尖弁の合併は有名です。
弁膜症とのつきあい方
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamph/pamph_41/panfu41_04.html
比較的若い方でも大動脈弁狭窄症が生じることがあります。これは「大動脈二尖弁」といわれる先天的な弁の異常によるものです。本来、大動脈弁は弁尖といわれる膜が3枚あって、それがうまく弁口をふさぐことによって弁が閉じる構造になっていますが、その弁尖が生まれつき2枚しかないために弁に負担がかかり、硬くなったり、逆流したりするものです。この疾患は決してまれなものではなく、ごく軽い場合まで含めると100人に1~2人が二尖弁だといわれています。
大動脈弁の閉鎖不全症は、リウマチ熱の後遺症、加齢に伴う変化、二尖弁など大動脈弁そのものの変化から生じるだけでなく、「大動脈瘤」や「マルファン症候群」といわれる大動脈の病気によっても生じます。
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第1回成人ASD/PFOカテーテル治療研究会
非冠動脈疾患のカテーテルインターベンション治療の普及目指す
心房中隔欠損症(ASD)に対する治療法として,従来の外科的閉鎖術に加えて,国内でも経カテーテル的閉鎖術が2005年に保険適用となり普及しつつある。
一方,卵円孔開存症(PFO)は,脳梗塞・奇異性塞栓症や片頭痛の発症機序として注目されており,内科的治療に抵抗性の場合,欧米ではカテーテル治療が考慮される。
このように成人領域の新しいカテーテル治療の普及が課題となるなか,第1回成人ASD/PFOカテーテル治療研究会が東京都で開かれ,約200人が参加した。
成人ASDカテーテル治療
適応評価には心エコー図診断が重要
ASDに対する経カテーテル的閉鎖術は外科的閉鎖術に比べて侵襲が少ない利点があるが,ASDの形態によっては適応できない症例がある。
岡山大学循環器内科の谷口学氏は,成人ASDカテーテル治療の適応評価の際には心エコー図診断が重要であり,(1)ASDの形態がカテーテル治療に適しているか
(2)手術が望ましい他の心合併症がないか
の 2 点を念頭に置いて検査を進めるとした。
欠損孔が大きい(30mm以上),周囲縁欠損,多孔型などはカテーテル治療が難しい場合が多いという。
ASD形態評価,心合併症検索を
Amplatzer Septal Occluder(ASO)を用いた経カテーテル的ASD閉鎖術の適応基準は,二次孔型,欠損孔のバルーン進展径38mm以下,欠損孔周囲縁5 mm以上(前縁欠損例を除く),左右短絡比(Qp/Qs)1.5以上,もしくはQp/Qs<1.5であってもASDに伴う心房性不整脈や奇異性塞栓を合併する症例,体重15kg以上(経食道ガイド下閉鎖術が十分可能)などとされている。
適応評価は,治療前の心エコー図診断により行う。
経胸壁心エコー図検査では,ASD閉鎖術の適応(位置,サイズ,Qp/Qs,Eigenmenger化の有無,右室容量負荷)を確認し,手術が望ましい心疾患合併(弁膜症,他の先天性心疾患,虚血性心疾患など)がないかを検索する。
また,術後心不全の可能性を検討して心機能評価(収縮能,拡張能)を行う。
ASDの形態評価は,おもに経食道心エコー図検査で行う。欠損孔の多くは正円でないため,サイズは 0 度,90度のほかさまざまな角度で評価し,収縮期末期の最大径を計測する。周囲縁(rim)は,0 ~20度(transverse plane)で全体像を把握し,おもに 0 度で前縁,後縁,90~110度(longitudinal plane)で上縁,下縁の各最小部分を計測し,十分な周囲縁(5 mm以上)の有無を確認する。
さらに,欠損孔辺縁と心内構造物(僧帽弁前尖,三尖弁,右上肺静脈)との距離を計測し,閉鎖栓の突出部と十分な距離(5 mm以上)が確保できるかを評価するとした。
治療後の心不全対策などが課題
ASD患者は40歳前後で症状が増悪して受診することが多い。
埼玉医科大学国際医療センター小児心臓科の小林俊樹教授は,成人のASDカテーテル治療について解説。
「成人ASDの治療では,心房性不整脈や房室弁閉鎖不全,肺高血圧,心予備能低下などが問題となる。
特に50~60歳以上の症例では左室拡張能が低下していることが多く,このような症例には閉鎖後の心不全対策として,閉鎖前からのホスホジエステラーゼ(PDE)-III阻害薬の予防的投与などを考慮する」と述べた。
早期に心機能改善の可能性も
同センターのASD治療方針として,左房内血栓を有する症例はカテーテル治療を禁忌とし,持続的な心房細動,心房粗動,明らかな房室弁閉鎖不全を有する症例は手術適応とする。
労作時などに間欠的に心房細動,心房粗動を有する症例にはカテーテル・アブレーションを先行し,その後閉鎖術を施行する。
成人ASDのカテーテル治療は,大きな閉鎖栓の操作に習熟すると,心房が大きくカテーテル操作により閉鎖栓の位置や角度を調整可能なため,10歳未満の小児よりも技術的に容易なことが多い。
しかしその半面,経食道エコー検査のASD計測径に比べて大きな閉鎖栓が必要になる傾向があり,特に周囲縁が脆弱な症例ではその傾向が強いという。
左心機能の拡張能が著しく低下している症例では,ASD閉鎖直後に左室前負荷の増大により心不全を呈することがあるため,PDE-III阻害薬などを閉鎖術前後に予防投与する。
左心拡張能低下が軽度であっても,閉鎖後日常生活に復帰して心不全症状を一過性に訴える場合は,退院後短期間,利尿薬やACE阻害薬を投与する。
成人経カテーテル的ASD閉鎖術の成績は現在調査中だが,閉鎖後 3 か月以内に胸部X線や心エコー所見は改善し,自覚症状の改善も 1 ~ 3 か月以内に得られており,手術に比べて早期に心機能が改善する可能性が考えられるとした。
卵円孔開存症・PFO
脳梗塞の5%が奇異性塞栓症
~ 川崎医科大学病院前向き調査 ~
奇異性塞栓症とは心原性脳塞栓症の 1 つで,深部静脈血栓(VDT)が,PFOに代表される右左シャント疾患を介して動脈に流入し塞栓症を生じる。
川崎医科大学脳卒中医学の木村和美教授は,脳梗塞連続240例の前向き調査の結果から,脳梗塞における奇異性塞栓症の頻度は 5 %と予想外に多く,さらに45歳未満の若年患者では約 3 割にのぼることを示した。
45歳未満では3割と高率
奇異性塞栓症は,
(1)神経放射線医学的に脳塞栓症
(2)右左シャントの存在
(3)右左シャント以外の塞栓源(心疾患,動脈病変)がない(4)静脈血栓塞栓症(VDT/肺塞栓症)の存在
の 4 項目すべてを満たす場合に診断される。
右左シャントの検査は,経食道心エコー法が最も優れているが,経頭蓋ドプラ(TCD)で脳血流のマイクロバブルを検出する方法も用いられる。
ただし,TCDは日本人では経頭蓋的に脳動脈の検出頻度が低いため,眼窩窓からアプローチするとよいという。
同科では,発症10日以内の脳梗塞連続240例を対象に奇異性塞栓症の頻度を前向きに検索した結果,脳梗塞240例中48例(20%)が右左シャント陽性を示し,12例( 5 %)が奇異性塞栓症と診断された。
奇異性塞栓症の頻度は,45歳未満の若年脳梗塞群(13例)では約 3 割と高かった。
奇異性塞栓症は女性に多く,多発性脳梗塞が多いことも特徴だという。
また,高血圧や糖尿病のないラクナ梗塞,原因不明の一過性脳虚血(ITA),院内発症の脳梗塞および担がん患者の脳梗塞において,右左シャント陽性率が高く,これらの発症機序に奇異性塞栓症が関与する可能性について報告している。
木村教授は「院内発症の脳梗塞は死亡率が高く,心房細動と関連することが報告されている。
われわれの検討でも,院内発症の脳梗塞の半数以上で右左シャント陽性もしくは心房細動が認められており,長期臥床患者にPFOがあると奇異性塞栓症のリスクが高まる可能性がある。
心房細動を認める入院患者には抗凝固療法を行うことが重要になる」と述べた。
~ PFOカテーテル治療の試み ~
再発性脳梗塞合併例に施行
岡山大学循環器疾患治療部循環器内科の赤木禎治准教授らは,再発性脳梗塞合併例を対象にASDの閉鎖器具を用いてPFOカテーテル治療を行った 2 例を提示し,「再発性脳梗塞や片頭痛に対するPFOカテーテル治療は国際的に急速に広まっており,わが国でも導入が検討されるべきである。これまでのチーム医療の枠組みを超えた診療体制づくりが求められる」と述べた。
循環器内科,神経内科の協力体制を
現在,国内にはPFO閉鎖を目的とした専用の閉鎖器具は使用できないが,この治療で先行する欧米では多くの新しい器具が開発され,大規模な治験が行われている。
同大学病院ではASDカテーテル治療をこれまでに130例(平均年齢30.4±24.2歳)に施行した。
また,10歳代と60歳代の再発性脳梗塞 2 例に対してASDの閉鎖器具を用いてカテーテル治療を施行し, PFOを完全に閉鎖できた。
術後それぞれ 1 年,6 か月を経過したが,合併症は認められていない。
ASDの閉鎖器具と比べて,PFO専用の閉鎖器具は左房側が小さく,右房側が大きいことと,中央の接続部分が細いことが特徴だ。
ASDの閉鎖器具は短絡孔の周囲縁が柔らかい場合に代用が可能だが,一部のPFO症例にしか適応できないという。
赤木准教授は「PFOカテーテル治療の対象はおもに成人の再発性脳梗塞症例で,内科的治療と比較した適応判断が重要になる。
手技は比較的単純だが,診断や治療に際して,神経内科と循環器内科の協力体制による総合的アプローチが必要である」と述べた。
成人ASD/PFOカテーテル治療研究会
非冠動脈疾患のカテーテルインターベンション治療の技術向上や教育・普及を目的として,日本心血管インターベンション学会(JSIC),日本心血管カテーテル治療学会(JSICC)の後援,日本Pediatric Interventional Cardiology研究会,日本成人先天性心疾患研究会の協力により設立された。
中高年期に発見されることの多いASDの軽症例や,PFOに起因する再発性脳梗塞に対するカテーテル治療を,成人領域で取り組むべき重要な課題としている。
循環器内科領域のカテーテルインターベンション施行施設(JSIC・JSICC)を対象に昨年実施した調査によると,診断カテーテルの年間総数の約7%が先天性疾患で,その半数をASDが占めているという。
なお,第 2 回成人ASD/PFOカテーテル治療研究会は,7 月に名古屋市で開催されるJSIC学術集会中に開かれる。
第 1 回成人ASD/PFOカテーテル治療研究会
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M4108401&year=2008
Medical Tibune 2008.2.21
版権 メディカル・トリビューン社

ビュッフェ HEIAN SHRINE KYOTO
http://page5.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/e77846693
心房中隔カテーテル治療について
http://www.okayama-u.ac.jp/user/cvs/staff/Akagi-1.html
アンプラッツアーセプタルオクルーダーはニチノールと呼ばれる特殊な金属(形状記憶合金)の細い線から作られたメッシュ状の閉鎖栓です。両側の広がった部分(ディスク)とくびれた部分(ウエスト)には、特殊な布(ダクロン)が縫い付けられています。この布は、心臓の手術の時に利用されるものと同じ成分です。このくびれた部分を心臓の欠損孔の部分に合わせるように入れて、左右の広がった部分で穴の両側から挟みこんで、穴を閉じます。
この閉鎖栓を使った治療は、8年ほど前から欧米を中心に始まり、これまでに5万例を越える治療が行われてきています。これまで手術によって開胸を伴う外科的な心房中隔欠損の閉鎖術に代って、患者さんの負担を少なく、かつ安全に行える有効な方法として考えられています
(岡大のサイトです。写真入りで詳しく説明されています。)
「心房中隔欠損症」カテーテル治療
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/saisin/20060519ik0c.htm
日本では、治療技術の向上を図るため、国立循環器病センター小児科部長の越後茂之さんが中心となり研究会を設立。治療を実施できる施設の条件として〈1〉先天性心疾患に対するカテーテル治療の実施件数が一定以上ある〈2〉研究会が定めた新治療の教育プログラムを受けた医師のみが行う――などを課している。
現在、治療できる施設は国立循環器病センター、埼玉医大、岡山大の3か所だが、「今後は増えるとみられる」。閉鎖栓が輸入承認された昨年3月以降、計59人に治療が行われ、栓の脱落もなく、全例で経過は良好だ。
(2006年5月19日 読売新聞)
一般の方を対象にわかりやすく解説しています。
また2006年時点での心房中隔欠損症のカテーテル治療を行っている病院、今年度中に治療開始を予定している病院が紹介されています。
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