戯れ言たれる侏儒
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心房中隔欠損症
http://mymed.jp/di/uyr.html
■ 右房と左房を隔てる心房 中隔に欠損孔があるために,通常は(左房圧が右房圧より高いので)左右短絡を生じる(厳密には右室のコンプライアンスが左室のコン プライアンスよりも高いこと,による)。
乳児期早期には右室コンプライアンスが低いために左右短絡が生じにくく,成長とともに右室コンプライアンスが高く なるに従い,左右短絡が増加する。
■また欠損孔の位置・欠損孔周囲の辺縁組織の有無や長さの評価等,治療法の決定にも有用である。

■経食道心エコー検査(幼小児では全身麻酔が必要になることもある)では,経胸壁心エコー検査では診断が困難な多孔性欠損或いは静脈洞欠損の診断に有用である。

■ 我国では通常小学校入学前の 手術が一般的であるのに対して,欧米では2-3歳での手術が多い。
就学前の5-6歳では体重が15-20 kgに達していることが多く,そのためにいわゆる無輸血手術(他家血を使用しない)が80-90%の症例で可能になることが理由の1つである。
■欠損孔の大きさ・位置や欠損孔周囲の辺縁組織が閉鎖装置を留置するのに十分な余裕があるか否か,等によってカテーテル治療の適応が決定される。


カテーテル治療のリスク

http://www1.bbiq.jp/hearts/risk.html

(私的コメント;成人の方の体験談です)

他に、成人例の「手術体験談」もありました。 http://rinpersonal.blog110.fc2.com/blog-category-9.html

 
心房中隔欠損症の手術
http://www.doctorblackjack.net/about_ope/ope_05.html
(心臓血管外科医・渡邊 剛教授の公式サイトです。術中写真入りのスマートなサイトです。ロボット手術での心房中隔欠損閉鎖術も紹介されています。)



心房中隔欠損症のカテーテル治療について

http://www.jhf.or.jp/senmoni/q&a/sinboutyukaku.html
(日本心臓財団のサイトです)


 
心房中隔欠損症
http://jscvs.umin.ac.jp/jpn/manuscripts/IV_2.html
(東京大学医学部附属病院・竹内 功先生が書かれています。心臓外科医向けに具体的に手術のコツが紹介されています)


心房中隔欠損症

http://caloo.jp/dpc/code/140300
(全 国の手術実績が紹介されています。しかし、「2009年7月〜12月退院患者の統計」ということで、現在がどうかはわかりません。また、カテーテル治療が 「その他手術」か「手術なし」に分類されるのかもわかりません。もし「手術なし」が経過観察を意味する ならば、これも「治療実績」なのでしょうか。)

 
心房中隔欠損症に対するカテーテル閉鎖術
http://cardio.icn.jp/k/05.html
(岡山大学循環器内科のHP)


 
心房中隔欠損症
http://www.jll.co.jp/product-info/guide_03.html

 
Atrial septal defect
http://en.wikipedia.org/wiki/Atrial_septal_defect
Associated conditions
Due to the communication between the atria that occurs in ASDs, disease entities or complications from the condition, are possible.
■Decompression sickness
ASDs, and particularly PFOs, are a predisposing risk factor for decompression sickness in divers because a proportion of venous blood carrying inert gases, such as helium or nitrogen does not pass through the lungs.

 

The only way to release the excess inert gases from the body is to pass the blood carrying the inert gases through the lungs to be exhaled. If some of the inert gas-laden blood passes through the PFO, it avoids the lungs and the inert gas is more likely to form large bubbles in the arterial blood stream causing decompression sickness.
■Paradoxical emboli

Venous thrombi (clots in the veins) are quite common. Embolization (dislodgement of thrombi) normally go to the lung and cause pulmonary emboli. In an individual with ASD, these emboli can potentially enter the arterial system. This can cause any phenomenon that is attributed to acute loss of blood to a portion of the body, including cerebrovascular accident (stroke), infarction of the spleen or intestines, or even a distal extremity .......(i.e.: finger or toe).

This is known as a paradoxical embolus because the clot material paradoxially enters the arterial system instead of going to the lungs.

■Migraine

Some recent research has suggested that a proportion of cases of migraine may be caused by patent foramen ovale. While the exact mechanism remains unclear, closure of a PFO can reduce symptoms in certain cases.
This remains controversial. 20% of the general population have a PFO, which for the most part, is asymptomatic. 20% of the female population have migraines. And, the placebo effect in migraine typically averages around 40%.
The high frequency of these facts makes statistically significant relationships between PFO and migraine difficult (i.e., the relationship may just be chance or coincidence).
In a large randomized controlled trial the higher prevalence of patent foramen ovale in migraine patients was confirmed, but migraine headache cessation was not more prevalent in the group of migraine patients that underwent closure of their patent foramen ovale.
Viral Meningitis
It's likely that a virus can pass through PFO, therefore not being filtered by the lungs, and sent directly to the brain. This can cause a type of sinusitis which can lead to viral meningitis.


心房中隔欠損症の治療 カテーテルで穴ふさぐ
http://qnet.nishinippon.co.jp/medical/news/kyushu/post_142.shtml
心房中隔欠損症
http://www.eonet.ne.jp/~aoikaze/sikkan/sikkan11.html
(ASDの心エコーの所見が解説されています)


~高齢ASDに対するカテーテル治療~
合併症も少なく,症状は著明に改善
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2010/M43070291/
 (Medical Tribune  2010.2.18)
■カテーテル治療で欠損部を閉鎖できたのは93%。急性合併症は皆無であった。
■治療後,NYHAクラスは7割近い患者で改善し,患者の3分の2は心不全症状のない I 度となった。
さらに,右室収縮期圧や右室拡張期径,脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)レベル,心拍数といったパラメーターはいずれもフォローアップ時に有意な改善が見られた。
■以上の結果から,同氏は「高齢ASD患者に対してもカテーテル治療は安全かつ有効であることがわかった。
したがって,こうした高齢患者にも同治療が推奨される」との考えを示した。
〜心房中隔欠損症の閉鎖栓治療〜 欠損孔20mm超の就学前小児には困難
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2009/M42130511/
(Medical Tribune  2009.3.26)
■Amplatzer閉鎖栓(Amplatzer Septal Occluder®;ASO)を用いた心房中隔欠損症(ASD)のカテーテル治療は,就学前小児でも良好な成績が得られているものの,欠損孔径20mm超の症例への実施は困難。
 
〜心房中隔欠損症〜 外科的閉鎖と経皮的閉鎖は同等の良好な成績
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2009/M42120301/
(Medical Tribune  2009.3.19)

 

■外科的閉鎖とASOによる経皮的閉鎖はともに死亡や重大な合併症がなく,同等の非常に良好な結果が得られている。


適応評価には心エコー図診断が重要
■欠損孔が大きい( ≥ 30mm),周囲縁欠損,多孔型などはカテーテル治療が難しい。
■Amplatzer Septal Occluder(ASO)を用いた経カテーテル的ASD閉鎖術の適応基準は,二次孔型,欠損孔のバルーン進展径 ≤ 38mm,欠損孔周囲縁 ≥ 5 mm(前縁欠損例を除く),左右短絡比(Qp/Qs) ≥ 1.5,もしくはQp/Qs<1.5であってもASDに伴う心房性不整脈や奇異性塞栓を合併する症例,体重 ≥ 15kg(経食道ガイド下閉鎖術が十分可能)などとされている。
  (Medical Tribune  2008.2.21)
■経胸壁心エコー図検査では,ASD閉鎖術の適応(位置,サイズ,Qp/Qs,Eigenmenger化の有無,右室容量負荷)を確認し,手術が望ましい心 疾患合併(弁膜症,他の先天性心疾患,虚血性心疾患など)がないかを検索する。
また,術後心不全の可能性を検討して心機能評価(収縮能,拡張能)を行う。
ASDの形態評価は,おもに経食道心エコー図検査で行う。欠損孔の多くは正円でないため,サイズは 0 度,90度のほかさまざまな角度で評価し,収縮期末期の最大径を計測する。
周囲縁(rim)は,0 〜20度(transverse plane)で全体像を把握し,おもに 0 度で前縁,後縁,90〜110度(longitudinal plane)で上縁,下縁の各最小部分を計測し,十分な周囲縁( ≥ 5 mm)の有無を確認する()。
さらに,欠損孔辺縁と心内構造物(僧帽弁前尖,三尖弁,右上肺静脈)との距離を計測し,閉鎖栓の突出部と十分な距離( ≥ 5 mm)が確保できるかを評価するとした。

 
<参考サイト>
低侵襲心臓外科手術(Minimally invasive cardiac surgery, MICS)
http://www.coe-cancer.keio.ac.jp/jp/member/yozu2.html
http://www.saimiya.com/sinryou/sinzouke.html


 

その他
「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/
(循環器専門医向き)
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
「井蛙」内科メモ帖 
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/  
があります 

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先週、学校検診で心電図異常を指摘された小学校1年生の女児が母親に連れられて来院しました。
ちょっとやせ型というだけに発育異常もありません。
生来、心臓の異常を指摘されたことはなく運動も普通にやって来たとのことでした。

持参した心電図の自動解析のコメントは「陰性TV4、右軸偏位」、判読医のコメントは「陰性T」です。

聴診上、心雑音はまったくありません。
そして胸部写真も異常を指摘できませんでした。
しかし、これが固定性分裂というのかというはっきりしたⅡ音分裂が聴取されました。

念のためと思って心エコー検査(UCG)の予約をして帰ってもらいました。

後日行ったエコー検査では、しっかり「ASD」でした。
ASDは就学後の検診で100%見つかるといわれます。
心雑音なし、胸部写真正常ということで、見落とすところでした。

もし今回、見落としていれば一生気付かれなかった可能性もあります。(冷汗)
左Ⅱ弓の突出は認めません。強いて言えば左肺動脈主幹部がやや太いかも知れません。
ちょっと見には正常です。
四肢誘導
胸部誘導

  
V1 拡大図。
R波の上行脚にnotchを認める。
rsR'patternとは異なるが、Ⅰ, V5, 6の幅広いS波からは不完全右脚ブロック所見と解釈すべきかも知れない。
V1~V4のT波陰点も右側胸部誘導の負荷と読むべきというより素直に不完全右脚ブロック所見賭するべきなのだろうか。
<参考>
心房負荷
http://www.udatsu.vs1.jp/atrial-overload.htm
心室肥大
http://www.udatsu.vs1.jp/vent-fuka.htm
心房中隔欠損(二次孔)では、いわゆる不完全右脚ブロック所見(V1のrsR′型、Ⅰ, V5, 6の幅広いS波)を示す。(右室拡張期性

 


 
欠損口は6.6mm.

 

IVSの奇異性運動を認める。
右室拡大あり。
 

 


<関連サイト>

心房中隔欠損症(日本小児外科学会)
http://www.jsps.gr.jp/05_disease/cv/ASD.html
(治療実施医療機関についてはサイト内で紹介されています)
■先天性心疾患の7~10%を占め,比較的よく見られる病気です.
通常,左心房の血液が右心房に流れこみますが,成人まで放置されたときには稀に右から左へ 流れることもあります.
乳幼児期に心不全症状が現れることはほとんどなく,三才児検診や,小学校入学時の検診で疑われて発見されることが大部分です.
肺静脈還流異常,肺動脈狭窄,心室中隔欠損などを伴うことがあります.

心房中隔欠損
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%83%E6%88%BF%E4%B8%AD%E9%9A%94%E6%AC%A0%E6%90%8D
■先天性心疾患の他、心筋梗塞等で発症する。
■中央部欠損型(卵円孔開存)が70%、下部欠損型が20%、高位欠損型が10%、となっている。
■女性等華奢な体格の人に良く診られる。
聴診 
肺動脈領域の駆出性収縮期雑音
右心負荷による肺高血圧症による。
II音の固定性分離
正常心音のII音は大動脈弁の閉鎖音(大動脈成分、以下IIa)と肺動脈弁の閉鎖音(肺動脈成分、以下IIp)とから構成されるが、本症では右心負荷によってIIpが常にIIaよりも遅れて別々に聞こえるので、これをII音の分離という。遅れ方が常に一定なので固定性分離と言う。
III音
収縮期に左心房から右心房へ短絡した血液の分だけ肺循環系を通って左心房へ多く流れ、その分だけ拡張早期に左心房から勢いよく血液が左心室壁を振動させる事で生じる。
胸骨左縁下部の拡張中期雑音
左右短絡による相対的三尖弁狭窄による。
欠損が極めて小さく10歳以下の場合は自然閉鎖も期待できる場合もある。

短絡量が50%以下の場合は手術の必要が無いものもある。
短絡量が50%以上の場合は幼児期に待機手術を行う。手術療法は、過去においては人工心肺を使用し実際に胸を切り開き直視下で欠損孔を縫って閉じる パッチと呼ばれる手術方法しかなかったが、米国のAGA Medical Corporationが製造するAmplatzer(アンプラッツァー) Septal Occluderと(ASO)呼ばれる欠損孔を閉鎖する専用の医療機器を国内の企業が2005年に厚生労働省より輸入の承認を取得しASD閉鎖セットの販 売名で医療 現場へ提供を行っている。
。2008年6月現在、国内での治療実施数は800人を越えて新しい治療として確立しつつあるが、沖縄、東北、北海道にはこの治療を行える施設が無いのも問題点の一つであろう。
(実施医療機関も紹介されています)
■40歳以上でうっ血性心不全を生じて、右心不全を来たしやすい。
乳児期に発見された場合、自然閉鎖する事もある。


心房中隔欠損
http://www.amplatzer.jp/
(心房中隔欠損欠損症の患者さんや家族にも推薦できるサイトです。2011年4月現在「心房中隔欠損症のカテーテル治療」を実際に行ったいる病院も紹介されています。)
心房中隔欠損症について
http://www.hosp.go.jp/~swymhp2/kyuoubukekkangeka/asd.html
■心房中隔は発生学的に2枚の膜でできています。
胎生期に最初にできる膜が一次中隔、あとでできる膜が二次中隔です。
出生後はこの2枚の膜が重なってくっつき1枚の心房中隔となり左右の心房の境の壁となります。
胎生期には2枚の膜の間に間隙があり、そこを通って右心房に戻った血液の大部分は左心房に流入しま す。
この間隙を卵円孔といい、出生後は自然に閉鎖します。
心房中隔欠損症はこの一次中隔または二次中隔の欠損で発生します。
最も多いタイプが二次中隔欠損 です。
■心房中隔欠損は、通常大人では横1-4cm、縦2-5cmの楕円形をしています。
通常は、体外循環下に右心房を切開して、小さい穴の場合には、直接縫合して閉鎖します。
大きな場合には、ゴアテックス製のパッチを用いて閉鎖します。
■一般的に、小学校へ入学前の4-5歳位に行うことが推奨されています。


心房中隔欠損症
http://president.jp.reuters.com/article/2010/06/19/4F2D93F2-6F98-11DF-873D-C5D83E99CD51.php
■心房中隔欠損症が発見されると、選択肢は以下の3点。(1)「一生、そのまま」
(2)「いつか手術をして治す」
(3)「いつかカテーテル治療で治す」
たとえば、開いている孔が5ミリ以下であれば選択は(1)、10ミリ前後であれば選択は(3)、15ミリ以上であれば選択は(2)になる。
■一生、そのままの場合でも孔は成長に伴って大きくなるので、成人であってもその点はしっかり考え、定期的に状況を検査する必要がある。
カテーテル治療 は脚の付け根の動脈から、直径約2ミリの細い管・カテーテルを入れて心臓の右心房にまで通す。次に、そのカテーテルを閉じなかった孔 を使って右心房から左心房へ通す。
カテーテルが左心房に入ったら、そこで“ワンタッチ傘”を開くようにする。これがアンプレッサーである。
■傘は手前に引くと壁である中隔に引っかかり、カテーテルをまわすと傘がカテーテルからはずれる。
そして、右心房側にも同様の傘をつけて心房中隔を挟むように固定する。
これで治療は完了。
■ただし、前述の通り孔が10ミリ前後であること以外に、もうひとつ条件がある。
孔がどこに開いているか、である。
中央に開いているのが適応となる。
条件に合うと身体に傷をつけないカテーテル治療が受けられる。
■大人は孔が大きいので人工血管用に開発されたPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)パッチを使って閉鎖する。
(私的コメント;自己心膜という選択もあるそうです)
■術後、患者は3日程度で退院できる。
■さらに、今、日本では遠隔治療用のロボット手術機の「ダ・ヴィンチ」を使った手術も行われている。
この場合、脇の下あたりに4カ所、直径10ミリ程度の刺し傷がつくだけなので、1年も経つと傷跡は見えなくなってしまう。
ただし、ダ・ヴィンチでの手術は、日本では金沢大学医学部附属病院と東京医科大学病院でしか行われていない。
また、保険の適用はない。
■このような心房中隔欠損症だが、13年くらい前から、小学校入学時に心電図を取るようになり、その時点でほぼ100%発見されるようになっている。
(私的コメント;私は、「うっかり聴診」と「心電図」「胸部写真」だけでは診断を誤る、つまりASDを見逃すところでした。改めてUCGの威力を再認識しました。)


 
その他
「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/
(循環器専門医向き)
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
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成人の心房中隔欠損

戯れ言たれる侏儒 / 2011.05.25 00:33 / 推薦数 : 0
成人の心房中隔欠損は何科?
カテ治療の普及で増える高齢患者に小児科が苦慮
成人先天性心疾患 の中でも患者数の多い心房中隔欠損症。
カテーテル治療の普及により、高齢患者も増加した。
だが同治療は小児科が担ってきたことから、成人患者が小児科に集中している。
先天性心疾患の中で最も患者数が多い心房中隔欠損症(ASD)。
以前は外科手術で欠損孔を閉鎖する方法しかなかったが、2005年3月に「AMPLATZER Septal Occluder」というデバイスが承認され、アテーテル治療による欠損孔の閉鎖術が可能になった。
この治療法は、ニッケルとチタンの合金で編まれたデバイス(図1)がカテーテルに収められており、欠損孔にカテーテルを通してバルーンで膨らませると、デ バイスが欠損孔を挟み込むように密着して固定されるというもの。
低侵襲であることなどから徐々に施行例が増え、10年には累計2000件を突破した。
 
 
AMPLATZER Septal Occluderは、ニッケル・チタン合金のワイヤを編み込み、2枚の円盤が合わさったような構造をしている。
カテーテルを欠損孔に通した後、バルーンで膨らませると、2枚の円盤様構造が欠損孔を挟み込むように固定される。
 
成人の治療例が増加
しかし、施行例の増加に伴って患者層が変わってきた。ASDのカテーテル治療を行った患者のうち、40歳以上 が約25%、60歳以上が10%強を占めるなど、成人患者が多くなってきたのだ(図2)。
これは、成人期になって初めてASDと診断された患者がカテーテ ル治療を選んだり、外科治療を躊躇する成人患者が、カテーテル治療を希望するケースが増えているためだと考えられる。

 

2005年3月~10年8月に、AMPLATZER Septal Occluderを用いて治療を行ったASD患者の割合を年齢別に示した。
最も人数が多いのは10歳代だが、20歳以上の成人患者も半数近くを占める。
 
高齢者の場合、悪性腫瘍や糖尿病、高血圧、脳梗塞などの基礎疾患を抱えていることも多い(次ページ症例参照)。
国立循環器病研究センター小児循環器科の矢崎諭氏は、「合併症の管理などには習熟していない小児科で、すべての成人患者を受け持つには限界がある」と指摘する。
そのため同センターでは、小児循環器科医が内科医とチームを作り、適応の判断や治療入院時の合併疾患の管理などについては内科医に協力を仰ぐようにした。
患者の重症度によっては内科入院のまま、カテーテル治療のみを小児循環器科が行う。
矢崎氏は「内科との連携は非常に重要」と強調する。
 
循環器科に高いハードル
そもそもこのカテーテル治療には、循環器科が参入しにくい事情があった。治療実施のための教育プログラムを受けるには、日本Pediatric Interventional Carduology学会(JPIC)による、小児循環器科医向けの厳密な施設基準と術者基準を満たす必要があった。
そのため高齢の患者であっても、治療を行えるのは小児科医に限られていたのだ。
榊原記念病院(東京都府中市)循環器内科部長の高山守正氏らは、日本心血管インターベンション治療学会(CVIT) の専門医資格を持つ循環器科医もカテーテル治療を行えるよう、07年からJPICに働きかけてきた。10年にはJPICとCVITが合同教育委員会を設置。
CVIT専門医も教育プログラムを受講できることになり、施設基準が拡大された。
これを受けて、10年には4施設のCVIT専門医4人が術者基準を満 たした。
しかし、小児を診ていない循環器科医にとっては依然としてハードルが高い。
術者基準には、「1年間に直接施行した先天性心疾患または構造的心疾患のカテーテル治療が15例以上」などの条件があり、それらを満たすのは簡単ではない。
昨年術者として認定された東邦大医療センター大橋病院循環器内科の原英彦氏は、「今の時点では、国内だけで必要な症例数を経験することは難しいだろう」と話す。同氏も症例数の多い複数の海外の医療機関に出向し、認定に必要な経験症例数を満たすことができたという。
11年には新たに5施設が認定される見込みだが、循環器科医がどう必要症例数を満たし、治療資格を維持するかは、今後解決すべき課題といえる。
先天性心疾患全体の問題
ASDで提起された問題は、実は先天性心疾患全体の問題でもある。
小児期に診断され、手術を含む積極的治療が行われることが多かったため、治療の主な担い手は小児科だった。だが現在、わが国の成人の先天性心疾患患者は30万~40万人。
さらに年間1万人ずつ増加しているといわれる。
成人した先天性心疾患患 者をどの診療科で診るのか、そのシステムはまだ整備されていない。
国立循環器病研究センターでは、小児循環器科と循環器内科が共同で受け持つ「成人先天性心疾患外来」を10年12月に開設した。
 
細やかなフォローアップが必要な複雑先天性心疾患の患者を、両診療科が連携して診ていく方針だ。
矢崎氏は「欧米では、人口1000万~2000万人に1施設の割合で、成人先天性心疾患患者を診る医療機関が設けられようとしている。いずれ日本でも センター化の検討は必要だろう」との意見だ。
「本来ならば循環器内科医が診るべき高齢の成人先天性心疾患患者を、小児科医に負担をかけず、しっかりと治療できる体制をつくりたい」と高山氏も話している。
 
出典   NM online 2011.2.10
版権 日経BP社
 
<関連サイト>
非冠動脈疾患のカテーテルインターベンション
http://blog.m3.com/reed/20080222/1
■心房中隔欠損症(ASD)に対する治療法として,従来の外科的閉鎖術に加えて,国内でも経カテーテル的閉鎖術が2005年に保険適用となり普及しつつある。
■ASDに対する経カテーテル的閉鎖術は外科的閉鎖術に比べて侵襲が少ない利点があるが,ASDの形態によっては適応できない症例がある。
■成人ASDカテーテル治療の適応評価の際には心エコー図診断が重要であり,(1)ASDの形態がカテーテル治療に適しているか(2)手術が望ましい他の心合併症がないかの 2 点を念頭に置いて検査を進める。
■欠損孔が大きい(30mm以上),周囲縁欠損,多孔型などはカテーテル治療が難しい場合が多い。
■Amplatzer Septal Occluder(ASO)を用いた経カテーテル的ASD閉鎖術の適応基準は,二次孔型,欠損孔のバルーン進展径38mm以下,欠損孔周囲縁5 mm以上(前縁欠損例を除く),左右短絡比(Qp/Qs)1.5以上,もしくはQp/Qs<1.5であってもASDに伴う心房性不整脈や奇異性塞栓を合併 する症例,体重15kg以上(経食道ガイド下閉鎖術が十分可能)などとされている。
■ASDの形態評価は,おもに経食道心エコー図検査で行う。
欠損孔の多くは正円でないため,サイズは 0 度,90度のほかさまざまな角度で評価し,収縮期末期の最大径を計測する。周囲縁(rim)は,0 ~20度(transverse plane)で全体像を把握し,おもに 0 度で前縁,後縁,90~110度(longitudinal plane)で上縁,下縁の各最小部分を計測し,十分な周囲縁(5 mm以上)の有無を確認する。
さらに,欠損孔辺縁と心内構造物(僧帽弁前尖,三尖弁,右上肺静脈)との距離を計測し,閉鎖栓の突出部と十分な距離(5 mm以上)が確保できるかを評価する。
■ASD患者は40歳前後で症状が増悪して受診することが多い。
■成人ASDの治療では,心房性不整脈や房室弁閉鎖不全,肺高血圧,心予備能低下などが問題となる。
特に50~60歳以上の症例では左室拡張能が低下していることが多く,このような症例には閉鎖後の心不全対策として,閉鎖前からのホスホジエステラーゼ(PDE)-III阻害薬の予防的投与などを考慮する。
■左房内血栓を有する症例はカテーテル治療を禁忌とし,持続的な心房細動,心房粗動,明らかな房室弁閉鎖不全を有する症例は手術適応とする。
■労作時などに間欠的に心房細動,心房粗動を有する症例にはカテーテル・アブレーションを先行し,その後閉鎖術を施行する。
■成人ASDのカテーテル治療は,大きな閉鎖栓の操作に習熟すると,心房が大きくカテーテル操作により閉鎖栓の位置や角度を調整可能なため,10歳未満の小児よりも技術的に容易なことが多い。
しかしその半面,経食道エコー検査のASD計測径に比べて大きな閉鎖栓が必要になる傾向があり,特に周囲縁が脆弱な症例ではその傾向が強い。
■左心機能の拡張能が著しく低下している症例では,ASD閉鎖直後に左室前負荷の増大により心不全を呈することがあるため,PDE-III阻害薬などを閉鎖術前後に予防投与する。
左心拡張能低下が軽度であっても,閉鎖後日常生活に復帰して心不全症状を一過性に訴える場合は,退院後短期間,利尿薬やACE阻害薬を投与する。
 
その他
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DES時代のCABG

戯れ言たれる侏儒 / 2011.03.09 00:03 / 推薦数 : 1
第41回日本心臓血管外科学会(2月23~25日,千葉県浦安市)で発表されたDES時代の冠動脈バイパス術(CABG)の現状を考察する2演題を紹介した記事で勉強しました。
 
DES時代のCABGでは何が変わったのか?
薬剤溶出ステント(DES)がわが国に登場してから7年が経過する。
以前はワイヤが到達しなかったり,通過できなかった病変でも成績が向上し,複雑病変 に経皮的冠動脈インターベンション(PCI)が施行される機会が増加している。
このような内科的治療の進歩で外科側はどのような変化を経験しているのか。
第41回日本心臓血管外科学会(2月23~25日,千葉県浦安市)で発表されたDES時代の冠動脈バイパス術(CABG)の現状を考察する2演題を紹介する。
 
“オフラベルユース”後の紹介が圧倒的なDES
DES登場後,PCI施行後にCABGへ送られるケースに変化はあったのか。
 
まず,東京医科歯科大学大学院心臓血管外科の三原茜氏は,長岡英気氏らとともに行ったDESとベアメタルステント(BMS)の比較を紹介した。
三原氏らは,2005年11月~10年8月に行われた単独CABGのうち,以前にPCIが実施された53例をBMS群34例とDES群19例に分けて比べた。
なお,BMSとDESがともに留置された症例はDES群とした。
患者背景については,DES群では糖尿病症例が84%でBMS群の2倍近い比率となっていた。
また,PCI後にCABG施行へ至る平均期間が,BMS群が999日なのに対してDES群は198日と短かった。
平均ステント留置本数は,BMS群1.3本に対してDES群2.4本と多く,左冠動脈 主幹部(LMT)を含む症例の割合もBMS群27%に対してDES群63%と有意に高くなっていた)。
 
同氏は,DESの登場で「LMT」,「3枝病変」,「完全閉塞病変(CTO)」などの“オフラベルユース”が増加したと考察
実際に,同氏らの検討ではDES群の85%が“オフラベルユース”であった。
 
DESの“オフラベルユース”:
添付文書には「禁忌・禁止」に該当する条件として「急性心筋梗塞を発症した患者,保護されていない左冠動脈主幹部・冠動脈 入口部又は分岐部に病変が認められる患者,冠動脈バイパス手術(CABG)がより好ましい患者」などが挙がっている。
ステントによって若干異なる。
 
また,DES群でLMT病変を有し,CABGを実施した14例のうち,左冠動脈(LCA)へのPCI例が85%を占めていたことから,LCA領域へのPCI操作がLMT病変の発生や進行に影響した可能性があると考察した。
ただし,CABGの成績についてはBMS留置後とDES留置後で差はなく,平均追跡期間1.4年での生存率もBMS群94%に対してDES群100%と良好であった。
 
 
再血行再建術を除いてもハードエンドポイントでCABGが勝る
では,現時点でDESのオフラベルユースである3枝病変やLMTのわが国での治療成績はどうか。
これらの病変は,従来,CABGが第一選択となっていたが,DESの登場によりPCIが施行されるケースが増加している。
そこで,岡村記念病院(静岡県)心臓血管外科の幾野毅氏は,同院における該当病変の PCIとCABGの成績を比較した。
検討対象は,2004年10月~09年12月に同院で実施された3枝病変または・かつLMT病変の273例(CABG群196例,PCI群77 例)。
CABG群の平均グラフト数は3.3本で,うち内胸動脈グラフトが1.39本。
オフポンプによるCABGが9割を占めた。
PCI群のステント留置平 均本数は3.87本で,ほとんどがDESだった。
ステントの種類としては,シロリムス溶出ステント(Cypher)が93%を占めた。
平均30.4カ月の追跡の結果,死亡率には有意な差がなかったが,死亡に心筋梗塞や脳卒中,CABGの施行を追加した場合の非イベント発生率は CABG群90.6%に対してPCI群81.9%とCABG群が有意に良好であった(P=0.0025)
LMT病変に限定した解析においても同様の傾向で,順に89.0%,84.3%だった(P=0.032)。
欧州で行われたランダム化比較試験(RCT)SYNTAXと比べると,PCIでは死亡や心筋梗塞の発生が同院の方が有意に少なかったが,再血行再建術は同院の方が有意に多くなっていた。
CABGでは,死亡や心筋梗塞の発生が同院の方が有意に少なくなっていた。
同氏は以上の結果を踏まえ,欧州でのSYNTAX試験の結果と比べて同院の内科的治療は優位な結果であったが,外科的治療もやはり同院の結果が優位であった点を強調。
さらに,院内の比較では,PCIによる再血行再建術を含めないイベント発生のみの比較においてもCABGの優位性が示されており,これらの病変においてはCABGが優先されるべきであるとまとめた。
 
求められるハートチーム体制,院内コンセンサスが重要
発表後の質疑応答では,「内科へのフィードバックを行っているか」が議題に上がった。
三原氏は,DES留置後に血栓症を発症してCABGを施行する症例については内科側へフィードバックするように心がけていると説明。
同科教授の荒井裕国氏は「問題症例に関しては,院内で内科側から提示していただき,合同カンファレンスをするようになった」とハートチームの体制を築きつつあると補足した。
一方,幾野氏は,3枝病変やLMT病変について外科に確認なく実施されているケースも増加してきていることから,今後,院内での連携を深めていきたいと話した。
 
座長を務めた日本医科大学心臓血管外科教授の落雅美氏は,BMS後よりもDES後の方が外科施行までの期間が短い点を挙げ,「内科の先生方の予測と異なっているのではないか」と指摘し,このような結果を院内で共有していくことが重要であると述べた。
 
また,外科サイドも重要なエビデンスは把握した上で,内科側にフィードバックしていくことが大切であるとした。
例えば,わが国におけるDESの代表的なレジストリー調査であるj-Cypherの2009年に発表された報告(Circulation2009; 120: 1866-1874)では,分岐部病変における複数のステント留置では予後が悪化していたが,外科側もこのような情報を把握することによって,エビデンスも踏まえたコンセンサス形成が可能であるとまとめた。
             (田中 かおり)
出典  MT Pro 2011.3.8
版権  メディカルトリビューン社  

 

 

マチス  マグノリアのある生物
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先天性大動脈二尖弁

戯れ言たれる侏儒 / 2008.04.02 00:06 / 推薦数 : 1

『第10回日本成人先天性心疾患研究会』の演題で二尖弁の勉強をしました。

成人大動脈二尖弁の多くは健診で発見
手術時年齢50歳代以上が多い
先天性大動脈弁膜症, 特に大動脈二尖弁は小児科診療で遭遇することはまれであるが,成人大動脈弁疾患のなかには大動脈二尖弁が見られ病態が進行し手術適応になる例がある。

榊原記念病院(東京都)小児科の森克彦氏らは,2005年から 3 年間に入院した成人大動脈二尖弁135例の臨床像について検討。
大動脈二尖弁の多くは無症状に経過し成人となり,約 4 割が健診で初めて診断されていた。
入院例の多くが手術適応であり,手術時年齢は50歳以上が多かった。先天性大動脈二尖弁,特に大動脈弁狭窄(AS)例の一部に上行大動脈の拡張が見られ,上行大動脈置換術が施行されていた」と報告した。

手術101例中28例に上行大動脈置換
対象は2005年 1 月~07年10月に同院に入院した成人先天性大動脈二尖弁135例で,男性は女性の約2.3倍の頻度(男性94例,女性41例)であった。
これらの患者を,大動脈閉鎖不全(AR)群42例, AS群74例,AR+AS群19例に分類,発症時期や治療について後ろ向きに検討した。

その結果,入院時年齢は19~83歳(中央値55歳)で,半数以上が50歳以上であった。
無症状に経過する例が多く,44%に当たる60例が健診で発見されていた。
その他の心起因の症状は,胸痛19例,息切れ42例,動悸 9例,めまい 9 例であった。
感染性心内膜炎に罹患した例,大動脈縮窄を合併していた例がそれぞれ 2 例,4例あった()。

手術適応は101例あり,73例に大動脈弁置換(AVR)が,上行大動脈が45 mm以上に拡張していた28例には上行大動脈置換が施行された。
9 例は昨年末時点で手術待機中であった。
また,調査した2005年 1 月~07年10月に,同院で大動脈弁疾患に施行したAVRは420例で,このうち73例が成人先天性大動脈二尖弁であった。
大動脈解離,マルファン症候群など他の疾患に上行大動脈置換を同期間に施行した86例のうち,
先天性大動脈二尖弁が28例で約30%を占めていた。

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M4109241&year=2008

Medical Tribune 2008.2.28
版権メディカル・トリビューンン社 

 

<参考サイト>

二尖弁と大動脈疾患
http://blogs.yahoo.co.jp/chibanishi_artery/10510349.html
アーノルド・シュワルツネッガーも二尖弁による大動脈弁弁膜症により手術をしています。
正常な弁尖は右冠尖・左冠尖・無冠尖の3つからなりますが、二尖弁は前後型と左右型に分けられます。弁尖の癒合部位は、左冠尖と右冠尖(前後型)・右冠尖と無冠尖(左右型)が多いです。癒合した弁尖の間にはraphe(縫線)と呼ばれる線状構造が50~75%の症例に見られます。rapheを認めない例では弁輪狭小と狭窄を起こしやすいといわれています。
合併病変として、大動脈弁狭窄症または閉鎖不全症で、大動脈弁尖への血流の摩擦による機械的刺激は三尖よりも二尖のほうが大きく反応性繊維性変化や石灰化を生じやすくなり狭窄や逆流を生じるようになります。また、感染性心内膜炎を20~40歳に起こしやすく、大動脈二尖弁の10~30%に合併するといわれ、初発症状であることも多いです。
大動脈壁の異常を伴うことも多く上行大動脈や大動脈弁輪の拡大や、大動脈解離などを合併することがあります。また、大動脈縮窄や心室中隔欠損も合併することもあります。
ターナー症候群での大動脈縮窄や大動脈二尖弁の合併は有名です。

 

弁膜症とのつきあい方
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamph/pamph_41/panfu41_04.html
比較的若い方でも大動脈弁狭窄症が生じることがあります。これは「大動脈二尖弁」といわれる先天的な弁の異常によるものです。本来、大動脈弁は弁尖といわれる膜が3枚あって、それがうまく弁口をふさぐことによって弁が閉じる構造になっていますが、その弁尖が生まれつき2枚しかないために弁に負担がかかり、硬くなったり、逆流したりするものです。この疾患は決してまれなものではなく、ごく軽い場合まで含めると100人に1~2人が二尖弁だといわれています。
大動脈弁の閉鎖不全症は、リウマチ熱の後遺症、加齢に伴う変化、二尖弁など大動脈弁そのものの変化から生じるだけでなく、「大動脈瘤」や「マルファン症候群」といわれる大動脈の病気によっても生じます。

 

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第1回成人ASD/PFOカテーテル治療研究会
非冠動脈疾患のカテーテルインターベンション治療の普及目指す

心房中隔欠損症(ASD)に対する治療法として,従来の外科的閉鎖術に加えて,国内でも経カテーテル的閉鎖術が2005年に保険適用となり普及しつつある。
一方,卵円孔開存症(PFO)は,脳梗塞・奇異性塞栓症や片頭痛の発症機序として注目されており,内科的治療に抵抗性の場合,欧米ではカテーテル治療が考慮される。
このように成人領域の新しいカテーテル治療の普及が課題となるなか,第1回成人ASD/PFOカテーテル治療研究会が東京都で開かれ,約200人が参加した。

成人ASDカテーテル治療
適応評価には心エコー図診断が重要
ASDに対する経カテーテル的閉鎖術は外科的閉鎖術に比べて侵襲が少ない利点があるが,ASDの形態によっては適応できない症例がある。
岡山大学循環器内科の谷口学氏は,成人ASDカテーテル治療の適応評価の際には心エコー図診断が重要であり,

(1)ASDの形態がカテーテル治療に適しているか
(2)手術が望ましい他の心合併症がないか


の 2 点を念頭に置いて検査を進めるとした。
欠損孔が大きい(30mm以上),周囲縁欠損,多孔型などはカテーテル治療が難しい場合が多いという。

ASD形態評価,心合併症検索を
Amplatzer Septal Occluder(ASO)を用いた経カテーテル的ASD閉鎖術の適応基準は,二次孔型,欠損孔のバルーン進展径38mm以下,欠損孔周囲縁5 mm以上(前縁欠損例を除く),左右短絡比(Qp/Qs)1.5以上,もしくはQp/Qs<1.5であってもASDに伴う心房性不整脈や奇異性塞栓を合併する症例,体重15kg以上(経食道ガイド下閉鎖術が十分可能)などとされている。

適応評価は,治療前の心エコー図診断により行う。
経胸壁心エコー図検査では,ASD閉鎖術の適応(位置,サイズ,Qp/Qs,Eigenmenger化の有無,右室容量負荷)を確認し,手術が望ましい心疾患合併(弁膜症,他の先天性心疾患,虚血性心疾患など)がないかを検索する。
また,術後心不全の可能性を検討して心機能評価(収縮能,拡張能)を行う。

ASDの形態評価は,おもに経食道心エコー図検査で行う。欠損孔の多くは正円でないため,サイズは 0 度,90度のほかさまざまな角度で評価し,収縮期末期の最大径を計測する。周囲縁(rim)は,0 ~20度(transverse plane)で全体像を把握し,おもに 0 度で前縁,後縁,90~110度(longitudinal plane)で上縁,下縁の各最小部分を計測し,十分な周囲縁(5 mm以上)の有無を確認する。
さらに,欠損孔辺縁と心内構造物(僧帽弁前尖,三尖弁,右上肺静脈)との距離を計測し,閉鎖栓の突出部と十分な距離(5 mm以上)が確保できるかを評価するとした。

治療後の心不全対策などが課題
ASD患者は40歳前後で症状が増悪して受診することが多い。
埼玉医科大学国際医療センター小児心臓科の小林俊樹教授は,成人のASDカテーテル治療について解説。
「成人ASDの治療では,心房性不整脈や房室弁閉鎖不全,肺高血圧,心予備能低下などが問題となる。特に50~60歳以上の症例では左室拡張能が低下していることが多く,このような症例には閉鎖後の心不全対策として,閉鎖前からのホスホジエステラーゼ(PDE)-III阻害薬の予防的投与などを考慮する」と述べた。

早期に心機能改善の可能性も
同センターのASD治療方針として,左房内血栓を有する症例はカテーテル治療を禁忌とし,持続的な心房細動,心房粗動,明らかな房室弁閉鎖不全を有する症例は手術適応とする。
労作時などに間欠的に心房細動,心房粗動を有する症例にはカテーテル・アブレーションを先行し,その後閉鎖術を施行する。

成人ASDのカテーテル治療は,大きな閉鎖栓の操作に習熟すると,心房が大きくカテーテル操作により閉鎖栓の位置や角度を調整可能なため,10歳未満の小児よりも技術的に容易なことが多い。
しかしその半面,経食道エコー検査のASD計測径に比べて大きな閉鎖栓が必要になる傾向があり,特に周囲縁が脆弱な症例ではその傾向が強いという。

左心機能の拡張能が著しく低下している症例では,ASD閉鎖直後に左室前負荷の増大により心不全を呈することがあるため,PDE-III阻害薬などを閉鎖術前後に予防投与する。
左心拡張能低下が軽度であっても,閉鎖後日常生活に復帰して心不全症状を一過性に訴える場合は,退院後短期間,利尿薬やACE阻害薬を投与する。
成人経カテーテル的ASD閉鎖術の成績は現在調査中だが,閉鎖後 3 か月以内に胸部X線や心エコー所見は改善し,自覚症状の改善も 1 ~ 3 か月以内に得られており,手術に比べて早期に心機能が改善する可能性が考えられるとした。

卵円孔開存症・PFO
脳梗塞の5%が奇異性塞栓症
~ 川崎医科大学病院前向き調査 ~
奇異性塞栓症とは心原性脳塞栓症の 1 つで,深部静脈血栓(VDT)が,PFOに代表される右左シャント疾患を介して動脈に流入し塞栓症を生じる。
川崎医科大学脳卒中医学の木村和美教授は,脳梗塞連続240例の前向き調査の結果から,脳梗塞における奇異性塞栓症の頻度は 5 %と予想外に多く,さらに45歳未満の若年患者では約 3 割にのぼることを示した。

45歳未満では3割と高率
 奇異性塞栓症は,
(1)神経放射線医学的に脳塞栓症
(2)右左シャントの存在
(3)右左シャント以外の塞栓源(心疾患,動脈病変)がない(4)静脈血栓塞栓症(VDT/肺塞栓症)の存在
の 4 項目すべてを満たす場合に診断される。
右左シャントの検査は,経食道心エコー法が最も優れているが,経頭蓋ドプラ(TCD)で脳血流のマイクロバブルを検出する方法も用いられる。
ただし,TCDは日本人では経頭蓋的に脳動脈の検出頻度が低いため,眼窩窓からアプローチするとよいという。

同科では,発症10日以内の脳梗塞連続240例を対象に奇異性塞栓症の頻度を前向きに検索した結果,脳梗塞240例中48例(20%)が右左シャント陽性を示し,12例( 5 %)が奇異性塞栓症と診断された。
奇異性塞栓症の頻度は,45歳未満の若年脳梗塞群(13例)では約 3 割と高かった。
奇異性塞栓症は女性に多く,多発性脳梗塞が多いことも特徴だという。

また,高血圧や糖尿病のないラクナ梗塞,原因不明の一過性脳虚血(ITA),院内発症の脳梗塞および担がん患者の脳梗塞において,右左シャント陽性率が高く,これらの発症機序に奇異性塞栓症が関与する可能性について報告している。

木村教授は「院内発症の脳梗塞は死亡率が高く,心房細動と関連することが報告されている。
われわれの検討でも,院内発症の脳梗塞の半数以上で右左シャント陽性もしくは心房細動が認められており,長期臥床患者にPFOがあると奇異性塞栓症のリスクが高まる可能性がある。
心房細動を認める入院患者には抗凝固療法を行うことが重要になる」と述べた。


 

~ PFOカテーテル治療の試み ~
再発性脳梗塞合併例に施行
 岡山大学循環器疾患治療部循環器内科の赤木禎治准教授らは,再発性脳梗塞合併例を対象にASDの閉鎖器具を用いてPFOカテーテル治療を行った 2 例を提示し,「再発性脳梗塞や片頭痛に対するPFOカテーテル治療は国際的に急速に広まっており,わが国でも導入が検討されるべきである。これまでのチーム医療の枠組みを超えた診療体制づくりが求められる」と述べた。

循環器内科,神経内科の協力体制を
現在,国内にはPFO閉鎖を目的とした専用の閉鎖器具は使用できないが,この治療で先行する欧米では多くの新しい器具が開発され,大規模な治験が行われている。
同大学病院ではASDカテーテル治療をこれまでに130例(平均年齢30.4±24.2歳)に施行した。
また,10歳代と60歳代の再発性脳梗塞 2 例に対してASDの閉鎖器具を用いてカテーテル治療を施行し, PFOを完全に閉鎖できた。
術後それぞれ 1 年,6 か月を経過したが,合併症は認められていない。

ASDの閉鎖器具と比べて,PFO専用の閉鎖器具は左房側が小さく,右房側が大きいことと,中央の接続部分が細いことが特徴だ。
ASDの閉鎖器具は短絡孔の周囲縁が柔らかい場合に代用が可能だが,一部のPFO症例にしか適応できないという。

赤木准教授は「PFOカテーテル治療の対象はおもに成人の再発性脳梗塞症例で,内科的治療と比較した適応判断が重要になる。
手技は比較的単純だが,診断や治療に際して,神経内科と循環器内科の協力体制による総合的アプローチが必要である」と述べた。

成人ASD/PFOカテーテル治療研究会
非冠動脈疾患のカテーテルインターベンション治療の技術向上や教育・普及を目的として,日本心血管インターベンション学会(JSIC),日本心血管カテーテル治療学会(JSICC)の後援,日本Pediatric Interventional Cardiology研究会,日本成人先天性心疾患研究会の協力により設立された。
中高年期に発見されることの多いASDの軽症例や,PFOに起因する再発性脳梗塞に対するカテーテル治療を,成人領域で取り組むべき重要な課題としている。
循環器内科領域のカテーテルインターベンション施行施設(JSIC・JSICC)を対象に昨年実施した調査によると,診断カテーテルの年間総数の約7%が先天性疾患で,その半数をASDが占めているという。
なお,第 2 回成人ASD/PFOカテーテル治療研究会は,7 月に名古屋市で開催されるJSIC学術集会中に開かれる。

第 1 回成人ASD/PFOカテーテル治療研究会
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M4108401&year=2008

Medical Tibune 2008.2.21

版権 メディカル・トリビューン社

 ビュッフェ HEIAN SHRINE KYOTO 
http://page5.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/e77846693

 

心房中隔カテーテル治療について
http://www.okayama-u.ac.jp/user/cvs/staff/Akagi-1.html
アンプラッツアーセプタルオクルーダーはニチノールと呼ばれる特殊な金属(形状記憶合金)の細い線から作られたメッシュ状の閉鎖栓です。両側の広がった部分(ディスク)とくびれた部分(ウエスト)には、特殊な布(ダクロン)が縫い付けられています。この布は、心臓の手術の時に利用されるものと同じ成分です。このくびれた部分を心臓の欠損孔の部分に合わせるように入れて、左右の広がった部分で穴の両側から挟みこんで、穴を閉じます。
この閉鎖栓を使った治療は、8年ほど前から欧米を中心に始まり、これまでに5万例を越える治療が行われてきています。これまで手術によって開胸を伴う外科的な心房中隔欠損の閉鎖術に代って、患者さんの負担を少なく、かつ安全に行える有効な方法として考えられています
(岡大のサイトです。写真入りで詳しく説明されています。)
 

「心房中隔欠損症」カテーテル治療
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/saisin/20060519ik0c.htm
日本では、治療技術の向上を図るため、国立循環器病センター小児科部長の越後茂之さんが中心となり研究会を設立。治療を実施できる施設の条件として〈1〉先天性心疾患に対するカテーテル治療の実施件数が一定以上ある〈2〉研究会が定めた新治療の教育プログラムを受けた医師のみが行う――などを課している。

 現在、治療できる施設は国立循環器病センター、埼玉医大、岡山大の3か所だが、「今後は増えるとみられる」。閉鎖栓が輸入承認された昨年3月以降、計59人に治療が行われ、栓の脱落もなく、全例で経過は良好だ。
(2006年5月19日  読売新聞)
一般の方を対象にわかりやすく解説しています。
また2006年時点での心房中隔欠損症のカテーテル治療を行っている病院、今年度中に治療開始を予定している病院が紹介されています。

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