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原文

湘南鎌倉総合病院は,2010年9月に移転(鎌倉市内)し,15階建て542床の新施設として生まれ変わった。
3.0テスラMRI,高精度放射線治療専用機X線トモセラピー,320列マルチスライスCTといった最新の高度医療機器に加え,屋上にはヘリポートも備えた。
また,同院は全国でもまだ少ないという血管造影装置を備えたハイブリッド手術室を県内で初めて導入。腹部および胸部大動脈破裂例の開腹,開胸手術にも対応する高レベルの清潔度を実現した。

以上の紹介で始まるEVAR(Endovascular aneurysm repair)に関する記事で勉強しました。
湘南鎌倉総合病院/低侵襲な腹部大動脈瘤EVARなど積極的に取り組む
■腹部大動脈瘤は95%が腎動脈下に発生し,その形状は紡錘瘤,嚢状瘤の2つに分けられる。
■破裂の危険要因は,女性,高血圧,慢性肺疾患,動脈瘤破裂の家族歴,急速拡大(>5mm/年),嚢状瘤とされている。
■わが国では,2008年に女性の死因第10位に大動脈瘤・大動脈解離が初めて入った。
60歳以上の5%に発症が見られ,破裂した場合は90%が死に至るとされている。
腹部大動脈瘤を呈している患者はその75%が無症状である。
超音波検査によるスクリーニングが有用である。
■最も大動脈瘤は急激に拡大することが少ないため,検査に急を要することはあまりない。
そのため,人間ドック健診や住民健診など,定期的な超音波検査による発見が重要になると指摘する。
■EVARは開腹手術と比較して、手術時間,集中治療室(ICU)在室期間,絶飲食期間,入院期間が有意に短く,出血量,輸血量も有意に少ないなど,その低侵襲性が示されている。
出典 Medical Tribune 2011.1.13
版権 メディカルトリビューン社
<EVAR 関連記事>
腹部大動脈瘤の内視鏡的手術は安全
出典 Medical Tribune 2004.10.21
版権 メディカルトリビューン社
■EVARの短期的な結果としては,動脈瘤の径が大きくても適用を誤らなければ安全であり,臨床試験として,あるいは条件が整ったうえでの試みとしてはEVARを施行する正当性が得られた。
ただし,今回の短期的な好成績が長期間持続するとは限らない。
今回の結果はEVARを今後続けても支障はないとの免罪符にすぎず,腹部大動脈瘤の現行治療法を一変させるものではない。
EVARの中期成績は開腹手術と同等
出典 MT Pro 2010.12.9
版権 メディカルトリビューン社
■東京慈恵会医科大学外科・血管外科の石田厚講師らは,自験例の検討結果から,AAAに対するSG(ステントグラフト)を用いたEVARは,SG関連合併症対策の必要性はあるものの,開腹手術と同等の早期・中期成績が得られていることを示した。
■AAA患者約1,200例の開腹術とEVARのランダム化比較試験であるEVAR1では,中央値6年以上の追跡の結果,開腹術に比べて,EVARの手術死亡率は有意に低いものの,長期的な総死亡率と動脈瘤関連死亡率には差がないこと,またEVAR群にはSG関連合併症と再介入が有意に多く,治療費が高くなることが報告された。
■国内のEVAR症例数は年々増加し,年間約2,000例に施行されている。
■EVAR術後はエンドリーク・脚閉塞に対し追加治療を要した症例があるため,生涯にわたる画像検査が必要不可欠である。
さらに長期耐久性に関して今後の経過を見守る必要がある。
腹部大動脈瘤に対する血管内治療の成績
EVAR 1, 2試験から
出典 MT Pro 2010.4.15
版権 メディカルトリビューン社
■近年開発された血管内治療は,経血管的に動脈瘤をステントグラフトでカバーして動脈瘤内への血流を遮断し,動脈瘤を縮小させる方法である。
手術と比較して侵襲が少ない一方で,長期予後は不明であった。
■今回発表されたEVAR 1試験では,腹部大動脈瘤治療に関して血管内治療と外科手術との比較が,EVAR 2試験では内科治療との比較が長期にわたって行われた。
EVAR 1試験
Endovascular versus Open Repair of Abdominal Aortic Aneurysm
The United Kingdom EVAR Trial Investigators
N Engl J Med 2010; 362:1863-1871
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa0909305
EVAR 2試験
Endovascular Repair of Aortic Aneurysm in Patients Physically Ineligible for Open Repair
The United Kingdom EVAR Trial Investigators
N Engl J Med 2010; 362:1872-1880
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa0911056
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■腹部大動脈瘤について,EVAR 1試験では血管内治療は外科手術と比較した場合,手技中の生命に与えるリスクは少ないが,長期成績は再インターベンションが多く,不安定であった。
しかし,デバイスのさらなる開発により,長期成績がよくなる可能性が残っている。
■外科手術に適応のない患者を対象としたEVAR 2試験では動脈瘤による死亡は,血管内治療により内科治療と比較すると著明に改善した。
総死亡では両群間に有意差が認められなかったが,そもそも合併症が多く手術適応がない患者を対象としたために,8年もフォローすると,多くの人が寿命を迎えたと判断され,これは当然のことと考えられる。
■2つの試験結果を合わせて考えると,(1)合併症が多くて外科治療の適応にならない患者には血管内治療を推奨,
(2)外科手術の適応となりうる患者では,血管内治療のメリット(手技中の死亡が少ない),デメリット(長期には再インターベンションが多くなり,長期生存率は手術と同等)を説明して,いずれか選択
―という考えでよいと思われる。
しかし,デバイスの開発によっては,長期予後も血管内治療のほうがよくなる可能性がある。
(EVAR試験は腹部大動脈瘤が対象)
~IFU外症例に対するEVAR~
術後1年成績はIFU内症例と同等
出典 Medical Tribune 2010.12.9
版権 メディカルトリビューン社
■低侵襲性に優れるSG治療が広がる中で,IFU(instruction for use)外症例にもEVARが試みられている。
山口県立総合医療センター外科の善甫宣哉診療部長らは,自験例の検討結果から,IFU外症例のうち,proximal neck(PN:腎動脈起始部から瘤頭側端)の解剖学的適応条件を満たさない,いわゆるchallenging neck症例に対するEVAR後1年の治療成績は,IFU適合症例とほぼ同等であることを示した。
■IFU外症例に対するEVAR適応の妥当性について結論するには長期成績を待つ必要がある。
第51回日本脈管学会
EVAR後の瘤径にネック長,エンドリークが関連
出典 Medical Tribune 2010.12.9
版権 メディカルトリビューン社
■腹部大動脈瘤(AAA)に対するEVARが保険適用となり,3年が経過した。
名古屋大学血管外科の山本清人講師らは,自験例を対象にEVAR術後の瘤径縮小に関連する因子について検討。
「EVAR後の瘤径の縮小にはネック長とエンドリークが関連していた。瘤径縮小を得るにはエンドリークの観察と管理が重要」と述べた。
その他
「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/
(循環器専門医向き)
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/
(内科医向き)
「井蛙」内科メモ帖
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/
があります。
早期診断・治療で救命可能を広く訴える
米国心臓学会(ACC)と米国心臓協会(AHA)が中心となって胸部大動脈疾患(thoracic aortic disease;TAD)の臨床ガイドラインを作成した。
これにはTADの診断や治療に関する最新の推奨が盛り込まれているだけでなく「早期診断と早期治療を行えば救命できる」という力強いメッセージが医師と患者に向けて発信されている。
同ガイドラインはJournal of American College of Cardiology(JACC,2010; 55: e27-e129)とCirculation(2010; 121: e266-e369)に発表された。
背景に治療の進歩とエビデンスの集積
ガイドライン作成委員会の委員長を務めたTriHealth社(オハイオ州シンシナティ)のLoren F. Hiratzka博士は「TADを早期に診断し,治療することができれば,まだ状態が安定している段階で,外科的治療あるいは血管内修復の適応となる患者の特定が可能となる。疾患が安定しているときに治療したほうが,急性期の破局的状況にある大動脈瘤破裂や大動脈解離の治療よりも成績ははるかに良好だ」と述べている。
同ガイドラインは,米国胸部外科学会(AATS),米国放射線学会(ACR),米国脳卒中協会(ASA),心血管麻酔学会(SCA),心血管造影・インターベンション学会(SCAI),インターベンショナルラジオロジー学会(SIR),米国胸部外科医学会(STS),血管内科学会(SVM)が共同で作成したもの。
米国救急医学会(ACEP)と米国内科医学会(ACP)の代表も執筆委員会に参加した。
共同研究者でミシガン大学(ミシガン州アナーバー)心血管センターのKim A. Eagle所長は「近年の科学的および臨床的進歩が,大動脈解離や大動脈瘤を含むTADの臨床ガイドライン作成への原動力となった」とし,「現在,TADの遺伝的素因に関する理解が深まり,この領域での知見が集積されつつある。非侵襲的な画像診断法も急速に進歩し,薬剤療法は格段によくなっている。麻酔下での開胸手術の技術も劇的に進歩し,患者によってはカテーテルを用いた侵襲性が最も低い血管内治療で対処可能になってきた」と説明している。
症状ベースの診断は困難
大動脈瘤は大動脈の一部が膨張し,その部位の血管の直径が50%以上拡張した状態である。
これに伴い大動脈壁は非常に薄くなるが,大動脈瘤を有する患者は瘤が破裂するまで無症状であることも少なくない。
大動脈解離では大動脈の内膜が裂けることにより血液が中膜に侵入し,その結果つくられる偽腔を介して血液が流れる。
この偽腔には全身からの血液供給の一部が流れ込むことになる。
古典的な症状に,胸,背中,肩,腹部に生じる突然の激痛がある。しかし,明確な症状を呈さない患者も多く,診断が困難なこともある。
大動脈破裂の場合は大動脈壁の3層がすべて破裂し,体内で大量出血する。
TADの危険因子には,
(1)コントロール不良の高血圧
(2)加齢
(3)男性
(4)動脈硬化
(5)血管に障害を与える炎症性疾患
(6)結合組織の脆弱化をもたらすマルファン症候群などの遺伝性疾患
-がある。
大動脈二尖弁を有する者も大動脈瘤のリスクが高い。
また,妊娠,重量挙げなど身体に過度の負担をかけるもの,コカイン使用などは大動脈解離リスクを上昇させることが知られている。
家族歴の重要性を強調
TADに家族性が認められる傾向にあるという点は特に重要で,家族歴の聴取は,未診断のTAD症例の発見に重要な手がかりとなる。
患者は大動脈瘤や大動脈解離,あるいは破裂の家族歴についてだけでなく,原因不明の突然死の家族歴についても医師に伝える必要がある。
Eagle所長は「家族歴は非常に重要だ。心血管虚脱(cardiovascular collapse)は心筋梗塞だけでなく,突然で破局的な大動脈解離によって生じることもあるからだ」と述べている。
ガイドラインの要点は以下の通り。
(1)TADの発見および将来リスクの評価には,CT,MRI,場合によっては超音波を用いて胸部大動脈の画像検査を試みるべきで,胸部X線撮影のみでは不十分である
(2)TADリスクを伴う遺伝性疾患を有する患者は,診断時に画像検査で大動脈のサイズを評価し,その後は定期的にフォローアップ検査を受けるべきである
(3)大動脈二尖弁の患者に対しては,大動脈が拡大していないかどうかの評価を行う
(4)急性大動脈解離の症状は心筋梗塞などの胸痛と似ており,しばしばそれが迅速な診断の妨げとなることがあり,その結果,救命治療が遅れる可能性がある。
医師は病歴や家族歴,疼痛の種類やパターンを聴取し,患者を診察する際,大動脈解離を念頭に置くべきである
(5)上行大動脈に解離が及ぶ場合は致死的で,外科的治療を要する
(6)胸部下行大動脈の解離は,生命を脅かす合併症がなければ,血圧や心拍を管理する薬剤で治療が可能なことも多い。
薬剤治療にはこのほか,血中コレステロール値を下げるためにスタチン系薬が追加されることもある
(7)胸部下行大動脈の解離や大動脈瘤に対しては,最も侵襲性の低い手技である血管内治療が選択肢となる患者もいる
(8)胸部大動脈瘤あるいは解離,もしくは大動脈二尖弁を持つ患者の近親者は全員,心血管専門医の診察を受け,画像検査で大動脈のサイズを測定し,無症候性疾患の有無を確認すべきである
社会的な治療体制の構築訴える
Hiratzka博士は,高リスク無症候性患者や,そのなかでも特に家族歴を理由に施行される画像検査に対して,すべての保険会社が支払いに応じるわけではないことを指摘し,「画像検査によって救命できる可能性があるのだから,新しいガイドラインによってこの状況が変わることを期待する」と強調している。
患者集団と専門家集団の非営利連合であるTAD同盟を招集した米国マルファン財団のCarolyn Levering理事長は「大動脈疾患を有する者は,診断されて治療を受ければ,長く生きることができる。TAD同盟を招集したのは,幅広い国民キャンペーンにより医学認識を広め,新しいガイドラインの効果を最大限に拡大するためだ」としている。
出典 MT pro 2010.7.15
版権 メディカルトリビューン社
<番外編>
APPROACH
The Assessment on the Prevention of Progression by Rosiglitazone on Atherosclerosis in Diabetes Patients with Cardiovascular History
目的
心血管疾患既往を有する2型糖尿病患者において,インスリン抵抗性改善薬であるチアゾリジンジオン系薬剤rosiglitazoneの冠動脈アテローム性動脈硬化進展に対する効果をスルホニル尿素(SU)薬のglipizideと比較する。
一次エンドポイントはインターベンションを施行していない冠動脈におけるアテローム容積率(PAV)の変化。
#コメント
2型糖尿病が心血管イベントの大きな危険因子になっていることは周知のことであり,随伴する高コレステロール血症や高血圧の治療がイベント抑制に有効であることは多くの臨床試験から明らかにされている。
一方,血糖コントロールによるイベント抑制については十分な有効性が示されていなかったが,近年メトホルミンやαグルコシダーゼ阻害薬(GI)などのインスリン分泌亢進型でない薬剤の有効性が示されている。
そこで,インスリン感受性亢進型のチアゾリジン(TZD)に期待が寄せられている。
ところが,最近のrosiglitazone(ROSI)を用いた試験のメタ解析では,むしろROSI使用群で心筋梗塞の危険度が高まるということから問題となっているところである。
一方のpioglitazone(PIO)ではPROactiveという試験で,サブ解析ながら有効性を示している。
本論文では,ROSIの問題を克服すべくIVUSによるイメージ試験でROSIとSU剤の比較試験を行っているが,やはりROSIの有効性を示すことができなかった。
いくつかの問題があるものと思われる。確かにROSI群で若干のプラーク容積の減少がもたらされたものの,有意性が示しえなかった。
検出力の問題があるかもしれない。
いずれにしてもTZDの効果が抗炎症,内皮機能の改善というところにあるとすれば,大規模な心血管イベントに対する本格的な臨床試験を行うしかないのではなかろうか?
ただし,様々な確立された治療法が出てきた現状ではイベント発症率が低下しており,この手の試験は困難であり,方法論を検討する必要があるであろう。
(帝京大学・寺本民生教授)
結論
アテローム性動脈硬化を合併した2型糖尿病患者において,glipizideと比べたrosiglitazoneの有意な冠動脈アテローム性動脈硬化の進展の抑制効果は認められなかった。
http://circ.ebm-library.jp/trial/doc/c2003242.html

2010.7.18撮影 晴天、暑い1日でした。
(国立新美術館 オルセー美術館展2010)
<自遊時間 その1>
2010年7月20日、アポロ11号による人類初の有人月面着陸成功から41年が経過しました。
つまり1969年7月20日の出来事です。
その時、先生方はどんな思い出がありますか。
まだ生まれてみえない先生もきっといるんでしょうね。
Adamo - À demain sur la lune (1969)
http://www.youtube.com/watch?
v=oTyZ0IM8ivw&feature=related
CARAVELLI~ADEMAIN SUR LA LUNE~明日は月の上で
http://www.youtube.com/watch?v=e_8aT1CGWr0
FRANK POURCEL-A Demain Sur La Lune フランク・プゥルセル~明日は月の上で
http://www.youtube.com/watch?v=sCOyzY8KBOc&feature=related
<自遊時間 その2>
昨夜遅くたまたま「救命医ハンク」というドラマをTVで観ました。
早い展開に思わず最後まで観てしまいました。
なかなか面白そうです。
ちょっとハマってしまいました。
救命医ハンク セレブ診療ファイル [全12話]
http://www.wowow.co.jp/pg/detail/060470001/
その他
##小さな腹部大動脈瘤の成長率は介入の必要性を予測
#小さな腹部大動脈瘤(AAA)が成長するのは半数のみであり、1年間に1.5mm未満の成長であれば臨床的意義はほとんどないということが、新規の研究で示唆されている。
#今回の知見は英国の25年間の動脈瘤調査に基づくものであり、ベースライン時には、小さなAAAのサイズには単峰分布がみられることが示されている。
しかし、数年間の追跡調査後、分布は二峰性となる。
■本結果から小さなAAAの半分は「静止状態でほとんど成長していない」のに対し、残りの半分は成長が続いていることが示された、と主著者であるWestern Sussex Hospital NHS Trust(チチェスター)のDr. H. HafezらはBritish Journal of Surgery誌1月号で指摘している。
■チチェスターAAAスクリーニングプログラムでは、1984年〜2007年に、AAAを有する被験者1,649名のデータがプロスペクティブに収集された。
超音波検査を2回以上受け、3ヶ月以上監視された被験者1,231名では、ベースライン時のAAA径は35mm(中央値)であり、3.2年間の追跡調査期間の成長は9mm(中央値)であった。
■動脈瘤は患者88名で破裂し、335名が待機的修復術を受けた。
■破裂、または手術を施行した患者の年間成長率(中央値)は、それぞれ2.85mmと2.99mmであった。
対照的に、追跡調査中イベントが発生しなかった被験者では、動脈瘤の1年間の成長率(中央値)は1.08mmにすぎなかった(p<0.001)。
■現在喫煙していることはAAA成長率の上昇に関連していたのに対し、女性であることと糖尿病は成長率の低下に関連していた。
年齢、平均動脈圧、高血圧、虚血性心疾患、ACE阻害薬またはスタチン系薬剤の使用は、成長率に影響していなかった。
■「本試験は、AAA成長率の傾向に基づいて将来の臨床イベント発生の可能性が予測できると思われることを示唆するものである」とLeicester Royal Infirmary(英国)のDr. A. Nasimらは関連論説で述べている。
■追跡期間中にAAA修復が最終的に必要になったのは本コホートの27.2%のみであるという事実と合わせると、このことは、著者らが提案するように、AAAスクリーニングと監視の費用対効果の改善に大きな可能性があることを示している」.
http://www.kanematsu-rmn.jp/news/daiichisankyo/news2.php?mode=jpview&num=201001070039465
原著
Br J Surg 2010;97:37-44
出典 ロイターヘルス 2010.1.6(一部改変)
版権 ロイター社
<コメント>
まとめ
1)1年間に1.5mm未満の成長であれば臨床的意義はほとんどない
2)ベースライン時には、小さなAAAのサイズには単峰分布がみられるが、数年間の追跡調査後は分布は二峰性となる
3)女性であることと糖尿病は成長率の低下に関連
4)年齢、平均動脈圧、高血圧、虚血性心疾患、ACE阻害薬またはスタチン系薬剤の使用は、成長率に影響していなかった
疑問点、興味深い点
■「被験者1,649名中患者88名で破裂し、335名が待機的修復術を受けた」・・・これはかなりの率ではないか
■「糖尿病は成長率の低下に関連」・・・理由がよくわかりません
■年齢、平均動脈圧、高血圧、虚血性心疾患、ACE阻害薬またはスタチン系薬剤の使用は、成長率に影響していなかった・・・予想に見事に反した結果でした
<参考サイト>
腹部大動脈瘤を防ごう
http://tomochans.exblog.jp/4212997/
ARBによる血管保護について
http://blog.m3.com/reed/20080728/1
MG-CoA還元酵素阻害剤(スタチン)治療は腹部大動脈瘤における炎症反応を抑制する
http://nels.nii.ac.jp/els/110007124905.pdf?id=ART0009063253&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1266714160&cp=
■AAA修復が最終的に必要になったのは本コホートの27.2%のみである・・・27.2%「のみ」には引っかかります。
他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/
(循環器科関係の専門的な内容)
井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/
(内科関係の専門的な内容)
背景‐
腹部大動脈瘤は、動脈瘤破裂による死亡率の高い無症候性の病態である。 方法および結果‐
1994年、ノルウェーのトロムセにおける25~82歳の男性2,035例および女性2,310例のコホートを研究に組み入れ、腹部大動脈瘤の発生に関する危険因子を特定するため、7年間の追跡調査を実施した。
特に、喫煙の影響について検討した。
1994/1995年に初回超音波検査を行い、2001年に再度超音波検査を行った。
結果として、腹部大動脈瘤の新規発生が119例確認された(年間発生率0.4%)。 男性および高齢は強力な危険因子であった。
さらに、以下の因子が腹部大動脈瘤の発生率上昇との有意な相関性を示した:喫煙(OR=13.72、95%CI 6.12~30.78、喫煙量≧20本/日の現喫煙者 vs 非喫煙者)、高血圧(OR=1.54、95%CI 1.03~2.30)、高コレステロール血症(OR=2.11、95%CI 1.23~3.64、血清総コレステロール値≧7.55 mmol/Lの者 vs 血清総コレステロール値<5.85 mmol/Lの者)、HLDコレステロール値の低下(OR=3.25、95%CI 1.68~6.27、HLDコレステロール値<1.25 mmol/Lの者 vs HLDコレステロール値≧1.83 mmol/Lの者)。
また、スタチン薬の使用も腹部大動脈瘤のリスク上昇との相関性を示したが(OR=3.77、95%CI 1.45~9.81)、この因子はおそらく心血管系疾患のリスク上昇のマーカーになっていたと考えられる。
結論‐
以上の結果から、従来のアテローム性動脈硬化危険因子と腹部大動脈瘤の発生リスクとの間に強力な相関性があることが示された。
Risk Factors for Abdominal Aortic Aneurysms A 7-Year Prospective Study: The Tromso Study, 1994-2001 Circulation. 2009;119:2202-2208
<関連サイト> 炎症性腹部大動脈瘤 http://blog.m3.com/reed/20080204/1

炎症性腹部大動脈瘤については2008年2月4日にこのブログで勉強しました。
http://blog.m3.com/reed/20080204/1
昨日、ある大学病院で「右総腸骨動脈炎症性動脈瘤」と診断されている60代後半の男性が来院されました。
血管外科で上記診断を受けた後、ステント挿入の適応を検討するために放射線科に転科されたようです。
CRPがやや高値、そして白血球増多(1万前後)が続いています。
本人が当院への通院を希望され紹介状を持参して来院されました。
一時期ステロイドを使用していたようですが、今後の治療をどのようにすればいいのか、今まで内科医としてこのような症例を経験したことがないために、今後の治療方針は少し調べてから次回に決定しますと正直に答えました。
持参された画像報告書には以下のように書かれていました。
■右総腸骨動脈は大動脈分岐部下10mmのレベルから腸骨動脈分岐部の遠位13mmの範囲に紡錘状に拡張
■動脈瘤の最大短径は40mmで、全周性の壁在血栓を伴う
■右腎盂、尿管の拡張を認め、瘤に接した部分に狭窄

この症例は白血球は高いのがひっかかりますが、どうやら 「炎症性動脈瘤」よいう診断に間違いないようです。
ただし、このようにCRPや白血球増多がみられる場合、内科的にはどのような方針(処方)がいいのか困っています。
そこで、今日は炎症性動脈瘤とは異なりますが、感染性動脈瘤の勉強をしました。
第32回日本心臓血管外科学会
感染性動脈瘤の外科治療 SIRS合併例には早期手術が大切
感染性腹部大動脈瘤の手術成績は動脈硬化性腹部大動脈瘤に比べて著しく不良であり,術前の感染状態が大きく関与していることが予想される。
福井医科大学第 2 外科の井隼彰夫講師らは,入院時の全身性の過剰な炎症反応(systemic inflammatory response syndrome;SIRS)合併の有無で分けて検討し,「SIRS非合併例では術前に抗生物質による十分な感染制御を行えばよいが,SIRS合併例では何よりもまず早期手術が大切である」と,大阪市で開かれた第32回日本心臓血管外科学会(会長=大阪大学大学院臓器制御外科・松田暉教授)のパネルディスカッション「感染性動脈瘤の外科治療」で述べた。
SIRS合併では院内死亡率75%
対象は2001年12月末までに同科で経験した感染性腹部大動脈瘤10例(男性 8 例,女性 2 例)で,平均年齢71歳(57~84歳)。
感染の誘因は,敗血症が 3 例のほか,感染性心内膜炎,腹膜炎,急性胆嚢炎,腸腰筋膿瘍,肺炎,脊椎カリエス,腰椎椎体炎がそれぞれ 1 例であった。
SIRSの診断基準は,
(1)体温が38℃以上あるいは36℃以下
(2)脈拍90回/分以上
(3)呼吸数20回以上あるいはPaCO2(動脈血炭酸ガス分圧)32mmHg以下(4)白血球 1 万2,000/mm3以上か,4,000 mm3以下または10%以上の幼若球出現
のうち 2 つ以上を満たすものであり,10例中 4 例がSIRSであった。
中略
以上の成績を踏まえて,井隼講師は,感染性腹部大動脈瘤の治療戦略の試案を提示した。
入院時に既に破裂していたり切迫破裂の場合は,緊急手術を行って術後に感染制御を行う。
入院時非破裂症例にはまずSIRS合併の有無を判定し,非SIRS群には感染制御を十分行ったうえで待機手術を行う。
ただし,術前の感染制御が困難な場合には緊急手術を行う。一方,SIRS群には早期手術を行い,術後に積極的な抗生物質投与による感染制御を行うべきとした。
「SIRS合併例に対していたずらに術前の感染制御に時間を費やすと,瘤破裂や全身状態の悪化を招きかねず,得策ではない」と同講師は結論した。
抗生物質投与だけでは感染防げず
薬剤徐放システムは,多孔性リン灰石セラミックとして,β-リン酸三カルシウム(β-TCP)を使用し,抗生物質はテイコプラニン(TEIC)を用いた。人工血管感染モデルは白色日本家兎で,使用菌種は黄色ブドウ球菌,人工血管はgelatin-impregnated knitted Dacron graftを 5 3 mm大のパッチとして使用した。
まず,抗生物質の有効濃度が長時間保ちうるかをin vitroの徐放実験で検討したところ,TEIC濃度は24日目まで測定感度値以上にあった。
また,in vivoの徐放実験では21日目には測定感度よりやや低い値となったため,有効濃度は20日程度持続すると考えられた。
中略
腹部大動脈瘤に対するステントグラフト移植術
経過中に縮小した瘤が遠隔期に拡大することも
重篤な術前合併症を有する腹部大動脈瘤に対するステントグラフト移植術は低侵襲であり,良好な初期成功率が報告されているが,遠隔期における成績は明らかでない。
大阪府立病院心臓血管外科の上田秀樹氏は,経過中に瘤の縮小を認めても,遠隔期に瘤拡大を来した患者が数例存在したことから,「瘤縮小を来している症例でも術後の厳重なフォローが重要である」と会長要望演題「低侵襲性手術のコントラバーシー」で強調した。
3年以降で大動脈イベント増加
対象は,1994年11月以降に腹部大動脈瘤に対して手術を施行した240例のうち,経カテーテル的ステントグラフト移植術(SG)を行った42例(15.2%)。男性33例,女性 9 例,手術時平均年齢75.77.1歳,平均最大瘤径59.19.5mm。
中略
1 年以上CTで観察できた22例(平均2.30.9年)の動脈瘤径の変化を見ると,「縮小」36%,「変化なし」23%。「拡大」41%であった。
なお,縮小はCT上,5 mm以上のsize down,拡大はCT上,経過中最小sizeから 5 mm以上のsize upである。
この22例の瘤径再拡大の回避率を同じくKaplan-Meier法で検討すると,2 年の累積非発生率は94%,3 年では65%となった。
瘤径拡大症例は 9 例で,そのうち 6 例は経過中,5 mm以上の瘤径縮小が認められていたこともわかった。
瘤縮小後にleak(漏出)を来した要因としては,中枢および末梢側のlanding areaの不足や,瘤の形状変化に対するステントグラフトの長軸方向への柔軟さの不足などが考えられるという。
低侵襲腹部大動脈手術で退院までの日数も大幅に短縮
獨協医科大学越谷病院心臓血管外科の木山宏講師らは,低侵襲を目的に10cm以下の腹部横切開,腹膜外到達法による腹部大動脈手術を試みている。
同法は従来の手術法と比較して,経口摂取や歩行が早く開始でき,退院までの日数も短いなど術後経過は良好であったと,同会長要望演題で発表した。
小切開には適応限界例も
同科において腹部大動脈遮断を必要とした腹部大動脈瘤,腸骨動脈瘤,閉塞性動脈硬化症の症例のうち,昨年 7 月から行っている10cm以下の腹部横切開,腹膜後到達法を小切開群,それ以前の従来の皮膚切開(20cm以上)を対照群として比較検討した。
ただし,逆側内外腸骨動脈への吻合を必要とする症例は除外した。
小切開群14例,対照群10例で,平均年齢や男女比,瘤径,疾患などの術前因子は両群で差がなかった。
小切開の場合は視野が狭く,通常の硬い遮断鉗子では手術操作の邪魔になるため,フレキシブルなものを使用するなど工夫しているという。
手術時間は小切開群のほうがやや長かったが,有意差はなかった。
小切開群の皮膚切開は平均8.21.5cmだが,小切開群のうち 1 例は腎動脈直下に大動脈遮断を必要とし,皮膚切開を延長した。
したがって,腎動脈にきわめて近接している動脈瘤には小切開手術は適応が難しいと考えられた。
また,小切開群のうち,腸骨動脈の性状が非常に悪かった 1 例で右外腸骨動脈閉塞が起こった。
手術死亡や入院死亡は両群で皆無であった。
出血量は小切開群でやや少なく,他家血輸血は小切開群では必要なかった。
術後経過を見ると,経口摂取(食事)も歩行も小切開群のほうが早く開始できており,対照群との差はそれぞれ有意であった。
入院期間も小切開群のほうが大幅に短く,対照群より10日ほど早く退院できており,その差は有意(P=0.0004)であった。
出典 Medical Tribune 2002.3.7
版権 メディカル・トリビューン社
<関連サイト>
大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン(2006年改訂版)
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2006_takamoto_d.pdf

三塩清巳 油彩6号『夕映』
http://page19.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/x53997971
<きょうの一曲>
「ワルツ・フォー・デビー」
http://ja.weshow.com/categories/editorial/音楽/video/ビル・エバンス 「ワルツ・フォー・デビー」-154978
"Autumn Leaves / Cannonball Adderley with Miles Davis"
http://jp.youtube.com/watch?v=xvL-i0VE7Co&feature=related
<「ワルツ・フォー・デビー」/ビル・エバンス 関連サイト>http://www.ojihall.jp/topics/interview/jazz/evans1.html
http://www.ne.jp/asahi/matsuwa/home/waltzfordebby.html
http://ameblo.jp/hiroharu/entry-10038973058.html
きょうは、技術の進歩の著しい「末梢血管インターベンション」について勉強しました。
われわれ開業医にとって、これらのup to dateな勉強ももちろん大切です。
しかし、これらの病気の患者さんを紹介する際にどの病院に紹介すればよいかという現実があります。
紹介先によって患者さんの運命が変わる場合も当然ありうることです。
最先端の技術があることを(習得ではなく)勉強しても、手近なロケーションにやっていただける施設があるかどうか、また複数の選択肢があればどちらがよいか。
そのあたりの情報(?)の方が大切かも知れません。
先日、ある病院から病診連携の案内が届きました。
国立病院機構の某病院です。
近くに救急医療にも力を入れている大規模病院があって、(まったくもって失礼ないい方ですが)「終わっている」病院です。
内容は「お互い顔の見える医療を目指して懇親会を持ちましょう。ついては会費・・・」というものです。
いろいろ、苦しい事情はよくわかります。
発起人の先生もよく知っている先生ですでに「顔」はよくわかっています。
私のスタンスはこうです。
(幸い都会に住んでいるというとメリットを生かして)出来るだけ多くの講演会に出席して、近くの病院の医師が演者の場合には、「力量」と「顔」を実際インプットする。
会費まで払って「顔」だけみる会はもちろん欠席しました。

「Heart and Kidney - 私たちの近くにあるもの」
制作 Heart and Kidney制作委員会
(シオノギ製薬 配布物)
ガイドワイヤやステントの改良で安全性,成績が向上
末梢血管インターベンションを安全に施行し成績を向上させるため,デバイスや施行法は年々進歩を遂げている。
郡山市で開かれた第16回日本心血管インターベンション学会(会長=星総合病院心臓病センター・木島幹博副院長)のシンポジウム「末梢血管インターベンションの最近の進歩」(座長=大阪大学先進心血管治療学・南都伸介特任教授,社会保険小倉記念病院循環器科・横井宏佳部長,スペシャルコメンテーター・伊Gruppo Villa Maria Endovascular・Giancarlo Biamino氏)では,ガイドワイヤ,ステント,アプローチ法に改良を加えることにより,腹部大動脈瘤,粥状硬化性腎動脈狭窄症,浅大腿動脈慢性閉塞などに対するインターベンションの安全性,成績が向上していることが明らかとなった。
腹部大動脈瘤に対する血管内修復術
ステント改良によりエンドリークが減少
わが国では昨年から今年にかけて,腹部大動脈瘤(AAA)に対する血管内修復術(EVAR)に用いられる企業製作のステントグラフトが 2 種類保険収載された。
大阪大学心臓血管外科の倉谷徹准教授は,同科においてカスタムメードのステントグラフトを使用したAAAに対するEVARの成績を検討し,「同術は良好な長期成績が得られる安全で有効な治療法で,ステント改良によりエンドリーク発症を減少できた。同術は企業製作のステントグラフトによりさらに普及すると考えられる」と述べた。
5年エンドリーク回避率は83%
対象は,同科で1995年 2 月~2006年12月にカスタムメードのステントグラフトを用いたEVARを施行した563例(胸部大動脈瘤,胸部腹部大動脈瘤,AAA)のうち,AAA 74例(男性58例,女性16例;平均年齢76歳)。
術前合併症は,冠動脈疾患が約 5 割,脳卒中が約 3 割など,高率に存在した。
ステントは, Spiral Z(1995~2000年31例)またはGiantruco Z(2003年以降43例)を,グラフトは薄いポリエステル製を使用した。
手術法は,Straight type 15例,腹部大動脈~片側性腸骨動脈type(片側性腸骨動脈ステントグラフトに大腿~大腿動脈バイパス術を施行)を55例,分岐typeを 4 例に施行した。
早期成績を見ると,成功率は全体で86.5%,Spiral Z使用例で80.7%,Giantruco Z使用例で97.5%だった。
入院死亡率は2.7%。
合併症は,一過性脳虚血発作(TIA)が2.7%に認められた。
中略
以上から,倉谷准教授は「カスタムメードのステントグラフトを使用したAAAに対するEVARは良好な長期成績が得られる有効な治療法であり,ステントの改良によりエンドリークの発症を減少させることができた。企業製作のステントグラフトの保険収載によりさらに普及すると考えられるが,そのためには心血管外科医と心血管インターベンションを行う循環器内科医の連携が重要である」と述べた。
粥状硬化性腎動脈狭窄症に対する経皮的腎動脈ステント術
ロープロファイルシステム使用で安全に良好な成績が
粥状硬化性腎動脈狭窄症(ARAS)は動脈硬化症患者に高率に認められ,高血圧,腎不全,不安定狭心症,肺水腫と関連し,特に心血管疾患患者の予後を悪化させる。
最近,ARASに対する治療法として,経皮的腎動脈ステント術(PTRS)が行われているが,施行するうえで安全性が問題となる。菊名記念病院(神奈川県)循環器科の宮本明部長は,ロープロファイルステントシステムを用いることで,ARASに対するPTRSを低侵襲,簡便,安全に施行でき,良好な急性期,中期成績が得られることを示した。
急性有害事象発症率は0%
PTRSの適応は,血管造影による狭窄率50%以上,圧較差20mmHg以上の腎動脈狭窄(RAS)で,原因不明のうっ血性心不全または不安定狭心症,治療抵抗性高血圧,両側性または孤立性RASを伴う進行性腎機能不全となっている。
今回,PTRSを安全に行う方法として,宮本部長は6FrガイドカテーテルとロープロファイルPalmaz-Genesisステントを用いたPTRSの効果を検討した。
現在わが国でARASに対して承認されているステントはPalmazステントのみであるが,同ステントは,8Frガイドカテーテルが必要で, 80cm長のシャフトのみのため大腿動脈からのアプローチしかできず,柔軟性がないため挿入が難しいなどの問題がある。
一方,ロープロファイルPalmaz-Genesisステントは,
(1)80cmと135cm長のシャフトがあり経大腿動脈,経上腕動脈,経橈骨動脈アプローチが可能
(2)小径の0.018インチガイドワイヤを使用
(3)より柔軟で6Frガイドカテーテルが使用可能
―であることから,従来のPalmazステントよりも使用しやすくなっている。
対象はARAS患者17例(男性11例,女性 6 例;平均年齢73.3歳)18病変。
そのうち17病変は腎動脈口から 3 mm以内に位置し,病変長は平均11.8mm,対照血管径は平均5.1mm,最小血管径(MLD)は平均1.92mm,狭窄率は平均62.1%だった。
中略(詳細は)
浅大腿動脈慢性閉塞に対するナイチノール製自己拡張型ステント留置術
小プロファイルガイドワイヤの双方向性アプローチで成績向上
浅大腿動脈(SFA)慢性閉塞例に対する血管内治療はまだ確立されておらず,その成功率,慢性期開存率はいまだに低いという問題点がある。
最近開発された末梢動脈閉塞病変治療用の小プロファイルガイドワイヤと従来のステンレス製よりも破損しにくいナイチノール製自己拡張型ステント(NSES)を用いることにより急性期手技成功率の向上とともに慢性期開存率の改善が期待されている。
湘南鎌倉総合病院(神奈川県)循環器科の宮下裕介医長は,SFA慢性閉塞に対する小プロファイルガイドワイヤを用いたNSES留置術は,双方向性アプローチで逆行性にバルーン拡張を行うことで成功率と慢性期開存率が改善したと報告した。
成功率88%,1年開存率82%
対象は,2004年 9 月~06年12月に同科で小プロファイルガイドワイヤ(0.018インチのTreasure,0.014インチのRubyまたはCruise)とNSES(SMART,Luminexx)を用いて血管内治療を施行したSFA慢性閉塞例64例(平均年齢71.2歳),68病変(入口部病変37病変,中位病変31病変)。
分岐部から 5 cm以内に存在する病変を入口部病変,5 cm超に存在する病変を中位病変と定義した。対象の約20%は人工透析患者であった。
成功率は全体で88%,入口部病変で78%,中位病変では100%だった。
中略
急性期の合併症は,Blue toe症候群が入口部病変の 1 例に,急性閉塞が入口部病変の 1 例に,血栓による遠位部塞栓が中位病変の 1 例に認められたが,ワイヤによる血管穿孔,血管破裂,出血性の合併症などは認められなかった。
当初,同科では小プロファイルガイドワイヤを順行性アプローチのみで閉塞病変の通過を試みていた。
その際の手技成功率は入口部病変で60%であった。
そこで,膝窩動脈穿刺を加え双方向性アプローチに変更したところ,成功率が入口部病変でも82%に上昇し,さらに逆行性にバルーンを拡張することで手技成功率を入口部病変でも100%にすることができた。
中略
以上から,宮下医長は「小プロファイルガイドワイヤを双方向性にアプローチし,逆行性にバルーンを拡張してNSESを留置する血管内治療は,SFA慢性閉塞例の入口部病変,中位病変に有効であることが示唆された。今後は血管内超音波法(IVUS)を用いた多施設の前向き試験で同法の効果を明らかにする必要がある」と述べた。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?phrase=%E6%A2%A2%E8%A1%80%E7%AE%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3&perpage=0&order=1&page=0&id=M4033161&year=2007&type=article
出典 Medical Tribune 2007.8.16
版権 メディカル・トリビューン社
<関連サイト>
大動脈瘤に対する血管内手術:
ステント・グラフト留置術
http://www.yamaguchi-u.ac.jp/yu/yu47/47-33.html
■ステントとは19世紀のイギリスの歯科医Charles Stentに由来し、内腔を保持する支持物をさします(・・・「ステント」が人名由来とは知りませんでした)
■大動脈瘤の好発部位である腹部大動脈瘤では、腎動脈と動脈瘤の間の正常大動脈(proximal neck)の距離が、遠位弓部大動脈瘤では左総頚動脈または左鎖骨下動脈と動脈瘤の距離が15mm未満ですと、本手術の適応からはずれます。これはproximal neckまたはdistal neckが短いと、エンドリーク(endoleak)という合併症が発生しやすいためです。エンドリークとは動脈瘤内でかつステント・グラフトの外側の血流の漏れで、これが6ヶ月以上続きますと動脈瘤の拡大や破裂をきたします。術後エンドリーク率は、腹部大動脈瘤では5%、胸部大動脈瘤では25%です。
大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン(2006年改訂版)
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2006_takamoto_h.pdf
(カテーテル・インターベンション PDF1614 46/78)
大動脈・末梢血管インターベンションの現状
http://www.medicalview.co.jp/catalog/MAGA17541-08-01-0.html
(医学雑誌「Heart View」の特集の目次です)
第8回日本心血管カテーテル治療学会学術集会
http://jacct8.umin.jp/03program/03program.html
(学術集会のプログラムです)
2007年アメリカ心臓学会レポート
Thoracic Aortic Disease II
http://physician.pfizer.co.jp/cardiology/report/aha/2007/44.html
<自遊時間>
昨夕の診察中に、知人のA先生(開業医)から電話がありました。
最近、医師会に入会した先生です。
電話の内容はこんなことでした。
昨日、『医師連盟』からの郵便配布物が送られて来たとのこと。
自動的に『医師連盟』に入会させられているのは納得がいかなくて医師会に電話したが明確な返事が得られなかったとのことでした。
私「それで連盟費は払っているの」
A先生「納得できないから最初から払っていない」
私「それはえらい。私は今年になって一念発起して蛮勇を奮って払わないことにしたよ」
A先生「それで退会手続きはどうやってすればいいの。医師会では各地域の医師会に相談しろっていっていたよ」
私「医師会の中でたらいまわしされるだけで埒があかないよ。私も以前相談に行ったけどダメだった。奥から理事が出てきて怖かった。とても医師にはみえなかった。後日、ネットで電話番号を調べて『医師連盟』にかけても誰も電話には出なかった。要するに実態がない事務局なんだよ」
A先生「そうだったんだ。」
私「とにかく先生みたいに払っていない会員がいたということがわかっただけでも心強いよ。文面はかなり強制的で高圧的だけど所詮『寄付』だから強制されるようなものではないよ。入会手続きをしてないから退会手続きもないだろうから、払わずに静観ということで・・・」
A先生「ほんじゃ我慢してしばらくそうするわ」
迷えるわれわれ子羊に神のご加護を。
読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/?2008.5.21~
「井蛙内科/開業医診療録」~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/
があります。
現在、80歳過ぎの弓部の胸部大動脈瘤の方と、70台の胸腹部大動脈瘤の方を内科的に経過観察中です。
大病院の血管外科にコンサルトしたのですが、ステントの適応もないとのこと。
こわごわ診察しているのが現状です。
年年歳歳齢を重ねられるので手術の可能性はどんどんなくなっていきます。
大動脈瘤径もボーダーラインです。
行くも地獄、戻るも地獄。
この言葉で思い出したことがあります。
村民に「熱い油に手を入れろ」命令 インド地方の無謀な裁判
インドのある村で、学校から食糧が盗まれる事件があった。長老たちは村民の男性150人に、無実を証明するために煮えたぎる油に手を浸せと命令した。
村の男性150人は、油が沸騰する大釜から銅の指輪をつまみ出すよう命じられた。
裁判では、この命令を拒否した50人が犯人に違いないとした。
現在、大勢の村民がやけどを治療中だ。
ちょっと、話がそれてしまいました。
そんなわけで(?)、きょうは「腹部大動脈瘤とステント(血管内修復)」を勉強しました。
開腹修復と血管内修復ともに利点と欠点
〔ニューヨーク〕インペリアルカレッジ(ロンドン)のRoger M. Greenhalgh,Janet T. Powellの両教授は,腹部大動脈瘤(AAA)の血管内修復に関する臨床的論評をNew England Journal of Medicine(NEJM,2008; 358: 494-501)に発表し,「開腹修復と血管内修復は双方とも利点と欠点がある。
いずれも高い技術を要するため,どちらを選択するにせよ,定評のあるセンターで経験豊かな血管外科医または血管インターベンション専門医が行うことが重要」と述べている。
5.5cm以下では破裂リスクは低い
Greenhalgh教授らは「基本的に,血管内修復は開腹修復より低い早期死亡率に関連するが,のちに再介入を要するリスクが高く,長期アウトカムの確実性が低いことにも関連する。血管内修復を選択した患者には特に,術後の一貫した定期的なフォローアップが不可欠であることに留意すべきである」と述べている。
また,同教授らは「重要な点として,患者はAAAの修復を調査した試験で得られた知見について偏りのない情報を受け,両治療法の利点と欠点を検討すべきである」と主張している。
AAAはしばしば無症候性であるため,他の目的で腹部画像検査を行った結果として検出される場合が多い。
最も一般的な症状は腹部痛または背部痛である。
動脈瘤の既往を持つ同胞がいる者は,自身も動脈瘤を発症するリスクが高いと考えるべきである。
加えて,アテローム動脈硬化症患者はリスクが高い。
また,AAAは他の心血管疾患やさまざまな心血管イベントと関連する。
直径5.5cm以下のAAAでは破裂リスクは低いが,これより大きくなるにつれてリスクは急速に上昇する。
患者に症状がない場合,動脈瘤が直径5.5cmを超えて壊れやすくなった場合,または直径が毎年1cmを超えて増大する場合は,介入が推奨されることが多い。
いくつかの研究で,これらの基準に達するまで動脈瘤の開腹修復を待っても,早期の介入と比べて患者のリスクが増大しないことが示されている。
AAAの最初の臨床症状は破裂である場合が多い。破裂すると,患者の10%しか手術室に到達するまで生存できず,さらに手術死亡率は40%を超える。
一方,ACE阻害薬やスタチン系薬を投与されている患者はいずれも破裂リスクが低下する。
AAAの診断は通常,超音波検査で始まりCT,MRIを用いて確定診断される。
血管内修復は早期死亡率低い
AAAに関して開腹修復と血管内修復を比較した最も重要な研究はEVAR試験1,DREAM試験,EVAR試験2である。EVAR試験1の詳細は両教授らがLancet(2005; 365: 2179-2186)に,DREAM試験の詳細はRadbout大学ナイメーヘン医療センター(オランダ・ナイメーヘン)のJan D. Blankensteijn教授らがNEJM(2005; 352: 2398-2405)に, EVAR試験2の詳細は試験1と同じ研究者らがLancet(2005; 365: 2187-2192)にそれぞれ発表している。
患者1,082例によるEVAR試験1では,術後30日以内の死亡率は血管内修復群で1.7%,開腹修復群で4.7%であった(P<0.001)。
術後4年死亡率は血管内修復群では開腹修復群の約2分の1であった(P=0.04)。
全死因死亡率は血管内修復群で26%,開腹修復群で29%であったが,統計学的に有意ではなかった。
また血管内修復群の20%,開腹修復群の6%で再介入を要した。
DREAM試験には患者351例が参加。やはり,術後30日以内の死亡率は血管内修復群で有意に低かった。
術後2年目の全体的な生存率に有意差はなかった。
再介入は血管内修復群のほうが多く,動脈瘤関連の死亡は開腹修復群のほうが多かった。
EVAR試験2は開腹修復の候補者ではない患者338例を血管内修復群と介入なし群にランダムに割り付けた。
同試験では,介入なし群と比べて,血管内修復群で便益は認められなかった。
合併症とその後必要とした治療は,血管内修復群のほうが多かった。
患者の適性が重要
AAAに対する開腹修復は十分に確立された方法で,きわめて効果的であると同時に重大なリスクに関連する。
血管内修復と比べて,開腹修復は集中治療または救急治療の利用が多く,入院期間が長く,手術による痛みも強く,術後30日以内の死亡率が高い。
また開腹修復は,血管内修復とは異なり全身麻酔を要する。しかし開腹修復後は,AAAに関連する治療の必要性が血管内修復より少ない。
手術リスクの高い患者と併存症のある患者は開腹修復の候補者として適していないため,患者の選択が重要である。
開腹修復の候補患者に血管内修復を行うと,便益が得られることが試験で証明されている。
対照的に,外科手術の候補ではない患者に血管内修復を行った場合の便益は不明である。EVAR試験1は,術後30日以内の死亡率の点では最も適合する患者が最大の便益を得ることを示している。
血管内修復の候補患者は,特定の解剖学的要件を満たす必要があり,それは通常,CTで評価される。
その要件には,例えば動脈瘤頸部の形と長さ,腸骨動脈の直径などが関連する。さまざまな研究から,AAA患者の14~54%が血管内修復の解剖学的基準に適合することが判明している。
血管内修復では術前にグラフトを正確に決定しなくてはならないが,それは術前画像検査を行わなければならない。
移植後,通常は1か月と6か月時に,またその後は毎年1回,CT血管造影検査を行う。
AAAの血管内修復には多様な有害イベントが関連する。EVAR試験1では,血管内修復に割り当てられた患者543例中4例が動脈瘤破裂を発症したため,開腹修復に切り替えられた。
血管内修復では,虚血性合併症と腎臓合併症の可能性がある。
加えて血管内修復の有効性は,動脈瘤の瘤部から血流を継続的に排除することによりもたらされるが,これはおよそ患者の5例に1例で完全には達成されない。
グラフトの移動,グラフトまたは末梢血管の狭窄または閉塞,動脈瘤またはグラフトから遠位の動脈部位のいずれかの拡張が起こる可能性がある。
主要な臨床試験では4年間のフォローアップに関する結果が報告されているが,血管内修復の長期間の耐久性については確立されていないとしている。
出典 Medical Tribune 2008.6.19
版権 メディカル・トリビューン社

<参考サイト>
腹部大動脈瘤エンドグラフトは臨床試験をパスしたか
http://www.nv-med.com/tct/03/pdf/03.pdf
大動脈瘤の治療には積極的にステントグラフトを
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jcs2007/200703/502754.html
「大動脈瘤治療は手術かステンドグラフトか?」で、慈恵医大血管外科学の大木隆生氏(米国Albert Einstein医科大学外科学教授)は、「日本でも積極的にステントグラフトを用いたEVAR(Endovascular Aneurysm Repair:血管内治療)を取入れるべきだ」と提言した。
大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン(2006年改訂版)
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2006_takamoto_h.pdf
展望;ステントグラフト治療の普及に向け実施基準および調査体制の確立を
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?phrase=%E8%85%B9%E9%83%A8%E5%A4%A7%E5%8B%95%E8%84%88%E3%80%80%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%88&perpage=0&order=0&page=0&id=M41120511&year=2008&type=allround
腹部大動脈瘤にステントグラフト治療
東京医大で研修トレーニング
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?phrase=%E8%85%B9%E9%83%A8%E5%A4%A7%E5%8B%95%E8%84%88%E3%80%80%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%88&perpage=0&order=0&page=0&id=M3940241&year=2006&type=allround
腹部大動脈瘤ステントグラフトが保険適用に
ただし対象症例を限定
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?phrase=%E8%85%B9%E9%83%A8%E5%A4%A7%E5%8B%95%E8%84%88%E3%80%80%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%88&perpage=0&order=0&page=1&id=M4020433&year=2007&type=allround
腹部大動脈瘤にステント治療 代用血管の筒、開腹せず挿入
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20060804ik0b.htm
大動脈瘤に対する血管内手術:ステント・グラフト留置術
http://www.yamaguchi-u.ac.jp/yu/yu47/47-33.html
大動脈瘤ステント治療
http://www.pref.chiba.jp/byouin/junkan/science/stent.html
腹部大動脈瘤
http://www.jikeisurgery.jp/diseasegroup/vasc-surg/aaa/treat_adv.html
肥満、アディポカイン、および腹部大動脈瘤―Health in Man 試験
http://blog.m3.com/reed/20071211/Health_in_Man__
ステントグラフト治療
http://blog.m3.com/reed/20080331/1
炎症性腹部大動脈瘤
http://blog.m3.com/reed/20080204/1
<コメント>
昨日日本医師会雑誌の特別号として「心血管疾患診療のエクセレンス」というタイトルの雑誌が郵送されてきました。
期待して見開いてみたのですが、その分野を専門とする方には物足りない内容と思われます。
「大動脈瘤」の分野ではこんなことが書かれています。
■大動脈瘤とは、大動脈壁の全周または局所が正常径(胸部30mm、腹部20mm程度)の1.5倍を超えた拡張をいう。
■ 腹部では45~50mm以上、胸部では55~60mm以上を目安に、外科的人工血管置換かステントグラフト治療を選択する。
(体格が違うので欧米のデータはそのまま適用できない可能性があります。胸部と腹部が違うので、胸部大動脈の方がもともと血管径が大きいからでしょうか。)
■1年間に10mm以上の速度で拡大する場合や嚢状瘤は破裂するリスクが高く、より早期の治療が必要である。
<自遊時間>
一昨日、超音波装置が壊れたので昨日早速業者に来て貰いました。
案の定、基盤がもうないということで、ご臨終を宣告されました。
早速新機種の選考に入りそうです。
壊れた器械はアロカSSD-650。
カラードップラーもIMT計測も出来ない機種です。
今度こそ、この両方は絶対やりたいのですが、CWが必要かどうか迷っています。
ある筋からは、東芝、日立がいいのではといわれています。
予算もあるしなあと思っていたところ、今度は透視のモニターがピンボケで写らなくなってしまいました。
限りなくブルーです。
掛け時計まで壊れて止まってしまいました。
どなたかカラードップラーの心エコーとIMT計測を検査の主体とする場合、お薦めがあれば教えていただけるとありがたいのですが。
開業医なので中級でコンパクトなのが希望です。
読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/
2008.5.21~ 「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/
~2008.5.21
があります。
腹部大動脈瘤(AAA)のリスクファクターについての研究について勉強してみました。
AAAの原因については今まで意外とわかっていないことが判明しました。
肥満、アディポカイン、および腹部大動脈瘤―Health in Man 試験
腹部大動脈瘤(AAA)は腹部大動脈のアテローム動脈硬化に起因することから、AAAのリスク因子は、閉塞性動脈疾患のリスク因子と同一であると考えられがちであるが、これまで、あまり検討されていない。
例えば、糖尿病は閉塞性動脈疾患のリスク因子であることから、AAAのリスクにもなりそうであるが、これまでの研究では糖尿病はAAAのリスク因子にはなっていない。
本研究では、高齢者男性のAAAリスク因子を検討し、冠動脈疾患、喫煙、ウェスト・ヒップ比、ならびに血清レジスチンレベルが独立したAAAのリスク因子であることを明らかにした。
本研究では、糖尿病に加えて、年齢や高血圧もAAAのリスクにはなっていなかった。
本横断研究は、年齢65~83歳の男性12,203名を対象に、超音波検査法でAAAのスクリーニングを実施したところ、875名にAAA(>30 mm)が検出された。
血清アディポカイン濃度は952人で測定したが、そのうち318名がAAAを有していた。
ウェスト(オッズ比[OR]1.14)、およびウエスト・ヒップ比(OR1.22)は独立してAAAの予測因子であった。
AAAを> 40 mmとした場合、この関連性がより強かった(ウエスト・ヒップ比: OR 1.53)。
血清レジスチン濃度は単独でAAA (OR 1.53) および大動脈径 (β=0.19, p<0.0001) と強い関連性を示した。
これまでの研究では、全身性肥満はAAAのリスクにはなっていなかったが、本研究では、腹囲やウエスト・ヒップ比などの腹部肥満の指標がAAAの独立したリスクとなっていた。 本研究では、血清レジスチン濃度は大動脈径やAAAとの間にアディポカインよりも強い独立した関連がみられたが、その意義は今後検討を要する。
レジスチンは当初、脂肪細胞から分泌されるアディポカインとされていたが、単球やマクロファージからより多く分泌されることが示されている。
さらに、AAA内のマクロファージにレジスチンが存在することが確かめられており、血管平滑筋や内皮細胞機能を修飾することが知れていることから、今後、レジスチンをターゲットとしたAAA治療へ発展する可能性も考えられる。
(自治医科大学 循環器科 教授 苅尾七臣) http://www.carenet.com/news/cardiology/newsnow/det.php?nws_c=1225
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Golledge J et al. Circulation. 2007; 116: 2275-9.
神下雄吉 青のカーテンにハト 油彩30号http://page14.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/s77859348?u=;artfolio11
The hormone resistin links obesity to diabetes
http://npg.nature.com/nature/journal/v409/n6818/abs/409307a0_ja.html
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