戯れ言たれる侏儒
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シスタチンCとACS

戯れ言たれる侏儒 / 2011.10.05 00:42 / 推薦数 : 1
シスタチンCの測定は、急性冠症候群(ACS)患者の予後評価に有用であることが報告された。
川口市立医療センター循環器科の河内謙次氏らが、9月23~25日まで開催されていた第59回日本心臓病学会(JCC2011)で発表した。

近年、シスタチンCは、クレアチニンよりも軽度から中等度の腎機能障害の評価に優れており、将来の心血管イベントの予測においても有用であると報告されている。
今回河内氏らは、ACS患者の予後評価におけるシスタチンC測定の有用性を後ろ向きに検討した。

対象は、2008年1月から2009年12月までに川口市立医療センターのCCUにACSで入院した連続125例で、全例プライマリPCIを実施した。

PCI施行前にシスタチンCを測定し、シスタチンCが正常上限値の0.95mg/Lより高かった群(高値群、41例)と、0.95mg/L以下であった群(低値群、84例)の2群に分類した。

患者背景をみると、男女比、CKピーク値、LDLコレステロール値、HbA1c値、左室駆出率などには差がなかった。

一方、年齢は高値群が71.2歳、低値群が63.2歳、シスタチンCはそれぞれ1.82mg/L、0.73mg/L、CRPはそれぞれ2.29mg/dL、0.76mg/dL、NT-proBNPはそれぞれ21048.75pg/mL、807.50pg/mLと、高値群で有意に高かった。
一方、推算糸球体濾過量(eGFR)は順に40.01mL/min、68.67mL/min、HDLコレステロールは42.80mg/dL、 47.74mg/dLと、高値群で有意に低かった。

院内死亡と心血管イベント(心臓死、うっ血性心不全増悪による入院、狭心症)をエンドポイントとして、平均315日間にわたり追跡した。

その結果、院内死亡は高値群が9.8%だったのに対し低値群は1.2%、心血管イベントは高値群が 19.5%、低値群が6.0%と、いずれも高値群で有意に高かった(ともにp<0.05)。

年齢、NT-proBNP、eGFR、白血球数、CRPで調整したCox比例ハザードモデルを用いた多変量解析では、院内死亡、心血管イベントのいずれにおいてもシスタチンC高値のみが独立した予後規定因子で、シスタチンC高値のハザード比は、院内死亡が15.28(p=0.04)、心血管イベントが4.81(p=0.031)であった。

また、Kaplan-Meier曲線で心血管イベント無発生率を解析したところ、低値群は高値群に比べて有意に高かった(p=0.008)。

これらの結果から河内氏らは、「ACS患者において、シスタチンC値の測定は予後評価に有用である」と結論した。

 
出典  NM online 2011.9.28
版権 日経BP社
 
<シスタチンC 関連サイト>
シスタチンCの臨床的意義と利用法について教えてください。
http://www.crc-group.co.jp/crc/q_and_a/66.html
■シスタチンCとは酵素による細胞質や組織の障害を抑え、細菌・ウイルスの増殖を抑制するプロテアーゼインヒビターです。シスタチンCは低分子で腎糸球体を自由に通過できる物質であるため、GFRの低下に伴い血中濃度は上昇します。
■血清クレアチニンや尿素窒素は食事や筋肉量、運動の影響を受けますが、血清シスタチンC値は食事や炎症、年齢、性差、筋肉量などの影響を受けないため、小児・老人・妊産婦などでも問題なく測定できます。
■クレアチニン値はGFRが30mL/分(腎不全)前後まで低下した頃から上昇するのに対し、シスタチンC値はGFRが70mL/分前後の軽度~中等度の腎機能障害でも上昇し、腎機能障害の早期診断にたいへん有用です。
 
シスタチンC
http://wellfrog4.exblog.jp/15023185/


<私的コメント>
シスタチンCといえば、CKDすなわち心腎連関を想定してしまいます。
CKDステージとシスタチンC値は当然相関関係があるものと思われます。
この発表は心腎連関をみたものでしょうか。
「独立した予後規定因子」ということで全く別のことをみたものだということなのでしょうか。
だとすると、シスタチンCが高いとどのような機序でACSの予後に関連するのでしょうか。
頭の中が少し混乱しました。
 
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高感度cTnT測定は、一般地域住民の冠動脈疾患、心不全、および死亡のリスク評価に有効である
Cardiac troponin T measured by a highly sensitive assay predicts coronary heart disease, heart failure, and mortality in the Atherosclerosis Risk in Communities Study
Saunders JT, et al.
Circulation 2011; 123: 1367-1376
執筆:真田 昌爾 先生  
大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学
監修:小室 一成 先生  
大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学 教授
 
<概要>
心筋細胞壊死を直接に反映する心筋トロポニンT(cTnT)は、すでに急性冠症候群や心不全患者の独立した予後推定マーカーとして確立されているが、一般地域住民では、従来の検査法で検出限界を下回るのがほとんどで、測定意義が疑問視されていた。
今回、従来法の10倍鋭敏な高感度検出法の開発を受け、脳心血管疾患や心不全のない一般地域住民9,698名(54~74歳)でcTnTを測定し、その後、冠動脈疾患、心不全による入院、および死亡のイベントを10年間追跡した。
従来のcTnT検出感度(高感度法の0.03µg/Lに相当)では、従来の報告と同様1%未満の陽性率だったが、高感度法の検出感度 (0.003µg/L以上)では陽性が66.5%を占めた。
検査値の上昇は、年齢、男性比率、血圧、左心肥大、糖尿病比率、中性脂肪値、N末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)値、高感度C反応性蛋白(hsCRP)値と正の相関を、喫煙率、推定糸球体濾過量(eGFR値)、総コレステロール値、HDLコレステロール値と負の相関を示した。
各種イベントの発生を、従来の冠動脈疾患危険因子、腎機能、hsCRP値、NT-proBNP値で補正後、Cox比例ハザードモデルにて検討した結果、検出感度以下群に比べて0.014µg/L以上の最高値群(全体の7.4%)では、冠動脈疾患(95%CI 1.81~2.89)、致死性冠動脈疾患(同 3.78~15.25、ただし発生例は少数)、全死亡(同 3.21~4.88)、心不全(同 4.47~7.92)の発生が有意に多く、さらに、全死亡と心不全では検出感度0.003µg/L以上の集団でも有意に(p<0.05)高い発生を認めた。
本集団で、従来の危険因子の評価に、高感度cTnT、NT-proBNP、hsCRPをそれぞれ追加した場合のリスク検出力増加度は、高感度cTnTはNT-proBNPとほぼ同様で、hsCRPより優れていた。

 

<なぜMust-readか>

元来cTnT値は、比較的高い測定値を示す心血管疾患患者において有意な予後規定因子と報告されているため、今回の新しい高感度測定法による知見も、単なる技術的進歩にすぎないともみえる。

しかしながら、同じ心筋逸脱酵素のトロポニンI(TnI)が、現在臨床に寄与している最高感度の測定法でも全コホートのわずか数%の陽性率と報告され、陰性検出力に乏しい一方で、本試験は、まず未発症の一般地域住民にも広くその予後推定対象を拡大できた点で、成果が大きい臨床試験といえる。

著者らは、本試験の投稿中にCardiovascular Health Study[1]とDallas Heart Study[2]という同アッセイを用いた2つの臨床試験を発表しており、本試験より年齢層が10歳高い前者の試験でも非常に類似した結果が得られ、また年齢層の広い後者の試験でも、全体では25%の陽性率にとどまったものの、60歳以上では56%が陽性と類似した結果で、「本試験の再現性が裏づけられ た」と述べている。
本試験で高感度cTnT高値を示した症例は、既存の予後予測マーカーであるNT-proBNP、hsCRPをはじめ、従来からの多くの危険因子ともその報告に沿った相関を示したが、興味あることに、喫煙率と総コレステロール値には負の相関を示した。
このことは、cTnT値を上昇させる因子の議論に大きな一石を投じるが、一方で、本検査値が既存マーカーと異なる切り口から危険性をあぶり出し、その併用が互いをよく補完する可能性を示唆する。
また、 NT-proBNPが心筋からの産生を、hsCRPが炎症反応を直接に反映した指標である一方、cTnTがクレアチンキナーゼMB分画(CK-MB)などと同じく心筋逸脱酵素であるという差異が、心血管イベント発生前段階の一般集団で、「いかなる因子がイベント発生に至るには重要か」を考えるよい手がかりになると思われる。
しかし、本試験で高感度cTnTがNT-proBNPと同程度に、また冠動脈疾患マーカーとして鋭敏と報告されるhsCRPよりも高感度に、心事故や死亡の優れた予見性を示したことは、「心筋が何らかの理由で継続的に崩壊することは、将来のライフイベントに直接つながる」という直感的に受け入れやすい仮説を見事に示しているものの、cTnT値上昇の原因を考えるうえで、本試験の解析ではすでに冠動脈疾患と腎機能低下の関与が排除・補正されているため、cTnT値上昇の原因を冠血流不全に求めるのは特殊な状況に限定され難しい。
さらに、cTnT値は通常の運動などでは上昇しないという報告や、本試験で高感度cTnTがとくに冠動脈疾患よりも心不全や全死亡で相対的に高い予測検出力を示した点をあわせると、一般地域住民では冠動脈疾患以外にも、圧負荷や神経体液性因子などの心筋ストレスや、直接的な心筋崩壊要因が、潜行して将来的にイベントを発生させる可能性が強く示唆される。
たとえば、その病態には、今まで本試験のような集団で検討がほぼ不可能であった心筋アポトーシスなどのプログラム死の発生心筋内のハウスキーピングによる細胞死なども関与する可能性があり、臨床疫学から病態の新しい本質に迫るアプローチの可能性を十 分に示したことも興味深い。
本試験は、元来検出感度が高いCK-MBなどの心筋逸脱酵素測定ではどのように結果が再現されたのか、今回の結果がいかなる予防医学的あるいは治療的介入によって検査値の変化を生じ、加えて高感度cTnTの予後規定力に変化を及ぼすのかなど、疫学解析の結果をさらに基礎医学の進歩にも寄与させるための方法論や、より直接的にも本試験の具体的な臨床応用の幅広さを考えるうえで、大変有意義な一報といえる。


<参考文献>
1)deFilippi CR, et al. JAMA 2010; 304: 2494-2502.
2)de Lemos JA, et al. JAMA 2010; 304: 2503-2512.

 
http://www.univadis.jp/services/cardiopro/pages/mustreadarticles1106_01.aspx
(要パスワード)
 
<きょうの一曲>
Furtwangler: Variations on a Theme of Haydn (1/3)
http://www.youtube.com/watch?v=Kioo6owzIjg&feature=related
Furtwangler: Variations on a Theme of Haydn (2/3)
http://www.youtube.com/watch?v=Ipiov9CLTRQ&feature=related
Furtwangler: Variations on a Theme of Haydn (3/3)
http://www.youtube.com/watch?v=YF9-xd9bejw&feature=related

ハイドンの主題による変奏曲(ブラームス) フィナーレ
http://www.youtube.com/watch?v=Ihy9EzP3XgQ&feature=related

ハイドンの主題による変奏曲
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%B3%E3%81%AE%E4%B8%BB%E9%A1%8C%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E5%A4%89%E5%A5%8F%E6%9B%B2


昨夜のN響アワーはご覧になられましたか。
「パパ・ハイドンの栄光」というタイトルで
交響曲 第104番 ニ長調 「ロンドン」 ( ハイドン )
古典交響曲 作品25 ( プロコフィエフ )
ハイドンの主題による変奏曲 作品56a ( ブラームス )
の演奏が放送されました。

http://www.nhk.or.jp/nkyouhour/prg/2011-07-17.html

中でも、ハイドンの曲を見事にブラームスの味付けにしてしまう「ハイドンの主題による変奏曲 」のオーケストレーションには感心してしまいました。


 
<自遊時間>
昨昼は蓼科のオーベルジュ「エスポワール」で家族と食事をしました。
土地柄だけにキノコが出されましたが。結構濃厚な味がするのに驚かされました。
仏料理の奥深さを知ることが出来たのと同時に、ワインが本当にわかるには様々な木や花やキノコなどの香りや味にも堪能になる必要があることもわかりました。



 
 

 


 
 
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Na/K比と死亡リスク

戯れ言たれる侏儒 / 2011.07.14 00:25 / 推薦数 : 0
やっぱり減塩だけでは駄目? Na/K比が大きいと死亡リスクが上昇
米NHANES調査
今後は減塩だけでなく積極的なカリウム摂取への機運がより高まるかもしれない?
7月11日,米疾病対策センター(CDC)のQuanhe Yang氏らは,米国保健栄養調査(NHANES)Ⅲにおける前向きコホート研究の新たな結果をArch Intern Med に報告した。
それによると,1日当たりに摂取するナトリウム(Na)/カリウム(K)比が大きいほど死亡や心血管疾患のリスクが有意に高まっていたとい う。
日常の食事や体内におけるNaやKの作用についてはよく知られているが,全米の一般人口を代表する集団で,日常の食事における両者の影響を同時に検討 したのは初めてだという。
 
Na,K単独に比べより強いリスク上昇が確認
これまで複数のランダム化比較試験(RCT)や疫学研究で,Na摂取の増加あるいはK摂取の減少が高血圧や心血管疾患のリスク増加に関連することが指摘されている。
Yang氏らによると,最近では,NaおよびKの比がそれぞれ単独の場合に比べ,高血圧や心血管疾患の重要な危険因子となりうることを示す報告が相次いでいるという。

一方,米国ではNaの過剰摂取やK摂取量の不足が指摘されている。
この問題が全米における心血管疾患や死亡にどのようなインパクトをもたらしているのか,今回検討が行われた。

1988~94年のNHANESⅢに登録された1万2,267例の成人(20歳以上,妊婦は除外)の健康診断データベースおよび1988~2006年までの死亡データベースを用いて全死亡,心血管疾患,虚血性心疾患の発症が前向きに追跡された。

14.8年(中央値)の追跡期間中に2,270例が死亡し,うち825例が心血管疾患で,443例が虚血性心疾患により死亡していた。

Na摂取量1gごとに全死亡の補正後ハザード比(HR)は1.20(95%CI 1.03~1.41)と有意に上昇していた。
一方,K摂取量が1g増えるごとの同HRは0.80と有意な低下を示していた。

また,Na/K比の第1四分位に対する第4四分位の全死亡のHRは1.46(同1.27~1.67),心血管疾患死のHRは1.46(同1.11~1.92),虚血性心疾患死のHRは2.15(同1.48~3.12)に上昇していた。

同様の傾向は,性や人種,BMI,高血圧の有無や教育レベル,身体活動量にかかわらず確認された。

同氏らは今回の検討から,Na/K比が大きいと心血管や全死亡のリスクが有意に増加することが全米一般人口で確認されたと結論。

研究者の1人CDCのElena Kuklina氏は,今回の結果について「米国成人が1日の推奨量の約2倍近い平均3.3gものNaを摂取していることになる」と懸念を示す。
また「80%近くの人が利用する加工食品やレストランでの食事が,Na過剰摂取の原因となっていることがさらに強く裏付けられた」とした上で,減塩だけでなくカリウム摂取を増やすことでさらなる健康上のベネフィットが期待できるとしている。
                 (坂口 恵)
出典 Medical Tribune  2011.7.12
版権 メディカル・トリビューン社
 
 
<関連サイト>
現状の減塩方針によるベネフィットはいまだ不明
コクランレビューから
出典 Medical Tribune  2011.7.7
版権 メディカル・トリビューン社
■コクランレビューは7月6日,現状の減塩方針による心血管疾患の発症や死亡の抑制効果に対するベネフィットはいまだ明らかでないとの結果を発表した。
2009年の解析結果でも同様の見解が示されていた。
■国内外の高血圧ガイドラインでは6g/日未満の減塩の目標が設定されている。
しかし,日本人の平均食塩摂取量は10g/日を超え,目標値の達成が非常に難しいと言われている。
■今回,メタ解析の対象とされたのは,2008年10月までの追跡期間6カ月以上のランダム化比較試験(RCT)で,かつ食事での塩分摂取制限に関 する介入が行われ,かつ成人対象,死亡あるいは心血管疾患発症に関する検討を実施した論文。
英語以外の論文も含め選定が行われた。
■正常血圧者における全死亡の相対リスク(RR)は試験終了時の値で0.67(95%CI 0.40~1.12,死亡者数60例),最も観察期間の長い試験では0.90(同0.58~1.40,79例)。
また,高血圧患者の全死亡のRRはそれぞ れ0.97(同0.83~1.13,513例),0.96(同0.83~1.11,565例)であった。
■一方,心血管疾患発症のRRは正常血圧者で0.71(同0.42~1.20,イベント数200件),ベースライン時血圧が高値の人では0.84(同0.57~1.23,93件)。
さらに,心不全患者では減塩による全死亡のRRは2.59(同1.04~6.44,死亡者数21例)に上昇していた。
■今回の解析では,前回の解析よりもより多くのRCTの成績を追加できたにもかかわらず,死亡や心血管疾患発症に対するベネフィットは明らかにならなかった。
■心不全患者の減塩が有害であるかどうかについては今後RCTによるエビデンスの蓄積が求められる。
 
 
コクランレビューの「減塩の効果は不明」で大きな波紋
 ■7月6日,コクランレビューが「減塩の心血管疾患や死亡に対する効果は不明」とのシステマチックレビュー(上記記事)を発表した。
“エビデンスの総本山”が表明したこの見解を「減塩による効果はない」と報じた海外メディアもあった。
一方,英国保健サービス(NHS)や米国心臓協会 (AHA)などの医療系団体も「今回は十分な検証が行えなかった背景がある」として,それぞれの公式サイトで引き続き減塩の重要性を訴えるなど事態収拾に動いている。
 
NOW SALT IS SAFE TO EAT
http://www.express.co.uk/posts/view/257048
(英国の一般大衆向けメディア,Express.co.uk「食塩は食べても害がない」との刺激的な見出しで,「英国立臨床評価研究所(NICE)が推進しようとしている,2025年には成人1人当たりの食塩摂取量を3g/日という減塩政策は吹き飛んだ」などと報じている。)

Unclear results for salt reduction study

http://www.nhs.uk/news/2011/07July/Pages/heart-risk-salt-reduction-cochrane-review.aspx

( NHSはコクランレビューの結果について「研究者らは減塩に効果なしと断定しているわけではない」として「今回の研究結果は,現在の減塩に関する勧告(成人1人当たり6g/日)を変えるものではない」と
Express.co.ukの記事に対し,名指しで異論を唱えている。)

 

Putting studies about sodium into perspective
American Heart Association Comment:
http://www.newsroom.heart.org/index.php?s=43&item=1375
■AHAは,今回の結論が「社会に混乱をもたらすかもしれない」と認めながら,次のような“懇切丁寧な解説”を付けて冷静に対応するよう求めている。
■同メタ解析の対象となった研究の対象者は中年の白人あるいはアジア人。
しかし,高血圧の影響はアフリカ系米国人やより高齢の米国人でより強い。
■メタ解析の対象となった7報の論文のいくつかは台湾,オーストラリア,イタリアで実施されたもので,米国の一般人口に当てはめることはできない。
■同解析では6~71カ月の観察期間に基づいた結果を示している。
高血圧や心臓病,脳卒中のリスクはゆっくりと進行することから,今回の観察期間では結論を導き出すには不十分と考えられる。
■全対象論文は食事日記を通しての塩分消費量を用いており,尿中塩分排泄量などに比べナトリウム摂取量の評価の点で信頼性に欠ける可能性がある。


 
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微小血管狭心症

戯れ言たれる侏儒 / 2011.07.10 00:51 / 推薦数 : 0
きょうは日盾の2つのガイドラインで「微小血管狭心症」について勉強しました。
 
微小血管狭心症
● 心表面の太い冠動脈に有意狭窄が明らかではないにもかかわらず狭心症状を呈する患者(微小血管狭心症)の頻度は,男性より女性(特に閉経後)に多い(レベルB)。
● 女性の微小血管狭心症の予後は必ずしも良好とはい
えない(レベルB)。
 
①微小血管狭心症の特徴
狭心症が疑われた患者において冠動脈造影で正常所見
であった割合は,男性8%に対して女性41%と有意に高
いことが報告されている。
これらの患者のうち少なくとも一部は,冠動脈造影では検出できない100μm以下の微小冠動脈の機能異常が胸痛や心筋虚血の発現に関与する可能性が示唆されている。
このような疾患群が, 微小血管狭心症(microvascular angina)と定義される。
微小血管狭心症では,男性よりも女性,特に閉経後の
女性に多く,70%を占めるとの報告もある。
胸痛の 性状としては,一般的な狭心症の症状とほぼ同様であるが,症状は労作時だけではなく安静時にも出現し,硝酸薬に対する反応が半数以上で不良であり,30分以上遷延することもある。
また,心表面の太い冠動脈の攣縮による冠攣縮性狭心症に合併することもある。
 
②診断と治療
微小血管狭心症の診断には,心臓カテーテル検査における冠血流予備能の測定や,ペーシング負荷時の冠静脈洞の乳酸代謝測定が有用である。
最近では,13 N-ammo-niaを用いたpositron emission tomography(PET)による非侵襲的な冠血流予備能測定が診断に有用であることも報告されている。
心臓核医学的アプローチばかりではなく,Magnetic resonance imaging(MRI)とドブタミン薬物負荷を組み合わせた方法でも,微小冠動脈の機能異常に合致する所見が得られており,今後の展開が注目される。
現在のところ,微小血管狭心症に対する確立した治療法はない。
カルシウム拮抗薬等の一般的な抗狭心症薬治療にて十分な効果を得られない場合は,スタチンやACE阻害薬等NO産生を増加させ得る薬剤の追加が有用である場合がある。
またRhoキナーゼ阻害薬注射薬が予防に有効であることが報告されており,今後の経口薬の開発が期待される。
微小血管狭心症に対する治療効果の性差については,まだ明らかにされていない。
 
③予後
WISE Studyの結果から,女性の微小血管狭心症の中には,比較的リスクが高い患者群が存在することが明らかになった。
 
有意狭窄が認められなかった74例を対象に,核磁気共鳴分光法(magnetic resonance spectroscopy; MRS)よる虚血評価を行ったところ,約20%の症例で虚血所に 見が認められた。
この異常MRS群では,3年間の観察期間における心血管死・心筋梗塞発症回避率は57%であり,有意狭窄を認めた352例のイベント回避率52%とほぼ同等の結果であった。
なお有意狭窄もなく虚血所見も認められなかった群のイベント回避率は87%と他の2群に比し良好であった。
 
アセチルコリンに対する冠動脈血管反応性を評価した163例を,48か月追跡したところ,58例に心血管イベント(死亡,狭心症・心筋梗塞・心不全・脳卒中による入院,血行再建)が認められた。
血管反応性の異常は,これらの独立した予後予測因子であった。
 
WISE Studyにエントリーされた673症例を,50%以上の動脈硬化性病変の有無と,少なくとも1年以上にわたって胸痛が持続しているか否かで4群に分類し,比較検討した。
平均5.2年の観察期間において,病変もなく胸痛もない患者群に比し,病変はないものの胸痛が消退しない患者群では,心血管イベントの発症率が2倍強であった。
一方,病変のある患者群では,症状の有無に よる差異は認められなかった。
男性の微小血管狭心 症における予後に関する検討は,まだなされていない。
出典
http://www.j-circ.or.jp/guideline/index.htm
(PDF)
循環器領域における性差医療に関するガイドライン
班長:鄭 忠和 掲載:Circulation Journal Vol. 74, Suppl. II, 2010
 
 

 
 
冠微小血管攣縮について
①微小循環の重要性
 動脈硬化性病変がなければ,大きな冠動脈は全冠血管抵抗の約5%しか寄与していない。
このことは微小血管が心筋血流調節の中心的な役割を果たしていることを意味しており,その調節機構の破綻は太い冠動脈の異常(狭窄あるいは攣縮)の有無にかかわらず虚血を惹起させうる。
冠微小循環異常に基づく心筋虚血の発生機序に関していくつかの可能性が推定されている。
それらは,

(1)冠微小血管の拡張能の低下,あるいは左室壁内における不均一な血管拡張に起因する盗血現象,
(2)冠微小血管攣縮
などである。

いわゆる微小血管狭心症例では,心房頻拍ペーシングやハンドグリップ,あるいはアデノシン負荷によって左室局所や心内膜下の血流低下や心筋虚血が生じることが報告されている。
このような冠微小血管の代謝性拡張不全は,運動中の心筋虚血(労作性狭心症)の原因となりうる。
 
一方,冠微小血管の過収縮(攣縮)が生じれば,心筋酸素需要の増加を伴わない,すなわち安静時における狭心症が生じると考えられる。
冠微小血管攣縮により心電図異常(ST上昇あるいは下降)を伴う狭心症が起こりうるという多くの報告がある。
 
②微小血管狭心症
微小血管狭心症の臨床像の特徴については,以下のようにまとめられている.

(1)女性,特に閉経後の女性に多い,
(2)胸痛の性状やST下降のパターン(運動負荷,ホルター心電図所見で認められるもの)によって古典的な狭心症と区別することができない,
(3)労作以外に安静時に胸痛を生じることが多い,
(4)胸痛の持続時間が10分以上のことがまれでない,(5)速効性硝酸薬が有効な症例は50%以下,
などである.
 
本邦における検討でも,微小血管狭心症患者では女性の比率が有意に高いが,欧米と比べて安静時狭心症例が多いことが特徴であり,冠微小血管攣縮が虚血の発生に関与している可能性が指摘されている。
 
微小血管狭心症においては速効性硝酸薬の効果が低いとされているが,一般に使用されている抗狭心症薬の効果も低い。
長期的な生命予後は良好であるものの,狭心症症状の増悪やそのための再入院がまれでないという報告が多く,患者のQOLの低下のみならず社会医療経済学的にも問題である.
 
③冠微小血管攣縮による狭心症
冠微小血管攣縮は造影で確認することはできないので,誘発試験の結果から間接的にその存在を推定する。
冠動脈内へのアセチルコリンもしくはエルゴノビン投与による冠攣縮誘発試験中に,大きな冠動脈に攣縮が認められないにもかかわらず狭心症症状が誘発され,このときに明らかな冠血流速度の低下(造影遅延や
Thrombolysis in Myocardial Infarction(TIMI)フレーム数の増加),心電図上の虚血性変化の出現,心筋乳酸産生を伴うなどの心筋虚血の直接・間接的所見が出現した場合に冠微小血管攣縮と診断する。
冠微小血管攣縮は単独で狭心症を生じる例(微小血管狭心症),以下に述べる冠攣縮性狭心症に合併する例,そのほか冠動脈の器質的狭窄病変に起因する不安定狭心症や急性心筋梗塞に合併する例などが知られており,虚血性心疾患全般にわたって病態を修飾していると考えられる。

冠攣縮性狭心症は大きな冠動脈の攣縮によるが,冠攣
縮性狭心症と診断される例の少なくとも一部では,冠微
小血管攣縮が症状(心筋虚血)に寄与していることが推
測されている。
大きな冠動脈の攣縮と微小血管攣縮が同時に合併する例は女性に多く,また病歴上典型的な狭心症症状に加えて30分以上続く胸痛の既往が多いことが報告されている。
これらの特徴は上に述べた微小血管狭心症の臨床像に似ている。
また大きな冠動脈の内膜傷害が繰り返されることによって,その下流の冠動脈床で微小血管攣縮が生じるという動物モデルでの検討もある。
微小血管攣縮によると診断された狭心症ではカルシウム拮抗薬の有効性が低い。
冠微小循環異常による狭心症患者で有用性が報告された薬物としては,ニコランジル,アンジオテンシン変換酵素阻害薬,抗酸化剤,Rhoキナーゼ阻害薬などがある.いずれも少数例での検討であり,有効性を確立するほどの十分な証拠はない。
 
冠微小血管攣縮はその定義からわかるように冠動脈造影で確認できない微小血管の異常であり,一般に診断が困難である。
アセチルコリンやエルゴノビンを用いた冠攣縮誘発試験で大きな冠動脈に攣縮が発生していないにもかかわらず胸痛や虚血性心電図変化が生じる例は決してまれではない。
冠微小血管攣縮による狭心症患者の予後や治療を今後さらに詳細に検討するためには,診断基準を標準化して,多施設で前向きに評価するという系統的アプローチが必要である。
 
出典

http://www.j-circ.or.jp/guideline/index.htm
(PDF)
循環器領域における性差医療に関するガイドライン
班長:鄭 忠和 掲載:Circulation Journal Vol. 74, Suppl. II, 2010
 
 

読んでいただいて有り難うございます。
コメントをお待ちしています。
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「ワイヤレス心電計」 については以下のブログで紹介させていただきました。

 
狭心症の診断ツールとしての心電図

高血圧と疫学 2008.9

ワイヤレス12誘導心電計

ワイヤレス12誘導心電計を導入しました

血圧付ワイヤレス12誘導負荷心電計
http://yaplog.jp/hurst/archive/47

 
きょうは、当院で実際に行っている「ワイヤレス心電計」で狭心症と診断した実際例を紹介させていただきます。
 
症例 80歳 女性
「半年前から疲れた時などに胸が苦しくなる」ということで2011.6.10当院を受診。
(「労作時」という言葉は本人から聞き出せず)
 
来院時所見;
血圧 144/78mmHg
安静時心電図 軽度ST変化
打聴診 異常なし
 
狭心症を疑い、ワイヤレス心電計を使用して「マスターダブル負荷」 検査を行いました。
 
結果は以下の如し。

 
 
ファイナルレポート


左の赤線のトレンドは心拍数。
緑線の勾配部分(1分から4分の3分間)は運動負荷を示す。
右の数字は各誘導(同時12誘導)の各時間帯のST偏位を示す。

 
 

トレンドグラムの拡大。

 ST偏位の拡大図。
前(2回) 、運動負荷中(1分毎3回)、負荷後(4回)の全12誘導のST 偏位。
色の濃い部分は負荷終了直前のST 偏位、いわゆる一番「おいしい」部分。
Ⅱ、Ⅲ、aVF、V2〜V6と広範囲にST低下が起こっている。
この症例はリカバリーが悪いため普通のマスター負荷でも診断可能と思われる。
しかし、リカバリーがよい症例ではST偏位は見落とされてしまう。
 
 
安静時心電図。
軽度のST変化のみ。
 
 
負荷終了直前の心電図。
負荷中にも関わらず、比較的ドリフトやノイズは少ない。
 
 
四肢誘導のST変化。
Ⅱ、Ⅲ、aVFの著明なST低下がsummationにより明示されている。

 
 
胸部誘導のST変化。
(V2)V3〜V6 での著明なST低下がみられる。
 

 
 このチャートで不整脈のチェックをします。
負荷中に少々のドリフトが見られるものの不整脈の有無は判読出来ます。
この方では負荷中、負荷後ともに不整脈は見られません。
 
ST変化をチェックするには一番見やすいチャートでファイナルレポ−トといってもよいものです。
全12誘導のST変化をみることができます。

赤線の右方向が負荷、緑線に変わる折り返し点がエンドポイントに相当します。
緑線は右から左に時間とともにST変化が回復。
(リカバリータイム)
要するに右肩下がりは運動負荷による虚血を示します。
 

 
 
 上図のV4〜V6の拡大図。

 

この方は早速CTCA検査のために専門施設に紹介しました。

 


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冠攣縮性狭心症・院外心停止例の5年MACEは3割
冠攣縮は冠動脈の突発的な過収縮により一過性に血流が低下する病態で,心筋梗塞や心停止の原因になりうる。
そのため循環器研究の重要な主題であるが,病態に対する国際的理解度は低く,日本でも診断を行う施設が少なくなってきている。
全国規模の「冠攣縮研究会」は Circulation Arrhythmia and Electrophysiology(2011; 34: 468-470)に大規模な後ろ向き調査を報告。
冠攣縮性狭心症で院外心停止を経験した症例では,5年で3割が致死性イベントや心筋梗塞,重症入院などのリスクを有することが明らかになった。
 
負荷試験の実施施設減少に歯止めを,ガイドラインも作成
近年,虚血性心疾患の診断や治療に用いる器機が大きく進化した。
解剖学的に狭窄部位を同定し,虚血部位の血行を再建する治療は容易になったが,一 方で,血管の機能異常がもたらす冠攣縮については軽視されてきた傾向が否めない状況にある。
その一因として,現在の保険診療制度下では病院経営的側面から入院日数の短縮化が求められ,確定診断のために必要な負荷試験を要する冠攣縮性狭心症の診断が行いにくい環境になっている点などが挙げられる。
 
しかし,致死性疾患を予防するためには冠攣縮の診断・治療は外せない。
危機感を持った研究者らは,2006年に全国規模の「冠攣縮研究会」を立ち上げ, 実態調査や勉強会を展開していった。これらの成果は,2008年に日本循環器学会が公表したガイドラインにも結び付いた。
 
ガイドラインの作成により,施設間で異なっていた冠攣縮性狭心症の診断が「発作時に心電図上の明らかな虚血変化が認められる場合,あるいは発作時の所見は疑い程度にとどまった場合の運動負荷など非薬物誘発試験か,アセチルコリンやエルゴノビンなどの薬物誘発試験によって認められる場合」と定められた。
 
<私的コメント>
「発作時の所見は疑い程度」で実は心電図所見としては疑陽性だった場合の運動負荷陽性例で問題が出そうです。
こういった症例の中には労作時狭心症が混入している可能性があるからです。
(この際の心電図変化がST上昇型なら文句なしです)

また、冠攣縮性狭心症と器質性狭心症と混在した狭心症もあります。
( 労作時狭心症と安静時狭心症の混在したいわゆるmixed anginaとは区別)
 
もう一つ。
非薬物誘発試験には、運動負荷試験以外に寒冷刺激試験や過呼吸試験が想定されます。
それぞれの、 冠攣縮性狭心症をdetectするための感度や特異度が異なるはずです。
 
勝手ながら自分ながらの考えを少しまとめてみました。

■安静時狭心症は冠攣縮性狭心症と考えてよい。
■しかし、冠攣縮性狭心症はすべて安静時狭心症ではない。
(このことは運動負荷で冠攣縮性狭心症が起きる場合があることから明らか。この際はST上昇型である必要がある?)

■労作時狭心症すなわち器質性狭心症ではない。
 
以上のことは間違っているでしょうか。

 
初の全国調査で明らかになった院外心停止例の高リスク度
今回の研究は,この「冠攣縮研究会」国際的に発信する初の報告と位置付けられる。
立ち上げ当初から参加している47施設(現68施設)から1,429例の冠攣縮性狭心症患者のデータが集積され,後ろ向きに解析されたものだ。
 
平均32カ月の観察期間で,院外心停止の既往のある患者35例とそれ以外の1,394例を比較したところ,突然死や非致死性心筋梗塞,不安定狭心症や心不全による入院,植え込み型除細動器(ICD)の適切作動からなる主要心血管イベント(MACE)の5年間の非発生率は,院外心停止既往群が72%とそれ以外の患者群の92%と比べて有意に低かった(P<0.001,)。
院外心停止を経験した冠攣縮性狭心症患者では,ICDの適切作動も2例含まれるなど,予後がより悪化していることが明らかにされた。
 
 
また,MACE発生率に影響する因子を多変量解析で検討したところ,虚血性心疾患の家族歴とともに院外心停止既往が挙がり,特に院外心停止はハザード比が4.22と高かった)。
また,対象全体の検討では,Ca拮抗薬を中心とする薬物治療を中断した症例で心血管死や非致死性心筋梗塞の発生率が有意に上昇していたことから,治療継続が重要であることも示された。
 
 
 
今回の解析をまとめた東北大学大学院循環器内科の下川宏明教授は「冠攣縮を有する院外心停止症例へのICDの植え込みは検討課題となっているが,今回の解析はその議論のエビデンスとして貴重なものになるだろう」と述べた。
 

 

Comment
東北大学大学院 循環器内科・下川 宏明 教授

 

院外心停止例への市民による心肺蘇生が普及し,低体温療法など治療の進化で神経学的後遺症の残らない患者が増えた現在,救命できた患者の予後をいかに改善していくかが課題となっている。
院外心停止の要因には,今回検討した冠攣縮性狭心症や特発性の心室細動/心室頻拍(VT/VF)が挙がるが,当科で院外心停止蘇生例(12例)を評価したところ,全例でどちらかが陽性,7例は両方とも陽性で,院外心停止例がいかに高リスクであるかを再認識した。
患者に負荷のかかる誘発試験が必要なことから,評価を行うことについて否定的な意見が聞かれた時期もあったが,今回の全国規模の調査からも分かるように,適切な評価とそれに基づいた管理が重要であることは明白だ。
CTなどによる解剖学的診断だけでなく,冠攣縮の有無といった機能的評価もしっかり行う必要がある。
現在,「冠攣縮研究会」では,前向きの観察研究が進行している。
冠攣縮性狭心症の診断治療の在り方を世界に向けて発信していきたい。
 
出典 Medical Tribune 2011.5.26
版権 メディカル・トリビューン社

 

 

松本竣介 白い建物 1941年頃 宮城県美術館蔵
http://www.art-index.net/art_exhibitions/2009/04/post_399.html



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安定狭心症患者へのPCI前と退院時の至適薬物治療実施率、COURAGE試験発表後も微増にとどまる
COURAGE試験では、安定狭心症患者に対する、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)実施前の至適薬物治療(OMT)の妥当性を示したが、同試験発表前後のPCI前・退院時のOMT実施率を比べた結果、微増にとどまっていたことが明らかになった。
米国・コーネル大学Weill Cornell医学校のWilliam B. Borden氏らが、47万人弱の安定冠動脈疾患患者を対象に行った観察研究の結果明らかにしたもので、JAMA誌2011年5月11日号で発表した。
 
被験者全体のPCI前OMT実施率は44.2%、退院時実施率は65.0%
同研究グループは、2005年9月から2009年6月にかけて、PCIを実施した安定冠動脈疾患患者、46万7,211人について観察研究を行った。
主要評価項目は、COURAGE(Clinical Outcomes Utilizing Revascularization and Aggressive Drug Evaluation)試験発表前後の、PCI前と退院時のOMT実施率だった。
なおCOURAGE試験は、安定冠動脈疾患患者を対象に、OMTのみと、OMTとPCIの併用について、その臨床アウトカムを比較した無作為化試験。
同試験の結果から、生存率や 心筋梗塞発症率に両群で有意差が認められず、すなわちPCI前の積極的なOMTの妥当性が示されていた。
今回のBorden氏らによる試験の結果、被験者全体でPCI前のOMT実施率は44.2%(95%信頼区間:44.1~44.4)、退院時のOMT実施率は65.0%(同:64.9~65.2)だった(p<0.001)。
PCI前OMT実施率は1.2ポイント増、退院時実施率は2.5ポイント増
COURAGE 試験の前後で比較してみると、同試験発表前の被験者17万3,416人のうち、PCI前にOMTを実施していたのは7万5,381人(43.5%、 同:43.2~43.7)だったのに対し、同試験発表後の被験者29万3,795人中では13万1,188人(44.7%、同:44.5~44.8)であ り、1.2ポイント増だった(p<0.001)。
またPCI後の退院時OMT実施率も、COURAGE試験前63.5%(同:63.3~63.7)に対し、同試験後は66.0%(同:65.8~66.1)で、2.5ポイント増(p<0.001)
と変化は微増だった。
        (當麻あづさ:医療ジャーナリスト)
出典 Care Net.com   2011.5.24
版権 Care Net
 
<原文>
Borden WB et al. Patterns and intensity of medical therapy in patients undergoing percutaneous coronary intervention. JAMA. 2011 May 11;305(18):1882-9.
 
 
<自遊時間>
先生方にも以下のメールが届いているかと思います。
 
JCS Newsletter 号外
-----------------------------------------------------
今回のJCS NEWS LETTERはテキストメールにてお送りいたします。
 【日循】アジア太平洋心臓病学会(APSC)退会のお知らせ-JCS Newsletter 号外-
 
 
日本循環器学会
会員各位
日本循環器学会は、このたび諸般の事情を熟考し、
これまで会員であった、アジア太平洋心臓病学会(APSC)(本部NPOは京都市内設置)を正式に退会いたしました。
これまで日本循環器学会は毎年学会員数(約24,000名)に見合うAPSC年会費を定期的にかつ自動的に納入しておりましたが、今後はこの納入と、循環器学会がサポートしていたAPSC事務局を閉鎖することに決定いたしました。
日本循環器学会
理事長  松崎 益徳
http://www.j-circ.or.jp/international/apsc.htm
 
<参考>
シンガポール訪問記
http://www.kamakuraheart.org/world/no16_singapore01/singapore.html
 
アジア太平洋心臓病学会
http://www.weblio.jp/content/%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2%E5%A4%AA%E5%B9%B3%E6%B4%8B%E5%BF%83%E8%87%93%E7%97%85%E5%AD%A6%E4%BC%9A
 
アジア太平洋心臓病学会(APSC) 新理事長就任のお知らせ
http://worldheartday.blogspot.com/2011/05/apsc.html
■「松森昭先生 (Dr. Akira Matsumori)」次期理事長が、5月8日付で新理事長に就任いたしました。 

(私的コメント;新理事長になったばかりだったようですが。)

 

<私的コメント>
日本循環器学会も脱亜入欧?
諸般の事情についての説明がされていません。
私は昔、3回APCCで発表しました。
(バンコック、台北、オークランド)
おかげで海外旅行が出来、いい思い出が出来ました。
 APCCとASPのの関係を調べたのですが、ASPC学術集会がAPCC(最近は2年ごとに開催)とのことです。
退会に至った経緯はどういったものか知れませんが、日本が脱会すれば自然消滅の危機と思われます。
ちょっぴり残念です。
 
 
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http://wellfrog4.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
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日循誌(Circulation Journal)に掲載された冠予備能についての論文で勉強しました。

 

Coronary Flow Reserve Is a Comprehensive Indicator of Cardiovascular Risk Factors in Subjects With Chest Pain and Normal Coronary Angiogram

Backgroubd:
The aim of the present study was to analyze the parameters related to baseline coronary flow velocity (CFV) and coronary flow reserve (CFR) using Doppler transthoracic echocardiography (TTE), and to assess their associations with components of the Framingham risk score (FRS), which estimates 10-year risk of coronary heart disease, in subjects with chest pain and a normal coronary angiogram.
 
Methods and Results:
A total of 354 individuals (mean age: 55±11 years, M:F ratio =186:168) with angina or angina-like chest pain and a normal coronary arteriogram were enrolled.
CFR, using TTE and adenosine or dipyridamole, was measured within 2 weeks after coronary angiogram.
The clinical, electrocardiographic, echocardiographic and laboratory parameters related to baseline CVF and CFR were analyzed, and CFR was compared with FRS.
There was an inverse correlation between baseline CFV and CFR (r=-0.374, P<0.001).
On multivariate analysis the fulfilling of left ventricular hypertrophy criteria on electrocardiography was an independent predictor of baseline CFV for the upper 75% quartile (23.2≥cm/s; odds ratio (OR) = 2.840, 95% confidence interval (CI) =1.155-6.983, P=0.023). On multivariate analysis hemoglobin A1c level was independently related to a CFR <2.0 (OR = 2.195, 95%CI = 0.920-1.005, P=0.013).
CFR had an inverse correlation with FRS (r=-0.222, P<0.001).
On multiple regression analysis among the components of the FRS system (FRSS), independent factors related to a CFR <2.0 included age (OR =1.033, 95%CI =1.000-1.067, P=0.041), high-density lipoprotein-cholesterol level (OR = 0.961, 95%CI = 0.933-0.991, P=0.012) and smoking status (OR = 2.461, 95%CI =1.078-5.618, P=0.033), respectively.
 
Conclusions:
CFR can be a comprehensive indicator of cardiovascular risk factors, including parameters of the FRSS, in subjects with chest pain and a normal coronary angiogram. 
Dong-Hyeon Lee et al. Circulation Journal Vol. 74 (2010) , No. 7 1405-1414
http://www.jstage.jst.go.jp/article/circj/74/7/74_1405/_article/-char/ja/
 
 
以下は横浜市大(附属市民総合医療センター心臓血管センター)の松澤泰志先生のEDITORIALです。
http://www.jstage.jst.go.jp/article/circj/74/7/74_1296/_article/-char/ja/
■The concept of coronary flow reserve (CFR) was first proposed more than 30 years ago.
■In patients with coronary artery disease (CAD), the extent of the reduction in CFR correlates directly with the severity of epicardial coronary artery stenosis.
■On the other hand, CFR is a marker of coronary microvascular dysfunction in persons with angiographically normal coronary arteries.
■Estimation of coronary perfusion has established the importance of coronary artery microcirculatory abnormalities in the pathogenesis of myocardial ischemia.
Coronary microvascular dysfunction is under intense investigation at present, because of the growing
awareness of its importance in many clinical conditions and its usefulness in predicting adverse clinical outcomes.
■In this issue of the Journal, Lee et al report their study in which they measured CFR noninvasively by transthoracic Doppler echocardiography in 354 subjects who presented with chest pain but did not have definitive CAD, and report its usefulness as an indicator of cardiovascular risk factors.
■Furthermore,CFR correlated significantly and inversely with the Framingham Risk Score (FRS).
■Among the components of the FRS, old age, low levels of high-density lipoprotein cholesterol,
and cigarette smoking, were independently associated with low CFR.
■Although considerable therapeutic advances have been made over the past few decades, cardiovascular disease remains the leading cause of death worldwide, because of widespread
under-recognition and under-treatment of individuals with risk factors for atherosclerosis and those with early-stage atherosclerosis.
Today, several diagnostic modalities are available
that can detect atherosclerotic vessels such as the carotid arteries, aorta, aortic valve, and arteries of the lower extremities as a surrogate for coronary atherosclerosis, or to directlyvisualize coronary plaques by multidetector-row computed
tomography.
■However, these methods can only detect advanced-stage atherosclerosis.
■Once coronary atherosclerosis is at the advanced stage, the subsequent risk of cardiovascular
events is already high, and it is difficult to induce marked regression of atherosclerosis even by intensive lipid-lowering therapy.
■Therefore, a method that can identify early-stage
atherosclerosis is desirable.
■Coronary microvascular dysfunction assessed by CFR may represent the functional counterpart
of traditional coronary risk factors, and thus be used as an early marker of arteriosclerosis in some of patients.
■At present, several measurements that can assess coronary circulation are available in clinical practice.
■Cardiac catheterization with Doppler flow wire is an established invasive method of evaluating coronary blood flow.
■Positron emission tomography and cardiovascular magnetic resonance imaging can be used for the quantification of myocardial blood flow.
■Positron emission tomography is a time-consuming and expensive method, and also associated with radiation exposure.
■Cardiac magnetic resonance imaging is infrequently available for clinical use.
■More recently, transthoracic Doppler echocardiography was introduced for measurement of coronary blood flow, and it accurately reflects the invasive measurement by
Doppler flow wire during cardiac catheterization.
■This method is noninvasive, repeatable, and requires less equipment and cost, though it requires skill with a significant learning curve.
■Despite additional limitations, including difficulty in measuring coronary flow in obese individuals and those with emphysema, the use of transthoracic Doppler echocardiography for
the measurement of CFR might become widespread in the future for clinical evaluation of microvascular dysfunction.
■Several pathogenic processes can lead to coronary microvascular dysfunction .
■The coronary arterial system has 3 components with different functions: conductive arteries
(diameter >500 μm), pre-arterioles (diameter 100–500 μm), and arterioles (diameter <100 μm).2 CFR is determined by measuring coronary blood flow at rest and at maximal hyperemia
induced by adenosine or dipyridamole.
■The pre-arterioles are the most responsive to flow-dependent vasodilation.
■CFR is dependent on vascular resistance, extravascular myocardial resistance, and rheologic components.
■In the absence of stenosis in epicardial coronary arteries, CFR mainly represents the reactivity of the coronary microcirculation.
■Dipyridamole inhibits the reuptake of adenosine released by cardiac myocytes.
■Because adenosine increases intracellular cyclic
adenosine monophosphate, which directly mediates smooth muscle relaxation, reduced CFR by adenosine or dipyridamole does not reflect endothelial dysfunction.
■Accurate prediction of cardiovascular events by risk stratification with established cardiovascular risk factors such as the FRS is limited by the tendency to underestimate.
■Two important points should be considered when evaluating both the atherosclerosis status and the prevention of cardiovascular events.
■The first is the structural and anatomical vascular
changes, which represent the burden of atherosclerosis.
■The second is atherosclerotic plaque vulnerability in association with active inflammation and possible endothelial dysfunction.
■CFR can detect microvessel arteriosclerosis before
atherosclerotic plaque formation begins.
■Currently, the focus is widening to include microstructural changes for the early detection of atherosclerotic disease and the vulnerability of
the atheroma, in order to provide comprehensive management of patients at high risk for cardiovascular events.
■It is argued that attenuation of CFR may not predict adverse clinical outcomes in patients presenting with chest pain and having normal angiograms, and in those with CAD, whereas endothelial dysfunction can predict cardiovascular
events.9,10 Endothelial dysfunction, impaired CFR, and atherosclerotic plaque, although causally related to each other, are distinct problems and may exist separately.
■Recently, reactive hyperemia peripheral arterial tonometry was developed as a noninvasive, automatic, and quantitative clinical tool for
evaluating peripheral endothelial function.
■This method predicts well coronary endothelial dysfunction and may be useful for risk stratification for cardiovascular events.
■Endothelial dysfunction is a reversible marker, even in patients with advanced atherosclerosis, and is most suitable for evaluating the efficacy of treatments, compared with CFR.
■Lee et al performed an acetylcholine provocation test during coronary angiography, suggesting that both coronary endothelial function and CFR can be evaluated in all subjects.
■If they can provide information regarding coronary endothelial function, their study should help to elucidate the associations among cardiovascular risk factors, endothelial-dependent vasoreactivity, and endothelial-independent vasoreactivity in subjects without definitive CAD.
■Lately, cardiovascular mortality has decreased substantially, but this improvement in prognosis has been limited to men.
■Evolving knowledge regarding sex differences in
ischemic heart disease is emerging.
■The prevalence of CAD is lower in women than in men, and women with symptomatic CAD have milder epicardial coronary atherosclerosis than
men.
■Nevertheless, coronary microvascular dysfunction is more prevalent in women than in men, because of risk factor clustering and hormonal changes, causing paradoxically frequent
(atypical) symptoms, evidence of ischemia, and adverse outcomes.
■Therefore, the association between CFR and the
FRS in women remains to be elucidated.
Based on their study, Lee et al advocate the use of noninvasive CFR by transthoracic echocardiography to assess exposure to cardiovascular risk factors.
■Further studies are warranted to elucidate whether CFR provides additional prognostic value for cardiovascular events, and its suitability
for evaluating the response to various therapies in subjects with subclinical coronary atherosclerosis.
 

 
<関連サイト>
冠血流について(2)


http://www.kcc.zaq.ne.jp/dfcmd409/echo/tech/t200204.html
(私的コメント;熟読の価値あり)

[PDF] The significance of coronary flow reserve in chest pain syndromes ...

Coronary flow reserve - Wikipedia, the free encyclopedia
 
[PDF] The clinical value of coronary flow reserve measurement in ...
 
http://citec.fc2web.com/shiryou/rinshou-j/ri070616/ri070616.htm


血流予備能(coronary flow reserve)を利用した虚血の検出
(心疾患の治療プロトコールにおける核医学検査の位置づけ;日本医放会誌,65,p2,2005. より引用)

 

冠血流予備能とは・・・
金沢大学医学部大学院バイオトレーサ診療学・核医学ホームページより引用)

 

 
非侵襲FFRによる虚血の診断精度:DISCONER-FLOW試験
ISCOVER-FLOW試験より、CTイメージデータを使用しコンピュータでFFRを測定する、非侵襲FFR (FFRCT)による虚血の診断精度は高いことが、韓国、Seoul National University HospitalのBon-Kwon Koo氏により、EuroPCR 2011のHotline Late breaking first-in-human trialsセッションで発表された。
 
本試験では、韓国、ラトビア、アメリカの5施設において、冠動脈CTで2mm以上の冠動脈狭窄が確認された103人の159血管を対象とし、FFRCTの診断精度をCT、従来のFFRと比較した。
 
従来の侵襲的評価でのFFRは0.82±0.13、FFRCTでは0.80±0.14であり、その差は僅かで、有意な相関が確認された(r=0.72、 p<0.001)。
また、FFRCT (≦0.80)とCT (≧50%)の両診断とも、感度(88% vs 91%)と陰性適中率(92% vs 89%)は高かったが、特異度は、FFRCTでは82%に対しCTでは40%、陽性適中率は、それぞれ74%と47%、全体の精度はCTでは59%に対 し、FFRCTでは84%と、25%の差が確認された。
 
Koo氏は、「このAll-in-Oneテクノロジーにより不必要な侵襲性冠動脈造影と血行再建を避けられる可能性がある」と、まとめている。

(Euro PCR2011の記事からです)
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ROCKと動脈硬化進展

戯れ言たれる侏儒 / 2011.04.21 00:26 / 推薦数 : 0
この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
犠牲になられた方、そしてご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
また、福島第一原発事案(事故)で避難中の方、そして計画停電中の首都圏の方にお見舞い申し上げます。
また、被災者支援や原発復旧作業などの災害対策に全力を尽くしてみえる皆様に敬意を表します。
 
 
低分子量GTP結合蛋白質RhoAにより活性化されるRhoキナーゼ(ROCK)が,動脈硬化の発生,進展にメディエータとして深く関与しており,その活性は動脈硬化のバイオマーカーとなりうる。
きょうは、広島大学大学院心臓血管生理医学の野間玄督先生らが報告した記事で勉強しました。

 

ROCKは動脈硬化進展のメディエータ
活性が動脈硬化のバイオマーカーに
ROCK2は治療標的に適する
ROCKは,くも膜下出血後の脳血管攣縮の治療に用いられているファスジルが阻害する,血管収縮シグナリングカスケードの下流蛋白として話題となった。
最近は,シグナルにおける上流蛋白としての役割にも注目が集まり,多くの報告がなされている。
例えば,ROCK活性亢進は冠攣縮性狭心症の一因であるが,その血管内皮機能障害はファスジル投与により改善する。
また,動脈硬化による労作性狭心症,脳梗塞,心不全などの病態にも関与していることが明らかにされつつある。
 
野間氏らは,ROCKのアイソフォームであるROCK1ROCK2のヘテロ接合ノックアウトマウスを用いて,脳心血管疾患における ROCK1,ROCK2の役割を解析。
さらに,ヒト酸化ストレスモデルである喫煙者を対象とした臨床研究により,ROCKの臨床的意義を検討した。
その結果,内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)の発現低下や脱リン酸化を介した血管内皮機能障害を原因とする脳心血管疾患では,ROCK2が治療標的として適することが分かった。
また,喫煙により,酸化ストレスとROCK活性はともに亢進するが,いずれも生物学的NO利用能の低下による血管内皮機能障害,白血 球の走化・遊走能の亢進という2つの経路を介して相乗的に動脈硬化の進展に寄与していることが示された()。
白血球ROCK活性は脳心血管疾患の病態を反映するバイオマーカーとして活用できると考えられるデータも得られた。
 
図表
同氏は「ROCKは動脈硬化の発生や進展にメディエータとして深く関与している。
ROCKを標的分子とした脳心血管疾患に対する新たな治療戦略,動脈硬 化早期段階におけるバイオマーカーとしての白血球ROCK活性の活用,特に血管内皮機能との併用活用が強く期待される。簡易的かつ非侵襲的なROCK活性 評価法の開発,確立が急務だ」と述べた。
出典 MT Pro 2011.4.14
版権 メディカル・トリビューン社

 

<きょうの一曲> We Will Rock You
We Will Rock You and We Are The Champion (Live)
http://www.youtube.com/watch?v=zBUJztI884M
We Will Rock You
http://www.youtube.com/watch?v=mhTRhAX_QBA

 
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狭心症 冠動脈造影で狭窄認められない患者多い
さらなる検査で原因究明を

狭心症患者約40万例を対象に実施された米国の研究では,これらの患者のうち冠動脈狭窄を起こしていた患者は3分の1程度で,負荷心電図で虚血の徴候など明らかな異常所見が認められた患者でも,実際に冠動脈狭窄を有していたのは41%にすぎないことが判明した。
ロベルト・ コッホ病院(シュツットガルト)心臓科のAli Yilmaz博士とUdo Sechtem教授は,冠動脈狭窄以外に考えられる狭心症症状の原因についてDeutsche Medizinische Wochenschrift(2010; 135: 1925-1930)で説明した。

 
女性に多いSyndrome X
Yilmaz博士らは,狭心症症状を有しているが,冠動脈造影では狭窄が認められなかった3症例について報告した。
 

最初の症例は,2年前から労作時と安静時に発汗と呼吸困難を伴う左胸部痛を経験していた57歳の女性である。負荷心電図検査ではSTが境界値にまで低下。
補足的にアデノシン負荷心筋パーフュージョンMRIを施行したところ,広範囲に灌流欠損が確認されたが,その後の冠動脈造影では狭窄は認められなかった。
しかし,アセチルコリンを冠動脈内に投与したところ狭心症症状が誘発され,ニトログリセリンの投与により緩徐に寛解した。
 

同博士らは「この症例で最も疑われるのは,微小血管の血流障害である。労作時の症状は冠血流予備能の低下によるもの,安静時の症状は微小血管の攣縮によ るものと説明でき,これらの原因により心筋虚血が誘発されている」と説明。
冠動脈造影で病的所見が認められないからといって,異常がないわけではないと忠 告している。
 

このような症例は,特殊な病態としてSyndrome Xと呼ばれ,女性に多く見られる。
このような病態では誘発負荷試験を行うと症状が誘発される。
危険因子は冠動脈性心疾患(CHD)の場合と類似しており,代表的なものとして高血圧が挙げられる。
<私的コメント>
冠動脈スパスムの有無については書かれていません。
文脈の流れでは正常冠動脈だったのでしょうが。
 
冠攣縮を伴う血流障害
2例目は,安静時に突然,狭心症症状が発現した61歳の女性で,血圧が極めて高かったものの,心筋梗塞は除外された。

エルゴメーターによる検査でST低 下が示されたため冠動脈造影が行われたが,狭窄は認められなかった。
しかし,アセチルコリンの冠動脈内投与後に前壁の血管が不完全閉塞となる攣縮が生じ, ニトログリセリン投与により直ちに消失した。
 

同症例は,冠攣縮を伴う冠動脈の血流障害であった。
このような攣縮は通常,安静時に生じるが,誘発負荷試験でも誘発される。
重要な危険因子は喫煙習慣で ある。Yilmaz博士らは「この症例の場合,アセチルコリンによる誘発負荷試験を実施していなければ,冠攣縮を発見することもなく,エルゴメーター検査 の所見は偽陽性であって心臓には問題がないとされていたかもしれない」と述べ,診断に注意を促している。
ただし,微小血管の機能障害と機能的狭窄を伴う CHDとの判別は必ずしも容易でないことも指摘している。
<私的コメント>
最初の症例を「微小血管の機能障害」と診断したわけですから、「判別は必ずしも容易でない」というコメントもやや不可解です。
機能的狭窄=スパスムなら判別は困難でないような気がします。

パルボウイルスB19感染の場合も
3例目は25歳の男性で,急性の下痢が治まった後に呼吸困難を伴う激しい胸部絞扼感が4時間以上持続していた症例である。

安静時心電図でST上昇が認め られたが,血管造影では冠動脈に異常所見はなかった。
しかし,MRIにより心筋炎が示唆されたため,あらためて心臓カテーテル検査を施行し,アセチルコリンを冠動脈内に投与したところ,冠攣縮が誘発された。
心内膜心筋生検によりパルボウイルスB19感染による心筋炎であることが確認された。
 

Yilmaz博士らは「特に若年男性の心筋炎では心筋酵素値は上昇せず,心筋梗塞に典型的な症候が発現することが多い」と説明。
パルボウイルスB19はとりわけ冠動脈壁に対する親和性が高いようで,感染により攣縮の症状が出現することがあるとしている。
 

同博士らは「以上の症例に見られるように,狭心症症状があり,負荷下で虚血の徴候を示す患者では,冠動脈造影の結果が陰性であっても検査を終了してはならない。多くの場合,アセチルコリンの冠動脈内投与による誘発負荷試験を行うことで原因を突き止めることができる」と強調している。

出典 Medical Tribune 2011.2.3
版権 メディカルトリビューン社


<私的コメント>
パルボウイルスB19感染と冠動脈壁に対する親和性については初耳でした。
しかし最初の2症例は別に目新しい話でもないような気がします。
欧米では、まだまだ冠スパスムという概念が一般的ではないのでしょうか。
以前、 冠スパスムを専門に研究している先生の講演を聴きましたが、その際に「日本での冠スパスムスの研究データはなかなか信じてもらえない。受理して貰うのに苦労する」と話してみえたのが印象的でした。
 

 
 

 
熊谷守一 「夕月」 1962年 SM 
http://www.nichido-garo.co.jp/exhibition/2010/10/post_156.html
 
 
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