やっぱり減塩だけでは駄目? Na/K比が大きいと死亡リスクが上昇
米NHANES調査
今後は減塩だけでなく積極的なカリウム摂取への機運がより高まるかもしれない?
7月11日,米疾病対策センター(CDC)のQuanhe Yang氏らは,米国保健栄養調査(NHANES)Ⅲにおける前向きコホート研究の新たな結果をArch Intern Med に報告した。
それによると,1日当たりに摂取するナトリウム(Na)/カリウム(K)比が大きいほど死亡や心血管疾患のリスクが有意に高まっていたとい う。
日常の食事や体内におけるNaやKの作用についてはよく知られているが,全米の一般人口を代表する集団で,日常の食事における両者の影響を同時に検討 したのは初めてだという。
Na,K単独に比べより強いリスク上昇が確認
これまで複数のランダム化比較試験(RCT)や疫学研究で,Na摂取の増加あるいはK摂取の減少が高血圧や心血管疾患のリスク増加に関連することが指摘されている。
Yang氏らによると,最近では,NaおよびKの比がそれぞれ単独の場合に比べ,高血圧や心血管疾患の重要な危険因子となりうることを示す報告が相次いでいるという。
一方,米国ではNaの過剰摂取やK摂取量の不足が指摘されている。
この問題が全米における心血管疾患や死亡にどのようなインパクトをもたらしているのか,今回検討が行われた。
1988~94年のNHANESⅢに登録された1万2,267例の成人(20歳以上,妊婦は除外)の健康診断データベースおよび1988~2006年までの死亡データベースを用いて全死亡,心血管疾患,虚血性心疾患の発症が前向きに追跡された。
14.8年(中央値)の追跡期間中に2,270例が死亡し,うち825例が心血管疾患で,443例が虚血性心疾患により死亡していた。
Na摂取量1gごとに全死亡の補正後ハザード比(HR)は1.20(95%CI 1.03~1.41)と有意に上昇していた。
一方,K摂取量が1g増えるごとの同HRは0.80と有意な低下を示していた。
また,Na/K比の第1四分位に対する第4四分位の全死亡のHRは1.46(同1.27~1.67),心血管疾患死のHRは1.46(同1.11~1.92),虚血性心疾患死のHRは2.15(同1.48~3.12)に上昇していた。
同様の傾向は,性や人種,BMI,高血圧の有無や教育レベル,身体活動量にかかわらず確認された。
同氏らは今回の検討から,Na/K比が大きいと心血管や全死亡のリスクが有意に増加することが全米一般人口で確認されたと結論。
研究者の1人CDCのElena Kuklina氏は,今回の結果について「米国成人が1日の推奨量の約2倍近い平均3.3gものNaを摂取していることになる」と懸念を示す。
また「80%近くの人が利用する加工食品やレストランでの食事が,Na過剰摂取の原因となっていることがさらに強く裏付けられた」とした上で,減塩だけでなくカリウム摂取を増やすことでさらなる健康上のベネフィットが期待できるとしている。
(坂口 恵)
出典 Medical Tribune 2011.7.12
版権 メディカル・トリビューン社
<関連サイト>
現状の減塩方針によるベネフィットはいまだ不明
コクランレビューから
出典 Medical Tribune 2011.7.7
版権 メディカル・トリビューン社
■コクランレビューは7月6日,現状の減塩方針による心血管疾患の発症や死亡の抑制効果に対するベネフィットはいまだ明らかでないとの結果を発表した。
2009年の解析結果でも同様の見解が示されていた。
■国内外の高血圧ガイドラインでは6g/日未満の減塩の目標が設定されている。
しかし,日本人の平均食塩摂取量は10g/日を超え,目標値の達成が非常に難しいと言われている。
■今回,メタ解析の対象とされたのは,2008年10月までの追跡期間6カ月以上のランダム化比較試験(RCT)で,かつ食事での塩分摂取制限に関 する介入が行われ,かつ成人対象,死亡あるいは心血管疾患発症に関する検討を実施した論文。
英語以外の論文も含め選定が行われた。
■正常血圧者における全死亡の相対リスク(RR)は試験終了時の値で0.67(95%CI 0.40~1.12,死亡者数60例),最も観察期間の長い試験では0.90(同0.58~1.40,79例)。
また,高血圧患者の全死亡のRRはそれぞ れ0.97(同0.83~1.13,513例),0.96(同0.83~1.11,565例)であった。
■一方,心血管疾患発症のRRは正常血圧者で0.71(同0.42~1.20,イベント数200件),ベースライン時血圧が高値の人では0.84(同0.57~1.23,93件)。
さらに,心不全患者では減塩による全死亡のRRは2.59(同1.04~6.44,死亡者数21例)に上昇していた。
■今回の解析では,前回の解析よりもより多くのRCTの成績を追加できたにもかかわらず,死亡や心血管疾患発症に対するベネフィットは明らかにならなかった。
■心不全患者の減塩が有害であるかどうかについては今後RCTによるエビデンスの蓄積が求められる。
コクランレビューの「減塩の効果は不明」で大きな波紋
■7月6日,コクランレビューが「減塩の心血管疾患や死亡に対する効果は不明」とのシステマチックレビュー(上記記事)を発表した。
“エビデンスの総本山”が表明したこの見解を「減塩による効果はない」と報じた海外メディアもあった。
一方,英国保健サービス(NHS)や米国心臓協会 (AHA)などの医療系団体も「今回は十分な検証が行えなかった背景がある」として,それぞれの公式サイトで引き続き減塩の重要性を訴えるなど事態収拾に動いている。
NOW SALT IS SAFE TO EAT
http://www.express.co.uk/posts/view/257048
(英国の一般大衆向けメディア,Express.co.ukは「食塩は食べても害がない」との刺激的な見出しで,「英国立臨床評価研究所(NICE)が推進しようとしている,2025年には成人1人当たりの食塩摂取量を3g/日という減塩政策は吹き飛んだ」などと報じている。)
Unclear results for salt reduction study
http://www.nhs.uk/news/2011/07July/Pages/heart-risk-salt-reduction-cochrane-review.aspx
( NHSはコクランレビューの結果について「研究者らは減塩に効果なしと断定しているわけではない」として「今回の研究結果は,現在の減塩に関する勧告(成人1人当たり6g/日)を変えるものではない」と Express.co.ukの記事に対し,名指しで異論を唱えている。)
■AHAは,今回の結論が「社会に混乱をもたらすかもしれない」と認めながら,次のような“懇切丁寧な解説”を付けて冷静に対応するよう求めている。 ■同メタ解析の対象となった研究の対象者は中年の白人あるいはアジア人。
しかし,高血圧の影響はアフリカ系米国人やより高齢の米国人でより強い。
■メタ解析の対象となった7報の論文のいくつかは台湾,オーストラリア,イタリアで実施されたもので,米国の一般人口に当てはめることはできない。
■同解析では6~71カ月の観察期間に基づいた結果を示している。
冠攣縮性狭心症・院外心停止例の5年MACEは3割冠攣縮は冠動脈の突発的な過収縮により一過性に血流が低下する病態で,心筋梗塞や心停止の原因になりうる。そのため循環器研究の重要な主題であるが,病態に対する国際的理解度は低く,日本でも診断を行う施設が少なくなってきている。全国規模の「冠攣縮研究会」は Circulation Arrhythmia and Electrophysiology(2011; 34: 468-470)に大規模な後ろ向き調査を報告。冠攣縮性狭心症で院外心停止を経験した症例では,5年で3割が致死性イベントや心筋梗塞,重症入院などのリスクを有することが明らかになった。 負荷試験の実施施設減少に歯止めを,ガイドラインも作成近年,虚血性心疾患の診断や治療に用いる器機が大きく進化した。解剖学的に狭窄部位を同定し,虚血部位の血行を再建する治療は容易になったが,一 方で,血管の機能異常がもたらす冠攣縮については軽視されてきた傾向が否めない状況にある。その一因として,現在の保険診療制度下では病院経営的側面から入院日数の短縮化が求められ,確定診断のために必要な負荷試験を要する冠攣縮性狭心症の診断が行いにくい環境になっている点などが挙げられる。 しかし,致死性疾患を予防するためには冠攣縮の診断・治療は外せない。危機感を持った研究者らは,2006年に全国規模の「冠攣縮研究会」を立ち上げ, 実態調査や勉強会を展開していった。これらの成果は,2008年に日本循環器学会が公表したガイドラインにも結び付いた。 ガイドラインの作成により,施設間で異なっていた冠攣縮性狭心症の診断が「発作時に心電図上の明らかな虚血変化が認められる場合,あるいは発作時の所見は疑い程度にとどまった場合の運動負荷など非薬物誘発試験か,アセチルコリンやエルゴノビンなどの薬物誘発試験によって認められる場合」と定められた。 <私的コメント>
「発作時の所見は疑い程度」で実は心電図所見としては疑陽性だった場合の運動負荷陽性例で問題が出そうです。こういった症例の中には労作時狭心症が混入している可能性があるからです。(この際の心電図変化がST上昇型なら文句なしです)
また、冠攣縮性狭心症と器質性狭心症と混在した狭心症もあります。( 労作時狭心症と安静時狭心症の混在したいわゆるmixed anginaとは区別) もう一つ。非薬物誘発試験には、運動負荷試験以外に寒冷刺激試験や過呼吸試験が想定されます。それぞれの、 冠攣縮性狭心症をdetectするための感度や特異度が異なるはずです。 勝手ながら自分ながらの考えを少しまとめてみました。
■安静時狭心症は冠攣縮性狭心症と考えてよい。■しかし、冠攣縮性狭心症はすべて安静時狭心症ではない。(このことは運動負荷で冠攣縮性狭心症が起きる場合があることから明らか。この際はST上昇型である必要がある?)
■労作時狭心症すなわち器質性狭心症ではない。 以上のことは間違っているでしょうか。 初の全国調査で明らかになった院外心停止例の高リスク度 今回の研究は,この「冠攣縮研究会」が国際的に発信する初の報告と位置付けられる。立ち上げ当初から参加している47施設(現68施設)から1,429例の冠攣縮性狭心症患者のデータが集積され,後ろ向きに解析されたものだ。 平均32カ月の観察期間で,院外心停止の既往のある患者35例とそれ以外の1,394例を比較したところ,突然死や非致死性心筋梗塞,不安定狭心症や心不全による入院,植え込み型除細動器(ICD)の適切作動からなる主要心血管イベント(MACE)の5年間の非発生率は,院外心停止既往群が72%とそれ以外の患者群の92%と比べて有意に低かった(P<0.001,図)。院外心停止を経験した冠攣縮性狭心症患者では,ICDの適切作動も2例含まれるなど,予後がより悪化していることが明らかにされた。
また,MACE発生率に影響する因子を多変量解析で検討したところ,虚血性心疾患の家族歴とともに院外心停止既往が挙がり,特に院外心停止はハザード比が4.22と高かった(表)。また,対象全体の検討では,Ca拮抗薬を中心とする薬物治療を中断した症例で心血管死や非致死性心筋梗塞の発生率が有意に上昇していたことから,治療継続が重要であることも示された。
今回の解析をまとめた東北大学大学院循環器内科の下川宏明教授は「冠攣縮を有する院外心停止症例へのICDの植え込みは検討課題となっているが,今回の解析はその議論のエビデンスとして貴重なものになるだろう」と述べた。
Comment東北大学大学院 循環器内科・下川 宏明 教授
院外心停止例への市民による心肺蘇生が普及し,低体温療法など治療の進化で神経学的後遺症の残らない患者が増えた現在,救命できた患者の予後をいかに改善していくかが課題となっている。
院外心停止の要因には,今回検討した冠攣縮性狭心症や特発性の心室細動/心室頻拍(VT/VF)が挙がるが,当科で院外心停止蘇生例(12例)を評価したところ,全例でどちらかが陽性,7例は両方とも陽性で,院外心停止例がいかに高リスクであるかを再認識した。
患者に負荷のかかる誘発試験が必要なことから,評価を行うことについて否定的な意見が聞かれた時期もあったが,今回の全国規模の調査からも分かるように,適切な評価とそれに基づいた管理が重要であることは明白だ。
CTなどによる解剖学的診断だけでなく,冠攣縮の有無といった機能的評価もしっかり行う必要がある。
現在,「冠攣縮研究会」では,前向きの観察研究が進行している。
冠攣縮性狭心症の診断治療の在り方を世界に向けて発信していきたい。
出典 Medical Tribune 2011.5.26
版権 メディカル・トリビューン社
松本竣介 白い建物 1941年頃 宮城県美術館蔵
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日循誌(
Circulation Journal)に掲載された冠予備能についての論文で勉強しました。
Coronary Flow Reserve Is a Comprehensive Indicator of Cardiovascular Risk Factors in Subjects With Chest Pain and Normal Coronary AngiogramBackgroubd:The aim of the present study was to analyze the parameters related to baseline coronary flow velocity (CFV) and coronary flow reserve (CFR) using Doppler transthoracic echocardiography (TTE), and to assess their associations with components of the Framingham risk score (FRS), which estimates 10-year risk of coronary heart disease, in subjects with chest pain and a normal coronary angiogram. Methods and Results: A total of 354 individuals (mean age: 55±11 years, M:F ratio =186:168) with angina or angina-like chest pain and a normal coronary arteriogram were enrolled.CFR, using TTE and adenosine or dipyridamole, was measured within 2 weeks after coronary angiogram. The clinical, electrocardiographic, echocardiographic and laboratory parameters related to baseline CVF and CFR were analyzed, and CFR was compared with FRS. There was an inverse correlation between baseline CFV and CFR (r=-0.374, P<0.001). On multivariate analysis the fulfilling of left ventricular hypertrophy criteria on electrocardiography was an independent predictor of baseline CFV for the upper 75% quartile (23.2≥cm/s; odds ratio (OR) = 2.840, 95% confidence interval (CI) =1.155-6.983, P=0.023). On multivariate analysis hemoglobin A1c level was independently related to a CFR <2.0 (OR = 2.195, 95%CI = 0.920-1.005, P=0.013). CFR had an inverse correlation with FRS (r=-0.222, P<0.001). On multiple regression analysis among the components of the FRS system (FRSS), independent factors related to a CFR <2.0 included age (OR =1.033, 95%CI =1.000-1.067, P=0.041), high-density lipoprotein-cholesterol level (OR = 0.961, 95%CI = 0.933-0.991, P=0.012) and smoking status (OR = 2.461, 95%CI =1.078-5.618, P=0.033), respectively. Conclusions: CFR can be a comprehensive indicator of cardiovascular risk factors, including parameters of the FRSS, in subjects with chest pain and a normal coronary angiogram. Dong-Hyeon Lee et al. Circulation Journal Vol. 74 (2010) , No. 7 1405-1414http://www.jstage.jst.go.jp/article/circj/74/7/74_1405/_article/-char/ja/ 以下は横浜市大(附属市民総合医療センター心臓血管センター)の松澤泰志先生のEDITORIALです。http://www.jstage.jst.go.jp/article/circj/74/7/74_1296/_article/-char/ja/ ■The concept of coronary flow reserve (CFR) was first proposed more than 30 years ago.■In patients with coronary artery disease (CAD), the extent of the reduction in CFR correlates directly with the severity of epicardial coronary artery stenosis. ■On the other hand, CFR is a marker of coronary microvascular dysfunction in persons with angiographically normal coronary arteries. ■Estimation of coronary perfusion has established the importance of coronary artery microcirculatory abnormalities in the pathogenesis of myocardial ischemia. Coronary microvascular dysfunction is under intense investigation at present, because of the growingawareness of its importance in many clinical conditions and its usefulness in predicting adverse clinical outcomes.■In this issue of the Journal, Lee et al report their study in which they measured CFR noninvasively by transthoracic Doppler echocardiography in 354 subjects who presented with chest pain but did not have definitive CAD, and report its usefulness as an indicator of cardiovascular risk factors. ■Furthermore,CFR correlated significantly and inversely with the Framingham Risk Score (FRS). ■Among the components of the FRS, old age, low levels of high-density lipoprotein cholesterol,and cigarette smoking, were independently associated with low CFR.■Although considerable therapeutic advances have been made over the past few decades, cardiovascular disease remains the leading cause of death worldwide, because of widespreadunder-recognition and under-treatment of individuals with risk factors for atherosclerosis and those with early-stage atherosclerosis. ■Today, several diagnostic modalities are availablethat can detect atherosclerotic vessels such as the carotid arteries, aorta, aortic valve, and arteries of the lower extremities as a surrogate for coronary atherosclerosis, or to directlyvisualize coronary plaques by multidetector-row computedtomography. ■However, these methods can only detect advanced-stage atherosclerosis. ■Once coronary atherosclerosis is at the advanced stage, the subsequent risk of cardiovascularevents is already high, and it is difficult to induce marked regression of atherosclerosis even by intensive lipid-lowering therapy.■Therefore, a method that can identify early-stageatherosclerosis is desirable. ■Coronary microvascular dysfunction assessed by CFR may represent the functional counterpartof traditional coronary risk factors, and thus be used as an early marker of arteriosclerosis in some of patients.■At present, several measurements that can assess coronary circulation are available in clinical practice. ■Cardiac catheterization with Doppler flow wire is an established invasive method of evaluating coronary blood flow. ■Positron emission tomography and cardiovascular magnetic resonance imaging can be used for the quantification of myocardial blood flow.■Positron emission tomography is a time-consuming and expensive method, and also associated with radiation exposure.■Cardiac magnetic resonance imaging is infrequently available for clinical use. ■More recently, transthoracic Doppler echocardiography was introduced for measurement of coronary blood flow, and it accurately reflects the invasive measurement byDoppler flow wire during cardiac catheterization.■This method is noninvasive, repeatable, and requires less equipment and cost, though it requires skill with a significant learning curve.■Despite additional limitations, including difficulty in measuring coronary flow in obese individuals and those with emphysema, the use of transthoracic Doppler echocardiography forthe measurement of CFR might become widespread in the future for clinical evaluation of microvascular dysfunction.■Several pathogenic processes can lead to coronary microvascular dysfunction . ■The coronary arterial system has 3 components with different functions: conductive arteries(diameter >500 μm), pre-arterioles (diameter 100–500 μm), and arterioles (diameter <100 μm).2 CFR is determined by measuring coronary blood flow at rest and at maximal hyperemiainduced by adenosine or dipyridamole. ■The pre-arterioles are the most responsive to flow-dependent vasodilation.■CFR is dependent on vascular resistance, extravascular myocardial resistance, and rheologic components. ■In the absence of stenosis in epicardial coronary arteries, CFR mainly represents the reactivity of the coronary microcirculation. ■Dipyridamole inhibits the reuptake of adenosine released by cardiac myocytes. ■Because adenosine increases intracellular cyclicadenosine monophosphate, which directly mediates smooth muscle relaxation, reduced CFR by adenosine or dipyridamole does not reflect endothelial dysfunction.■Accurate prediction of cardiovascular events by risk stratification with established cardiovascular risk factors such as the FRS is limited by the tendency to underestimate.■Two important points should be considered when evaluating both the atherosclerosis status and the prevention of cardiovascular events. ■The first is the structural and anatomical vascularchanges, which represent the burden of atherosclerosis. ■The second is atherosclerotic plaque vulnerability in association with active inflammation and possible endothelial dysfunction.■CFR can detect microvessel arteriosclerosis beforeatherosclerotic plaque formation begins. ■Currently, the focus is widening to include microstructural changes for the early detection of atherosclerotic disease and the vulnerability ofthe atheroma, in order to provide comprehensive management of patients at high risk for cardiovascular events.■It is argued that attenuation of CFR may not predict adverse clinical outcomes in patients presenting with chest pain and having normal angiograms, and in those with CAD, whereas endothelial dysfunction can predict cardiovascularevents.9,10 Endothelial dysfunction, impaired CFR, and atherosclerotic plaque, although causally related to each other, are distinct problems and may exist separately. ■Recently, reactive hyperemia peripheral arterial tonometry was developed as a noninvasive, automatic, and quantitative clinical tool forevaluating peripheral endothelial function. ■This method predicts well coronary endothelial dysfunction and may be useful for risk stratification for cardiovascular events.■Endothelial dysfunction is a reversible marker, even in patients with advanced atherosclerosis, and is most suitable for evaluating the efficacy of treatments, compared with CFR.■Lee et al performed an acetylcholine provocation test during coronary angiography, suggesting that both coronary endothelial function and CFR can be evaluated in all subjects. ■If they can provide information regarding coronary endothelial function, their study should help to elucidate the associations among cardiovascular risk factors, endothelial-dependent vasoreactivity, and endothelial-independent vasoreactivity in subjects without definitive CAD.■Lately, cardiovascular mortality has decreased substantially, but this improvement in prognosis has been limited to men.■Evolving knowledge regarding sex differences inischemic heart disease is emerging. ■The prevalence of CAD is lower in women than in men, and women with symptomatic CAD have milder epicardial coronary atherosclerosis thanmen. ■Nevertheless, coronary microvascular dysfunction is more prevalent in women than in men, because of risk factor clustering and hormonal changes, causing paradoxically frequent(atypical) symptoms, evidence of ischemia, and adverse outcomes.■Therefore, the association between CFR and theFRS in women remains to be elucidated.Based on their study, Lee et al advocate the use of noninvasive CFR by transthoracic echocardiography to assess exposure to cardiovascular risk factors. ■Further studies are warranted to elucidate whether CFR provides additional prognostic value for cardiovascular events, and its suitabilityfor evaluating the response to various therapies in subjects with subclinical coronary atherosclerosis. <関連サイト>冠血流について(2)
http://www.kcc.zaq.ne.jp/dfcmd409/echo/tech/t200204.html (私的コメント;熟読の価値あり)
[PDF] The significance of coronary flow reserve in chest pain syndromes ...Coronary flow reserve - Wikipedia, the free encyclopedia [PDF] The clinical value of coronary flow reserve measurement in ... http://citec.fc2web.com/shiryou/rinshou-j/ri070616/ri070616.htm
血流予備能(coronary flow reserve)を利用した虚血の検出(心疾患の治療プロトコールにおける核医学検査の位置づけ;日本医放会誌,65,p2,2005. より引用) 
冠血流予備能とは・・・(金沢大学医学部大学院バイオトレーサ診療学・核医学ホームページより引用)
非侵襲FFRによる虚血の診断精度:DISCONER-FLOW試験
ISCOVER-FLOW試験より、CTイメージデータを使用しコンピュータでFFRを測定する、非侵襲FFR (FFRCT)による虚血の診断精度は高いことが、韓国、Seoul National University HospitalのBon-Kwon Koo氏により、EuroPCR 2011のHotline Late breaking first-in-human trialsセッションで発表された。
本試験では、韓国、ラトビア、アメリカの5施設において、冠動脈CTで2mm以上の冠動脈狭窄が確認された103人の159血管を対象とし、FFRCTの診断精度をCT、従来のFFRと比較した。
従来の侵襲的評価でのFFRは0.82±0.13、FFRCTでは0.80±0.14であり、その差は僅かで、有意な相関が確認された(r=0.72、 p<0.001)。
また、FFRCT (≦0.80)とCT (≧50%)の両診断とも、感度(88% vs 91%)と陰性適中率(92% vs 89%)は高かったが、特異度は、FFRCTでは82%に対しCTでは40%、陽性適中率は、それぞれ74%と47%、全体の精度はCTでは59%に対 し、FFRCTでは84%と、25%の差が確認された。
Koo氏は、「このAll-in-Oneテクノロジーにより不必要な侵襲性冠動脈造影と血行再建を避けられる可能性がある」と、まとめている。(Euro PCR2011の記事からです)
この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。犠牲になられた方々、そしてご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。また、福島第一原発事案(事故)で避難中の方々、そして計画停電中の首都圏の方々にお見舞い申し上げます。また、被災者支援や原発復旧作業などの災害対策に全力を尽くしてみえる皆様に敬意を表します。 低分子量GTP結合蛋白質RhoAにより活性化されるRhoキナーゼ(ROCK)が,動脈硬化の発生,進展にメディエータとして深く関与しており,その活性は動脈硬化のバイオマーカーとなりうる。
きょうは、広島大学大学院心臓血管生理医学の野間玄督先生らが報告した記事で勉強しました。
ROCKは動脈硬化進展のメディエータ活性が動脈硬化のバイオマーカーに
ROCK2は治療標的に適するROCKは,くも膜下出血後の脳血管攣縮の治療に用いられているファスジルが阻害する,血管収縮シグナリングカスケードの下流蛋白として話題となった。 最近は,シグナルにおける上流蛋白としての役割にも注目が集まり,多くの報告がなされている。例えば,ROCK活性亢進は冠攣縮性狭心症の一因であるが,その血管内皮機能障害はファスジル投与により改善する。また,動脈硬化による労作性狭心症,脳梗塞,心不全などの病態にも関与していることが明らかにされつつある。 野間氏らは,ROCKのアイソフォームであるROCK1,ROCK2のヘテロ接合ノックアウトマウスを用いて,脳心血管疾患における ROCK1,ROCK2の役割を解析。さらに,ヒト酸化ストレスモデルである喫煙者を対象とした臨床研究により,ROCKの臨床的意義を検討した。その結果,内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)の発現低下や脱リン酸化を介した血管内皮機能障害を原因とする脳心血管疾患では,ROCK2が治療標的として適することが分かった。また,喫煙により,酸化ストレスとROCK活性はともに亢進するが,いずれも生物学的NO利用能の低下による血管内皮機能障害,白血 球の走化・遊走能の亢進という2つの経路を介して相乗的に動脈硬化の進展に寄与していることが示された(図)。白血球ROCK活性は脳心血管疾患の病態を反映するバイオマーカーとして活用できると考えられるデータも得られた。
同氏は「ROCKは動脈硬化の発生や進展にメディエータとして深く関与している。ROCKを標的分子とした脳心血管疾患に対する新たな治療戦略,動脈硬 化早期段階におけるバイオマーカーとしての白血球ROCK活性の活用,特に血管内皮機能との併用活用が強く期待される。簡易的かつ非侵襲的なROCK活性 評価法の開発,確立が急務だ」と述べた。出典 MT Pro 2011.4.14
版権 メディカル・トリビューン社
<きょうの一曲> We Will Rock You We Will Rock You and We Are The Champion (Live) http://www.youtube.com/watch?v=zBUJztI884MWe Will Rock You http://www.youtube.com/watch?v=mhTRhAX_QBA
その他「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/(循環器専門医向き)ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy(一般の方または患者さん向き) 井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~http://wellfrog4.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15http://wellfrog3.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~http://wellfrog2.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科医向き) 「井蛙」内科メモ帖 http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/ があります
狭心症 冠動脈造影で狭窄認められない患者多い
さらなる検査で原因究明を狭心症患者約40万例を対象に実施された米国の研究では,これらの患者のうち冠動脈狭窄を起こしていた患者は3分の1程度で,負荷心電図で虚血の徴候など明らかな異常所見が認められた患者でも,実際に冠動脈狭窄を有していたのは41%にすぎないことが判明した。ロベルト・ コッホ病院(シュツットガルト)心臓科のAli Yilmaz博士とUdo Sechtem教授は,冠動脈狭窄以外に考えられる狭心症症状の原因についてDeutsche Medizinische Wochenschrift(2010; 135: 1925-1930)で説明した。
女性に多いSyndrome X
Yilmaz博士らは,狭心症症状を有しているが,冠動脈造影では狭窄が認められなかった3症例について報告した。
最初の症例は,2年前から労作時と安静時に発汗と呼吸困難を伴う左胸部痛を経験していた57歳の女性である。負荷心電図検査ではSTが境界値にまで低下。補足的にアデノシン負荷心筋パーフュージョンMRIを施行したところ,広範囲に灌流欠損が確認されたが,その後の冠動脈造影では狭窄は認められなかった。しかし,アセチルコリンを冠動脈内に投与したところ狭心症症状が誘発され,ニトログリセリンの投与により緩徐に寛解した。
同博士らは「この症例で最も疑われるのは,微小血管の血流障害である。労作時の症状は冠血流予備能の低下によるもの,安静時の症状は微小血管の攣縮によ るものと説明でき,これらの原因により心筋虚血が誘発されている」と説明。冠動脈造影で病的所見が認められないからといって,異常がないわけではないと忠 告している。
このような症例は,特殊な病態としてSyndrome Xと呼ばれ,女性に多く見られる。このような病態では誘発負荷試験を行うと症状が誘発される。危険因子は冠動脈性心疾患(CHD)の場合と類似しており,代表的なものとして高血圧が挙げられる。
<私的コメント>冠動脈スパスムの有無については書かれていません。
文脈の流れでは正常冠動脈だったのでしょうが。
冠攣縮を伴う血流障害
2例目は,安静時に突然,狭心症症状が発現した61歳の女性で,血圧が極めて高かったものの,心筋梗塞は除外された。エルゴメーターによる検査でST低 下が示されたため冠動脈造影が行われたが,狭窄は認められなかった。しかし,アセチルコリンの冠動脈内投与後に前壁の血管が不完全閉塞となる攣縮が生じ, ニトログリセリン投与により直ちに消失した。
同症例は,冠攣縮を伴う冠動脈の血流障害であった。このような攣縮は通常,安静時に生じるが,誘発負荷試験でも誘発される。重要な危険因子は喫煙習慣で ある。Yilmaz博士らは「この症例の場合,アセチルコリンによる誘発負荷試験を実施していなければ,冠攣縮を発見することもなく,エルゴメーター検査 の所見は偽陽性であって心臓には問題がないとされていたかもしれない」と述べ,診断に注意を促している。ただし,微小血管の機能障害と機能的狭窄を伴う CHDとの判別は必ずしも容易でないことも指摘している。<私的コメント>最初の症例を「微小血管の機能障害」と診断したわけですから、「判別は必ずしも容易でない」というコメントもやや不可解です。機能的狭窄=スパスムなら判別は困難でないような気がします。パルボウイルスB19感染の場合も
3例目は25歳の男性で,急性の下痢が治まった後に呼吸困難を伴う激しい胸部絞扼感が4時間以上持続していた症例である。安静時心電図でST上昇が認め られたが,血管造影では冠動脈に異常所見はなかった。しかし,MRIにより心筋炎が示唆されたため,あらためて心臓カテーテル検査を施行し,アセチルコリンを冠動脈内に投与したところ,冠攣縮が誘発された。心内膜心筋生検によりパルボウイルスB19感染による心筋炎であることが確認された。
Yilmaz博士らは「特に若年男性の心筋炎では心筋酵素値は上昇せず,心筋梗塞に典型的な症候が発現することが多い」と説明。パルボウイルスB19はとりわけ冠動脈壁に対する親和性が高いようで,感染により攣縮の症状が出現することがあるとしている。
同博士らは「以上の症例に見られるように,狭心症症状があり,負荷下で虚血の徴候を示す患者では,冠動脈造影の結果が陰性であっても検査を終了してはならない。多くの場合,アセチルコリンの冠動脈内投与による誘発負荷試験を行うことで原因を突き止めることができる」と強調している。
出典 Medical Tribune 2011.2.3
版権 メディカルトリビューン社<私的コメント>
パルボウイルスB19感染と冠動脈壁に対する親和性については初耳でした。
しかし最初の2症例は別に目新しい話でもないような気がします。
欧米では、まだまだ冠スパスムという概念が一般的ではないのでしょうか。
以前、 冠スパスムを専門に研究している先生の講演を聴きましたが、その際に「日本での冠スパスムスの研究データはなかなか信じてもらえない。受理して貰うのに苦労する」と話してみえたのが印象的でした。
熊谷守一 「夕月」 1962年 SM
http://www.nichido-garo.co.jp/exhibition/2010/10/post_156.html
その他「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/(循環器専門医向き)ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy(一般の方または患者さん向き) 井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~http://wellfrog4.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15http://wellfrog3.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~http://wellfrog2.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科医向き) 「井蛙」内科メモ帖 http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/ があります。