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第72回日本循環器学会特集の記事で「心筋症」を勉強しました。
~ EV関連DCM ~
TLR8発現量多いほど臨床転帰悪い
エンテロウイルス(EV)は拡張型心筋症(DCM)における炎症反応との関連性が報告されている。
岩手医科大学第二内科・循環器医療センターの佐藤衛氏は,ヒトToll様受容体(TLR)8とそのアダプター分子,MyD88がEV関連DCMにおけるEV複製と関係しているかを検討。
両分子の発現量が多いほど臨床転帰が悪いと報告した。
DCM群でTLR8とMyD88発現量が有意に多い
心筋組織からEV RNAが検出されたDCM患者72例(平均年齢57±1歳)を対象とし,左室機能が正常な20例(同56±6歳)を対照群とした。
年齢,性,収縮期血圧,拡張期血圧などは両群間に差が認められた。
TLR8,MyD88のmRNAおよびEV RNA(プラス鎖,マイナス鎖)の発現量は逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)で求め,免疫染色によりこれらの分子の細胞ソースを確認した。平均426日間の追跡調査を行い,臨床イベント(総死亡および心不全発症)を検討した。
その結果,TLR8とMyD88のmRNA発現量は対照群と比べてDCM群で有意に多く(P<0.01),DCM群におけるTLR8 mRNA発現量とMyD88 mRNA発現量には正の相関が認められた(r=0.60,P<0.001)。
同様に,TLR8 mRNA発現量とEV RNAの発現量にも正の相関が認められた(r=0.76,P<0.01)。
一方,TLR8,MyD88ともに,左室容量とは正の相関,左室駆出率とは負の相関が認められた。
免疫染色ではEV蛋白陽性心筋細胞にTLR8とMyD88の発現が認められた。
追跡期間中,心臓死が3例(4.2%),心不全が11例(15.3%)あり, TLR8の発現量が最も多い第3三分位群では他の2群に比べて心イベント回避生存率が有意に低かった。
同様の結果はMyD88に関しても得られた。
以上から,佐藤氏は「EV関連DCM患者におけるTLR8とMyD88発現量はEV RNA複製に対する免疫応答に関与しており,臨床転帰にも関係している」と結論した。
~ MMP-2 ~
サルコメア遺伝子変異を有するHCM患者の予後予測に有用
マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)-2が肥大型心筋症(HCM)の予後を規定する左室機能不全や心筋リモデリングに関係していると報告されていることから,金沢大学循環器内科の舛田英一氏らは,サルコメア遺伝子変異を有するHCM患者を対象に,この知見の臨床的妥当性を検討。MMP-2の血中濃度が心イベント予測のマーカーとして有用であることが示唆されたという。
カットオフ値800ng/mL
舛田氏らは,サルコメア遺伝子変異を有するHCM患者31例(平均年齢56.4歳)に対して,酵素免疫アッセイ法を用いてMMP-2の血中濃度を測定。平均48か月の追跡期間中の心イベント(心不全または心室細動による入院)および心臓死を検討した。
心エコー所見は,心室中隔壁厚(IVST)13.7±4.9mm,左室後壁厚(PWT)10.4±2.4mm,最大左室壁厚(MWT)15.1±5.4mm,左室拡張末期径(LVDd)49.0±9.0mm,左室内径短縮率(FS)31.1±12.3%,左房径(LAD)41.8±5.5mm,血中MMP-2値は883±266ng/mLだった。
Nojiらの報告(Circ J,2004)で,FS 25%以上のHCM患者の平均がMMP-2値800ng/mLと対応することが示唆されていることから,今回の患者をMMP-2値800ng/mL未満(A群)と800ng/mL以上(B群)に分けた。
その結果,A・B群間で IVST(P=0.01),LVDd(P=0.02),FS(P=0.002),MMP-2(A群685±98,B群1,069±238;P<0.0001)に有意差が認められた。
また,各患者のMMP-2値をグラフにプロットしたところ,心イベントが発生しなかった患者のMMP-2値は800ng/mL前後に集まることが確認された。
同氏は「サルコメア遺伝子変異を有するHCM患者では,血中MMP-2値800ng/mLが予後予測のカットオフ値と考えられるかもしれない」と結んだ。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M41191062&year=2008
<参考サイト>
拡張型心筋症
http://www.geocities.jp/study_nasubi/c/c54.html
原因不明の心不全で、本症の病因としてウイルス感染との関連が注目され、本症の心筋からPCR法など分子生物学的方法によりエンテロウイルスやC型肝炎ウイルスなどのウイルスゲノムが検出されており、検討が続けられている。
Toll様受容体
http://ja.wikipedia.org/wiki/Toll%E6%A7%98%E5%8F%97%E5%AE%B9%E4%BD%93
動物の細胞表面にある受容体タンパク質で、種々の病原体を感知して自然免疫(獲得免疫と異なり、一般の病原体を排除する非特異的な免疫作用)を作動させる機能がある。
脊椎動物では、獲得免疫が働くためにもToll様受容体などを介した自然免疫の作動が必要である。
感染に応答する宿主免疫機構
http://www.biken.osaka-u.ac.jp/biken/BioScience/page12/index_12.html#midashi07
Toll様受容体のシグナル伝達機構には、どのような分子機構が関与しているのだろうか。
先述のように、 IL-1受容体、および、Toll様受容体の細胞質内領域には、TIRドメインと呼ばれる共通の領域が存在する。この領域は、TIRドメインを持つMyD88という細胞質内に存在するアダプター分子と会合する。
この会合は、最終的には、NF-κB, MAPK(mitogen-activated protein kinase)カスケードを活性化に至るシグナル伝達経路を活性化する。
この経路は、IL-1受容体、Toll様受容体ファミリーに共通の経路である。
MyD88は、Toll様受容体刺激によるサイトカイン産生誘導に必須である。
Increased Circulating Matrix Metalloproteinase-2 in Patients With Hypertrophic Cardiomyopathy With Systolic Dysfunction
http://ci.nii.ac.jp/naid/110002667539/
Changes in the release and activity of MMP-2 and TIMP-2 may be associated with the mechanisms responsible for cardiac remodeling in patients with HCM.

<MR面会備忘録(H20.6.12>
月1回のMRとの面談の中での話です。
■J-PREDICT(Japan Prevention Trial of Diabetes by Pitavastatin in Patients with Impaired Glucose Tolerance)が進行中。
耐糖能異常患者におけるHMG-CoA reductase阻害薬pitavastatinの糖尿病予防効果の検討。
http://www.ebm-library.jp/circ/doc_japan/J0056.html
目的: 主要アウトカム評価項目:1回の経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)陽性に基づく新規糖尿病の発症;空腹時血糖値に基づく新規糖尿病の発症。
副次アウトカム評価項目:臨床診断に基づく新規糖尿病の発症;新規糖尿病発症までの時間;耐糖能の改善;心筋梗塞;うっ血性心疾患;狭心症;血行再建術施行;脳出血;脳梗塞;くも膜下出血;一過性脳虚血発作など。
■「リバロ」カナダで販売
2008/06/05-19:07 興和、11年にカナダで販売へ=高コレステロール血症治療剤を
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200806/2008060500826
医薬品製造の興和(名古屋市)は5日、子会社で英現地法人のコーワ・ファーマシューティカル・ヨーロッパと、ベルギーの化学・医薬大手ソルベイグループのカナダ現地法人ソルベイ・フォーマが、高コレステロール血症治療剤「ピタバスタチンカルシウム」(国内製品名「リバロ錠」)のカナダでの販売についてライセンス契約を締結したと発表した。
■合剤の降圧剤が今後目白押しで発売予定。
タケダがアムロジピンのジェネリックを発売予定(?)。その後ブロプレスとの合剤(?)
もし本当だとすれば「CASE-J試験」っていったい何だっただというお話。
「CASE-J」
http://www.takeda.co.jp/press/article_1289.html
CASE-J試験は、日本人のハイリスク高血圧症患者4,728例を対象に、わが国の高血圧症治療薬として最も繁用されているアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)のブロプレスとカルシウム拮抗薬のアムロジピンとを比較した、日本で最初の大規模臨床試験です。
・心血管系イベント発症抑制に対し、ブロプレスはアムロジピンと同程度の抑制効果が認められました(発症率は両群とも5.7%)。<主要評価項目>
・全死亡の発症率は両群間で有意差はありませんでした。しかしながら、肥満度の高い患者層でブロプレスはアムロジピンと比較してそのリスクを49%減少させました(p=0.045)。
<副次評価項目>
・ 糖尿病の新規発症に対し、ブロプレスはアムロジピンと比較して新規発症リスクを36%減少させました(p=0.030)。さらに、肥満度が高くなるほどブロプレス群はアムロジピン群と比較してより顕著に糖尿病の新規発症を抑制しました。
第一三共がオルメテックとカルブロックの合剤(?)
今後ARB+CCBの合剤の流れ?
ガセネタかも知れません。
読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/
2008.5.21~ 「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/
~2008.5.21
があります。
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足湯で心臓血管機能が改善
移植待機患者 ポンプ機能の負担軽減か
「足湯」による温熱治療で、心臓移植を待つ患者の心臓血管機能が改善することが、国立循環器病センター(大阪府吹田市)の研究でわかった。
体の深部の温度が上がって末梢(まっしょう)血管の血流がスムーズになることで、心臓のポンプ機能への負担が軽減するらしい。
駒村和雄・心臓動態研究室長は、これまでに、全身浴のできない20~40歳代の移植待機患者4人に対して、温かい蒸気の出る「足湯」装置を使い、42度で15分間温め、30分間保温する治療を2週間行った。
最も効果があったのは、重症の拡張型心筋症で人工心臓を装着した20歳代の男性で、足湯治療により、心筋に酸素や栄養を送る血管の広がりやすさ(血管内皮機能)が正常値まで改善した。
さらに、心臓が血液を送り出す能力も向上して、左心房の内径が縮小、リハビリで歩く速度も速くなったという。
別の40歳代の男性も、血管内皮機能が正常値になり、「夜に熟睡でき、不安感が消えた」と話す。
効果があった2人はいずれも、足湯治療後、深部の体温が、約1度上がった。
駒村室長は「足湯は、血管の機能を改善して、従来の薬物治療を後押しする効果がある。心臓にも効果があるのか研究を積み重ねて検証していきたい」と話している。
(記事提供:読売新聞)
http://www.carenet.com/news/det.php?nws_c=1335

アレンバック 25号http://page3.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/c163183407?u=dumadairi
<コメント>
可能性広がるサウナ療法 心不全では多施設研究
血管障害でも効果確認
http://kk.kyodo.co.jp/iryo/news/0726sauna.html
サウナ療法 心不全に有効副作用なく
http://kumanichi.com/iryou/kiji/heart/41.html
部分浴
http://www.akakura.gr.jp/~akakura26/n017-02-bubunyoku.htm
足浴器
http://ctlg.panasonic.jp/product/lineup.do?pg=03&scd=00003882
重症の入院患者は入浴が制限され、清拭のみとなっていました。
簡単な方法でかつユニークな研究と思われたので取り上げさせていただきました。
以前、神戸の震災の時、被災者へのインタビューで入浴がしたいと口々に言っていたのを思い出します。
本能的に身体にいいということがわかっていたのかも知れません。
ひょっとして、各地の温泉で流行している足湯。
日本だけのものかも知れません。
低血圧の人への入浴指導で膝から下への温水と冷水を交互にかける方法があります。
この方法もいいかもしれません。
今回の研究でBNPの変化はどうだったんでしょうか?
他に 「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/ があります。
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昨日届いたCirculation Journal 71、October2007に
たこつぼ心筋症に関するLetter to the editorとAuthor’s Replyが掲載されていました。
少し前に「たこつぼ心筋症」について書かしていただいたので興味深く読ませていただきました。
葦の髄から循環器の世界をのぞく
「たこつぼ心筋症」
http://blog.m3.com/reed/20070831/1
少し内容を要約してみます。
Letter to the editor
#apical balooningが強調され過ぎてはいないか?
#「たこつぼ心筋症診断ガイドライン」では心尖部病変のない症例は異型として(inverted takotsubo)除外している。
#しかしこれらの異型として除外される症例は数多く存在する。
#典型的なたこつぼ心筋症においても、心尖部はakinesisというよりhypokinesisのことが多い。したがってapikal balooningという表現は誤用といえる。
#また冠動脈病変例を除外するのも問題がある。
Author’s Reply
#本邦ではACSの際のCAGで、たこつぼ心筋症はしばしば観察され、稀なものではないことがわかって来た(0.3~6.25%、平均2.3%)。
#したがって、典型的な症例に限定(すなわち”たこつぼ”)する必要がある。
<コメント>ここでマックス・ウエーバーが例えに出されているが、私には理解不能。
以下略
結局は、心尖部に限局した特異な形をした可逆的な心筋症と定義づけているような印象を受けました。
そしてその原因がstunningやhybernatingのような心筋虚血によるものは除外するということになるのでしょうか?
心尖部に限局した心筋症が臨床的にどのような特異(形態の特異性ではなく)な意味を持つのか今一つ理解できません。
そして診断ガイドラインがいるほどのものなのか。
ガイドラインをきちんと読んでみたいと思います。

アストルフォ・ジンガロ,静物30号
http://page15.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/t47815267
最近記図されているたこつぼ型心筋障害について
――自験例を中心として――
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrm/54/2/54_91/_article/-char/ja
(しっかり考案が書かれているので総説としても勉強になりました。
冠攣縮、微小循環障害、カテコラミン心筋症、心筋炎との異同に
ついても言及しています。)
この論文には
「左室心尖部の圧破綻」という考えが紹介されています。
また「逆たこつぼ」についても述べられています。
<コメント>
私自身、カテコラミンの研究をしていたことがあったので知りたいことがあります。
昔と違って現在は、尿中はもちろん血中カテコラミンは容易に測定できます。
「たこつぼ」が疑われる場合には、臨床現場では検査をオーダーするのが常識になっているのでしょうか?
また、カテコラミンと「たこつぼ心筋症」について検討した論文は数多くあるのでしょうか?
コメントお待ちしています。
お読みいただいてありがとうございました。
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新聞記事からです。
ニュース記事のため後日アクセスできなくなります。したがって恐縮ですが、全文をそのまま掲載させていただきました。
心不全にからむたんぱく質発見 国立循環器病センター
2007年09月22日
心臓が正常に動くために必要で、不足すると心不全につながる蛋白質を国立循環器病センターと大阪大などの研究グループが発見した。
心臓への負担が少ない心不全治療薬の開発につながる可能性がある。米医学誌ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション電子版に21日、発表した。
発見された蛋白質はミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)と呼ばれる酵素の心臓特異型。
12人の重症心不全患者から治療のために切り取った心筋を使い、そこで働く遺伝子を調べた。
すると、心不全の症状の重さと関連の深い遺伝子が特定され、その遺伝子が作りだすMLCKが少ないと、心不全になる傾向が強いことがわかった。
心筋内のMLCKが足りない熱帯魚を遺伝子操作でつくったところ、心臓収縮の原動力となる筋細胞内の配列が乱れ、心臓が大きくなって拍動に異常が現れ、心不全と同じ症状になった。
ラットの実験でも、MLCKが心筋細胞内の規則的な配列を維持し、心臓が正常に収縮するために必要なことがわかったという。 
(新聞には魚の心臓の写真が掲載されています。)
循環器病センターの北風政史・心臓血管内科部長は「弱った心筋を酷使する従来の強心剤は心臓への負担が大きい。
心臓のMLCKの働きを活性化することで壊れた心筋を修復し、副作用も少ない心不全治療薬の開発につながる」と話す。 」
朝日新聞 2007年9月22日
http://www.asahi.com/health/news/OSK200709220018.html
<コメント>
今春、ある研究会で北風先生の講演を聞き、心臓などの内臓が透視できる魚を使って研究しているというエピソードを聞きました。
成果がこれだったんですね。
安い、くさくない、手入れが簡単という表現で笑いを取ってみえました。
先生自身、魚関連の学会員で発表もしているとのことでした。
鈴木 信太郎 油彩4号
http://page4.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/d76534554
Online First Publication
A cardiac myosin light chain kinase regulates sarcomere assembly in the vertebrate heart
http://www.jci.org/cgi/content/abstract/JCI30804v1
(JCIオンラインに掲載された英文です。)
細胞が「分裂する」時に起こっていること
http://www.asahi.com/health/news/OSK200709220018.html
Jabion Genome Viewer Gene Info MLCK
http://www.bioportal.jp/genome/cgi-bin/gene_homolog.cgi?org=hs&id=91807
Monitoring MLCK -- Wells 156 (3): 410 -- The Journal of Cell Biology
http://www.jcb.org/cgi/content/full/156/3/410
Dynamic MLCK activation
http://dicty.cmb.northwestern.edu/chisholm/MLCK.htm
急性心不全治療におけるPDEIII阻害薬 ミルリノンの臨床使用の実際-中之島心不全カンファレンスからの報告(2)
http://www.lifescience.jp/ebm/PDEIII/sinzoubyo/sin53/2.htm
(心筋も平滑筋も筋線維に収縮性物質アクトミオシン(アクチンとミオシンの蛋白複合体)を含むが,平滑筋ではミオシン軽鎖をリン酸化して収縮させるMLCK(ミオシン軽鎖キナーゼ:カルモジュリン依存性酵素)の反応が「cAMP依存性」に起こる。)
<追記2007.9.26>
研究に使用されている魚は確かゼブラフィッシュと講演会ではお聞きしました。写真でみるとあまり透けてません。
Photo of シマヒメハヤ(ゼブラフィッシュ)(学名:Danio rerio)
http://opencage.info/pics/Danio_rerio.asp
むしろ トランスルーセントグラスキャットフィッシュの方が透けてるようですが心臓が透けてるかどうかは分かりません。
トランスルーセントグラスキャットフィッシュ(学名:Kryptopterus bicirrhis)
http://opencage.net/pics/large_8501.asp
私も熱帯魚を少し飼って いますが結構透けてる小魚は種類があるみたいです。
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ごく最近、欧州のサッカー選手が心臓発作を起こし亡くなったというニュースが入りました。
皆さんもご存知のことと思います。
念のため記事を紹介させていただきます。
22歳のスペイン代表DFプエルタが死去。サッカー界に繰り返される悲劇
セビージャFCのスペイン代表左サイドバック、アントニオ・プエルタが28日午後、セビージャ市内のビルヘン・デル・ロシオ病院で死去した。22歳だった。
プエルタは25日に行われたヘタフェCFとのリーグ戦の試合中に心臓発作を起こし、危篤状態が3日間続いていた。プエルタは試合の35分に倒れたが、その後は意識は回復し、自力でピッチの外に出た。しかし医師によると、控え室で再び意識を失い、心臓マッサージを受けた後、病院へ搬送された。
セビーリャのホセ・マリア・デルニド会長は、26日にプエルタを見舞ったあと「数回心拍停止があったものの、プエルタの命はクラブドクターたちの迅速な処置と赤十字によって救われた」と、クラブの公式HP上でコメント。しかしながら、その後も深刻な心室不整脈が続いた影響で二度にわたって意識を失い、人工呼吸器と心拍をコントロールするための鎮静剤を使い続けなければならないほどの危険な容態に陥っていた。日曜日には脳への影響も判明していた。そして、そのまま彼の意識が戻ることはなかった。入院していた病院の医師たちが記者会見を行い、医師はプエルタが「不整脈源性右室異形成」を患っていたことを明らかにしている。
心臓の疾患により、まだ22歳の若き才能が最悪の形で命を絶たれた。そしてこのことを受け、UEFAは28日に予定されていたUEFAチャンピオンズリーグ予選3回戦第2戦のAEKアテネ対セビージャFCを延期すると発表した
今回のプエルタの死のような悲劇は、実はたびたび起こっている。
ブラジルでは2004年の10月27日、ブラジル選手権のサンパウロvsサンカエターノ戦でサンカエターノのセンターバック、セルジーニョがやはり心臓発作で命を落としている。同様の悲劇はポルトガル、ペルーでも起こったことがある。
もっとも人々の印象に残っているのは2003年6月26日、コンフェデレーションズ・カップ準決勝でのカメルーンのマーク・ヴィヴィアン・フォエの突然死だろう。ピッチに倒れ込むフォエの姿は全世界に伝えられた。
http://www.jiji.com/jc/a?g=afp_spo&k=20070830014027a

深谷徹 足摺岬 http://page5.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/e69892514
そこでARVD(特に診断)について考えて(?)みました。
不整脈源性右室異形成(ARVD)とは?
不整脈源性右室異形成(Arrythmogenic Right Ventricular Dysplasia, ARVD)はF. Marcus医師とG. Fontaine医師により1982年に最初に臨床報告されて以来、特に20~30代の突然死の原因として注目されてきました。
また1995年の世界保健機構/心筋症国際会議(WHO/ISFC)合同委員会定義では特発性心筋症のひとつとして不整脈源性右室心筋症(ARVC)として分類されています。疫学調査によっては5000人に1人の発生頻度とも報告されています。
右室心筋の(線維)脂肪変性によりこの部位の興奮の伝導遅延を生じ心室頻拍などの心室性不整脈の原因となり得る疾患です。
心筋の(線維)脂肪変性の原因としては心筋細胞の自殺死(アポトーシス)説、心筋の(線維)脂肪組織への異常分化説、心筋炎説などが挙げられています。約半数に家族歴があり常染色体優勢遺伝を示しますが、他は突然変異と推定されています。
ARVDの症状
最初の症状は動悸や失神で、特に運動中や直後での症状の悪化が多いとされています。心筋の脂肪変性が広範に及ぶと心不全症状が出現します。
ARVDの検査所見
心電図では右室の伝導遅延の所見を示し、心室性不整脈は運動で誘発されることも多く、完全左脚ブロックの形をとり、不整脈の成因はリエントリーが多いとされています。胸部レントゲン写真や心エコーで右室の拡張を示すこともあります。右室造影で壁運動異常、心臓電気生理検査にて右室心内膜での遅延電位の存在やリエントリー性心室頻拍が誘発されます。右室心筋生検にて心筋の脂肪変性の所見を示します。
ARVDの治療
重症心室性不整脈を示す場合には抗不整脈薬、アブレーション、植込み型除細動器を組み合わせて治療します。
ARVDの診断基準
McKennaら(BMJ 71: 215-218, 1994)の診断基準では大基準2項目、または大基準1項目+小基準2項目、または小基準4項目があればARVDと診断します。
不整脈源性右室異形成(ARVD)とは?
http://www.gik.gr.jp/~skj/arrhythmia/ARVD.php3
(こんなに真摯に取り組んだサイトがあるなんて。いつも感激しています。)
How is ARVD diagnosed?
It is often difficult to diagnose ARVD and there is no single test which can alone definitively make or exclude the diagnosis. However, the results of a careful medical history, physical exam by a nurse or doctor and a number of cardiac tests can be used to make a diagnosis. The cardiac tests are an electrocardiogram (ECG), a signal averaged ECG (SAECG), an exercise stress test, an echocardiogram, cardiac MRI and a 24-hour Holter monitor. It is extremely important that the cardiac MRI be performed at in institution familiar in doing cardiac MRI's to evaluate for ARVD, as these studies are difficult to interpret accurately. In addition to these standard tests, an electrophysiology study (EP study), right ventriculogram, and biopsy may be recommended to completely evaluate for ARVD. Other tests that provide information about the heart structure and function include a CT scan and MUGA scan. An autopsy can show ARVD if the heart is carefully examined.
ARVD. COM
(JOHNS HOPKINSのサイト)
そのARVDの紹介にARVD,a rare heart disease,is one of the leading cause of sudden death in young athletes. With proper medical care live healthy and productive lives.と書かれている。
まさしく彼のことをそのまま言い当てているような簡潔なまとめで涙をそそう。
ARVD Clinical Features.
Arrhythmogenic right ventricular dysplasia (ARVD) is a poorly understood and often underdiagnosed cardiomyopathy.
The disease is characterized by arrhythmic manifestations, possibly due to replacement of myocardium of the right ventricle by fibroadipose tissue. ARVD should be considered as a cause of ventricular tachycardia of left bundle branch block configuration and/or sudden death, particularly during exercise in young subjects. The electrocardiogram (ECG) may show anterior precordial T wave inversion, particularly in lead V2 and/or a QRS complex duration > or = 110 ms in the right precordial leads.
Echocardiographic studies focusing on the size and wall-motion abnormalities of the right ventricle are useful in confirming the diagnosis.
Cinemagnetic resonance imaging demonstrates abnormal fatty infiltration of the right ventricular myocardium and can show increased right ventricular dimensions as well as wall-motion abnormalities. Contrast ventricular angiography remains the gold standard to establish the diagnosis but must be performed with appropriate views and with care to avoid ventricular premature beats (Marcus & Fontaine, 1995).
ARVD.net
http://telethon.bio.unipd.it/ARVDnet/
How is Arrhythmogenic Right Ventricular Dysplasia Diagnosed?
ARVD is diagnosed based your on medical history, physical exam, and tests (echocardiogram, Holter monitor, electrophysiologic testing, cardiac MRI, and/or cardiac CT scan. Click here to learn about these tests.
Cardiac Magnetic Resonance Imaging (MRI) is recommended for the diagnosis of ARVD, as it visualizes fibro-fatty infiltration of the right ventricular (RV) myocardium. It also can show increased RV dimensions as well as wall-motion abnormalities. Unfortunately, the image quality frequently is limited due to artifact from irregular heart rhythms. For this reason, the patient may also undergo a cardiac CT scan to confirm or rule out the diagnosis of ARVD. This imaging test can detect characteristic abnormalities of the RV myocardium or the RV cavity. Unlike MRI, a CT scan can be performed if the patient has an implanted device (e.g. pacemaker, defibrillator).
The diagnosis of ARVD is confirmed if the patient has these characteristics:
1)Abnormal function of the right ventricle (RV)
2)Fatty or fibrous-fatty infiltrates of the right ventricle heart muscle (myocardium)
3)Abnormal ECG
4)Arrhythmias (supraventricular tachycardia, ventricular tachycardia or ventricular fibrillation, especially with exercise)
5)Family history of ARVD
Arrhythmogenic Right Ventricular Dysplasia
(also called arrhythmogenic right ventricular cardiomyopathy)
http://www.clevelandclinic.org/heartcenter/pub/guide/disease/heartfailure/arvd.htm
(Cleveland Clinicのサイト)
ARVD, Potentially Fatal Heart Condition Among Young Athletes, Johns Hopkins Medical Institutions
http://www.medicalnewstoday.com/articles/34883.php
Arrhythmogenic right ventricular dysplasia
http://en.wikipedia.org/wiki/Arrhythmogenic_right_ventricular_cardiomyopathy
不整脈原性右室心筋症
http://www.udatsu.vs1.jp/
(書かれている森博愛先生が今でもご活躍のことは同慶の至りです。
随分昔のことになりますが、私が循環器医のタマゴの時に先生の心電図のテキストを買って熟読したのを思い出します)
プロ選手なら契約時に厳密なphysical checkがあるはずなんでしょうが。
(それだけ診断が難しいということ?)
本人は病気について知っていたのでしょうか。
またどの時点で診断がついたんでしょうか。
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JACC August 28, 2007 Volume 50, No. 9に
ACC/AHA 2007 Guidelines for the Management of Patients With Unstable Angina/Non--ST-Elevation Myocardial Infarction
というガイドラインが掲載されています。
その中に「たこつぼ心筋症」の項目があります。
TSUNAMI(津波)と同じように日本語のまま英語になっているようです。
諸外国には「たこつぼ(蛸壺)」はないんでしょうか?
ある辞書を引いてみました。
octopus trap
またある和英辞書で「蛸壺」 と引くとoctopus pot、これを逆引きすると「タコの鍋」。何だか変です。
さてガイドラインです。
6.9 Takotsubo Cardiomyopathy
A disorder, or group of disorders, with several names (stress-induced cardiomyopathy, transient LV apical ballooning, Takotsubo cardiomyopathy, and broken heart syndrome) is an uncommon but increasingly reported cause of ACS. Takotsubo cardiomyopathy is noteworthy for the absence of obstructive coronary artery disease, typical precipitation by intense psychological or emotional stress, and predominant occurrence in postmenopausal women. The characteristic finding of apical LV ballooning is seen on left ventriculography or echocardiography, with transient ST elevation or deep T-wave inversions on the surface ECG. Despite the presence of positive cardiac biomarkers and frequent hemodynamic compromise or even cardiogenic shock, almost all patients recover completely, typically with normal wall motion within 1 to 4 weeks.
ACC/AHA 2007 Guidelines for the Management of Patients With Unstable Angina/Non--ST-Elevation Myocardial Infarction
http://content.onlinejacc.org/cgi/content/full/50/7/e1
以下、米国の事情を紹介した興味深いブログがありましたので紹介させていただきます。
今月のNewsweekのタイトルは Stress and your Heart という事で、心臓病に関して40ページ以上にわたり特集がありました。
A型気質に代わり、D型気質を提唱するなどおもしろい記事もあったのですが、ちょっと気になったのはStress Cardiomyopathyについての記事です。
Stress Cardiomyopathyというのは今年の2月にNEJMで(NEJM 352;6:539-)「精神的ストレスによる心筋障害」として提唱されてから、やや一般化した概念なのですが、実はこれは日本で言われるいわゆる「たこつぼ心筋症」なのです。
日本ではエコーの技師さんに「たこつぼっぽいですよ」などと指摘されるくらい普通に受け入れられていたこの概念はアメリカではこの論文が出るまでは知る人ぞ知る現象でした。
しかし臨床医学の世界ではトップの医学雑誌NEJMに載った論文にしては、あまり新しい事は書いてありませんでした。
10年前からたこつぼという概念を持っていた日本なら簡単にできた内容ではないかと思い、ちょっと悔しく思いました。
私の病院では、日本人の先輩がいた事もあって、少し前から「たこつぼ」の症例は指摘されていたのですが、それでも半信半疑の人も多く、NEJMに掲載されてやっと受け入れられたという感じです。
新潟の大地震の時は、その地域で18人のたこつぼ心筋症が出たとの記事がありましたし、アメリカでは戦争につれて精神的ダメージを受けた女性の患者もけっこういるようです。
新聞などでは、”Broken heart syndrome”などと紹介されていました。
このたこつぼ、精神的ショックによって一時的な心機能低下を起こすというのは、まさにブローケンハート、興味深い現象ではあります。
今後メカニズムがわかってきてどのように分類されていくか、さらなる研究が待たれます。
http://www.dryumi.com/wp-trackback.php?p=79
2005
(せっかく日本語が病名になっているのに日本発信ということが米国で評価されているのかいないのか)
上田瑛「ヴェニス」8号
http://page19.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/x20436087
たこつぼ心筋症、エストロゲン濃度の低下が原因
たこつぼ心筋症は特に女性に多い疾患だが、エストロゲン濃度の低下が原因の一つである可能性が示された。ラットを使った動物実験で明らかになったもので、3月17日のECS-JCSジョイントシンポジウム「Pathophysiology and Clinical Aspect of Takotsubo Disease」で、和歌山県立医大の上山敬司氏が発表した。
上山氏らは、たこつぼ心筋症が閉経後の女性にも目立つことからホルモンの関与を疑い、その解明を目指し実験を重ねてきた。たこつぼ心筋症が身体的あるいは精神的なストレスで誘発されることが少なくないことを踏まえ、実験では、 Kvetnanskyらが報告したラットのストレスモデルを用いた。上山氏らは、このモデルで、たこつぼ心筋症で見られる心電図や左室造影の所見を再現することができ、またアドレナリン受容体拮抗剤により、こうした所見を抑制することができることを確認した。
その上で実験では、エストロゲンを補充することにより、ストレスで誘発される心電図や左室造影の所見がどのような影響をうけるのかを検討した。その結果、エストロゲン補充で、ストレスで誘発された左心室機能障害(特に頻脈)を抑制し、中央交感神経細胞におけるニューロンの活性を抑えることもできた。また、副腎や心臓における細胞活性を抑え、心臓保護効果があるHSP70やANP濃度を上昇させる効果も確認された。
これらの結果を踏まえ上山氏は、更年期の後に続くエストロゲン濃度の低下は、神経系への間接作用あるいは心臓への直接作用によって、たこつぼ心筋症の発症に関与していることを示唆すると結論付けた。
(注)たこつぼ心筋症は、胸痛や心不全などの急性心筋梗塞症様の臨床所見が見られるが、心臓カテーテル検査では冠動脈に狭窄や閉塞などの異常所見がない。左室造影で心尖部に一過性の高度な収縮不全を認める症例があり、その収縮異常の形態的特徴から「たこつぼ型心筋症」と呼ばれている。1990年に佐藤光氏らが世界で初めて報告した。最近では、新潟大医学部の調査により、2004年の新潟県中越地震の直後、被災地の女性に、たこつぼ心筋症が多発していたことが明らかになった。
(三和護=日経メディカル オンライン)
以上
第71回日本循環器学会総会・学術集会 2007年3月15日~17日 神戸
たこつぼ心筋症
http://www.jhf.or.jp/shinzo/mth/images/History-38-8.pdf
ストレスと心筋症
http://tomochans.exblog.jp/3369030/
第12回機能画像検討会
http://www.asahi-net.or.jp/~tv4m-tkhs/KINOU12/12kinou.html
蛸壺
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%9B%B8%E5%A3%BA
地震のストレスに要注意「たこつぼ心筋症」患者3人が発生
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe7600/news/20070725i407.htm?from=goo
たこつぼ心筋症 診断のポイント
http://204.3.202.205/green/abstractJ/436-71C.html
たこつぼ心筋症 震災などストレス原因
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/saisin/20070831-OYT8T00226.htm
恥ずかしながら私が現役の循環器医だったころにはなかった概念です。
勉強不足だったせいもあるんでしょうが。
くも膜下出血の際のgiant negative Tやカテコラミン心筋症との関係はどうなんでしょうか?
もう少し勉強してみます。
ブログに載せる資格もないですね。
国内ではもう耳にタコ?
ただガイドラインに英語として採用されているもんですからつい。
<アップしてからの追加です>
家に医学部5年の子供がいます。
ある町の病院へ院内見学へ泊りがけで行っていて夜帰って来ました。
今朝の親子の会話でタコツボの話をしました。
循環器を回っていたらしく、返ってきた言葉が
「ああその病院に2~3人入院していたよ。
女性に多い病気でしょ。
ストレスにさらされた女性に多いんだってね。
先生はこの町には特に多いんだよなあって言っていたよ。
一応父さんのブログも見とくわ。」
一体ナンなんだって思ってしまいました。 トホホ
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