メタボリックシンドロームモデルラットにおいてARBとCCBの併用は血管インスリン抵抗性を改善―脂肪細胞サイズ減少と抗炎症作用の相乗効果
Combination Therapy of an Angiotensin Receptor Blocker and a Calcium Channel Blocker Ameliorates Vascular Insulin Resistance in Metabolic Syndrome Model Rats Synergistically via a Reduction in Adipocyte Size and an Anti-Inflammatory Effect
アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)とカルシウム拮抗薬(CCB)の併用療法がメタボリックシンドロームに有用な効果をもたらす機序については,まだ十分には検討されていない。
今回,末田氏らは,メタボリックシンドロームモデルラットを用いてARB・CCB併用療法の有効性について検討し,両剤併用により血管インスリン抵抗性が大幅に改善され,その機序としてp22phox関連酸化ストレスの減弱と内臓脂肪細胞サイズの縮小が相乗的に関与していることを明らかにした。
■SHRcpラットを用いARB・CCB併用と各単剤の血管への効果を比較
末田氏らは,メタボリックシンドロームのモデルとして肥満・高血圧自然発症ラットSHR/NDmcr-cp(SHRcp)を用いて検討を行った。
SHRcpラットを,
(1)プラセボ群
(2)カンデサルタン0.3㎎/㎏/日(ARB)群
(3)アムロジピン3㎎/㎏/日(CCB)群
(4)カンデサルタン0.3㎎/㎏/日+アムロジピン3㎎/㎏/日(ARB+CCB)群
の4群に分け,4週間の経口投与を行った。
血管インスリン抵抗性は,インスリン誘発内皮依存性血管弛緩反応を検査して評価した。
SHRcpラットにおいて,収縮期血圧はARB群,CCB群,ARB・CCB併用群のいずれにおいてもプラセボ群と比べ有意な低下を示した (p<0.05)。
ARB群とCCB群での低下は同等であったが,ARB・CCB併用群では各単剤群よりもさらに有意に大きな低下を示した (p<0.05)。
アセチルコリン誘発内皮依存性血管弛緩障害に対しては,SHRcpラットにおいてARB群,CCB群,ARB・CCB併用群ともに同様の改善を示した。
インスリン誘発内皮依存性血管弛緩障害に対しては,ARB群でプラセボ群と比べ有意な改善を認めたが(p<0.01),CCB群では有意な変化は認められなかった。
興味深いことに,ARB・CCB併用群では,プラセボ群と比べ有意な改善を認めたほか,ARBあるいはCCB単剤群よりも大きな改善が認められ,ARB群との間に有意差が確認された(p<0.01)(図1)

ARB・CCB併用は血管インスリン抵抗性に対して相乗的な効果を示した。この機序を検討するため,p22phoxの発現をウエスタンブロッティング法で評価したところ,SHRcpラットにおいて,ARBおよびCCB各単剤群よりもARB・CCB併用群でp22phoxの発現が有意に抑制されていた。このことから,p22phox発現亢進阻害によるp22phox関連酸化ストレスの大幅な減弱が機序として一部関与している可能性が示唆された。 p22phoxは,活性酸素種生成にかかわる細胞膜中の酵素NADPHオキシダーゼ(nicotinamide adenine dinucleotide phosphate-oxidase,Nox)の活性化に必要な蛋白質のひとつである。p22phoxは,細胞膜貫通型蛋白質であるチトクロームb558pのサブユニットであり,その発現亢進は酸化ストレス亢進をもたらし,内皮依存性血管弛緩反応の異常や血管障害の成因となることが示唆されている。 ■内臓脂肪細胞サイズの縮小と抗炎症作用が相乗的に作用 次に末田氏らは,代謝異常と血管インスリン抵抗性との関連を調べるため,肥満および炎症に対する各薬剤の効果を比較検討した。その結果,ARB・CCB併 用群ではSHRcpラットの肥大化した内臓脂肪細胞サイズの有意な縮小を認めたが,プラセボ群,ARB群,CCB群では有意な変化は認められなかった(図2)。
またARB・CCB併用群では,ARBあるいはCCB単剤群に比べ,内臓脂肪細胞のマクロファージ浸潤と腫瘍壊死因子-α(TNF-α)レベルが有意に抑制され,これらに対しても相乗的な効果が示された。このことから,ARB・CCB併用は肥満を相乗的に改善し,その結果として抗炎症作用を増強すると考えられる。 以上より末田氏は,ARB・CCB併用は,メタボリックシンドロームにおける血管インスリン抵抗性を相乗的に改善し,その背景にはp22phox関連酸化ストレスの減弱,内臓脂肪細胞サイズの縮小を介した抗炎症作用の増強などの機序が関与していると結論した。 (メディカルライター 坂井順子) ■監修者の自治医科大学内科学講座循環器内科学部門 苅尾七臣主任教授のコメント ARB・CCB併用療法の血管・脂肪細胞への相乗効果 本研究は,メタボリックシンドロームのモデルラットにおいて,ARB・CCB併用が酸化ストレスを減少させ,血管に対してはインスリン誘発内皮依存性血管弛緩反応を改善し,さらに脂肪細胞に対してはサイズを縮小させ,抗炎症性に働くことを示した。つまり,ARB・CCB併用は血管・脂肪細胞の両側面よりイ ンスリン抵抗性を改善することになる。 また,これらのARB・CCB併用の効果は,ARBあるいはCCBそれぞれの単剤治療よりも,有意に相乗的に増強することが示された。 これらの実験成績は,ヒトにおける高血圧患者を対象とした臨床研究から得られた成績と一致する。以前,我々はARBで治療中の高血圧患者を対象としたJCORE研究において,ARB・CCB併用の効果をARB・利尿薬併用と比較した。2群とも同程度に血圧レベルが低下したにもかかわらず,酸化ストレス指標である8-isoprostaneや高感度CRP,さらにインスリン抵抗性指標であるHOMA指数の改善はARB・CCB併用のほうが優れていた。 以上の実験ならびに臨床研究の結果から,ARB・利尿薬併用と同程度の降圧が得られた場合には,血管保護や糖代謝の面から考えると,ARB・CCB併用はよい組み合わせであるといえる。 引用文献 1) Am J Hypertens 2011;24(4):466-473 出典http://www.biomedisonline.jp/aha2011hl/?link=mail
<番外編 その1>シタグリプチンと血管内皮シタグリプチンの動脈硬化抑制作用 <番外編 その2>[メディカル版]最新の話題 第34回日本高血圧学会 http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/11/25/144956/?fullArticle=true ■高血圧治療と心不全治療は、前者は高血圧との、後者は低血圧との戦いという点で大きく異なるという。 このため、高血圧を基盤とした心不全の場合、後負荷を軽減するという意味では、ARBは有効でしかも使いやすい。だが、血圧が低めの心不全では、ARBやβ遮断薬は降圧効果が強く、使い難くなる。■心不全の重症度が増すほどレニン・アンジオテンシン(RAA)系やその他の多彩な血管収縮系のホルモン群、それに関連した酵素が活性化するため、アンジオ テンシンII(AII)の作用を抑制するだけでは不十分となる。ACE阻害薬は、AII合成抑制効果は弱いが、ブラジキニンの増加、それに引き続く一酸化 窒素(NO)の増強作用があり、その他の複数の酵素群にも干渉する。 ■ACE阻害薬の使い方では、海外では比較的高用量が使われている。国内では、血圧低下が心配になり、心不全の重症度に伴って投与量が減量されているケース が目立つが、心不全の重症度に伴い、増量すべきであると考えられる。その理由は、ACE阻害薬がAIIの合成を強く抑制できないことが、心不全ではむしろ 有利に働き、血圧をあまり下げることなく増量できる可能性があり、増強された多面的効果で心不全の病態に対抗できるためだ。■ACE阻害薬の空咳は、高血圧治療では高頻度に空咳が出現するが、心不全では極めて少ない。同剤は、心不全の予防薬としても期待も大きい。 ■アリスキレンの腎保護効果は、降圧剤の中で最も期待できる。■ACE阻害薬、ARBで尿蛋白が出現する患者に対してアリスキレンを投与すると、尿蛋白は減少する。最大量のARBで降圧効果が不十分な症例に対して、アリスキレンを併用すると、さらなる降圧効果が期待できることも報告されている。■高血圧性臓器障害やイベントに対するリスク評価に対する中心血圧の応用は、その特性を十分に理解する必要がある。○利尿薬やβ遮断薬の投与では、上腕血圧は下がっても中心血圧は下がらない。 ○減塩は中心血圧の変化が大きい。○内臓脂肪の蓄積あるいは肥満では、上腕血圧測定の方が精度が高く、中心血圧測定は肥満に関連するリスクを過小に評価する可能性がある。○軽症候性脳血管障害のように、血圧の要因が強い臓器障害に関しては、中心血圧測定の精度は高い。○肥満や糖尿病、インスリン抵抗性も重要な成因となる動脈硬化や腎障害などでは、中心血圧は臓器障害との関連性において上腕血圧に劣る可能性がある <番外編 その3>[医療費] 薬局調剤費が医療費の伸びのもっとも大きな要因と分析 日医 http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/11/21/144761/?fullArticle=true 読んでいただいて有り難うございます。コメントをお待ちしています。その他「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/(「葦の髄から循環器の世界をのぞく」の補遺版)ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy(一般の方または患者さん向き) 井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~http://wellfrog4.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15http://wellfrog3.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~http://wellfrog2.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科医向き) 「井蛙」内科メモ帖 http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/ (「井蛙内科開業医/診療録」の補遺版) があります。
この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
犠牲になられた方々、そしてご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
また、福島第一原発事案(事故)で避難中の方々、そして計画停電中の首都圏の方々にお見舞い申し上げます。
また、被災者支援や原発復旧作業などの災害対策に全力を尽くしてみえる皆様に敬意を表します。
米国・ニューオリンズで開催された第60回米国心臓病学会議(ACC)の「Late-Breaking Clinical Trials」セッションで報告された「NAGOYA HEART」(2011.4.5)で勉強しました。
「糖尿病合併高血圧患者に対象を絞ったARBの大規模試験」ということが ポイントのようです。
「『日本循環器学会認定施設46施設』で患者登録がなされた」ということも国内的にはアピールできる点かも知れません。
6カ月以内の冠動脈疾患の既往がある患者や左室駆出率(LVEF)<40%、血清クレアチニン≧221μmol/L(2.5mg/dL)の患者などは除外されています。
糖代謝異常合併高血圧対象にバルサルタン vs. アムロジピンNAGOYA HEART試験,1次評価項目では両群同等第60回米国心臓病学会(第60回ACC;4月2~5日,ニューオリンズ)のLate-Breaking Clinical Trialsにおいて,名古屋大学大学院病態内科学教授の室原豊明氏は,糖尿病または耐糖能異常(IGT)を合併する高血圧患者へのアンジオテンシンⅡ受 容体拮抗薬(ARB)バルサルタンとCa拮抗薬アムロジピンの効果を比較検証したNAGOYA HEART試験を発表。1次評価項目は両群同等であったが,心不全による入院の抑制についてはARB群が有意に優れていた。PROBE法によるRCT,5因子を考慮して割り付けNAGOYA HEART試験は,PROBE法によるRCTとして実施された。対象は2型糖尿病またはIGTを合併する30~75歳の高血圧患者。国内46施設から1,168人が登録された。このうち,基準を満たした1,150人に対して割り付けが行われた。 年齢,性,喫煙歴,スタチン投与,IGTか2型糖尿病という5因子が均等になるように割り付けが行われ,ARB群(バルサルタン)とCa拮抗薬群 (アムロジピン)それぞれ575人となった。患者背景は,平均年齢63歳,女性の比率は35%だった。平均BMIは25で,心血管疾患既往が約25%,脳血管疾患既往は5%程度含まれ両群同等だった。 試験における降圧目標は130/80mmHg未満で,プロトコルは以下の通り。ARB群はバルサルタン80mg/日,Ca拮抗薬群はアムロジピン 5mg/日から開始し,治療目標値に到達しない場合は4週後にそれぞれ160mg/日,10mg/日に増量,それでも達しない場合は両群とも4週後にバル サルタン以外のARBやACE阻害薬が,さらに4週後にはACE阻害薬,ARB,Ca拮抗薬以外の降圧薬が追加された。両群とも開始前に4週間のランイン期間が設けられた。心不全による入院はARBが有意に抑制,現行ガイドラインを支持する結果追跡期間中央値3.2年で,1次評価項目(急性心筋梗塞,脳卒中,血行再建術の施行,うっ血性心不全による入院,心臓突然死からなる複合評価項目)の発症は,ARB群9.4%に対してCa拮抗薬群9.7%で両群同等だった(ハザード比0.97,95%CI 0.66~1.40)。2次評価項目の総死亡も順に3.8%,2.8%で有意差はなかった。 1次評価項目の構成項目のうち,心不全による入院の発生については,ARB群の3例に対してCa拮抗薬群15例とARB群で有意に低下していた(ハザード比0.20,P=0.01)。副作用については,固形がんを含めて両群とも同等だった。 室原氏は,蛋白尿を有する高血圧患者へのARBイルベサルタンとCa拮抗薬アムロジピンの効果を比較したIDNT試験においても,2次評価項目である心血管疾患発症リスクについては両群間で有意差がなかったのに対して,心不全入院についてはARBイルベサルタン群で有意に低下していた点を挙げ,今回の結果もこの試験と同様の傾向であったと分析した。 以上の結果から,同氏は「主要な心血管疾患の予防という点で両薬は等しく有効で安全な薬剤と言えるが,心不全の予防と言う観点ではARBが優れており,これは現行のガイドラインを支持する結果だ」とまとめた。なお,「高血圧治療ガイドライン2009」では,糖尿病を合併する高血圧の治療計画とし て,ARBまたはACE阻害薬が第一選択薬として挙げられており,Ca拮抗薬は利尿薬とともに第二選択薬となっている。 (田中 かおり)出典 MT Pro 2011.4.7版権 メディカル・トリビューン社
<私的コメント>
■演者の室原教授は、発症率が想定よりも低かったこと(「慢性心不全による入院は、有意差がみられ、バルサルタン群0.5%(3例)、アムロジピン群2.6%(15例)」)や、PROBE法を用いたことなどから試験に限界 があることは認めてみえます。
しかし、あまり客観的ともいえない、つまり担当医の主観や患者の事情などが入りうる「心不全による入院」を両者で優位差があったと強調されるのはいかがなものでしょうか。
JIKEI HEARTでも、この「心不全による入院」の解釈については問題視されました。
「両者に有意差は見られず」という結論でよいのではないでしょうか。
■JIKEI HEARTでは大学関連病院という単一グループでおこなわれ,しかもPROBE法という担当医が患者がどちらの群に割り当てられたかを知っている方法によって実施されたということが問題点として指摘されました。
この2つの点では NAGOYA HEART試験も同様です。
PROBE法であるが故に「心不全による入院」もどちらかの群を多くすることが出来るかも知れません。
こういったことを書くこと自体、発表者には大変失礼なことは承知しているつもりです。
しかし、「心不全の予防と言う観点ではARBが優れている」という結論になっていれば、在野(?)の開業医としてはちょっと書きたくなってしまいます。
■HbA1cがvalsartan群で7.0%→6.7%,amlodipine群で6.9%→6.7%となっています。
この低下が有意かどうかは分かりませんが、少なくとも3.2年(中央値)の追跡期間で悪化していません。
通常悪化するような気もするのですが、 糖尿病に対してvalsartanとamlodipineが何らかの好影響を及ぼしているのでしょうか。
はたまた糖尿病治療薬の増量や変更がされているのでしょうか。
■今回の発表では、2型糖尿病性腎症がある高血圧患者を対象に、ARBのイルベサルタンとアムロジピンの効果を直接比較した「IDNT」の結果を提示されたようです。
「血清クレアチニン≧221μmol/Lの患者などが除外された」今回の発表では、対象患者のうち2型糖尿病性腎症はどの程度の割合なのでしょうか。
それを語らずには「IDNT」の結果を引用することは出来ないような気がします。
サブ解析の結果が待たれます。
<関連サイト>Two Different Heart Drugs May Work Equally Well for High-Risk Patientshttp://health.usnews.com/health-news/diet-fitness/diabetes/articles/2011/04/05/two-different-heart-drugs-may-work-equally-well-for-high-risk-patients■"For diabetic patients, we might want to use an ARB, but for prediabetic, hypertensive patients, there doesn't seem to be any difference in outcomes between the two groups," said Dr. Suzanne Steinbaum, a preventive cardiologist with Lenox Hill Hospital in New York City.■Steinbaum added that the information should not be completely new to most cardiologists.■Research presented at meetings should be considered preliminary until published in a peer-reviewed medical journal.<私的コメント> 辛口コメントが続きます。NAGOYA HEART: ARB, calcium antagonist equally effective in patients with diabetes, hypertensionhttp://www.cardiologytoday.com/view.aspx?rid=82320 ■The NAGOYA HEART Study is the first randomized trial comparing the efficacy of an ARB with a calcium antagonist, according to Murohara. ■“Our present paper shows that ARB is superior to a calcium antagonist in HF, and clinical trends already show ACE inhibitors slow [the development of] some of the complications of diabetes,” Murohara said.(私的コメント;ACE inhibitorsとARBは別物という声が外野席から聞こえそうです)■“Our study results support the current guidelines recommending ARB and ACE inhibitors for first-line treatment in diabetic patients with hypertension.” (私的コメント;今回の成績から「そこまで言って委員会」と思われます)
<きょうの一曲>ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート2010 - 美しく青きドナウ 1/2
http://www.youtube.com/watch?v=hOm9s7_ZNsQ&feature=related
ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート2010 - 美しく青きドナウ 2/2
http://www.youtube.com/watch?v=ATkwPu7Prgo その他「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/(循環器専門医向き)ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy(一般の方または患者さん向き) 井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~http://wellfrog4.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15http://wellfrog3.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~http://wellfrog2.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科医向き) 「井蛙」内科メモ帖 http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/ があります
この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
犠牲になられた方々、そしてご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
また、福島第一原発事案(事故)で避難中の方々、そして計画停電中の首都圏の方々にお見舞い申し上げます。
また、被災者支援や原発復旧作業などの災害対策に全力を尽くしてみえる皆様に敬意を表します。 日医新報 No.4531 2011.2.26 P90-91の「質疑応答」に「心肥大から心不全発症予防としてのスタチン
」という記事が出ていました。きょうは、この「スタチンが血管新生を介して心不全の発症を予防する」という内容の記事で勉強しました。この記事の質問で興味深かったのは「癌発生時の血管新生促進が癌の進行を早める可能性がないのか」という内容の質問が付いていたこともあります。(回答者 阪大・小室一成 教授)■心不全全般の5年生存率は50%、重症心不全では3年生存率が30%と言われており、その予後の不良さは癌に匹敵する。
■心不全の原因としては、虚血性心疾患、高血圧、弁膜症、心筋症の四つが主であるが、多くの場合、心不全発症の前段階として心肥大を認める。
■心肥大は、心室壁に当るストレスを減少させるといった代償的な側面がある。
しかし、肥大した心臓を長時間放置すると収縮機能が低下し、心不全を発症する。
■この肥大した心臓の収縮機能が低下する分子機序は不明であった。
■筆者(小室)らは最近、マウスを使った研究から、心筋内の血管数減少による虚血が心不全発症の分子機序であるという仮説を提唱した。
マウスの大動脈を縮窄して心臓に圧負荷を加えたところ、最初は心重量が増し、血管数も増加、心機能は維持されていたが(代償期)、徐々に心重量の増加は停止し、血管数は逆に減少し、心機能が低下した(非代償期)。
■血管を人為的に増加させたところ、さらに心肥大が進行したが、 心機能は維持され、逆に血管新生を抑制したところ、心肥大の形成は抑制され、早期に心機能が低下した。私的コメント;
心肥大自体は心不全を起こさないようにするための代償機序です。心肥大を赤字国債、血管新生を新規国債発行に例えると、際限ない新規国債発行(血管新生治療)の先に待っているものは際限ない心肥大でしょうか。心肥大自体に限界はあるはずでしょうし、(多分ないとは思いますが)必要以上の心肥大(過代償)が起こる可能性はないのでしょうか。 ■肥大した心臓はその容積が増えた分、より多くの酸素を必要とする。もしその酸素が補給されない場合、心臓は自らその働きを弱め、酸素需要を減らす。心不全を発症するのではないかというのが筆者(小室)らの仮説である。
■高血圧患者の5割以上、弁膜症患者のほとんどに心肥大を認められる。また心筋梗塞患者でも、梗塞部以外の部分では肥大を認める。 ■弁膜症患者の心機能は心筋血流と相関する、心不全心筋の血流は低下しているなどの報告がある。したがって、心不全発症の前段階には多くの場合心肥大が存在し、血流が低下することによって収縮機能が低下し、心不全を発症する可能性がある。もしこの仮説が正しければ、血管を増やすといった血管新生を増やすといった血管新生治療が心不全の新しい治療になる。 ■血管を増やすには、血管新生効果のある薬物の開発、血管新生に関与する遺伝子や細胞を用いた遺伝子治療や再生治療など、いくつかの方法が考えられる。しかし一番早く臨床応用可能なのは、既存薬の中で血管新生作用の可能性のある薬の心不全治療への応用であり、そのような薬の一つがスタチンである。 ■血管新生治療は、常に癌を悪化させる可能性を秘めている。しかし、多くの大規模臨床試験において、スタチンによる癌の悪化は報告されていない。安全面で問題は少ないと考えられる。 私的コメント;
文中では「安全性の面で問題は少ないとかんがえている」という表現がとられています。
理論的には「 癌を悪化させる可能性秘めている」わけですから、潜在性の癌が顕性化する可能性もありえるのではないでしょうか。 私的コメント;
現在
、小室教授らは、心不全患者にスタチンが有効かどうかを検討する前向き臨床試験を行っているとのことです。
本年3月に終了予定で、結果が楽しみです。
<関連サイト>スタチンと心不全
ttp://blog.m3.com/reed/20100123/1 <自遊時間>
昨日観たTV放送(NHK・BS)の新番組紹介コーナーで「glee(グリー)」を紹介していました。
4月8日スタートで毎週金曜日 PM10:00〜10:45放送のようです。
評判のドラマのようですので、とりあえずこの日は観てみたいと考えています。
海外連続ドラマ glee(グリー)
http://cgi2.nhk.or.jp/navi/details/index.cgi?target=1869
海外ドラマ「glee/グリー踊る合唱部!?」
http://video.foxjapan.com/tv/glee/
Gleehttp://ja.wikipedia.org/wiki/Glee
オバマ大統領も魅了された!全米大人気ドラマ「glee」が遂に日本上陸
http://news.walkerplus.com/2010/1021/3/
人気ドラマ「グリー」(Glee)は今のアメリカ文化を学ぶのにピッタリ?
http://nyliberty.exblog.jp/14933383/
(動画が見れます) その他「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/(循環器専門医向き)ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy(一般の方または患者さん向き) 井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~http://wellfrog4.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15http://wellfrog3.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~http://wellfrog2.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科医向き) 「井蛙」内科メモ帖 http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/ があります。
高齢者、糖尿病合併患者、肥満者の各集団は特に血圧日内変動の異常を来しやすいといわれています。これらにおける降圧効果の検討を目的として行われた試験にREZALT-ABPM試験がります。このサブグループ解析(REZALT Sub Analysis)の結果を踏まえた座談会の記事で勉強しました。特定の薬剤の話になっているのは広告記事のため、ご容赦下さい。
高齢者や肥満者、糖尿病を伴う高血圧における24時間血圧コントロール
島田 和幸 氏(司会)
自治医科大学附属病院 病院長/自治医科大学循環器内科 教授
楽木 宏実 氏
大阪大学大学院医学系研究科 老年・腎臓内科学 教授
片山 茂裕 氏
埼玉医科大学病院 病院長/埼玉医科大学 内分泌・糖尿病内科 教授
近年、24時間自由行動下血圧測定(ABPM)、家庭血圧測定の普及に伴い、夜間高血圧や早朝高血圧など血圧日内変動の異常が心血管系イベントのリスクとなることが明らかになった。
REZALT-ABPM試験では、日本人の軽症・中等症本態性高血圧症患者を対象にARBオルメサルタンメドキソミル〔以下オルメサルタン〕(オルメテック®)とCa拮抗薬アゼルニジピン(カルブロック®)投与により、24時間にわたり安定かつ持続した降圧効果が認められ、両薬剤を配合したレザルタス®配合錠の有用性が示されている。
心血管系イベントのリスクとなる血圧日内変動異常:24時間にわたる血圧コントロールが重要
島田
心血管系イベントの抑制には厳格な降圧が重要であり、このことは多くの臨床試験から明らかになっています。
しかしながら、心血管系イベント抑制を目指した高血圧治療において、診察室血圧だけを指標とした血圧管理では十分とはいえません。
高齢者収縮期高血圧における各種血圧と心血管系イベント発生について検討したSyst-Eur試験のサブ解析では、診察室血圧よりも24時間血圧が心血管系イベントの予測能が高く有用であることが示されました。
また、大規模国際ABPMデータベースであるIDACOでは、降圧療法中の患者の心血管系イベント発生リスクは夜間血圧によって規定されることが示され(図1)、24時間にわたる降圧の重要性が明らかになりました。

こうした背景のもと、REZALT-ABPM試験では、日本人の軽症・中等症本態性高血圧症患者862例を対象に、オルメサルタン/アゼルニジピンを12週間併用投与し、ABPMにより24時間血圧を測定した結果、24時間にわたり安定かつ持続した降圧効果が認められました。
同試験のサブグループ解析であるREZALT Sub Analysisでは、特に血圧日内変動の異常を来しやすいとされる高齢者(65歳以上)、糖尿病合併患者、肥満者(BMI25kg/m2以上)に対しABPMにおける降圧効果を検討しました。
併せて、糖尿病合併高血圧患者の多くがnon-dipperタイプの血圧日内変動を示すことから、こうした患者集団についても解析が行われました。
そこで、本日はREZALT Sub Analysisの結果を踏まえ、高齢者や肥満者、糖尿病を伴う高血圧というそれぞれのリスクグループにおける24時間血圧コントロールの重要性とレザルタスの役割について討議したいと思います。
血圧が動揺しやすい高齢者高血圧では血圧日内変動異常にも注目
楽木 (高齢者高血圧の特徴と治療上の課題)
高血圧の有病率は加齢とともに高まり、60歳代は6割、70歳以上は7割に及ぶことが知られています。
また、高齢者では動脈硬化の進展に伴い、収縮期血圧(SBP)が上昇する一方で、拡張期血圧(DBP)が低下し、脈圧が開大する傾向が認められています。
高齢者高血圧の特徴としては、このほか血圧の動揺性、起立性低血圧や食後血圧降下例、non-dipperタイプ、早朝昇圧(モーニングサージ)例の増加などがあげられます(表)。

最近、モーニングサージと血圧の変動について興味深い研究が報告されました。モーニングサージについては、「夜間最低血圧と比べた大きな血圧上昇」と「起床2時間前からの急峻な血圧上昇」のどちらも、サージのレベルが大きいほど心血管系イベント発生のリスクが高くなることが報告されました(図2)。
血圧変動については、受診ごと、測定回数ごとのSBPの変動が大きくなると心血管系イベントの発生リスクが高くなることが示されています。さらに、レニン・アンジオテンシン(RA)系抑制薬/Ca拮抗薬併用ではこのようなSBPの変動が少ないことが報告されています。

島田
サージは夜間から早朝にかけてしっかり抑制し、また今後の課題として血圧変動がある場合は薬剤の種類も検討していかなければなりませんね。
REZALT Sub Analysisにおける高齢者高血圧の患者背景も、楽木先生が指摘されたようにSBPが高い傾向がみられ、DBPが低く、脈圧が開大しています。
また、早朝高血圧が認められています。このような患者群にもかかわらず、レザルタス配合錠HDに相当するオルメサルタン20mg/アゼルニジピン16mg投与により24時間血圧は、SBP -21.5mmHg、DBP-12.8mmHg低下し、早朝も含め24時間にわたり安定した降圧効果が持続していました(図3)。
また、心拍数への影響も認められませんでした。

Non-dipperタイプの多い糖尿病合併高血圧患者では夜間高血圧を抑制しdipperタイプの正常な日内変動への改善を目指す
片山 (糖尿病合併高血圧について)
糖尿病患者における高血圧の成因には、インスリン抵抗性、交感神経系の緊張、RA系の亢進、食塩感受性などが指摘されており、これらが血圧日内変動の異常を引き起こすと考えられます。
端野・壮瞥町研究では、耐糖能異常を合併した高血圧患者は130/80mmHg以上で心血管系疾患死のリスクが有意に上昇することが示されており、130/80mmHg以上の患者については、血圧を厳格にコントロールする必要性が示されています。
糖尿病合併高血圧患者の多くがnon-dipperタイプであるとされています。
non-dipperタイプで夜間SBPが116.5mmHg超の群は心血管系イベントの発生リスクが高いことが報告されています(図4)。
島田先生のグループも、糖尿病合併高血圧患者は夜間高血圧で心血管系イベントの発生リスクが有意に高くなることを報告されており、夜間血圧のコントロールが重要であることがわかります。
また、診察室血圧が正常であっても、起床時に高血圧を示す患者では網膜症、腎症、脳血管障害、冠動脈疾患のリスクが高いことが知られています。

JSH2009では、糖尿病合併高血圧に対してはARBとACE阻害薬を第1選択薬とし、降圧目標130/80mmHg未満に達しない場合、Ca拮抗薬あるいは少量のサイアザイド系利尿薬の併用を推奨しています。
ACCOMPLISH試験のサブ解析では、ACE阻害薬にCa拮抗薬か利尿薬を併用した結果、心血管系イベントの発生はACE阻害薬/Ca拮抗薬群で有意に抑制されました。
ACE阻害薬/Ca拮抗薬群のハザード比は全糖尿病患者で0.79、ハイリスク糖尿病患者で0.77を示しており(図5)、RA系抑制薬とCa拮抗薬の組み合わせの有用性がうかがえる成績だと考えています。

島田
糖尿病患者では、夜間の血圧にも注意し、また厳格な降圧を図る場合は薬剤の組み合わせも考慮しなければならないようですね。REZALT Sub Analysisにおける糖尿病合併高血圧患者の背景は、糖尿病非合併高血圧患者に比べ24時間SBPが高く、DBPは昼間で低く、またnon-dipperタイプの割合が高い傾向がみられました。
これらの患者に対し、オルメサルタン20mg/アゼルニジピン16mg投与の結果、24時間血圧はSBP-24.1mmHg、DBP-14.3mmHg低下し、夜間血圧を含めいずれの時間帯においても著明な低下が認められました(図6、7)。
特に糖尿病合併高血圧でnon-dipperタイプの患者について解析したところ、夜間血圧が昼間血圧よりも下降する傾向を示しました(図8)。
こうした治療を継続すればnon-dipperタイプから、正常な血圧日内変動のdipperタイプへと近づくことが期待される結果でした。
心拍数についても増加傾向は認められず、アゼルニジピンの特徴がうかがえます。

肥満を伴う高血圧患者では、高心拍数およびRA系亢進の抑制が重要
片山 (肥満を伴う高血圧患者に対するアプローチについて)
肥満者は、交感神経系の緊張やRA系の亢進、食塩感受性を介して高血圧を来しやすいと考えられています。
最近では、脂肪組織でのRA系の亢進が認められ、話題になっています。
日本では男性の軽度肥満が20年前に比べ2倍に増加し、閉経後の女性の肥満傾向も明らかになっていますので、肥満を伴う高血圧患者の治療は重要な課題といえます。
島田
REZALT Sub Analysisにおける肥満を伴う高血圧患者の背景は、24時間SBPが高く、また、24時間心拍数も高く、交感神経系の緊張、RA系の亢進が推察されました。
この患者群に対し、オルメサルタン20mg/アゼルニジピン16mg投与により、SBP-22.5mmHg、DBP-14.3mmHgと優れた降圧効果を示しました。
また、早朝に上昇する心拍数も抑制されました。
肥満を伴う高血圧患者にはレザルタスを用いることにより優れた血圧コントロールと交感神経系やRA系亢進の抑制が期待できる結果といえます。
高齢者や糖尿病、肥満を伴う高血圧患者に有用なレザルタス
片山 (REZALT Sub Analysisの結果の評価)
レザルタスに配合されたARBオルメサルタンとCa拮抗薬アゼルニジピンはともに優れた降圧効果と持続性を示し、代謝系への影響が少ないと考えられる組み合わせです。
糖尿病や肥満を伴う高血圧に対して夜間血圧も含め、血圧日内変動の異常に好ましい降圧効果が認められ、心拍数を増加させないことが示されており、意義深い結果だと考えています。
楽木
このサブグループ解析では、65歳以上の患者は65歳未満の患者に比べ、SBPが高くDBPが低いため脈圧が開大し、早朝血圧が高いというまさに日常診療でよく遭遇する高齢者の特徴を示す集団でした。
このような血圧日内変動の異常を来しやすい高齢者に対し、レザルタスはSBPを24時間にわたり安定かつ持続的にコントロールすることができる有用な薬剤だと思います。
出典 Medical Tribune 2010.10.28
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三岸節子 《小運河にて》(ヴェネチア/イタリア) 油彩
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長時間作用型Ca拮抗薬にはβ遮断薬より利尿薬かARBの併用が望ましい——COPE試験から
Ca拮抗薬はわが国で汎用されている降圧薬の1つだが、Ca拮抗薬と併用すべき降圧薬に関する最適な組み合わせは明らかになっていない。
日本の高血圧治療ガイドラインが推奨するCa拮抗薬と他の降圧薬の組み合わせのうち、どの薬剤が降圧効果と心血管イベント抑制効果に優れているかを検討した結果、長時間作用型Ca拮抗薬ベニジピンにはサイアザイド系利尿薬あるいはアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)が適していることが明らかになった。
これは、多施設共同臨床試験であるCOPE試験から明らかになったもので、COPE Trial研究会・研究代表者の荻原俊男氏(大阪府立急性期・総合医療センター院長)が、バンクーバーで開催された第23回国際高血圧学会(ISH2010)のLate Breaking Clinical Trialsで報告した。
COPE試験はPROBE法(前向き無作為化オープンラベル・エンドポイント非開示法)で実施された。登録対象は40歳以上85歳以下の外来患者で、140mmHg/90mmHg以上の高血圧患者とした。
長時間作用型Ca拮抗薬ベニジピン(4mg/日)を基礎薬とし、β遮断薬、ARB、サイアザイド系利尿薬のいずれかを併用投与する3群に無作為に割り付け、3年間追跡した。
降圧目標値は140/90mmHg未満とし、降圧目標値に未到達の場合には、まずベニジピンを8mg/日に増量し、さらに未達の場合は各併用薬を増量する。
それでも到達しなければ、試験薬以外の降圧薬を追加することとした。
主要評価項目は、複合脳心血管イベント(突然死、脳卒中、心筋梗塞、不安定狭心症による入院、心不全の新規発症、心臓突然死、末梢動脈疾患の新規発症および増悪、腎不全の発症あるいは増悪、血清クレアチニン値4mg/dL以上、腎透析、腎移植)、降圧目標値の達成度とした。また、2次評価項目は、複合心血管イベント(心血管死、非致死性心筋梗塞、一過性脳虚血発作を除く非致死性脳卒中)、糖尿病の新規発症など。
本試験の総登録患者は3501人で、β遮断薬群に1166人、ARB群に1167例、サイアザイド系尿薬群に1168例が無作為に割り付けられ、それぞれ1089人、1110人、1094人が解析対象となった。
登録時に各群とも血圧は153/89mmHg、心拍数74拍/分、糖尿病合併例14%、脂質異常症約40%、喫煙者40%で、各群間で患者背景に特に差は認められなかった。
追跡期間中の血圧値には群間差は認められず、追跡開始3年目における血圧値はβ遮断薬群133.9/77.0mmHg、ARB群134.7/77.2mmHg、サイアザイド系利尿薬群134.0/76.6mmHgであった。降圧目標達成率はそれぞれ66.8%、64.1%、66.0%で、やはり3群間に有意差はなかった。
主要評価項目である複合脳心血管イベントについては、患者1000人・年当たりの発生率でみると、β遮断薬群は12.6人、ARB群は10.4人、サイアザイド系利尿薬群は8.2人であった。
ARB群はβ遮断薬群に比べ少ない傾向が認められたものの、3群間に有意差は認められなかった。
2次評価項目である複合心血管イベントの患者1000人・年当たりの発生率は、サイアザイド系利尿薬群はβ遮断薬群に比べ有意に低く、致死性・非致死性脳卒中の発生率もサイアザイド系利尿薬群はβ遮断薬群に比べ有意に低かった。
一方、糖尿病の新規発症率(患者1000人・年当たり)はARB群でβ遮断薬群に比べ有意に低かった。
有害事象に関しては、高尿酸血症および低カリウム血症の発現率はサイアザイド系利尿薬群で、高カリウム血症の発現率はARB群でそれぞれ高かった。
また、除脈はβ遮断薬群で、めまいはβ遮断薬群およびサイアザイド系利尿薬群で高頻度に認められた。
以上の結果を総合して荻原氏は、降圧治療のためにCa拮抗薬ベニジピンに併用する降圧薬としては、β遮断薬よりもサイアザイド系利尿薬あるいはARBが適していると結論した。
出典 NM online 2010.10.5(一部改変)
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Bill Charlap at the Village Vanguard
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