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ダビガトランとワルファリンどう使い分けるか? 専門家が議論日本循環器学会プレスセミナー非弁膜症性心房細動(AF)患者における心原性脳梗塞・全身性塞栓症の予防で期待される抗凝固療法。ダビガトランの登場により治療選択肢が広がった。しかし,同薬の市販後調査から重篤な出血例やそれに伴う死亡例が報告され,薬剤の適正使用のさらなる推進が急務となった。9月30日に東京都で開かれた第5回日本循環器学会プレスセミナー「心房細動と心原性脳塞栓症」の総合討論で専門家5氏が,どのような例にワルファリンを処方継続し,どのような例にはダビガトランを処方すべきなのか,抗凝固薬の使い分けをめぐり議論を交わした。【出席者】 東京大学大学院循環器内科教授・永井良三氏(座長) 国際医療福祉大学三田病院院長・小川聡氏(座長) 心臓血管研究所所長(同病院院長)・山下武志氏 弘前大学大学院循環呼吸腎臓内科学講座副研究科長・奥村謙氏 大阪医療センター臨床研究センター長・是恒之宏氏 ワルファリンで問題なければ継続も会場から,ダビガトランとワルファリンの使い分けをどうするのかとの質問があった。これについて,弘前大学大学院循環呼吸腎臓内科学講座副研究科長の奥村謙氏は,ダビガトラン投与の条件は比較的年齢が若く,腎機能が正常であること,出血リスクが低い例だとし,大阪医療センター臨床研究センター長の是恒之宏氏も同意見であるとした。 しかし,腎機能低下例ではワルファリンを投与しても出血が生じるため,是恒氏は「どちらにせよ,薬剤のリスク・ベネフィットはきちんと説明すべき」という。また「ワルファリンでコントロールできている患者にも,ダビガトランが食事に左右されない薬剤であること,しかしながら薬価が高くなることなどを説明し,どちらにするか選択してもらう」(同氏)。 一方,心臓血管研究所所長(同病院院長)の山下武志氏はワルファリン投与例で問題がなければ処方を継続し,新規の患者にはダビガトランとワルファリン両方の情報を提供し選択してもらうという形を取っている。もし,プロトロンビン時間国際標準化比(PT-INR)のコントロールが悪ければダビガトラン投与が望ましく,胃腸障害がある患者にはダビガトランの副作用を考慮し,ワルファリンを処方するという。 また,同氏の施設では,ダビガトラン処方後の活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)測定から出血リスクが想定される患者には,処方経験の豊富なワルファリンに切り替えるのが望ましいと判断しているという。 腎機能,コンプライアンス,転倒リスクがダビガトラン処方の判断材料国際医療福祉大学三田病院院長の小川聡氏からは,これまでワルファリンが使用されていなかったCHADS2スコア1以下のAF患者に対し,今後ダビガトランを使用していくことはありうるのかとの質問が寄せられた。 これに対し奥村氏は,CHADS2スコアで1点と算定される「75歳以上」が,CHAD2S2-VAScスコア〔欧州心臓病学会(ESC) 心房細動ガイドライン〕を用いると2点と算定されるため,まずCHADS2のスコア1を慎重に評価する必要性を指摘した。その上で,抗凝固薬の適応になる CHAD2S2-VAScスコアで2点となった「75歳以上」へのダビガトラン投与について「出血リスクが増すのではないかという印象を持っている」と話 した。 同氏によると,高齢者では腎機能低下例や体重が少ない例が多く,ダビガトランの血中濃度が上昇する可能性を考えると「ダビガトランは出血リスクが低い薬剤とはいえない」という。 一方,是恒氏はCHADS2スコアが1点の患者にワルファリンが投与されない理由として,服薬コンプライアンスが不良であること,転倒などによる出血リスクがあることなどを挙げた。「ワルファリンで服薬コンプライアンス不良なら,ダビガトランに切り替えても同じこと。ダビガトランの処方は腎機能に問題がなく,服薬コンプライアンスが良好な例,転倒リスクがさほど高くない例ということになる」(同氏) “ワルファリンより出血少ない”結果だけ先行わが国でもAF患者が増加している現状を考えると,非専門医との病診連携が重要になってくる。 ワルファリンはPT-INRによってコントロールできるため,非専門医による高リスク例へのワルファリン投与も不可能ではない,と奥村氏。一方, ダビガトラン110mgは欧米と同じ用量であり「まず,われわれ専門医が十分な経験を蓄積し情報を提供していきたい。今の段階では,できるだけ専門医によ る処方が望ましい」との見方を示した。 「当院でもまだダビガトラン処方は166例(9月30日現在)。これが300例,400例になったら何が起こるのかは,われわれにも予測がつかない」というのは山下氏。新しい薬剤には,新しい知識や注意点が伴うため,現段階では専門医が処方に伴うリスクを取るべきだ,と述べた。 是恒氏は,ワルファリン処方例における病診連携を挙げ「ワルファリン同様,ダビガトラン導入時に専門医が患者の腎機能,出血リスク,消化管症状などをきちんと評価し,これでいけると思った段階で非専門医に返していけばよいのではないか」と話した。 新薬の情報構築の仕方に一石さらに,小川氏は「出血の合併症がワルファリン群に比べてダビガトラン群で少なかったというRE-LY試験(N Engl J Med 2009; 361: 1139-1151)の結果だけが先行し,より安全な薬剤であるとの誤った認識につながって非専門医の処方へと拡大していったように思う」と振り返った。 東京大学大学院循環器内科教授の永井良三氏は「ランダム化比較試験(RCT)で良い結果が出てそれに飛び付くことがEBMだと考えるのは大きな間違いだ」と述べ,今回の問題が臨床研究の考え方を見直す機会になったのではないか,との認識を示した。 また,新しい薬剤の副作用は市販後調査で初めて分かることもあり,副作用例が報告された場合,速やかに情報を伝えていくことの重要性を指摘した。 同氏は,今回の問題に対する対応は早かったと評価し「新薬の開発から市販後の副作用までの情報構築の仕方について,重要な示唆を与えたものと思う」と述べた。 (田上 玲子) <番外編>武田薬品、高脂血症薬を承認申請武田薬品工業は、高脂血症の新薬候補「TAK-085」を厚生労働省に製造販売承認申請したと9月29日発表した。 中略ノルウェーのプロノバ・バイオファーマから2005年に導入した新薬で、イコサペンタエン酸(EPA)エチル・ドコサヘキサエン酸(DHA)エチルを含むオ メガ-3脂肪酸製剤。国内第3相臨床試験ではEPA製剤と効果を比較し、血中のトリグリセライド値を有意に改善させることができた。米国や欧州ではすでに販売されている。高脂血症薬の国内市場は約3800億円。うち約1割をEPA製剤が占める。http://www.kagakukogyonippo.com/ <自遊時間>
スティーブ・ジョブズの感動スピーチ(翻訳)字幕動画
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819696E2E4E29B8B8DE2E4E3E2E0E2E3E38698E2E2E2E2 読んでいただいて有り難うございます。コメントをお待ちしています。その他「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/(循環器専門医向き)ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy(一般の方または患者さん向き) 井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~http://wellfrog4.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15http://wellfrog3.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~http://wellfrog2.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科医向き) 「井蛙」内科メモ帖 があります。
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ワルファリンを上回る心房細動の脳卒中予防効果を示したARISTOTLE試験を分析
新規抗凝固薬導入時の注意点も再確認
3月に新規抗凝固薬ダビガトラン(抗トロンビン薬)が発売されてから約半年が経過した。
心房細動患者6万4,000例余りに使用されているが,重篤な出血性副作用が81例,薬剤との因果関係が否定できない死亡も5例報告された(8月11日時点)。
そのような中,第33回欧州心臓病学会(ESC 2011)ではARISTOTLEの報告があり,apixaban(Ⅹa薬)が有効性・安全性ともにワルファリンを上回り,注目を集めた。
そこで,国立病 院機構大阪医療センター臨床研究センターの是恒之宏センター長と心臓血管研究所(東京都)の山下武志所長に試験結果の背景分析や,新規抗凝固薬導入時の注 意点をあらためて解説してもらった。
綿密な用量設定が奏効
ARISTOTLEでapixabanの有効性・安全性評価がワルファリンを上回った背景として,是恒センター長,山下所長はともに綿密な用量設定を挙げる。
試験における用量設定は,通常が5mg錠を1日2回であるが,
(1)80歳以上
(2)体重60kg以下
(3)血清クレアチニン (Cr)1.5mg/dL以上
—のうち2項目が当てはまる場合は,1回量を半量の2.5mgに減量することとなっている。
山下所長は「出血リスクが高い患者で出血を予防する手段が講じられていたことが,大出血の発生抑制につながった」と分析する。
脳出血は有意に抑制しながら脳梗塞については差がなかったことから,「リスクを増やさずに効果を最大限に引き出した用量設定だったのではないか」(山下所長)としている。
加えて是恒センター長は1日2回投与であるため,1回投与の場合よりも最大血中濃度の上昇が抑えられて出血リスクが最小で済んだ可能性を挙げる。
消化管出血の増加も見られなかった。
さらに同薬は腎排泄が25%と少ないことから,「薬剤選択の幅が広がったことを意味する」と両氏は口をそろえる。
抗血小板薬との併用は慎重にすべき
Apixabanを用いた試験としては,ワルファリンとの比較試験の前に,ワルファリン回避例でのアスピリンとの比較試験(AVERROES)も行われ ている。
2試験の結果から,apixabanの大出血はアスピリンと同程度でワルファリンよりも有意に少なく,脳卒中予防効果はワルファリンより優れてい た。
また,抗血小板薬との併用は慎重にすべきことも明らかになった。
apixaban群の大出血率は,アスピリン群との比較で1.4%/年,ワルファリン群との比較では2.1%/年と異なっていたが,「アスピリンとの比較試験ではアスピリン併用はないが,ワルファリンとの比較試験では約30%で併用されていた。それにより大出血が増加した」(山下所長)と考えられるからだ。
3剤併用ではさらに注意が必要だ。
ARISTOTLEにおいてクロピドグレルとの併用は2%未満だったが,apixabanを用いた急性冠症候群の第Ⅲ相試験では,大出血事象のため早期中止となっている。
これらの結果から,同所長は「3剤併用は行うべきでなく,2剤併用も可能な限り避けた方がよいことを教えてくれた」とまとめた。
心房細動の脳卒中予防=腎機能を診る時代に
治療薬の進化によって,出血リスクの低減は期待できるのか。是恒センター長と山下所長は,
(1)あくまでも臨床試験で得られた結果であって実臨床は別
(2)どの抗血栓薬も適切に使用しなければリスクを伴う—という意見で一致している。
是恒センター長は「臨床試験は,経験豊富な医師が厳格に調整する,いわば優等生の治療によるもの。安全なイメージが先行して市販後に適切に使われないと,出血事故につながる」と注意を促す。
山下所長はこれまでの出血性事象の報告について「ワルファリンの時代が長く続いたために,“心房細動の脳卒中予防=腎機能に注意”という図式がなかった。
新しい時代の抗凝固療法に,まだ十分に適応できていない」と指摘する。
新規抗凝固薬はクレアチニンクリアランス30mL/分以下の患者には用いることができない点を再確認する必要があると強調した。
患者の出血リスクを把握することや出血があった場合の連絡網を確認することが求められる。
ARISTOTLE試験
対象
脳卒中危険因子を1つ以上有する18歳以上の非弁膜性心房細動患者
デザイン
二重盲検ランダム化比較試験(39カ国1,034施設)。apixaban 5mg×2回/日(出血高リスク患者は半量に)とワルファリン群をダブルダミーで比較
結果
中央値1.8年の追跡の結果,intention-to-treat解析で,脳卒中・全身性塞栓症の発生がapixaban群 1.27%/年,ワルファリン群1.60%/年でハザード比(HR)0.79,95%信頼区間(CI)0.66~0.95,非劣性評価P<0.001,優 位性評価P=0.01。
大出血の発生が順に2.13%/年,3.09%/年でHR 0.69,95%CI 0.60~0.80,P<0.001。全死亡が3.52%/年,3.94%/年でHR 0.89(P<0.047)。
投与脱落例25.3%,27.5%(NEJMオンライン版)
出典 Medical Tribune 2011.9.22
版権 メディカルトリビューン社
<関連サイト>
新規抗凝固薬はワルファリンへの優位性が必要
ARISTOTLE試験
ARISTOTLE(循環器トライアルベース)
http://circ.ebm-library.jp/trial/doc/c2004793.html
堀 正二先生のコメント
心房細動患者に対する直接Xa因子阻害薬apixabanの第III相大規模臨床試験(ARISTOTLE試験)の結果は,warfarinに対する非劣性のみならず,優越性を示す良好な内容であった。
有効性エンドポイント(脳卒中および全身性塞栓症)を21%抑制すると同時に大出血のリスクを31%抑制し,層別解析において日本を含むアジア・太平洋地域住民における有効性も安全性も優れた結果を示唆したことはさらに歓迎すべき成績であった。
本試験によって,トロンビン阻害薬(dabigatran)およびXa因子阻害薬(rivaroxaban,apixaban)の心房細動患者における心原性塞栓症の予防効果が明らかにされ,これらの新規抗凝固薬がいずれもwarfarinの欠点を克服しているのみならず,その有効性においてもwarfarinを超える成績が得られたことは,抗凝固療法の新しい時代の幕開けを確信させた。
これらの新規薬剤の比較については,3試験間の試験デザイン,患者背景(CHADS2スコアなど),薬剤投与方法(用量・用法),warfarin群のTTRなどの差異があるため単純比較は困難であり,2剤間の突合試験を待たねばならないが,共通して明らかになったことは,これらの新規抗凝固薬がwarfarinに比し,頭蓋内出血を著明に抑制している一方,本来期待される虚血性脳卒中 (脳梗塞)の抑制は弱く,有効性のかなりの部分が出血性脳卒中の抑制によることである。
これは,warfarinが頭蓋内出血・出血性脳卒中を特異的に増加させていたことによるのかも知れないが,新しい抗凝固薬が有効性と安全性においてwarfarinより特段に優れた薬剤ではないことを銘記する必要があろう。
井上 博先生のコメント
Xa 阻害薬のアピキサバンが,塞栓症リスクを1つ以上もつ心房細動患者の脳卒中,全身性塞栓症の予防においてワルファリンよりも優れており,かつ出血性合併症が少ないことが示された。
さらには,死亡リスクもワルファリンに比べて低かったことは注目すべき結果である。
これまでは心房細動塞栓の予防(経口薬)に ワルファリンしか手段がなかったが,直接抗トロンビン薬に加えてXa阻害薬の有効性が示され,我々の選択肢が大きく広がった。
<記事加筆しました>
たこつぼ心筋障害
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“ワルファリンと同等に危険な薬”の認識で処方を,桑島巌氏ダビガトラン出血死亡例問題についてJ-CLEAR理事長として語る新薬導入直後に重篤な有害事象が発生する連鎖が止まらない。今年8月,新規抗凝固薬ダビガトラン(商品名プラザキサ)で,同薬との関連が否定できない5例の死亡が報告された。いずれも高齢者で,重篤な出血が死因と考えられている。今回の問題を重視した臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR)※では,新規抗凝固薬の処方に関する提言をいち早く発表している。J-CLEAR理事長(東京都健康長寿医療センター副院長)の桑島巌氏は,新規 抗凝固薬導入により心房細動患者における心原性脳塞栓症の予防が進むことを評価しながらも,ダビガトランに対する過信や誤解が不適正処方を招いたことを憂慮。「実地臨床においては,“ワルファリンと同等に危険な薬”との認識を持って処方してほしい」と呼びかけている。 不適切使用の下では出血リスクが高いことが明らかに――今回の提言に込めたメッセージは何か。心房細動患者における心原性脳塞栓症を抗凝固療法によって予防することが重要な課題であることは間違いない。従来薬のワルファリンには,(1)プ ロトロンビン時間国際標準化比(PT-INR)をモニターするために定期的な採血を必要とする,(2)ビタミンKを多く含む食品の制限をする必要がある― という使いづらさがあった。これらの問題を克服したのがダビガトランをはじめとする新規抗凝固薬だが,今回の件で不適切な使用の下では出血リスクが高いことが明らかになった。 わたしもダビガトランには大きな期待を抱いており,不適正使用による有害事象のために,せっかくの新薬が使えなくなることを恐れる。ダビガトランを処方する医師はこの薬の有効性とともにリスクも理解し,患者にインフォームド・コンセントしてほしい。臨床試験での安全性は実地臨床での安全性とは異なる――ダビガトランの評価を定めたRE-LY試験(N Engl J Med 2009;361: 1139-1151)の結果をどう理解するか。安全性(大出血リスク)についてはワルファリンと比べダビガトラン150mg群では同等,110mg群では有意に少ないという結果だったが。大規模臨床試験に一般的に言えることだが,重大な合併症を持つ者や後期高齢者は試験対象からあらかじめ除外されることが多い。しかし,実地臨床ではこのような患者こそむしろ多い。RE-LY試験でも心房細動以外の重大な合併症を持つ患者は除外されており,この結果を実地臨床にそのまま当てはめることはできない。臨床試験は専門医が専門施設で行うもの,極め付けの適正使用の世界だ。臨床試験で安全性が証明されたからといって,実地臨床でも安全と安易に考えてはいけない。 また,RE-LY試験ではPT-INR 2.0~3.0の範囲で調整されたワルファリン群が対照に用いられたが,これが日本人にとって至適なレベルかどうかにも疑問がある。当センターでは1.5~2.0を目安にしている。 なお,PT-INRをモニターする必要ないということがダビガトランの利点として強調されているが,専門医の立場からすると,むしろ欠点として理解したい。“モニターしなくてよい”ではなく“モニターできない”のである。<私的コメント> 私も最近そう思うようになりました。ワルファリン処方中の患者さんに毎月きちんとINRを測定している先生が大方とは思います。しかし、開業医の私は患者の顔色を窺いながら採血をお願いするクセがついています。そのためINRのチェックは数ヶ月に1回というのが正直なところです。プラザキサの登場はわれわれ開業医にはピッタリと安易に考えていたことを反省しているところです。 心房細動患者では動脈硬化性疾患を合併することが多く,抗血小板薬を併用する割合が高い。当センターの外来患者では2割に上っている。<私的コメント> ということは、抗血小板薬と抗凝固剤の併用ということになるのでしょうか。 高齢者や中等度以上の腎機能障害の割合も高い。これらはいずれも出血リスクを高める要因だ。ワルファリンの場合はこのような個々の患者の出血リスクを考慮し,PT-INRをモニターしながら投与量を微調整することで,出血を回避することができた。ダビガトランの場合,そのさじ加減ができない。 “毒にも薬にもなる薬”という認識を医師も患者も持つべき――PT-INRのモニターが不要ということで,ワルファリン時代には抗凝固療法の経験のなかった医師が多く処方するようになり,その中で重篤副作用が発生したという可能性はあるのか。ダビガトランが発売されたのは今年3月だが,全国の推定処方患者数は既に6万4,000人に達している。“夢のような薬”,あるいは降圧薬のような誰もが比較的容易に使いこなせる薬と過信あるいは誤解して,安易に処方した可能性はあるだろう。しかし,忘れてはいけないのは,ワルファリンもダビガト ランも止血という生理反応に逆らうわけで,文字通り“毒にも薬にもなる薬”だということだ。実地臨床においては,“ダビガトランもワルファリンも同等に危険な薬”との認識を持って処方してほしい。 中略
1つの考え方として,わたしはダビガトランのような使い方次第で副作用リスクの高い薬剤は,発売後一定期間は処方を専門医に限るべきだったのではないかと思う。 高齢,腎機能低下,抗血小板薬使用の2項目以上合致する場合は慎重な対処を――死亡5例のプロフィールが公表されているが,これを見てどのような印象を受けるか。全例70歳以上で,うち3例が80歳代,1例が100歳代という年齢構成だ。腎機能も相当低下しており,驚くことに「不明」という例もある。(1)高齢者,(2)中等度の腎機能低下〔推算糸球体濾過量(eGFR)30~50mL/分/1.73m2以下;30mL/分/1.73m2未満は禁忌〕,(3)抗血小板薬使用―の3因子のうち2因子以上が併存する患者においてはダビガトランの心原性脳塞栓症予防効果を出血リスクが凌駕する可能性が高く,慎重の上にも慎重に対処する必要がある。 今回の重篤副作用続発の背景には,ワルファリンからダビガトランへの切り替えの際,両薬剤の血中半減期の違いが十分に理解されていなかったことも 原因の1つではないかと推測している。ワルファリンが血中半減期48時間で1日1回投与なのに対し,ダビガトランは血中半減期12時間で1日2回投与,切 り替え時に両薬剤の血中濃度が過剰になる時間帯が出現するはずだ。そのことに細心の注意を払うべきだろう。 わたしはワルファリンで特に問題なく,良好に管理されている患者をあえてダビガトランに切り替える必要はないと考えている。新規処方をする際には,ダビガトランは確かに魅力的だが,適正使用を徹底してもらいたい。腎機能低下例には今後もワルファリンの選択もありうる。出血リスクを恐れて,抗凝固療法を行わないのは逆に問題だ。心房細動患者を心原性脳塞栓症のリスクにさらすことになる。<私的コメント> ここまで読んでクローズアップされた問題点があります。それは、非弁膜症性心房細動患者の多くは高齢であり、抗血小板療法の適応となる動脈硬化性疾患を合併しているということです。こういっ症例に抗凝固療法と抗血小板療法の二者択一を行うのか、あるいは併用するかということです。 ――今後のJ-CLEARの活動は。臨床試験を正しく評価し,真に実地臨床に役立つ情報を発信していきたい。抗凝固薬については,ダビガトラン(抗トロンビン薬)に続くⅩa阻害薬で はさらに良好な成績も発表されており,日本に導入される日も近いと思われるが,臨床試験の成績を実地臨床に当てはめる際の原則は同じだと思っている。 (平田 直樹) ※ 臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR):臨床現場の医師に大規模臨床試験の適正かつ公正な解釈を伝えることを目指して,2010年2月1日に設立さ れた。特定非営利活動法人(NPO)。医師を中心に薬剤師,製薬企業社員など約180人の会員がいる。10月1日には札幌市でシンポジウム「新規抗凝固薬 の適正使用をめぐって―『諸刃の剣』をどのように使い分けるか―」を開催する。
出典 MT pro 2011.9.15版権 メディカル・トリビューン社 <自遊時間>
昨朝、NHKで日本画家の堀文子のドキュメンタリーを放送していました。
観られた先生も多いのではないでしょうか。
現在93歳。
神奈川県大磯町に独居して創作活動中。
「群れない、慣れない、頼らない」というのがモットーで今も創作活動を続けています。
お仕着せの常識や権威にくみせず、自分自身の価値観と美意識を追求し続けてきた生き方が素晴らしいと思いました。
医学、特に医学会は画壇とどこが違うかというほどに似ています。
「画壇があるのは日本だけ」と番組の中で喝破しています。
孤独を恐れずに自由を求めるその言葉は、私達に勇気を与えてくれます。
中川一政は私の好きな画家で最近展覧会にも出かけました。
彼は独学で画を習得し春陽会という会派に属していました。
一方彼女は女子美術専門学校を出て、会派には属していません。
生き方は違いますが、老年になっても創作意欲は衰えないところは同じです。
ジャズサックス奏者の坂田明氏に顕微鏡でミジンコを見せられて感動するシーンも感動的でした。
ブルーポピーに魅せられてヒマラヤ登山もしています。
何とも好奇心の旺盛な方です。
ヒューマンドキュメンタリー「画家・堀文子 93歳の決意」
http://nhkworldpremium.com/program/detail.aspx?d=20110919081500&ssl=false&c=26
画家 堀文子さん
http://charan-charan123.blogspot.com/2011/09/blog-post_7083.html
堀 文子氏
http://ok2010h.exblog.jp/14591994/
堀文子「ひとりで生きる」堀文子の言葉
http://kitanomori-hacci.seesaa.net/article/152953264.html
中川一政
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%B7%9D%E4%B8%80%E6%94%BF
97歳の“正念場” 洋画家 中川一政
http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2011/0313/index.html
坂田明
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9D%82%E7%94%B0%E6%98%8E
http://acoaco.seesaa.net/category/2312825-4.html
この先
どんなことに驚き
熱中するのか
私のなかの未知の何かが
芽を吹くかもしれないと
これからの初体験に期待がわく
私にはもう
老年に甘えている
ひまなどないのだ
美というものは
役に立たないように見えるが
それでいいのだと思う
役に立ったら欲と結びついて
美は消えてしまうだろう
美は
かたらないもので柔らかく
仰々しい姿を見せない
では いったい何だろうと
考えてみれば
永遠に輪廻する命
ということになるだろう
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新規抗凝固薬apixaban,心房細動の脳卒中・出血・死亡抑制でワルファリン上回る ESC 2011発表のARISTOTLE試験非弁膜性心房細動患者の抗凝固療法として,ワルファリンに替わる新規抗凝固薬が相次いで登場している。わが国ではトロンビン阻害薬のダビガトランが今年(2011年)3月から使用されているが,消化管出血による死亡例の報告もあり,慎重な導入が望まれている。このような中,第33回欧州心臓病学会(ESC Congress 2011;8月27~31日,仏ロワシー)では,apixaban(Xa阻害薬)とワルファリンを比較したARISTOTLE試験※1が発表された。ダビガトランを対象にしたRE-LY試験,rivaroxaban(Xa阻害薬)を対象にしたROCKET-AF試験に続き,apixabanでもワルファリンへの非劣性が証明された上に,脳卒中やその他の塞栓症,大出血,さらに総死亡のエンドポイントにおいて,いずれも apixabanの有意な優位性が示されたことを米デューク大学メディカルセンター(ダーラム)循環器科ディレクターのChristopher B. Granger氏が明らかにした。試験の結果は,N Engl J Med 8月28日オンライン版でも同時に掲載された。 CHADS2スコア1点以上が対象ARISTOTLE試験の対象は,18歳以上で脳卒中リスクを1つ以上有する(CHADS2スコア1点以上)心房細動患者※2。血清クレアチニン2.5mg/dL超の腎機能障害例などは除外された。ダブルダミーによる二重盲検ランダム化比較試験(RCT)として行われ,39カ国1,012施設から1万8,201例が登録された。 仮説では,脳卒中と全身性塞栓症の有効性エンドポイントと大出血の安全性エンドポイントにおけるapixabanのワルファリンに対する非劣性を想定。それぞれ非劣性が確認された場合は,優位性の評価が予定されていた。Apixaban群では特定の患者※3以外,5.0mg錠を1日2回服用,ワルファリン群は2.0mg/日から始めてプロトロンビン時間国際標準比(PT-INR)2.0~3.0を目標範囲として調整が行われた。エンドポイントの解析は,intention to treat(ITT)解析で行われた。 登録患者の平均年齢は70歳で,女性の割合が35%,一過性脳虚血発作(TIA)または脳卒中の既往が19%を占め,平均CHADS2スコアは2.1だった。CHADS2スコア1点の患者の割合は34%で,抗凝固療法未経験者は43%だった。 有効性・安全性項目ともにapixaban群が有意に優れる追跡期間中央値は1.8年。有効性1次エンドポイントの脳卒中とそれ以外の塞栓症の発生は,ワルファリン群1.60%/年に対して apixaban群1.27%/年で,apixaban群が有意に低かった〔ハザード比(HR)0.79,95%CI 0.66〜0.95,非劣性評価P<0.001,優位性評価P=0.01〕。脳出血についてもHR 0.51で有意な低下が認められた(P<0.001)。また,2次エンドポイントの総死亡は,ワルファリン群3.94%/年に対してapixaban群は 3.52%/年とHR 0.89で有意に低下した(P=0.047)。 安全性の1次エンドポイントである大出血は,ワルファリン群3.09%に対してapixaban群2.13%で,apixaban群で有意に低下した(HR 0.69,95%CI 0.60〜0.80,P<0.001)。個々の出血項目については,apixaban群のHRが頭蓋内出血で0.42(P<0.001)となるなど,消化管出血以外はすべてapixaban群が有意に低下していた。消化管出血についてもHRは0.89(P=0.37)だった。 これらの結果,1次エンドポイントの有効性および安全性項目を合わせた全体の臨床有効性評価で,apixaban群のHRは0.77と有意に優れていた(P<0.001)。今回のARISTOTLE試験の結果に基づけば,心房細動患者1,000人をapixabanで1.8年治療した場合,ワルファリンと比べて脳卒中が6件(うち4件が出血性,2件が虚血性)と大出血が15件,死亡が8人減ることが見込まれる。なお,治療の脱落例はapixaban群が25.3%,ワルファリン群が27.5%だった。 ワルファリンの治療状況はapixabanの優位性に影響せずワルファリンとの比較試験では,ワルファリンのコントロール状況によって結果が左右されることになる。そこで,プロトロンビン時間国際標準比 (PT-INR)2.0~3.0の範囲に調整された有効な治療域にある時間(TTR)とイベント発生率の関係が調べられた。このデータは,ウプサラ臨床研 究センター(スウェーデン)教授のLars C. Wallentin氏が報告した。それによると,全体のTTRは66%で,TTRが72超の管理良好な患者群でも,TTRが58未満の管理不良な患者群に おいてもapixabanが優位な傾向は変わらなかった。 指定討論者のランケナウ医学研究所(米国)のMichael D. Ezekowitz氏は,近年立て続けに発表されてきた3つの新規抗凝固薬がワルファリンとの比較でそれぞれ頭蓋内出血を有意に抑制していること,ARISTOTLE試験では1次エンドポイントに加えて総死亡も有意に抑制した点などを挙げ,「新たな時代の夜明け」と評した。また,残された課題は 「抗凝固療法からの脱落者をいかに減らしていくか」と指摘した。 (田中 かおり) ※1 Apixaban for the Prevention of Stroke in Subjects with Atrial Fibrillation(ARISTOTLE)※2 以下のいずれかを有する場合:75歳以上,脳卒中既往,TIAまたは全身性塞栓症,症候性うっ血性心不全または左室駆出率40%以下の左室機能障害,治療を要する糖尿病または高血圧※3 80歳以上,60kg以下,血清クレアチニン1.5mg/dL以上に2つ以上該当する場合は2.5mg錠を1日2回 出典 MT pro 2011.8.29
版権 メディカル・トリビューン社 <関連サイト>
第Xa因子阻害薬アピキサバン(apixaban)の実力:ARISTOTLE試験
http://stroke-memorandum.blogspot.com/2011/09/xaapixabanaristotle.html
心房細動に対する新規Xa阻害薬アピキサバンの大規模試験:ARISTOTLE試験「何が最高善か」
http://dobashin.exblog.jp/13416606/
ARISTOTLE
http://circ.ebm-library.jp/trial/doc/c2004793.html
堀正二先生と井上博先生のコメント
■心房細動患者に対する直接Xa因子阻害薬apixabanの第III相大規模臨床試験(ARISTOTLE試験)の結果は,warfarinに対する非劣 性のみならず,優越性を示す良好な内容であった。
有効性エンドポイント(脳卒中および全身性塞栓症)を21%抑制すると同時に大出血のリスクを31%抑制し,層別解析において日本を含むアジア・太平洋地域住民における有効性も安全性も優れた結果を示唆したことはさらに歓迎すべき成績であった。
本試験によって,トロンビン阻害薬(dabigatran)およびXa因子阻害薬(rivaroxaban,apixaban)の心房細動患者における心原性塞栓症の予防効果が明らかにされ,これらの新規抗凝固薬がいずれもwarfarinの欠点を克服しているのみならず,その有効性においてもwarfarinを超え る成績が得られたことは,抗凝固療法の新しい時代の幕開けを確信させた。
これらの新規薬剤の比較については,3試験間の試験デザイン,患者背景(CHADS2ス コアなど),薬剤投与方法(用量・用法),warfarin群のTTRなどの差異があるため単純比較は困難であり,2剤間の突合試験を待たねばならないが,共通して明らかになったことは,これらの新規抗凝固薬がwarfarinに比し,頭蓋内出血を著明に抑制している一方,本来期待される虚血性脳卒中 (脳梗塞)の抑制は弱く,有効性のかなりの部分が出血性脳卒中の抑制によることである。
これは,warfarinが頭蓋内出血・出血性脳卒中を特異的に増 加させていたことによるのかも知れないが,新しい抗凝固薬が有効性と安全性においてwarfarinより特段に優れた薬剤ではないことを銘記する必要があろう。
(堀正二先生)
■Xa阻害薬のアピキサバンが,塞栓症リスクを1つ以上もつ心房細動患者の脳卒中,全身性塞栓症の予防においてワルファリンよりも優れており,かつ出血性合 併症が少ないことが示された。
さらには,死亡リスクもワルファリンに比べて低かったことは注目すべき結果である。
これまでは心房細動塞栓の予防(経口薬) にはワルファリンしか手段がなかったが,直接抗トロンビン薬に加えてXa阻害薬の有効性が示され,我々の選択肢が大きく広がった。 【緊急コメント】apixabanの優位性には出血リスクを考慮した用量設定が奏効かARISTOTLE試験について是恒之宏氏と一問一答
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1108/1108088.html■新規抗凝固薬の中で初めて,有効性,安全性ともにワルファリンを上回った。■有効性,安全性両面で素晴らしい結果だった。新規抗凝固薬での増加が懸念されている消化管出血に関して,有意差はないがワルファリンに比べて若干少なくなっていたことを含め,安全性の面での懸念事項がクリアされていたと言える。■新規抗凝固薬には1日2回投与のダビガトラン,apixaban,1日1回投与のrivaroxaban,エドキサバンがある。rivaroxabanの場合,ROCKET-AF試験で消化管出血が増加しており,推測ではあるが,最大血中濃度が影響した可能性もある※。同じ1日1回投与のエドキサバンのデータも含めて検討していくことになると思う。 ■apixabanでは2用量が設定されていた。年齢80歳以上,体重60kg以下,腎機能障害(血清クレアチニン1,5mg/dL以上)の3条件のうち2 つに相当する場合は,投与量を半減させることになっていた。これが奏効した可能性もある。腎排泄が少ない点(25%)は,薬剤選択の幅が広がったことを意味するだろう。■臨床試験の結果は,経験豊富な医師が厳格に調整しながら治療する,いわば「優等生の治療」によるもの。安全なイメージが先行して市販後に適切に使われない と,出血事故につながる。これは抗血栓薬すべてに当てはまることであるが,試験で安全性が示されていても,やはり導入の際には慎重な姿勢が求められる。 <私的コメント>臨床試験が「優等生の治療」 には少し疑義があります。私は最近、随分前から市販されている某ニューキノロン系抗菌剤を投与し、意識障害による交通事故を起こした症例を経験しました(症例報告としては本邦初症例)。市販後に副作用が見つかるケースも多く、臨床試験に関わった経験のある身として、大学病院を含めた勤務医が十分な観察をしているとは思えません。
アイズピリ 赤い背景の花束 リトグラフ(石版画)
http://www.suiha.co.jp/?cat=9&pid=1477&aid=89 読んでいただいて有り難うございます。 コメントをお待ちしています。 その他 「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/ (循環器専門医向き) ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~ http://wellfrog4.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15 http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~ http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科医向き) 「井蛙」内科メモ帖 があります。
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心臓血管研究所所長の山下武志先生の新規抗凝固薬についての緊急解説で勉強しました。 新規抗凝固薬はワルファリンへの優位性が問われる時代に ARISTOTLE試験を山下武志氏が分析apixabanの臨床的有用性を検証したARISTOTLE試験の結果が第33回欧州心臓病学会(ESC 2011;8月27~31日,仏ロワシー)で報告され,新規抗凝固薬の中で初めて,有効性,安全性ともにワルファリンを上回ったことが注目された。日本の専門家はこの結果をどのように受け止めたのか。今後の薬剤選択への影響はいかに―。綿密な用量設定が奏効今回の結果は,基本に忠実なITT(Intention-to-treat)解析で示されており,apixabanがワルファリンより効果・安全性の面でともに優れていることがたやすく理解できる。即日に,N Engl J Med(8月28日オンライン版)に掲載されたこともその象徴と言えるだろう。試験結果は「素晴らしい」の一言に尽きる。 投薬中断例がワルファリンより少なかったということから,患者さんの視点で考えてもコンプライアンスの面で優れていると考えられる。ワルファリンに対するsuperiority(優位性)が試される時代に入ったと言える。 優位性が示された背景には,緻密な用量設定が挙げられるだろう。apixabanの用量は,通常は5mg錠を1日2回であるが,(1)80歳以上,(2)体重60kg以下,(3)血清クレアチニン1.5mg/dL以上―のうち2項目が当てはまる場合は,1回量が半量の2.5mgに設定されている。出血リスクが高い患者で,出血を予防する手段が講じられていたことが,大出血の発生抑制につながったのだろう。 ダビガトランやrivaroxabanは,出血リスクの高い患者への用量を,通常用量の半量まで低下させることはできなかったわけだが,それは, 半量まで低下させると脳卒中予防効果がなくなってしまう可能性が考慮されていたからだ。しかし,今回のARISTOTLE試験では,半量でも十分に脳卒中 抑制効果があることが証明された。つまり,出血リスクが高い患者では大出血を防止する用量設定が望ましいとした戦略が効を奏したと思う。 腎排泄の寄与が少なく生物学的利用率も高いapixabanapixabanは,bioavailability(生物学的利用率)が比較的高く(約50%,ダビガトランは6.5%),蛋白結合率も高すぎず(87%,rivaroxabanは92~95%),腎排泄の寄与が最も少ない(25%)という薬物としてバランスが取れていることも今回の結果の基礎 にあると思われる。 RE-LY試験では2用量がオープンで比較されたが,いずれの用量も効果・安全性の両面においてはワルファリンの優位に立つことはできず,それぞ れの用量で片方ずつが優位に立っていた。これでも十分な進歩であったが,今回,apixabanが両面で優位に立ったということは,さらに一歩飛躍した結 果と言えるだろう。 一方,ROCKET-AF試験ではRE-LY試験,ARISTOTLE試験がともに示したITT解析での効果の優位性を示すことができなかった。対象患者が2試験よりも脳卒中の高リスク群であり,その結果を中等度リスク群にどのように当てはめるかが問題だった。 apixabanは,(1)胃腸障害がない(ダビガトランで認められた),(2)消化管出血が増加しない(ダビガトラン,ならびにグローバル試験 でのrivaroxabanにあり),(3)用量設定が単純である―などの面からも,臨床現場ではより選択しやすい可能性がある。 新規抗凝固薬の中で唯一,アスピリンとワルファリン両者に優位性示すApixabanは,ARISTOTLE試験の前に,アスピリンとの比較であるAVERROES試験が行われている。アスピリン,ワルファリンの両者とともに比較試験を行い,そのいずれでも優位性を示すことができた薬物は,新規抗凝固薬の中でapixabanのみであるということを記憶しておく必要がある。 2つの試験から分かったことは,apixabanの大出血はアスピリン程度で,ワルファリンよりも有意に少なく,脳卒中予防効果はワルファリンより優れているという点だ。かつては夢のように思われてきた薬物が手に入ったと言ってよいかもしれない。 もう1つ興味深いことは,アスピリンとの比較試験では大出血率が1.4%/年,ワルファリンとの比較試験では2.1%/年と若干異なる数字であることだ。しかし,これは納得できる数字だ。 当然ながら,アスピリンとの比較試験ではアスピリンとapixabanの併用はありえないが,ワルファリンとの比較試験ではapixaban群でアスピリンが約30%併用されている。抗血小板薬との併用が大出血を増加させたのだろう。 ARISTOTLE試験におけるクロピドグレルとの併用は2%未満と限られていた。同じapixabanを用いた急性冠症候群の臨床試験では,大 出血事象のため早期中止となっており,3剤併用は行うべきでなく,2剤併用も可能な限り避けた方がよいことを教えてくれた。そのような意味で,アスピリン との比較試験の結果があることは重要なのだ。 新規抗凝固薬を用いたリスク層別化が必要昨年発表されたESCガイドラインでは, CHADS2 0,1点の患者を細分化するためのCHA2DS2-VAScスコアが提案されていた。今回,CHADS2 1点の患者にアスピリン,ワルファリンに勝るapixabanが出現したため,CHA2DS2-VAScスコアはCHADS2 0点の患者の細分化に用いるスコアになってしまう可能性がある。CHADS2 0点の患者をスコア化する必要があるのかどうかは,まだ分からない。 それよりも,新規抗凝固薬を用いた場合の,大出血のリスク層別化が必要なのではないかと感じている。これまで大出血のリスク層別化はワルファリンに基づいたものであり,新規抗凝固薬を用いたリスク層別化はまだなされていないからだ。 心房細動の脳梗塞予防=腎機能に注意する時代にダビガトランが登場してから4カ月で,5例の出血による死亡が報告されている。新しい時代の抗凝固療法に,まだ医療者が十分に適応できていない結果だと感じている。 新規抗凝固薬はクレアチニンクリアランス30mL/分以下の患者には用いることができない。これまでワルファリンの時代が長く続いたために,「心房細動の脳梗塞予防=腎機能に注意」という図式がなかった。新規抗凝固薬を用いる前に,医療者が腎機能に思いをはせるという習慣がつかなくてはならない。 apixabanでもこの点は同じであるが,80歳以上,体重60kg以下,血清クレアチニン1.5mg/dL以上(ただしクレアチニンクリアランス30mL/分以上)の2項目に該当すれば半量にすることという明快な方針が打ち出されている。 今後の新規抗凝固薬導入に影響与える結果ダビガトランやrivaroxabanの出現は,抗凝固療法の選択肢を大きく広げた。ワルファリンより使い勝手が良く,頭蓋内出血を増加させない。これらは,医療者・患者の両者に福音と言える。さらに,今回の試験結果は,新しい標準をつくり出したと言えるのではないか。使い勝手が良く,脳卒中予 防効果はワルファリンに勝り,消化管出血は増加せず,胃腸障害がなく,中等度リスク患者のデータがあり,グローバルと日本の用量が同じだからだ。 あえて不安な点を挙げれば,(1)実臨床ではクレアチニンクリアランス30mL/分以下の患者に投与されてしまうのではないか,(2)日本人のデータは少ない,(3)CYP3A4の代謝を受ける薬物であるが,この代謝系は安定しているか―以上のことは念頭に置いておくべきだ。特に(1)について は,期待が大きければ大きいほど,注意が乏しくなりがちな点に注意する必要がある。 しかし,問題は激減している。患者にとっても,医療者にとっても,悩みは少なくなることは確実で,その結果として心房細動の脳梗塞が減少に転じることも間違いないと感じている。 加えて,apixabanの2.5mg 2回の投与患者はそれなりにいるはずだ。通常用量の薬価もダビガトランより下がることが予想されるが,半量投与の患者ではさらに大きく薬価が減少する。患者負担という意味でも福音であるといってよいのではないだろうか。 今後は,国産の新規抗凝固薬エドキサバン(Xa阻害薬)のEngage-AF試験に注目することになるが,この薬物は1日1回の投与であり,ARISTOTLE試験の結果を標準として読むことになるのだろう。 (まとめ・田中 かおり)出典 MT Pro 2011.9.1版権 メディカル・トリビューン社 新しい抗凝固薬のまとめ
トロンビン阻害薬
ダビガトラン
Xa阻害薬
エドキサバン
rivaroxaban
apixaban
読んでいただいて有り難うございます。コメントをお待ちしています。 その他「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/(循環器専門医向き)ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy(一般の方または患者さん向き) 井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~http://wellfrog4.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15http://wellfrog3.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~http://wellfrog2.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科医向き) 「井蛙」内科メモ帖 があります。
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ダビガトランの副作用による死亡例報告で警告欄追加厚生労働省は8月12日,直接トロンビン阻害薬ダビガトラン(商品名プラザキサ)の服用で,薬剤との関連が否定できない出血性副作用による死亡例が5例報告されていたとして改めて注意喚起を行った。これを受け,発売元の日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は安全性速報(ブルーレター)を出し,添付文書に警告欄を新たに設けるなどの対応を行うことを明らかにしている。一方,同じ日には日本循環器学会が「心房細動における抗血栓療法に関する緊急ステートメント」を発表した。 6月「重篤副作用はワルファリンからの切り替え症例多い」とも同薬の適応症は,非弁膜性心房細動患者における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制。今年(2011年)3月の発売以来,約6万4,000 人に使用されている。従来薬(ワルファリン)に比べ,用量調節は原則不要で,食事や薬剤との相互作用が少ないことが特徴。そのため,ワルファリンの使用が 難しかった患者の治療が可能になるとして,臨床現場の期待を集めている。 もともと同薬の適応症の患者年齢は高齢であることが多く,新しい機序の薬剤であることから,発売から間もない6月に厚労省や販売元は適正使用のお願いを出している。その時点では3例の重篤な出血性副作用の症例があったことが明らかにされており,うち1例は死亡している。また,同文書には「重篤な副作用はワルファリンからの切り替え症例に多く見られた」と記されている。 正確な出血リスク評価指標は未確立,慎重な判断と十分な観察を今回の発表では,発売後から8月11日までに新たに4例の死亡例が報告されたことが明らかになっている。全5例の死亡時年齢は70歳代1例,80歳以上が4例で,男性1例,女性4例。 厚労省が今回指示した主な改訂内容は,警告欄として以下の文章を追加すること。 本剤の投与により消化管出血等の出血による死亡例が認められている。本剤の使用にあたっては,出血の危険性を考慮し,本剤の投与の適否を慎重に判 断すること。本剤による出血リスクを正確に評価できる指標は確立されておらず,本剤の抗凝固作用を中和する薬剤はないため,本剤投与中は,血液凝固に関する検査値のみならず,出血や貧血等の徴候を十分に観察すること。これらの徴候が認められた場合には,直ちに適切な処置を行うこと。(厚労省8月12日付文 書「使用上の注意」の改訂内容) さらに,腎障害,併用薬,高齢者や消化管出血などに関する慎重投与の記載も強化されている。厚労省は患者の安全確保のため,(1)同薬の投与前か ら投与中の腎機能検査を行うこと,(2)出血や貧血等の徴候を十分に観察し,出血が見られた場合には適切な処置を行うこと,(3)出血(鼻出血,歯肉出 血,皮下出血,血尿や血便)などの徴候が現れた場合は直ちに医師へ連絡するよう患者に指導すること—が重要としている。(坂口 恵) 出典 MT Pro 2011.8.15
版権 メディカル・トリビューン社 昨日速達で届いた安全性速報(ブルーレター)
日本循環器学会,ダビガトラン適正使用推進に関する緊急声明http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1108/1108043.html■日本循環器学会は8月12日,「心房細動(AF)における抗血栓療法に関する緊急ステートメント」を発表した。この声明は同日,経口直接トロンビン阻害薬ダビガトラン(商品名プラザキサ)との関連が否定できない出血性副作用による死亡例が報告されたとして,安全性速報ならびに添付文書改訂が行われた(関連記事)ことを受けて出されたとみられる。
■緊急声明の責任者である「心房細動治療(薬物)ガイドライン(2008年改訂版)」班長の小川聡氏(国際医療福祉大学三田病院院長,慶應義塾大学名誉教授)は今回の緊急声明発表に至った経緯として,次のような背景を挙げている。
(1)米国,カナダではダビガトラン発売直後にAFガイドライン改訂が行われ,同薬が未発売の欧州でもガイドラインにワルファリンの代替療法としての記載があるなど,同薬がAF治療を大きく転換させる薬剤であること
(2)RE-LY試験で,同薬がワルファリンに比べ出血事象を増加することなく,脳卒中や全身性塞栓症発症率を同等もしくはそれ以上に低下させた事実は,AF診療において積極的にダビガトランによる抗凝固療法を推進する要因となる
(3)一方,禁忌症例への投与も含め,重篤な出血事例が報告されており,薬剤の特性を十分理解した上で適正使用の重要性を循環器専門医として発信していくことが重要
その上で,現在,同薬の承認の根拠となるRE-LY試験の結果を踏まえ,新たにダビガトランの使用を「推奨」あるいは「考慮可」とする適応の考え方について新たな提案を示している(図)。
声明では出血性合併症が起きた時の対応として,血漿分画製剤の使用法や透析,胃洗浄などを考慮すること,ワルファリンからの切り替え例に関する対応についても言及している。

■ワルファリンからの切り替えについては,今年6月に販売元が出した適正使用の注意喚起によると,重篤な副作用が報告された症例ではワルファリンからの切り替え症例が多く認められていることも明らかになっている。
■これに関連して,「循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン(2009年版)」策定班班長で,RE-LY試験にも参加した堀正二氏(大阪府立成人病センター総長)は7月末の同社取材に対し,次のような見解を示している(関連記事)。
●同薬のベネフィットが最も大きい患者プロフィールとして「ワルファリンが使いにくい,これまで使えなかった患者」
●コスト面のバランスなどから「ワルファリンで問題なく管理できている場合には,あえて切り替える必要はない」
■実際,今回の声明においてもRE-LY試験の結果が「ダビガトランによる抗凝固療法を積極的に推進する要因」に結び付くとする一方で,「同試験に登録された日本人患者は326例のみであったことを忘れるべきではない」と安易な使用拡大に警鐘を鳴らす姿勢も見せている。
郵送されたブルーレターに同封されていた今回の経緯は書かれた文面の主旨■8月12日(金) 夜、厚労省より添付文書改訂と安全情報提供の指示があった。■発売以来、推定患者約6万4千人に処方されたが、本剤との因果関係が否定できないとされる重篤な出血性の副作用を発現した死亡症例が5例報告されている。■本情報は8月13日には一般紙朝刊でも報道され、患者さんも周知している可能性がある。 読んでいただいて有り難うございます。コメントをお待ちしています。 その他「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/(循環器専門医向き)ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy(一般の方または患者さん向き) 井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~http://wellfrog4.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15http://wellfrog3.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~http://wellfrog2.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科医向き) 「井蛙」内科メモ帖 があります。
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どう使いこなす、抗凝固療法で相次ぐ大型新薬ドラッグラグなき時代の新薬ゆえの悩み直接トロンビン阻害薬ダビガトランに続き、選択的Xa因子阻害薬も今後相次いで登場し、選択肢が増える抗凝固療法。どの薬剤も世界共同開発かつ新規性が高い薬剤であるだけに、抗凝固作用と表裏の関係にある出血を起こさずに上手に使いこなすノウハウの蓄積が待たれる。
心臓血管研究所付属病院(東京都港区)では、今年3月のダビガトラン(商品名プラザキサ )発売から3カ月間で、約100人の心房細動(AF)患者に同薬を処方した。ダビガトランは血液凝固カスケードの中で、フィブリン血栓の生成に関与する酵素であるトロンビンの活性を阻害する新しい作用機序の抗凝固薬(図1)。わが国では非弁膜症性AF患者における脳卒中・全身性塞栓症の予防の適応で承認された。
図1 血液凝固カスケードにおける主な経口抗凝固薬の作用点(出典:Umer Usman MH, et al. J Interv Card Electrophysiol 2008;22:129. 一部改変) 100人の内訳は、ワルファリンからダビガトランに変更した患者と、新規にダビガトランで抗凝固療法を開始した患者が、ほぼ半々だった。 ワルファリンから変更した患者は、全ワルファリン処方患者の1割程度と、あまり多くなかった。これに対して新規患者では、ほとんどがダビガトランを選択していた。「ダビガトランは血液のモ二リングに基づいた投与量の調節が不要なので、病棟でレジデントの医師が抗凝固療法を開始することも増えた。抗凝固療法の敷居が低くなったことを実感する」と、同病院院長の山下武志氏は評価する。
新規患者が多かった理由は2つある。まず、今まで抗凝固療法の適応となっていても、ワルファリンの使いづらさから実際に処方できていなかった患者が多 かったこと。2つ目は、AFに伴う脳梗塞のリスクがあまり高くない患者でも、ダビガトランの登場により医師の判断で抗凝固療法を勧める例が増えたことだ。
一方でワルファリンからの切り替え例がそれほど多くない理由は、同薬で安定した抗凝固活性が得られており、食事制限を煩わしく感じない患者では、薬を変える動機が小さいためとみられる。
腎機能低下例には注意をこのように好印象を持って迎えられたが、腎機能が低下した高齢者での重篤な出血例の報告があったことから、発売元の日本ベーリンガーインゲルハイムは今年6月、適正使用に関する注意喚起を行った。
添付文書でも、クレアチニンクリアランス(Ccr)が30〜50mL/分の中等度の腎障害がある患者や高齢者では慎重投与、30mL/分未満の高度の腎障害がある患者では禁忌となっており、今回の注意喚起ではその徹底が強調された。AF患者は高齢者が多くなるが、一般に加齢に伴い腎機能は低下するため、腎排泄型のダビガトランの血中濃度が高まり出血のリスクが増すという。
「今まで唯一の抗凝固薬だったワルファリンが肝で代謝される薬剤だったので、抗凝固療法を行うとき腎機能に注意するという意識が低かったことも一因ではないか」と山下氏は分析する。
山下氏は、(1)推算糸球体濾過量(eGFR)が30mL/分/1.73m2未満なら投与しない(2)70歳以上、消化管出血の既往がある、eGFRが30〜50mL/分/1.73m2、併用注意となっているベラパミルを投与しているといった条件のある患者では、低用量(110mg×2回/日)を選択する─という方針で処方している。
eGFRとCcrはどちらも同様な腎機能の指標だが、eGFRの方が2〜3割低めに出る。「それだけ投与できない患者が増えるが、使用経験が限られる新薬 であるだけに、安全性を重視した。高齢者では特に、熱中症や脱水、摂食不良などから容易に腎機能が低下することも踏まえた判断だ」と山下氏。eGFRでの 判断は、検査伝票に同値が記入されるようになり、簡単に参照できるようになったことも理由の一つという。 年齢で異なる出血リスク
ダビガトランを使いこなすには、その具体的な出血リスクがワルファリンとどう異なるのか把握することも大切だ。その情報が今年5月、ダビガトランの臨床試験であるRE-LYの新たな解析結果として発表された。
図2 出血の種類および年齢別に見た出血の年間発生率
(出典:Eikelboom JW, et al. Circilation 2011;123:2263-72.一部改変)
安全性に関する主要評価項目である大出血については、75歳未満であればダビガトラン110mg×2回/日群、150mg×2回/日群のどちらも、ワルファリン群よりも発生率は低かった。だが75歳以上では、発生率は同等だった(図2A)。
一方、頭蓋内出血については、75歳以上であってもダビガトラン群の方が発生率は低かった(図2B)。逆に消化管出血は、75歳以上のダビガトラン群で増えていた(図2C)。
消化管出血の部位別の検討から、ダビガトランではワルファリンに比べ下部消化管からの出血が多いことも判明した。このようなデータから山下氏は、「投与開 始後も3カ月に1回程度は採血し、腎機能とともに軽度の出血がないかヘモグロビン値も見ておきたい」とアドバイスする。世界同時承認のデメリット
新しい抗凝固薬として今後、選択的Xa因子阻害薬も複数が発売される(図1、表1)。同薬剤も多くは世界共同臨床試験により、欧米とほぼ同時期の承認となる見込み。
いわゆるドラッグラグは解消されるが、東海大内科教授の後藤信哉氏は、「今まで、日本での承認は欧米の数年遅れとなり、ドラッグラグとして批判されてい た。だがその間の欧米の使用経験から、副作用のリスクや良い適応が明確になり、日本での大きな事故を防ぐことにもつながっていた。世界同時承認ではこのような利益は得られなくなる。それを念頭に、最初は特に慎重に使い始めるべき」と強調する。
その上で、「本当に利益がある患者集団を特定するために、症例登録を行って日本人AF患者の脳梗塞発生率や抗凝固薬による出血のリスクを正しく把握することが不可欠」と指摘している。出典 NM online 2011.8.3
版権 日経BP社
ヨハネス・フェルメール《地理学者》1669 年
油彩・キャンヴァス 53,0 x 46,6 cm シュテーデル美術館蔵http://artlumiereombre.blog98.fc2.com/blog-entry-215.html
フェルメール作品分布フェルメール全35作品紹介ヨハネス・フェルメール-主要作品の解説と画像・壁紙- <きょうの一曲>Beethoven:Symphony No. 7 - IV. / ベートーヴェン 交響曲第7番第4楽章 http://www.youtube.com/watch?v=S1lg55krMCQ&feature=fvwrel 読んでいただいて有り難うございます。コメントをお待ちしています。 その他「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/(循環器専門医向き)ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy(一般の方または患者さん向き) 井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~http://wellfrog4.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15http://wellfrog3.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~http://wellfrog2.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科医向き) 「井蛙」内科メモ帖 があります。
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バイエル薬品は選択的Xa因子阻害薬リバロキサバンについて、心房細動患者における脳卒中発症抑制の適応で厚生労働省へ承認申請を行っています。
きょうは、リバロキサバンの第3相試験「J-ROCKET-AF」について勉強しました。海外では、同剤の臨床第3相試験として「ROCKET AF」が実施されており、すでに米国心臓協会2010年次学術集会(AHA)で、有効性・安全性両面における非劣性が示されている、とのことです。 リバロキサバン、日本人でもワルファリンに対する非劣性を証明国内第3相試験「J-ROCKET AF」が発表心房細動(AF)患者の脳卒中予防における安全性について、選択的Xa因子阻害薬であるリバロキサバンを用いた抗凝固療法がワルファリンに対して非劣性であることが、日本人を対象に行われた臨床試験の結果で明らかになった。第23回国際血栓止血学会(ISTH2011、7月23〜28日、開催地:京都)のLate Breaking Clinical Trialsで、大阪府立成人病センター総長の堀正二氏は、日本で行われたリバロキサバンの第3相試験「J-ROCKET-AF」の結果を発表した。
同試験は、リバロキサバンのAF患者に対する脳卒中予防効果と安全性を、従来薬のワルファリンと比較した二重盲検ランダム化比較試験(私的コメント;他の記事では二重盲検下ダブルダミー法と表現)で、リバロキサバンの 国内第3相試験と位置付けられている。海外での投与量は通常20mg1日1回だが、国内ではそれを15mg1日1回(クレアチニンクリアランスが30〜 50mL/分の患者は10mg1日1回)に用量調節した上で実施されており、既に発表されている海外での大規模臨床試験「ROCKET-AF」と同様に、ワルファリンに対する非劣性が証明できるかが焦点となっていた。
被験者は脳卒中、一過性脳虚血発作(TIA)、非中枢神経系塞栓症のいずれかの既往がある、もしくは慢性心不全、高血圧、75歳以上、糖尿病の4つのうち2〜3つを有する非弁膜性心房細動患者1280人を対象にした。リバロキサバン投与群とワルファリン投与群にランダムに割り付け、安全性と予防効果を比較した。患者の平均年齢はリバロキサバン群が71.0歳、ワルファリン群 が71.2歳。また、平均CHADS2スコアは、リバロキサバン群が3.27、ワルファリン群が3.22だった。
主要安全性評価項目は 「重大な出血」と「重大ではないが臨床的に問題となる出血」の複合で、その発現率はリバロキサバン群が18.04件/100人・年、ワルファリン群は 16.42件/100人・年で、有意差は認められなかった(ハザード比[HR]:1.11、95%信頼区間[95%CI]:0.87-1.42)。非劣性 検定ではP<0.001で、ワルファリンに対する非劣性が証明された。
個別に見ると、重大な出血はリバロキサバン群で3.00件 /100人・年、ワルファリン群は3.59件/100人・年で有意差は認められなかった(HR:0.85、95%CI:0.50-1.43)。重大ではないが臨床的に問題となる出血も、リバロキサバン群で15.42件/100人・年、ワルファリン群で12.99件/100人・年(HR:1.20、 95%CI:0.92-1.56)で有意差はなかった。
一方、主要評価項目である脳卒中と非中枢神経系塞栓症の複合出現率は、リバロキ サバン群1.26件/100人・年、ワルファリン群2.61件/100人・年(HR:0.49、95%CI:0.24-1.00)となり、リスク減少率が 50%を上回ったが、有意差は認められなかった(P=0.050)。
堀氏は、「本試験は有効性の検証に関して十分な検出力を有する試験ではないにもかかわらず、リバロキサバン群では脳卒中と非中枢神経系塞栓症の出現率が減少する傾向が見られた」として、海外で行われた「ROCKET-AF」の結果と一貫性があるとの考えを示した。
J-ROCKET AFJapanese Rivaroxaban Once daily oral direct Factor Xa inhibition Compared with vitamin K antagonism for prevention of stroke and Embolism Trial in Atrial Fibrillation
<関連サイト>
【ISTHリポート】J-ROCKET AF 日本人対象にリバロキサバンのワルファリンへの非劣性示す
http://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/41167/Default.aspx
■堀氏はこれらの結果から、「主要評価項目である安全性の治療成績における、リバロキサバンのワルファリンへの非劣性が示された」と述べ、致死性の出血や頭蓋内出血の頻度がリバロキサバン群で少ないことを強調した。■そのほか、有効性を評価するのに十分な統計学的パワーがないものの、「リバロキサバン群は、ワルファリン群に比べ、脳卒中の発症を抑制する傾向がみられた」とした。 ■その上で、「J-ROCKET AFは、1万4264例を対象に海外で実施されたROCKET AFと一貫性を示している」と結論付けた。 <私的コメント> プラザキサ(一般名ダビガトラン) の添付文書に効能効果として「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」と書かれています。すなわち、弁膜症性心房細動には適応がないのです。 ROCKET AFもJ-ROCKET AFも、非弁膜性心房細動患者が対象となっています。したがって、市販された場合にはプラザキサと同様な適応となる可能性があります。弁膜症を扱って見える心臓外科医の方々は、プラザキサをどのように処方されているのでしょうか。保険病名として弁膜症が出る限り、基金でカットされる理屈です。
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ダビガトラン投与で腎障害合併の高齢者に重篤な出血性副作用
日本ベーリンガーインゲルハイム,適正使用を呼びかけ
経口直接トロンビン阻害薬のダビガトラン(商品名プラザキサ)を製造販売している日本ベーリンガーインゲルハイムは,市販後調査中に腎障害を有する高齢患者において重篤な出血性の副作用が発生したとして,適正使用の徹底を呼びかけた。
同薬は腎臓を介して排泄されるため,血中濃度の上昇により出血のリスクが増大する可能性があり,投与前に患者の腎機能を確認するなどの注意が求められる。
副作用は投与後早期に出現「注意を」
心房細動患者はその疾患の特性上,高齢者が多く,ダビガトランが投与されるケースも多い。
今回,市販後調査中に重篤な出血性の副作用が報告された3例はいずれも80歳代の心房細動患者であった。
そのため同社は,出血性のリスクを回避するため
(1)投与前に患者の腎機能を必ず確認する,
(2)透析患者を含む重度の腎障害合併例(クレアチニンクリアランス30mL/分未満)には投与しない,
(3)中等度の腎障害(クレアチニンクリアランス30~50mL/分)合併例や高齢者では,同薬の1 回110mg 1日2回投与を考慮し慎重投与する
—などの注意を呼びかけている。
また,重篤な出血性の副作用は,同薬投与から約1週間以内の早期に認められることが多く,同社はこの間の副作用発生への注意についても喚起している。
なお,兵庫県立尼崎病院循環器内科部長の佐藤幸人氏は,最近発表されたRE-LY試験のサブ解析について解説し,高齢者では低用量投与が勧められること,および腎機能にも注意が必要なことを提言している。
(田上 玲子)
出典 MT Pro 2011.6.17
版権 メディカル・トリビューン社
<関連サイト>
新規抗凝固薬dabigatran
http://blog.m3.com/reed/20110105/_dabigatran
RE-LY
http://blog.m3.com/reed/20101011/RE-LY
RE-LY試験アゲイン
http://blog.m3.com/reed/20091231/RE-LY_
Dabigatran
トロンビン阻害薬ダビガトラン
http://blog.m3.com/reed/20110218/1
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国立病院機構大阪医療センター臨床研究センターの 是恒之宏センター長がダビガトランの使用上の注意ポイントについて解説した記事で勉強しました。
私自身、ダビガトランの使用は長期投薬が可能となる1年後と思っていましたが、期せずして使用する症例が1例経験しました。
脳卒中のリハビリをされていた非弁膜性心房細動の方で、最近某病院より紹介された方です。
2週ごとの来院が可能ということで処方に踏み切りました。
以下、記事より。
約50年ぶりとなる新しい抗凝固薬であるトロンビン阻害薬(一般名:ダビガトラン)が先月発売された。
ワルファリンが唯一の経口抗凝固薬であった時代か ら,モニタリングが不要な新薬の登場で,より多くの医師が抗凝固療法に当たることも予想される。
そこで,国立病院機構大阪医療センター臨床研究センターの 是恒之宏センター長に同薬の使用上の注意ポイントを聞いた。
利便性が大きく向上した新薬
先月発売されたトロンビン阻害薬(ダビガトラン)や,現在開発が進むXa阻害薬は,単一の因子を標的にした薬剤であり,ワルファリンのようにビタミンK依存性の複数の因子に影響する薬剤と比べて大きく利便性が向上した。
ビタミンK依存性だったワルファリンでは,
(1)ビタミンKを多く含む納豆や緑黄色野菜などの摂取制限が必要
(2)肝臓での代謝酵素の影響を受けるため 薬剤相互作用が多い
(3)薬効に個体差や変動がありモニタリングが必要
—という条件があったが,新薬ではこれらの条件がなくなった。
また,抗凝固作用がワルファリンに比べて短時間であるため,手術や内視鏡の前後の調整が行いやすくなる。
ただし,抗凝固療法である以上,出血リスクは免れず,使用する患者の適切な選択と使用上の注意を守る必要がある。
投与後の腎機能検査を推奨
ダビガトランは,日本からも300例ほどが参加した国際大規模臨床試験RE-LYで,ワルファリンと同等以上の脳卒中抑制効果と安全性が確認されてお り,日本での承認はこの試験結果に準じる。
通常1日150mgを2回経口投与するが,70歳以上の高齢者など必要に応じて110mg,1日2回を考慮する こととなっている。
同薬は,ワルファリンのように肝代謝に影響を受けることはないが,腎排泄が80%となるため腎機能を確認する必要がある。
患者の適応については,クレア チニンクリアランス(CCr)が30~50mL/分の中等度の腎機能障害や高齢者は110mg×2回/日に減量し,それを下回る場合は禁忌である。
投与後の腎機能の推移にも注意する必要がある。
是恒センター長は,3カ月に1回程度の検査を推奨しているが,特に高齢者や高血圧,糖尿病患者では注意してほしいと呼びかけている。 ベラパミルとの同時開始や追加の場合は注意を
ダビガトランは,薬剤相互作用のために禁忌となる薬剤はないが,ベラパミルやアミオダロン,キニジンはダビガトランの血中濃度に影響を与えるため,110mg1日2回を考慮する必要がある。
特に,ベラパミルについては,同薬服用中でダビガトランを追加投与する場合はよいが,両薬を同時に併用する 場合やダビガトラン服用後にベラパミルを追加する場合は,服用のタイミングに注意が必要だ。
このような場合は,3日間はダビガトランをベラパミル服用の2時間以上前に服用する必要がある。
副作用としては消化器症状が挙げられるが,治験ではプロトンポンプ阻害薬(PPI)やH2受容体拮抗薬などの併用によって解消できる場合がほとんどで, 重篤なものはなかった。
このため,是恒センター長は,むしろ消化器症状や小出血で自己中断することがないように注意すべきと指摘する。
ワルファリンからの切り替え時にPT-INRが下がりすぎないように注意
現時点で,ワルファリン服用中の患者の中で,特に新薬の恩恵を受ける患者と考えられるのは,プロトロンビン時間国際標準比(PT-INR)が不安定な患者だ。
このような患者は,ワルファリンの効きを判定する有効な治療域の時間(TTR)が低いと考えられるからだ。
また,肝機能障害がある患者も肝代謝を要しないダビガトランが適していると言える。
ワルファリンからの切り替え時の注意点としては,PT-INRが下がりすぎない時点でトロンビン阻害薬を開始することが挙げられる。
是恒センター長 は,RE-LYのプロトコルに準じてPT-INRが2.0を切った段階での切り替えを推奨している。
試験において,切り替え時の出血リスクの上昇は報告さ れていないという。
また,ダビガトラン服用後にワルファリンに切り替える場合は,PT-INRが1.6を上回ったタイミングでダビガトランの中止が可能だという。
ワルファリンは4日程度で効果が現れるため,PT-INRが1.6を下回っている間は,ダビガトランの服用を続ける必要がある。
十分な説明で自己中断・飲み忘れを防いで
その他の注意点としては,内視鏡検査前の服用中止をどのように設定するかが挙げられる。
腎機能に問題がなければ,午前中に予定されている場合は前日の朝と夜を,午後に予定されている場合は前日の夜と当日の朝を中止すればよいという。
飲み忘れは最も避けたい点であるが,気が付いた時点でできるだけ同日中に服用することが望ましい。
服用間隔を6時間以上空ける点と,1度に2回量を服用しない点を確認しておく必要がある。
患者自身の判断で中断しないように,出血が生じた場合にどうするかを事前に相談しておき,そのような場合の相談経路も確認しておくことを是恒センター長は推奨している。
効果持続時間が長いワルファリンを服用していた患者の場合,これまでは服用を2日間程度忘れても効果が持続していたと考えられる。
その点も踏まえて,患者には定期的な服用の重要性を確実に伝える必要がある。
飲み忘れが起こりやすい旅行や急な外出の際を念頭に置き,同センター長は,事前に薬剤をそれぞれのかばんに配置しておくなどの工夫も有効ではないかとしている。
期待される一般内科医の参加,病診連携の時代へ
今後の抗凝固療法の変化について是恒センター長は,「患者によって,また毎回モニタリングの結果を見て用量調整をしていたワルファリンが究極のオーダー メード医療だったのに対して,ダビガトランはレディメード医療になる。治療の主体が開業医となり,何かあれば病院が相談に乗っていく連携にシフトしていく だろう」と診療形態の変化を展望している。本紙アンケートでも,新薬に対する内科診療所の医師からの高い期待が見て取れる。
出典 Medical Tribune 2011.4.28
版権 メディカル・トリビューン社
<関連サイト> プラザキサの安全使用①プラザキサの適正使用②プラザキサ投与中の血圧管理③プラザキサ 出血傾向の早期発見
<追加 2011.5.15>ワルファリンの代替薬レースにおけるもうひとつの競合薬【原題】Another Contender in the Race to Unseat WarfarinCompared with aspirin, apixaban lowered risk for embolic events in patients with atrial fibrillation.
A fierce competition is under way to replace warfarin for treating patients with atrial fibrillation (AF). Dabigatran, a direct thrombin inhibitor, is approved for use in the U.S., and rivaroxaban, a factor Xa inhibitor, was noninferior to warfarin in the preliminary results of the ROCKET AF trial. Now, apixaban, another factor Xa inhibitor that is not yet FDA approved, has been compared with aspirin in an industry-sponsored trial.
Industry-sponsored investigators randomized 5599 patients with AF and at least one additional risk factor for stroke to apixaban or aspirin. All patients were considered to be unsuited to warfarin treatment, 40% because of prior problems with the drug. The study was terminated early (mean follow-up, 1.1 years), when the rate of stroke or systemic embolism was 1.6% annually in the apixaban group versus 3.7% annually in the aspirin group (P<0.001). Major bleeding rates were similar in the groups. Rates of the composite outcome of stroke, systemic embolism, myocardial infarction, death from vascular causes, and major bleeding was 5.3% annually with apixaban and 7.2% annually with aspirin (P=0.003).
COMMENT
Direct thrombin inhibitors and factor Xa inhibitors hold real promise for preventing thromboembolic events in patients with AF. In patients who are considered to be poor candidates for warfarin therapy, these findings indicate that apixaban could join dabigatran (and, probably, rivaroxaban) as a safe and effective alternative. Cost remains a concern; nevertheless, I believe future trials and real-world experience eventually will render warfarin obsolete.
― Mark S. Link, MD, Journal Watch Cardiology
Connolly SJ et al. for the AVERROES Steering Committee and Investigators. Apixaban in patients with atrial fibrillation. N Engl J Med 2011 Mar 3; 364:806.
The preliminary report for the ROCKET AF trial is available at https://dcri.org/news-publications/ slides-presentations/ROCKET-AF-LBCT-FINAL .ppt free of charge.http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/doctors/hotnews/jwhospital/201105/519498.html
<追加 2011.5.25>
プラザキサの効能・効果と用法・用量
http://nbi2.m3.com/ck9a5db5382b5f0376decebce9e43a9b86a37/contents/prazaxa/guide/02/v01/index.html ■プラザキサカプセルの75mgと110mgは同じ青と白のカプセル。(大きさも同じ?) 識別には印字してあるコードで確認。(R75とR110)■ 通常、成人には1回150mg(75mg2カプセル)を、1日2回経口投与。■但し、中等度の腎障害(Ccr30-50mL/min) およびP-糖蛋白阻害剤併用患者など血中濃度が上昇するおそれがある場合には、1回110mg(110mgカプセル)を、1日2回経口投与。■出血の危険性が高いと判断される患者(70歳以上、出血リスク高)も 1回110mg(110mgカプセル)を、1日2回経口への減量投与を考慮する。■<プラザキサとP-糖蛋白阻害剤との相互作用>□プラザキサの成分であるダビガトランエテキシラートはP-糖蛋白の基質。 □P-糖蛋白阻害剤は主に小腸上皮細胞に存在する輸送体で、腸管内腔に薬物を排出することで、薬物の吸収を抑制している。□経口投与されたダビガトランエテキシラートは、腸管細胞膜を通過した後に血漿中で速やかに加水分解され、ダビガトランに変換されるが、一部はP-糖蛋白によって排出される。□P-糖蛋白阻害剤と併用すると、ビガトランエテキシラートと併用すると、ダビガトランエテキシラートの排出が抑制され、ダビガトランの(血中への)吸収量が増大して、血中濃度が上昇するおそれがある。■<P-糖蛋白阻害剤> イトラコナゾール、 ベラパミル、アミオダロンなど。
<私的コメント>誰しもが思うことに、適応の「非弁膜症性心房細動」があります。
適応承認の手続きだけの問題だけで医学的な問題はないものと思うのですが、保険病名 に「弁膜症」が書かれていれば支払い基金でカットされるわけですから辛いものがあります。


2011.5.4撮影
美ヶ原高原美術館(長野県)。
日本一標高の高い美術館(2000M)
残雪が印象的でした。 美ヶ原高原 美術館 THE UTSUKUSHI GA HARA OPEN-AIR MUSEUM美ヶ原高原美術館 - Wikipedia
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