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2月4日に東京都で開かれたMedical Tribune血管病セミナー「見逃さない! 今話題の血管病」において東京医科大学第二内科・冨山博史教授が講演されました。
テーマは「血管を診る」です。
種々ある血管機能検査の適切な組み合わせについての講演で、きょうはその講演内容を紹介した記事で勉強しました。
血管障害を見逃さない血管機能検査の組み合わせは?
糖尿病・高血圧は血管障害を介して心血管疾患の発症・増悪に作用する。
したがって,これらの疾患では,血管障害の程度・変化を評価する指標が必要である。
そうした指標として,血管機能検査の有用性が注目されている。
血管機能を3つの方法で評価
冨山氏は血管機能検査として,
(1)脈波速度検査,
(2)脈波解析,
(3)血管内皮機能検査
―の3つの方法を用いている(図1)。
そのうち,(1)の脈波速度検査は,区域的な動脈の硬さを評価する方法である。
心臓から駆出された血流の衝撃により生じた動脈の脈動が末梢へと伝播 する波が脈波である。
この脈動を体表面の測定可能な部位2カ所で記録し,2点間の距離と脈動の時間差から脈波速度が算出される。
脈波速度は血管が硬いほど (血管弾性率),血管壁が厚いほど(血管壁厚),血管内腔が狭いほど(血管径)亢進する。従来法は頸動脈と大腿動脈に測定用端子を圧着させる頸動脈-大腿 動脈間脈波速度測定だが,最近上腕動脈-足首動脈間脈波速度測定が普及している。
(2)の脈波解析によるaugmentation index(AI)は,脈波速度と異なり動脈系全体の動脈の硬さに関連した指標である。
AIは駆出波と反射波の重なりを評価する方法である。
両波の重なり は,左室による脈動発生(左室機能),弾性動脈の脈動伝播性(大動脈弾性),末梢の圧脈波反射効率(末梢血管障害)で決定される。
動脈硬化性血管障害が進展すると,弾性動脈の硬さ亢進,末梢血管障害によりAIは増大する。
最近,AIから左室近傍血圧(中心動脈圧)を推測することが行われている。
中心動脈圧 は,AIとは異なり絶対数値の指標であることから,有用性が注目されている。
(3)の内皮機能検査については,日常臨床では前腕阻血によるreactive hyperemia前後での上腕動脈径の変化を超音波法により評価する血流依存性血管拡張反応(flow-mediated vasodilatation;FMD)が用いられる。
これは,阻血による前腕血流増加で上腕動脈内のshear stressが増加し,一酸化窒素(NO)が内皮細胞から放出されることによる血管拡張を評価する。
すなわち,内因性NO動態を見る指標である。
FMD測 定には多少の技術と経験を必要とするものの,血管径の変化を連続的に半自動解析する機器の登場により普遍性,再現性は向上している。
ABIでPADをスクリーニング
末梢動脈疾患(PAD)と診断された症例は予後不良を意味し,下肢の血管病変だけでなく,全身の血管病変の評価が重要である。
冨山氏はPAD症例などの診療について概説した
(1)心血管疾患の既往のない70歳以上,
(2)動脈硬化危険因子を有する50歳以上,
(3)また,PADの国際的な治療指針であるTASCⅡで は,フラミンガムリスクスコアが10~20%―の場合にPAD合併を考慮すべきとしている。
PADの典型症状は間欠性跛行である。
すなわち,歩行時の下肢 の疼痛,だるさ,痺れ,こむら返りであり,安静により10分以内に改善するのが特徴とされる。
しかし,20~50%のPAD症例は無症状である。
また,重 症例では視診で皮膚色調変化(蒼白)や潰瘍が,触診で皮膚温低下が認められる。
しかし,最も重症な所見は脈の触診である。通常下肢では鼠径部・膝窩部・後 脛骨部・足背部で脈が触知されるが,その触知の有無とその左右差から狭窄部位が推測される。
このような臨床背景,症状,診察所見からPADが疑われた場合,最初のスクリーニングとして足関節/上腕血圧比(ABI)が測定される。
ABI は,足関節で測定された収縮期血圧を上腕収縮期血圧(左右の高い方を用いる)で除した値で算出される。
ABIが0.9以下の場合にPADの存在が推測される(図2)。
最後に,同氏は「血管障害の隠れた症例を診察・検査で掘り起こし,適切な対応を実施することが,致死的事故発症症例の減少につながる」と強調した。
(医学ライター・市原 巌)
出典 MT Pro 2012.2.17
版権 メディカルトリビューン社
<私的コメント>
特に目新しい内容ではなかったようです。
問題は、内科医としてはこういった検査で異常が見つかった時にどのような薬剤を選択すれば最善の結果が得られるか、ということです。
勿論、症例個々によって治療の選択肢は異なるはずで、われわれ臨床医に結果を是非フィードバックしていただきたいと思います。
現在,東京医科大学第二内科を事務局とし,全国21施設が参加してFMD多施設共同研究(FMD-J)が進行中ということなので、その成果が待たれます。
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
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「井蛙」内科メモ帖
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/
(「井蛙内科開業医/診療録」の補遺版)
があります。