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経皮冠動脈インターベンション治療後の急性心筋梗塞:退院時心拍数と予後経皮冠動脈インターベンション(PCI)を受け、薬物療法を施されているST上昇型急性心筋梗塞(STEMI)患者において、退院時心拍数が死亡の重大な予測因子であることが明らかにされた。オランダ・ライデン大学メディカルセンター・M. Louisa Antoni氏らが、同患者1,453例を前向きに4年間追跡し退院時心拍数と死亡との関連を調べた結果で、梗塞サイズや心不全併存という因子で補正後も、退院時心拍数と死亡との関連は強固なままであることが示された。 冠動脈疾患患者における心拍数の予後予測因子としての価値は、主として左室機能障害患者で評価されており、安静時心拍数70bpm以上は2年間の長期転帰において強力な独立予測因子であることが明らかにされている。一方で、STEMI患者については、現在治療の主流となっているプライマリPCIを受けた患者集団を対象に心拍数と転帰との関連について1年以上追跡評価した報告はこれまでなかった。Antoni氏らは、プライマリPCIを受け至適薬物療法を受けているSTEMI患者1,453例を対象に、退院前に安静時心拍数を測定し、全死因死亡および心血管死亡との関連を評価する4年間にわたる前向き追跡調査を行った。 おもな結果は以下のとおり。
●追跡期間の中央値は、40ヵ月であった。
●同期間中、全死亡は83例(6%)で、そのうち52例(4%)が心血管疾患死であった。
●梗塞サイズがより大きい、心不全併存という因子で補正後も、退院時心拍数は死亡の強力な予測因子であった。
●心拍数≧70bpm.の患者の心血管死亡リスクは、<70bpmであった患者と比較して、追跡1年時点(ハザード比:2.44)および4年時点(同:2.11)ともに2倍超であった。
●退院時心拍数が5 bpm.増すごとに、心血管死亡リスクは、追跡1年時点では29%上昇を、4年時点では24%上昇を示した。
[監修者のコメント]本研究は、冠動脈インターベンションを施行したST上昇型急性心筋梗塞患者の退院時の心拍数がその後の独立した心血管死亡リスクとなることを示した。臨床的メッセージが明確な研究である。現在のスタンダード治療が行われた急性心筋梗塞患者の2次予防においても、心拍数を70 bpm未満にコントロールしとくことが極めて重要であることを示している。心 血管イベントの既往の有無に関わらず、心拍数の増加は心血管リスクの増大につながる。一方、これまでの研究では、β遮断薬により心拍数を抑制することにより、予後がどの程度改善するかは、合併する疾患と年齢による。 心不全や冠動脈疾患など心疾患を有する患者や若年者では利益が大きいが、合併症のない高血 圧患者や高齢者では他の降圧薬に比較して心血管イベントの抑制効果に劣る。心拍数のみを低下させるイバブラジンを用いたBEAUTIFUL試験では、左室機能低下を伴う冠動脈疾患患者では、70 bpm以上の心拍数増加が2年間の長期予後の独立したリスク因子であった。我が国においても、急性心筋梗塞患者に対するβ遮断薬の早期からの使用が浸透してきているが、まだまだ用量が十分でないことが多い。冠動脈疾患患者においては、心拍数70 bpm未満を目指した早期からのβ遮断薬使用により、予後が改善することが期待される。
([監修] 自治医科大学 循環器科 教授 苅尾七臣)出典 Care Net.com 2012.2.13
版権 ケアネット <自遊時間>陛下が数日後の日曜日に心臓手術(off pump CABG)をされることになりました。諸報道では「症状が(出)ない狭心症」 とのこと。思わず「狭心症」とは何ぞやと考えてしまいました。この言葉にはやはり抵抗があります。「無痛性心筋虚血(silent ischemia)」「冠動脈疾患」「冠動脈狭窄症」 「虚血性心疾患」というべきではないでしょうか。果たして東大病院ではどのように発表したのでしょうか。 ちょっと気にかかるところです。手術の(適応も含めて)成否が一番気にかかるのは勿論ですが。 2012.2.20追記どうやら、その後の報道では老作性狭心症だったようです。 読んでいただいて有り難うございます。
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