戯れ言たれる侏儒
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急性心筋梗塞患者の右脚ブロック:そのリスクは左脚ブロックと同じか?
右脚ブロックを伴う急性心筋梗塞患者(AMI)は、その半数以上で梗塞責任動脈の完全閉塞が認められ、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)実施率も左脚ブロックを伴うAMI患者より高率であることが明らかにされた。
チェコ共和国・カレル大学のPetr Widimsky氏らが、AMI患者約7,000例について調べた結果、報告したもので、「欧州心臓病学会(ESC)によるガイドラインをはじめ、米国心臓病学会(ACC)、米国心臓協会(AHA)において、現在は、右脚ブロックを伴うAMIは再灌流療法の適応症例としてリスト化されていないが、今後は、 右脚ブロックを伴う場合も適応とすべきであろう」と結論している。


左脚ブロックの4割弱、右脚ブロックの5割強が梗塞責任動脈のTIMI血流分類0
研究グループは、2006~2008年にかけて8ヵ所の医療機関に入院したAMI患者6,742例について後ろ向き解析を行った。
被験者の基線特性、心電図パターン、冠動脈血管造影、心エコーのデータと、再灌流療法の実施、入院アウトカムとの関連を調べ、右脚ブロックを伴う場合と左脚ブロックを伴う場合とを比較した。

 

おもな結果は以下のとおり。
●右脚ブロックが認められたのは、被験者の6.3%であった。
そのうち、右脚ブロックのみは2.8%、右脚ブロックと左脚前枝ブロックが認められたのは3.2%、右脚ブロックと左脚後枝ブロックが認められたのは0.3%であった。
 
●梗塞責任動脈のTIMI血流分類が0(完全閉塞)であったのは、左脚ブロックが認められた患者では39.4%だったのに対し、右脚ブロックの患者では51.7%と有意に高率であった(p=0.023)。
 
●プライマリPCIの実施率は、左脚ブロックの68.3%に対し、右脚ブロックでは80.1%と有意に高率であった(p<0.001)。
 
●院内死亡率は、左脚ブロックで13.1%、右脚ブロックで14.3%と同等であった(p=0.661)。
 
●PCI実施率は、新規発症または新規と考えられる右脚ブロック患者で最も高く84.8%であった。
次いで、新規発症または新規と考えられる左脚ブロック患者が73.0%、陳旧性右脚ブロック患者で66.0%、陳旧性左脚ブロック患者で62.3%であった。
 
●院内死亡率も、新規発症または新規と考えられる右脚ブロック患者で最も高く18.8%であった。
次いで、新規発症または新規と考えられる左脚ブロック患者が13.2%、陳旧性左脚ブロック患者で10.1%、陳旧性右脚ブロック患者で6.4%であった。
 
●被験者のうち左冠動脈主幹部急性閉塞は35例で、そのうち26%に、入院時心電図で右脚ブロック(ほとんどが左脚前枝ブロックを伴う)が認められた。
 
監修者(自治医科大学 循環器科・苅尾七臣教授)のコメント
本研究により急性心筋梗塞患者において、右脚ブロックを伴う例では責任冠動脈の完全閉塞が多く、死亡リスクが最も高いことが明らかにされた。
これまでのガイドラインでは、左脚ブロックの合併例は、積極的な早期血行再建療法の適応とされてきたが、右脚ブロックについては言及されていなかった。
院内死亡率も新規の右脚ブロック患者で最も高く、新規左脚ブロック患者よりも約1.5倍である。
また、発現時期が極めて重要で、陳旧性右脚ブロックに比較して、新規の右脚ブロックでは院内死亡は約3倍となっている。 
右脚ブロック合併例では完全閉塞例が多かった。 
また、左冠動脈主幹部による心筋梗塞の1/4にみられた右脚ブロックはそのほとんどが左脚前枝ブロックを伴っていた。 
つまり、右脚ブロックや左脚ブロックの新規発生は急性心筋梗塞による虚血範囲が広範囲に及んでいることを意味する。
したがって、早期インターベンションが必要であり、実際に再灌流の成功後、ブロックが消失することが多い。
本研究より、左脚ブロックに加えて、新規発症の右脚ブロックを合併する急性冠症候群では、より積極的に早期からの血行再建(注;原文では”結構再建”)が必要であることが伺える。
出典  Care Net.com 2012.2.13
版権  ケアネット 
 
 
読んでいただいて有り難うございます。
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