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アリスキレン+RA系阻害薬による高K血症・急性腎障害のメタ解析カナダの研究カナダ・トロント大学のZiv Harel氏らは,レニン阻害薬アリスキレンとアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬またはアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)併用の安全性に関するシステマチックレビューとメタ解析の報告を行った(BMJ 2012; 344: e42)。両者の併用による高カリウム(K)血症のリスクは,各薬剤の単独療法に比べ有意に増加していたが,急性腎障害のリスクの有意な増加は見られなかったという。降圧療法におけるRA系阻害への期待と安全性の現状 高血圧治療および高血圧に伴う臓器障害治療の成績を向上させるには,レニン・アンジオテンシン(RA)のより完全な阻害が必要ともいわれている。 その期待を裏付けるかのように,各企業の開発競争はすさまじく,現在,世界各国で用いられているRA系阻害薬の種類はACE阻害薬12種類,ARB8種類の計20種類にも上る。ジェネリックを除けば,同一クラスに属する薬としては類を見ない多さだろう。 一方,これまでACE阻害薬とARBの併用による臨床試験では,必ずしも期待された成績はまだ得られていないようだ。Harel氏らはその1例としてONTARGET試験を挙げ,緊急透析を必要とする急性腎障害や高K血症といった有害事象が同試験で見られたため,関連学会が両者の併用は慎重に行うべきとの見解に達したと紹介している。 10件,計4,814例の糖尿病患者含むRCTを解析 レニン阻害薬のアリスキレンは発売以来,臨床現場での使用が拡大しているが,他のRA系阻害薬との併用による安全性を判断するための十分な規模の検討はまだないとHarel氏ら。そこで他のRA系阻害薬との併用による安全性について,システマチックレビューとメタ解析を行うこととした。 同氏らは,既に論文発表されたランダム化比較試験(RCT)のほか,学会抄録,あるいは企業による未発表のRCTのデータを収集。10件のRCT における4,814例の解析を行った。被検薬の投与期間は少なくとも4週間以上で,高K血症および急性腎障害に関するデータが含まれているものが対象となった。ほとんどすべての試験に糖尿病患者がエントリーされていたほか,試験期間における安全性評価期間は5件の試験で投与開始から8週時点までに行われていた。 併用で高K血症は1.5倍以上,急性腎障害は増加せず 解析の結果,アリスキレンおよびACE阻害薬またはARBの併用療法により,各薬剤の単独療法に比べ,高K血症リスクの有意な増加が認められた 。 一方,急性腎障害については,単独療法に比較して有意なリスクの増加は見られなかった。 Harel氏らは,今回の解析対象となった試験の登録患者では比較的腎機能が保たれていたと評価。その上で,アリスキレンと他のRA系阻害薬の併用療法では,単独療法に比べ高K血症の有意なリスク上昇が見られた一方,急性腎障害リスクの影響は認められなかったと結論。ただし,今回の解析結果を日常臨床に一般化できるかは不明だという。アリスキレンと他のRA系阻害薬の併用療法の有効性や安全性については,現在進行中のALTITUDE(最近中止)やATMOSPHEREなどの試験結果が待たれると述べている。 (坂口 恵)
出典 MT Pro 2011.11.2
版権 メディカル・トリビューン社
<私的コメント>最近の循環器領域の大規模臨床試験やメタ解析は「糖尿病を合併した・・・」対象が多いようです。今回の論文も「ほとんどすべての試験に糖尿病患者がエントリーされていた」ということです。「比較的腎機能が保たれていた」ということなので、糖尿病の有無で高K血症がそんなに変わるとも思えません。しかし、ちょっとひっかかります。さて、この論文での
高K血症の定義がちょっとわかりませんが、不整脈に関しては低K血症の方が心配な気もします。不整脈を予防するには低Kより高K傾向の方が、(心停止の恐れを除けば)有利ではないでしょうか。 <番外編> 処方ミス多発で名称変更 大日本住友の高血圧症薬 大 日本住友製薬は13日、同社が販売する血圧を下げる薬「アルマール」について、名称が似ている別の薬を医師や薬剤師が処方するミスが多発しているため、 薬品名を変更することを明らかにした。昨年12月、厚生労働省に変更を申請しており、早ければ6月から新しい名称で販売する。 (共同通信社 2012.1.16)http://community.m3.com/doctor/showNewsArticleDetail.do?boardId=3&boardTopicId=181215&messageListBoardTopicId=181215&newsArticleId=1786250 <私的コメント>
アマリール(サノフィ・アベンティス)は変更予定はないとのことです。
アルマールは、1985年、アマリールは2000年から日本で発売。
先行発売のアルマールが折れた形になります。2010年度の売上高が前者26億円、後者292億円ということで「浴びせ倒し」状態です。
タキソールとタキソテール、サクシンとサクシゾンも「関連メッセージ」で指摘されていました。ユリノームとユリーフもヒヤリハットの事例だそうです。 読んでいただいて有り難うございます。 コメントをお待ちしています。 その他 「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/ (「葦の髄から循環器の世界をのぞく」の補遺版) ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~ http://wellfrog4.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15 http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~ http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科医向き) 「井蛙」内科メモ帖 http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/ (「井蛙内科開業医/診療録」の補遺版) があります。
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