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ALTITUDE試験早期中止に熊本大・小川久雄教授がコメント高血圧や糖尿病高リスク患者へのレニン・アンジオテンシン(RA)系阻害薬の有用性は確立しているが,ACE阻害薬とアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)の併用による強化治療の有用性については,ONTARGETなどの大規模臨床試験で証明されていない。しかし,高リスク患者の管理において,RA系抑制強化による効果を期待する専門家も多く,血管障害の進行した2型糖尿病患者へACE阻害薬やARBへのレニン阻害薬アリスキレン上乗せ効果 を検証したALTITUDE試験には期待が集まっていたが,同試験においてもイベントリスク上昇が認められ,早期中止に至った。 詳細な結果は未発表の段階だ。以下は,この問題についての熊本大学循環器病態学・小川久雄教授の緊急コメント。同教授は,対象設定が妥当であったか,また細心の注意を要する治療に対して十分な管理が行われていたかどうかについて疑問を呈している。十分な管理が行えていたか,対象は妥当であったかALTITUDE試験の中止理由として,非致死性脳卒中や腎合併症,高カリウム血症などの有害事象発現が指摘されているが,日本で通常行われている診療,つまり2週間から少なくとも1カ月に1回の頻度でしっかり患者を診ていれば,このような事象は発生しないだろう。欧米では,通常のフォローアップ 期間が平均3カ月程度であり,腎機能検査や血液検査が十分に行えていなかった可能性がある。 ALTITUDE試験の早期中止とイベント事象増加を受けて,ノバルティスファーマから糖尿病合併高血圧患者においてはACE阻害薬やARBにアリスキレンを併用しないという趣旨の「一時的な予防措置」が発表されているが,個人的な考えとしては必要ないと思っている。十分な管理を行った上で併用すればイベント増加にはつながらないからだ。 腎機能が悪化している症例でも注意深く管理しながら併用すれば,効果は得られる。ACE阻害薬とARBの併用についても,東京慈恵会医科大学循環器内科教授の吉村道博氏らのグループが,重症心不全例に対して,厳重な管理の上で効果を見いだしている(Circ J 2008; 72: 2004-2008)。われわれも,生命が危ぶまれるほど重症でありながら,徒歩で退院できた症例も経験しており,結果が独り歩きすることには危機感を抱いている。 また,ALTITUDE試験の対象(アルブミン尿や心血管疾患既往と腎機能低下を合併する2型糖尿病患者)が,併用治療の効果を評価するには血管障害が進行し過ぎていた可能性もある。最終結果を待って,慎重に検討したい。 (田中 かおり)出典 MT pro 2012.1.11版権 メディカル・トリビューン社
<私的コメント>この記事には
「本記事は,RA系阻害薬の併用療法という今後も検討すべき臨床上の重要テーマについて専門家の意見を聞いたもので,現時点においてアリスキレンとACE阻害薬やARBとの併用を勧める意図はありません。」と「編集部注」が書かれています。 <関連サイト>
ALTITUDE試験中止日本でのアリスキレンに関する一時的措置http://yaplog.jp/hurst/archive/222
読んでいただいて有り難うございます。 コメントをお待ちしています。 その他 「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/ (「葦の髄から循環器の世界をのぞく」の補遺版) ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~ http://wellfrog4.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15 http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~ http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科医向き) 「井蛙」内科メモ帖 http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/ (「井蛙内科開業医/診療録」の補遺版) があります。
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