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PALLAS試験 >
兵庫県立尼崎病院・佐藤幸人循環器科部長の、抗不整脈薬に関するコメント記事で勉強しました。 新規抗不整脈dronedaroneの永続性心房細動患者における有効性を検証したPALLAS試験(N Engl J Med 2011年11月14日オンライン版)の結果が,第84回米国心臓協会年次集会(AHA 2011;11月12~16日,オーランド)で発表された。この結果を踏まえ,兵庫県立尼崎病院循環器科部長の佐藤幸人氏は「抗不整脈薬の多くは慢性心不全に見られる不整脈に対して漫然と使用すべきでない」という約20年前にCAST試験から得られた教訓の重みを再認識している。 PALLAS試験の結果は,対象患者が高齢で心不全合併も多かったため抗不整脈薬であるアミオダロンは有用性の高い薬剤ではあるが,ヨウ素に関連した甲状腺の障害,肺線維症などの多種多様な副作用が問題となっている。 dronedaroneは,アミオダロンの改良タイプとして開発され,ヨウ素を含まず水溶性であるために,甲状腺の障害,肺線維症などの副作用は示さないといわれている。アミオダロン,dronedaroneともに期待される効果は,(1)心室性抗不整脈作用を介した突然死予防,(2)上室性心房細動患者 における洞調律維持―に分けられる。 ATHENA試験(N Engl J Med 2009; 360: 668-678)では,発作性心房細動患者において,dronedaroneはプラセボに比べ心血管イベントによる入院,心血管死を有意に減少させた。また,この効果は経過中に持続性心房細動を発症した患者においても観察されたことにより,同薬の心拍数抑制効果,降圧効果,抗アドレナリン効果,抗致死性心室性不整脈効果が予 想されたため,今回のPALLAS試験が行われた。 しかし,その結果は,持続性心房細動患者においてdronedarone投与は,脳卒中,心不全,心血管死の頻度を上昇させたという予想に反したものであった。しかも,プラセボ群との差は投与開始後1カ月以内から認められ,試験期間中さらにその傾向は顕著になっていった。以前報告された,駆出率 (EF)35%以下の重症心不全患者において突然死予防を目的としたANDROMEDA試験(N Engl J Med 2009; 360: 668-678)では,dronedarone群で心不全が悪化し,かえって予後が悪化したと報告されている。PALLAS試験では,対象患者が高齢で心不全合併も多かったため,今回のような結果につながったと思われる 1990年代初頭,CAST試験によりⅠ群抗不整脈薬は不整脈抑制効果を示すにもかかわらず,心機能抑制効果や催不整脈作用を介して,かえって突然死の頻度を高めることが報告された(N Engl J Med 1991; 324: 781-788)。このため,抗不整脈薬の多くは慢性心不全に見られる不整脈に対して漫然と使用することは避けるべきと考えられている。 ANDROMEDA試験とPALLAS試験の結果を踏まえて,dronedaroneも同様に,心不全患者において突然死予防効果を期待して使用することは避けるべきであると考えられた。 出典 MT pro 2011.11.21版権 メディカル・トリビューン社 <ATHENA試験 関連サイト>心房細動とdronedarone・ ATHENA試験 読んでいただいて有り難うございます。 コメントをお待ちしています。 その他 「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/ (「葦の髄から循環器の世界をのぞく」の補遺版) ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~ http://wellfrog4.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15 http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~ http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科医向き) 「井蛙」内科メモ帖 http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/ (「井蛙内科開業医/診療録」の補遺版) があります。
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