戯れ言たれる侏儒
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中年期の血圧変化がCVDのライフタイムリスクを決める
米7研究70万人・年の分析結果
米・ノースウエスタン大学のNorrina Allen氏らは,米国の7研究約70万人・年を分析した結果,中年期の血圧の上昇が心血管疾患(CVD)のライフタイムリスク(死亡までに発症する絶対 累積リスク)に大きなインパクトを与えており,41~55歳の間に正常血圧を維持したか正常血圧に低下した群でリスクが低く,55歳までに高血圧を起こし た群でリスクが高かったと報告した(Circulation 2011年12月19日オンライン版)。
中年期において高血圧の発症を防ぐか遅らせることが,CVDを予防する上で重要と指摘している。
 
55歳で高血圧なら85歳までに最大で男性7割,女性5割がCVD発症
Allen氏らは,追跡期間10年以上のコホート研究を集めたCardiovascular Lifetime Risk Pooling Projectのデータを用い,研究条件に適合した7研究の6万1,585人を対象に,55歳時から心血管疾患の発症または死亡まで69万5,394人・ 年追跡した。
 
血圧のカテゴリーは,米国合同委員会第7次報告(JNC-7)にのっとり,正常血圧120mm/80mmHg未満,前高血圧:120~139 /80~89mmHg,ステージ1高血圧:140~159/90~99mmHg,ステージ2高血圧:160/100mmHg以上,とした。
 
その結果,CVDのライフタイムリスクは男性52.5%(95%CI 51.3~53.7%),女性39.9%(同38.4~41.0%)で,冠動脈疾患(CHD)については男性30.9% (同29.8~31.9%),女性17.5%(同16.6~18.3%),脳卒中については男性11.2%(同10.3~12.1%),女性14.7% (同13.6~15.8%)だった。
 
55歳時の正常血圧は男性25.7%,女性40.8%で,前高血圧は男性49.7%,女性47.5%だった。
各疾患のライフタイムリスクは男女ともに血圧のカテゴリーが高いほど増加していた。
 
血圧のカテゴリーが高いほどCVDのライフタイムリスクが8%に達する年齢は低下した。特にアフリカ系米国人女性においては,血圧のカテゴリーが最も低い群と高い群でCVD 9年,脳卒中21年という開きがあった。同じ血圧カテゴリーではアフリカ系米国人は白人より8%を超える年齢が低かった。
 
平均41~55歳の中年期に,半数は血圧カテゴリーが変わらなかった。
血圧カテゴリーは男性では約20%が低下し,約30%は上昇。女性では約40%は上昇し,約10%のみ低下しており,女性で中年期の血圧上昇が目立った。
 
男女ともにその間正常血圧を維持しているか正常血圧に下がった群でCVDのライフタイムリスクが最も低く(21.8~41.0%)で,正常血圧を 維持あるいは正常血圧に低下した群の間ではライフタイムリスクは同等だった。
それに対し,55歳までに高血圧を発症するか,高血圧が続いていた場合はリス クが最も高く,男性では最大69.0%,女性では最大49.4%が85歳までにCVDを発症すると見積もられた()。
 

表
 
血圧の経時的変化をリスクの個別化,予防戦略に取り入れるべき
なお,この期間を通して高血圧だった男性は脳卒中のリスクが高く,高血圧に移行した男性はCVD,CHDのリスクが高かった。
一方,女性はこの間に高血圧に移行した場合脳卒中のリスクが高く,高血圧が続いた場合CVD,CHDのリスクが高い傾向があった。
 
Allen氏らは「CVDのリスクは高血圧の期間の長さに依存することが示唆された」とし,血圧の測定値のみならず経時的血圧変化をリスクの個別化,CVDの予防戦略に取り入れることが有用としている。 (木下 愛美)
 
出典 MT pro  2011.12.26
版権 メディカル・トリビューン社
 
 

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evacetrapibの第Ⅱ相試験

戯れ言たれる侏儒 / 2011.12.29 00:50 / 推薦数 : 2
~evacetrapibの第Ⅱ相試験~ 優れた脂質改善効果が明らかに
HDLコレステロール(HDL-C)値の上昇を目指す治療が模索される中,期待を集めているのがコレステロールエステル転送蛋白(CETP)阻害薬だ。
クリーブランド・クリニック臨床研究調整センター(オハイオ州クリーブランド)のStephen J. Nicholls部長らは,新規CETP阻害薬evacetrapibが,懸念される血圧上昇などを来すことなく,HDL-C値を著明に上昇させ,LDL コレステロール(LDL-C)値を低下させることを,第Ⅱ相試験としてオーランドで開かれた第84回米国心臓協会年次集会(AHA 2011)で明らかにした。
結果の詳細はJAMA(2011; 306: 2099)に報告された。
 
500mg/日群でHDL-C 128.8%上昇,LDL-C 35.9%低下
対象は,18歳以上で食事療法と脂質改善薬のウオッシュアウト後に,低HDL-C(男性45mg/dL,女性50mg/dL未満),または高LDL- C(100mg/dL以上,上限はリスク別に130~190mg/dL),トリグリセライド(TG)400mg/dL未満の脂質異常症患者。
欧米の70施 設から393例が登録され,
(1)evacetrapib単剤療法(プラセボと同薬30mg,100mg,500 mg/日の4群)
(2)スタチン併用療法(アトルバスタチン20mg,シンバスタチン40mg,ロスバスタチン10mg+プラセボまたは evacetrapib 100mg/日の6群)
-にランダムに割り付け,二重盲検で12週間追跡した。登録時の背景因子は各群同様で,平均年齢58.3歳,女性が56%,平均 LDL-C 144.3mg/dL,同HDL-C 55.1mg/dLだった。
 
単剤療法でのベースラインからの脂質変化は,HDL-Cがプラセボ群0.7mg/dL低下に対し,evacetrapib群では用量依存性に30.0mg/dL,50.9mg/dL,66.0mg/dL上昇した。
 
1次評価項目はベースラインからのHDL-CとLDL-Cの変化率で,HDL-C変化率はプラセボ群の−3.0%に対し,evacetrapib群では 用量依存性に53.6%,94.6%,128.8%と増大した(各P<0.001)。
一方,LDL-C変化率はプラセボ群の3.9%増大に対 し,evacetrapib群では用量依存性に有意な減少を示し,500mg/日群では−35.9%に及んだ(各P<0.001)。
 
臨床現場で頻用されるスタチン3種との併用療法では,evacetrapib併用群のHDL-C変化率は79.9~94.0%,LDL-C変化率も −46.1~−52.3%で,evacetrapib併用によりHDL-C上昇(P<0.001)とLDL-C低下(P<0.01)の増強が認められた。
安全性評価では,evacetrapib単独/併用群で有意な血圧上昇,鉱質コルチコイド作用などの有害作用や重篤な有害事象の増加はなく,忍容性も良好だった。
 
有用性高い対象の解明が課題
指定討論者でペンシルベニア大学内科・薬理学(ペンシルベニア州フィラデルフィア)のDaniel J. Rader教授は,HDL-C上昇が心血管イベントを減少するとの“HDL-C仮説”をCETP阻害薬が検証する可能性に期待を表明。今回の evacetrapibの用量によるCETP阻害率は50~90%だが,CETP阻害と心血管リスク減少との間に直線的関係が存在するかは不明であり,「心血管リスク減少のためのCETP至適阻害率の解明と,CETP阻害薬により最も恩恵を受ける対象集団を明らかにすることが今後の課題だ」と展望した。
 
 
読んでいただいて有り難うございます。
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ALTITUDE試験中止

戯れ言たれる侏儒 / 2011.12.28 00:03 / 推薦数 : 2
レニン阻害薬アリスキレンのALTITUDE試験中止を発表
ノバルティスファーマ,DMC勧告を受け
ノバルティスファーマは,12月20日に腎機能障害合併の2型糖尿病患者におけるレニン阻害薬アリスキレンの心血管保護効果を検討したわが国を含む国際共同第Ⅲ相臨床試験ALTITUDEの中止を発表した(同日プレスリリース)。
従来の降圧薬治療例への同薬上乗せ群において,有害事象の発現頻度がプラセボ群に比べて増加したため,同試験の独立データモニタリング委員会(DMC)が試験中止を勧告。
同社はこれを受け,試験中止を決定した。
 
懸念のある患者は医師への相談を呼びかけ
アリスキレンは,レニン-アンジオテンシン-システム(RAS)の起点に位置する酵素レニンを直接阻害し,降圧に作用する全く新しい降圧薬であり,欧米では2007年,わが国では09年に承認された。
ALTITUDE試験では,腎機能障害合併の2型糖尿病患8,602例を対象に(日本37施設206例),ACE阻害薬またはアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)を含む従来治療へのアリスキレン上乗せ投与による心血管保護効果が検討されていた。
しかし,同試験の第7回中間データレビューにおいて,投与開始後18~24カ月で非致死性脳卒中,腎合併症,高カリウム(K)血症,低血圧の発現頻度増加が報告されたため,同試験を監督しているDMCが試験中止を勧告。

これを受けて,ノバルティスファーマは試験中止を同社の公式サイトで発表するとともに,患者の安全確保の観点から,懸念のある患者は医師に相談するよう呼びかけた。

また,同社はアリスキレンが承認されている各国当局と現在協議を行っているが,欧州医薬品庁(EMA),カナダ保健省は,12月22日にそれぞれの公式サイト(EMAカナダ保健省)で,ACEまたはARBを服用中の糖尿病合併患者へのアリスキレン投与を中止するよう求めた。              (田上 玲子)

出典 MT pro 2011.12.26
版権 メディカル・トリビューン社

 
<私的コメント>
今回の発表内容では腎機能障害を伴った2型糖尿病患者へのラジレスに問題があるということです。
しかし、今後は2型糖尿病の有無にかかわらずラジレスと他のRAS抑制剤の併用も問題となりそうです。
 「腎機能障害を伴った2型糖尿病患者」にラジレスを(他のRAS抑制剤を併用しない)単独投与には問題がないかどうかということも気になります。
当然のことながら「腎機能障害を伴なわない2型糖尿病患者」 へのRAS抑制剤との併用投与も慎重さを要求されます。
現時点では、 糖尿病の合併の有無にかかわらずRAS抑制剤との併用に問題があるのか、「腎機能障害を伴った2型糖尿病患者」へのRAS抑制剤との併用投与に限局したことなのか、はっきり結論づけられてはいないようです。
腎機能障害の定義も知りたい所ですが、ALTITUDE試験の元文献にあたらないとわかりません。
 
<関連サイト>
ノバルティス、腎機能障害を伴うリスクの高い糖尿病患者さんを対象にした「ラジレス」 によるALTITUDE試験の中止を発表
http://www.novartis.co.jp/news/2011/pr20111221_01.html
 
糖尿病患者へのラジレスとARB/ACE併用は留意が必要
 
 
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診察室外血圧は降圧治療中の心血管バイオマーカーの変化の予測に有用:J-TOP研究
Usefulness of Home and Ambulatory Bloo Pressure Changes in Assessing the Change of Cardiovascular Biomarkers During Anti Hypertensive Treatment
家庭血圧(HBP)や自由行動下血圧測定(ABPM)などの診察室外血圧(out-of OBP)が標的臓器障害との関連および心血管疾患の進行予測においても診察室血圧(OBP)より優れていることは,すでに認識されている。
しかし,高血圧 患者を治療していく中で,out-of OBPが標的臓器障害の進行・改善の予測においてOBPよりも有用な指標となりうるかどうかを検証したエビデンスは少ない。
今回,矢野氏らは,OBP,HBP,ABPMと心血管バイオマーカーを検討した結果,HBPおよびABPMによる夜間血圧をOBPと併せて評価することにより,高血圧治療に伴う心血管バイオマーカーの変化を有意に予測できることを明らかにした。
 
■SBPを評価指標とし5つの変量モデルで検討
矢野氏らは,高血圧患者252例を対象に,カンデサルタン(±サイアザイド系利尿薬)による治療前および治療6か月後の血圧と心血管バイオマーカーとの関連を検討した。
患 者の平均年齢は68.2±13.0歳,男性は103例(41%)であった。高血圧治療期間中央値は2.0(0.0~10.0)年で,スタチンを使用して いたのは47例(19%),2型糖尿病を41例(16%),冠動脈疾患を16例(6%),脳血管疾患を7例(3%)が有していた。
血圧はOBP,HBP,ABPMによる測定値を評価,また心血管バイオマーカーとして,尿中アルブミン排泄量(UAE)と脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)を測定した。
HBP は,上腕カフ・オシロメトリック法に基づく小型自動血圧計を使い,朝・晩,1機会に3回ずつ測定した。ABPMとして,測定開始時間,測定間隔,測定時間 (24~48時間)などをあらかじめプログラムして,自動血圧計により睡眠時,仕事中を含む自由行動下の血圧を測定した。
夜間血圧は,午前2時,3 時,4時の3機会に各1回自動測定した。
今回の解析には,血圧の評価指標としてSBPを用い,次の5つの変量モデルで検討した。
1) 診察室SBP
2) 診察室SBP+家庭SBP
3) 診察室SBP+家庭SBP+24時間SBP*
4) 診察室SBP+家庭SBP+昼間SBP*
5) 診察室SBP+家庭SBP+夜間SBP*
(*ABPMによる測定値)
6か月間の治療介入により,OBP,HBP,24時間BPおよびUAE値はいずれも有意に低下した(いずれもp<0.05 )。BNPは利尿薬を使用した患者においてのみ低下した(p=0.003)。
 
■夜間SBPは治療中のUAE値とBNP値の予測に有用
家庭SBPと夜間SBPの変化は,それぞれ独立して有意に,治療によるUAE値の変化を予測した(いずれもp<0.05 )。
これらは診察室SBPよりも優れた予測因子であった。昼間SBPはUAEの予測因子ではなかった。
一方,治療に伴うBNP値の変化は,夜間SBPの変化により有意に予測された(p<0.05 )。
これは診察室SBPより優れた予測因子であった。
家庭SBP,昼間SBPはBNPの予測因子ではなかった。
 
治療によりSBPの3指標(OBP,HBP,夜間)すべての低下を達成した患者(A群)は,そうでない患者(B群)より,UAEの低下率が有意に大きかった(p=0.001)(図1)。


 
また,SBPの2指標(OBP,夜間)の低下を達成した患者(C群)は,そうでない患者(D群)より,BNPの低下率が有意に大きかった(p<0.05)(図2)。
 

 
以上の結果から矢野氏は,高血圧治療に伴う心血管バイオマーカーの変化の予測に,治療中の家庭SBPおよびABPMによる夜間SBPを診察室SBPと併せて評価することが有用であると結論した。  (メディカルライター 坂井順子)
 
■監修者のコメント
カンデサルタンを用いた降圧療法による心血管バイオマーカーの改善を家庭血圧とABPMにより予測:J-TOP研究
本研究は,カンデサルタンを用いた降圧療法による心血管バイオマーカーの改善には,家庭血圧とABPMによる夜間血圧の低下が重要であることを示した。

家庭血圧に基づく降圧療法の心血管バイオマーカーに与える影響を検討したJ-TOP(Japan Target Organ Protection)研究において,ABPMを施行した252名の高血圧患者のサブ解析である。

J-TOP研究では,家庭血圧に基づきカンデサルタンの朝または就寝時投与を行い,脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)と尿中アルブミン排泄量(尿中アルブミン/クレアチニン比:UACRを測定)の変化を検討した。

本研究から,UACRとBNPの低下には,ともに夜間血圧の低下が重要であることが示された。

また,診察室血圧,家庭血圧,さらに夜間血圧のすべての血圧 がコントロールされている群では,いずれかがコントロールされていない群に比較して,有意にUACRとBNPレベルが低下していた。
ABPMによる血圧指 標では,昼間の血圧に比較して,特に夜間血圧の下降が重要であった。

これまでの研究において,夜間高血圧は慢性腎臓病や左室肥大のリスクになることがよく知られている。
本研究から,ARBを用いた降圧療法により,夜間から 早朝にかけて亢進しているレニン・アンジオテンシン系を十分に抑制し,夜間血圧を低下させておくことが,より有効な腎・血管保護につながるといえる。
 
引用文献
1) J Hypertens 2010;28(7):1574-1583
 
監修:
自治医科大学内科学講座循環器内科学部門主任教授 苅尾七臣
 
 
 
 
 

 

 

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兵庫県立尼崎病院循環器内科・佐藤幸人部長の高感度トロポニンTに関する記事で勉強しました。 
高感度トロポニンTがBNPに次ぐ心不全の第2のマーカーに
Val-HeFT,GISSI-HF試験のデータ解析から


研究の背景:進歩する高感度トロポニン測定系
血中心筋トロポニンTは,初発の心筋梗塞の診断,リスク評価のためのバイオマーカーとして開発された。
しかし,15年ほど前から予後不良の心不全 患者においては,心筋梗塞で検出される数値よりもはるかに低い10ng/L(0.01ng/mL) 前後の数値が検出されることが報告され,心不全における微小心筋障害を反映する指標と考えられている。

最近開発された高感度トロポニンT(hs-TnT)測定系ではさらに低値が検出可能であり,3ng/L(0.003ng/mL)まで測定できる。
従来のトロポニン測定系では測定値自体が意味を持たず,陽性・陰性だけの判定に使用されるだけであったが,Val-HeFT〔心不全におけるアンジオテン シンⅡ受容体拮抗薬(ARB)バルサルタンの効果を検討したランダム比較試験(RCT)〕のバイオマーカーによるサブ解析からは,観察開始時のhs- TnT値のわずかな差が予後に反映されることが示されており,測定値自体に意味があることが報告されていた(Circulation 2007; 116: 1242-1249)。

今回取り上げる研究は,同一著者らによる上記研究の延長線上の研究であり,観察中のhs-TnTの変動の持つ意義が検討された(Circulation 2011年12月2日オンライン版)。

 
研究のポイント:観察期間中の15%の増減でも総死亡に差
Val-HeFTとGISSI-HF(心不全におけるω-3不飽和脂肪酸,スタチンの効果を検討したRCT)における慢性心不全患者のデータをそ れぞれ4,053例,1,231例用いた。3ng/L以上のhs-TnT値がVal-HeFTで86%,GISSI-HFでは98%の患者で検出された 〔観察開始時hs-TnT中央値:Val-HeFT 12.1ng/L(0.012ng/mL),GISSI-HF:11.9ng/L(0.011ng/mL)〕。

Val-HeFTでは観察開始から4カ月後,GISSI-HFでは3カ月後のhs-TnTの測定結果が得られた。
いずれの試験においても,この期 間のhs-TnT値の変化は年齢,糖尿病,推算糸球体濾過量(eGFR)の低下,観察開始時および観察期間中のN末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド (NT-proBNP)の増加とそれぞれ独立して関連していた。

観察期間中hs-TnTが15%以上増加した群をI,増減の変動が15%以内と変動しなかった群をS,15%以上減少した群をDとすると,いずれの試験でも総死亡のリスクはDが最も低く,S,Iの順に増加した()。
 

図

Hs-TnT増加の総死亡に対する補正後のハザード比はVal-HeFTが1.59(95%CI 1.39~1.82),GISSI-HFが1.88(同1.50~2.35)であった。

 
佐藤先生の考察:国内外のガイドラインで“第2のマーカー”の地位が不動に
Hs-TnTを用いると,経過中の15%程度のわずかな変動自体が予後と相関するという結論であった。
実は,バイオマーカーが臨床上,真に有用で あるためには,経過中の数値の変動自体が予後の変動と連動しなければならない。
BNPについては同一著者らの検討により以前にこのことが報告されているが (Circulation 2003; 107: 1278-1283),このような証明はかなり困難であり,他の心不全のバイオマーカーでは証明されていない。

今回の検討により,心不全のバイオマーカーとしてはBNPに次いで,2番目にhs-TnTについてそのことが証明された。
現在,国内外の心不全の ガイドライン,バイオマーカーガイドラインでは心不全のリスク評価に用いられるバイオマーカーとしてBNPの次にトロポニンを挙げているが,将来的にもこ の傾向は続くことが予想される。

なお,hs-TnTを用いると,心不全のリスクの段階の高血圧,心肥大,一般住民でも予後不良の場合,さらに低い値ではあるがhs-TnTが検出されることが相次いで報告された(JAMA 2010; 304: 2503-2512JAMA 2010; 304: 2494-2502Am Heart J 2010; 159: 972-978)。
このことにより,hs-TnTは心不全のリスクの段階,心不全,心筋梗塞とあらゆるステージに応用できるバイオマーカーであることも判明してきた。

最後に,高感度トロポニンIは複数の測定系があり,すべて値が異なるので解釈に注意が必要である。
 
出典 Medical Tribune  2011.12.20
版権 メディカル・トリビューン社

 
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ARBが骨量を増加させる!?

戯れ言たれる侏儒 / 2011.12.24 00:44 / 推薦数 : 1
ARBが骨量を増加させる!?
明らかになりつつあるレニン・アンジオテンシン系の骨作用
研究の背景:骨と血管には深い関係がある(骨-血管連関)
骨粗鬆症と動脈硬化性疾患はともに高齢者に多く,しばしば合併するのは日常的によく経験することである。
これは,さまざまな疫学調査でも裏付けられており,これらの疾患の病態間になんらかの関連が存在する可能性が想定されてきた。
 
近年の研究の進展により,動脈硬化巣の石灰化は受動的なカルシウム沈着ではなく,血管平滑筋などの間葉系細胞がRunx2,Msx2などの骨形成 に関連する転写因子を発現して,骨・軟骨細胞様細胞への形質転換を起こし,骨形成と類似した様式により,能動的に石灰化をもたらすことが明らかになりつつある。
また,破骨細胞形成に必須の因子であるRANKLが動脈石灰化を促進すること,そして内因性のRANKL阻害因子オステオプロテゲリン(OPG)が動脈石灰化を抑制することも示されており,破骨細胞形成にかかわる因子の関与も示唆されている。
 
逆に,心血管系因子の骨への作用も報告されている。
例えば,中枢神経系や血管内皮細胞から分泌されるC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)は内因 性骨伸長促進因子であり,その受容体B型グアニル酸シクラーゼ(GC-B)遺伝子の機能喪失型変異によりマロトー型遠位中間肢異形成症がもたらされる。
本症患者は,出生直後の骨格系には顕著な異常を認めないが,著明な骨伸長障害のため最終身長はー5SD以下となる。
 
また,血圧調節における中心的な内分泌系であるレニン・アンジオテンシン(RA)系の構成因子であるアンジオテンシン変換酵素(ACE),アンジ オテンシンⅡ1型(AT1)受容体,同2型(AT2)受容体などが骨の細胞に発現すること,アンジオテンシンⅡが骨芽細胞に作用してRANKLの産生を促進し,骨吸収を亢進させて骨量を減少させることなどが報告されている。
 
今回,国立長寿医療研究センターの兼子佳子氏らは,AT1a受容体遺伝子欠損マウスを解析し,RA系が骨代謝回転を抑制し骨量を減少させることを報告した(J Bone Miner Res 2011; 26: 2959-2966)。
 
研究のポイント:AT1a受容体欠損マウスでは骨代謝回転が亢進して骨量が増加
脛骨近位部海綿骨の骨密度をマイクロCTを用いて3次元的に測定したところ,25カ月齢雄のAT1a受容体遺伝子欠損マウス(−/−)では,同齢の雄野生型(+/+)マウスに比べてBV/TV(骨密度)が有意に増加していた(図1)。
 
図1
 
同様に,12週齢雌AT1a受容体遺伝子欠損マウス(−/−)は同齢の雌野生型マウス(+/+)よりも脛骨近位部海綿骨のBV/TV(骨密度)が有意に高く,卵巣摘除により骨密度は低下しなかった(図2)。
 
図2
 
脛骨骨幹端における骨形態計測の結果,骨吸収の指標である骨面当たり吸収面(ES/BS),骨面当たり破骨細胞面(Oc.S/BS),骨面当たり破骨細胞数(N.Oc/BS),骨形成の指標である骨面当たり類骨面(OS/BS),骨面当たり骨芽細胞面(Ob.S/BS),骨面当たり骨形成率 (BFR/BS)は,いずれも野生型マウス(+/+)に比べてAT1a受容体遺伝子欠損マウス(−/−)で有意に上昇しており,本遺伝子欠損マウスでは骨 代謝回転が亢進していることが示された(図3)。
 
図3
 
考察1:RA系降圧薬が骨を増やす可能性
これは大変に興味深く,また臨床的にも重要な注目すべき成績である。
AT1a受容体欠損マウスでは,骨代謝回転が亢進して骨量が増える,ということは,AT1a受容体のシグナルを低下させるRA系降圧薬,すなわち直接的レニン阻害薬,ACE阻害薬,AT1受容体拮抗薬(ARB)が骨代謝に好ましい 作用を示す可能性があるからである。
一方,同じRA系薬でも,アルドステロン受容体拮抗薬は,ネガティブフィードバックの結果,AT1a受容体を活性化して骨代謝に悪影響を及ぼす可能性が懸念される。
 
しかし,その作用機序はなお謎に満ちている。
なんといっても,骨代謝回転が亢進しているにもかかわらず骨量が増える点が不思議である。
なぜなら, 閉経後骨粗鬆症に代表的されるように,骨代謝回転が亢進すると,ほとんどの場合,骨吸収が骨形成を上回って,骨量が減少するのが常だからである。
不勉強な わたしには,骨代謝回転が亢進して骨が増えるなどという状態は,成長期のモデリング骨か,骨損傷の治癒過程くらいしか思い浮かばない。
ということは,裏返 せばこれらの骨形成過程では,少なくとも局所のRA系が抑制されている可能性があるということなのであろうか。
 
本論文の成績では,RANKL/OPG比の上昇が骨吸収亢進の要因の1つであり,sclerostinの発現低下が骨形成促進機序の1つのようであるが,AT1a受容体とこれらの関係の詳細については,今後の課題である。
 
なお,本研究はAT1a受容体の全身的な遺伝子欠損マウスの成績であり,RA系の全身的な影響による可能性も否定はできない。
例えばRA系の亢進 により,交感神経系の活性化がもたらされるが,交感神経系の活性化は,骨代謝回転の亢進を伴う骨量減少をもたらすことが知られている。
となると,RA系の 抑制により,交感神経系が不活化されて,骨代謝回転が低下し,骨量が増加するという推測も成り立つ。
しかし,やはり骨代謝回転は合致しないのである。
 
また,AT1a受容体遺伝子欠損マウスでは,不思議なことに子宮重量が増加することも示されている。
卵巣摘除で骨量が減少しないことと併せて,こ のマウスではなんらかの女性ホルモン作用の促進機序があるものと推測される。
なお,何かと話題のセロトニンの関与は否定されている。
 
骨粗鬆症治療薬との関係はどうだろうか。
骨代謝回転を促進する点からは,窒素含有ビスホスホネート(N-BP)との併用により,N-BPの作用を 阻害する可能性が懸念される一方で,N-BPによる過度の骨吸収抑制が原因と考えられる顎骨壊死や非定型骨折を防止する可能性も考えられる。
選択的エスト ロゲン受容体モジュレーター(SERM)との関係も微妙である。
RA系阻害作用の結果,女性ホルモン作用が促進されるのであれば,SERMとの併用は少な くとも骨には有効ではないかもしれない。
RA系と女性ホルモンの関連がもう少し明らかになる必要がある。
 
私の考察2:骨という臓器の概念や人間の進化過程にまで関連か
それにしても,RA系の抑制がいかに生体の健康にとって重要なのか,目を見張るばかりである。
血圧が低下するのみならず,糖尿病発症抑制効果,さまざまな臓器保護効果,生命予後改善効果があり,さらには本論文に示されているように女性ホルモン作用は促進され,骨代謝回転が亢進して骨量が増加する。
さらに,AT1受容体遺伝子欠損マウスでの寿命延長効果も報告されている。
まるで生体を若返りさせているようである。
そもそも,いったいなぜRA系などという魔物をわれわれは背負うことになったのであろうか。
陸上生活に適応する上では必要不可欠であったのであろうが,少なくとも現代人には割が合わない。
われわれの孫やその孫くらいの時代には,さっさと退化していっていただきたいものである。
 
骨も陸上生活への適応に伴って進化してきたという点では,RA系と同様である。RA系と骨との関連のルーツは,そこにあるような気もするのであ る。
浅瀬や海岸に生息していた動物は,塩分摂取は充足しており,RA系は未発達であったが,まずは重力に抗するために,石灰化した骨を獲得しつつあったものと想像される。
その後,完全に海岸から離れた生活に適応するために,骨はますます強化され,RA系が進化してミネラルの乏しい環境に適応していったので あろう。
 
ただし,塩分摂取量によるRA系の変動と骨量との関連には若干の課題が残る。
塩分摂取の過多は,RA系を抑制する一方で,カルシ ウムバランスを負にして骨量を減少させることが示されているのである。
塩分摂取の多い環境は,海に近い場所であり,必ずしも強力な骨を必要としなかった可能性がある点からは,理解できる。
しかし,塩分摂取過多がもたらす結果は,本論文の成績と矛盾するように見えるのである。
おそらく塩分摂取とカルシウム代 謝との間には,別の機序が関与するものと考えられる。
また骨代謝には,RA系の全身的な作用よりも局所作用の方が重要なのかもしれない。
 
しかし,骨と血管の密接な関連が明らかになるにつれ,実は骨という臓器自体がもともと一種の血管なのではないかという想像(妄想?) にまで行き着く。
わたしが学生時代に使っていた教科書「標準組織学総論第2版」146ページには「血管の豊富な分布と血管を基本とした組織構築が,骨という組織の一大特徴である」とある。
 
皮質骨には血管を中心としたハヴァース系があって,それを取り巻くように骨が形成されるのである。
さらに妄想の羽を伸ばすと,長管骨はそれこそ生 理的に石灰化した大血管にも思えてくる。
血管はもともと石灰化するものなのかもしれない。
通常,骨外では血管の石灰化を抑制する機構が強力に働くが,加齢あるいは酸化ストレスなどにより,その機構が弱体化・破綻すると石灰化が進んでしまうということなのではないだろうか。
 
このように本論文のテーマは,骨という臓器の概念や人間の進化にまで及ぶ壮大な背景を持っているのである。今後の研究のさらなる進展が大いに楽しみである。
(がん研有明病院総合内科 中山耕之介先生)

出典 MT pro 2011.12.21
版権 メディカル・トリビューン社

 

<自遊時間>
ライトアップされた東京スカイツリー=23日夜、東京都墨田区、朝日新聞社ヘリから、堀英治撮影
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エビデンス創出者倶楽部

戯れ言たれる侏儒 / 2011.12.23 00:21 / 推薦数 : 0

某日、国立循環器病研究センター心臓血管内科・臨床研究部の北風政史先生の講演を聴く機会がありました。

その際、北風先生から会場の先生方に以下のパンフが配布されました。

 

 

 

 http://www.evfc.jp/

 

パンフによれば

「医師を対象とし、循環器・糖尿病領域に特化した質の高い情報を提供する目的で活動したサイトです。医師主導型なので、中立性の高い医療情報を提供できます」

 

「ID(メールアドレス)とパスワードを登録」

「入会金・年会費一切不要」

 

と書かれていました。

 私は早速登録しました。

 

<自遊時間>

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2型糖尿病合併高血圧患者の血圧管理に新たな知見
2年前の高血圧治療ガイドライン改訂において,2型糖尿病合併高血圧患者では,レニン・アンジオテンシン(RA)系抑制薬を第一選択薬とし,効果 不十分であれば段階的にCa拮抗薬や利尿薬を追加して130/80mmHg未満を達成するという治療方針が明示された。
第34回日本高血圧学会〔会長=自治医科大学内科学講座循環器内科学部門・島田和幸教授(同大学病院長)〕のパネルディスカッション「DM合併高血圧の治療」(座長=埼玉医科大学内分泌・ 糖尿病内科・片山茂裕教授,群馬大学大学院臓器病態内科学・倉林正彦教授)では,昨年登場した24時間持続血糖モニター(CGM)による血糖変動と血圧値 との関係といった新たな知見も報告された。

FDR
40歳以上の2型糖尿病患者で130/80mmHg未満達成率は3~4割
糖尿病合併高血圧では,心血管疾患高リスクであるために厳格な管理が求められるが,実際の診療現場で,降圧目標値の達成率は十分でないと指摘されている。
九州大学大学院病態機能内科学の岩瀬正典准教授は,福岡県内の大規模コホート調査「福岡県糖尿病患者データベース研究(FDR)」から,2型糖尿 病患者の血圧管理の実態を報告。
ガイドライン降圧目標値への達成率は3~4割にとどまり,特に,若年男性の降圧管理が不十分であるとした。
早期腎症患者のRA系抑制薬投与
半数にとどまる
FDRは,ゲノム解析も含めた前向きコホート研究であり,福岡県内の日本糖尿病学会認定研修施設(7病院)と同学会認定専門医(9診療所)が参加し,2008年から現在までに5,000人超が登録されている。
対象は,20歳以上で定期外来通院中の2型糖尿病患者。岩瀬准教授は今回,登録時のデータ 解析が行われた4,096人について報告した。
 
まず,ガイドラインの降圧目標値である130/80mmHg未満を達成できていたのは,女性では40~49歳が55%程度と半数超であったが,男性は40~49歳で3割程度とコントロール不良であった。50歳以上の世代では男女とも4割前後だった()。
 
図表
 
次に,降圧治療の状況を調べたところ,単剤投与が41%と最も多く,2剤35%,3剤17%,4剤5%と続いた。
投与薬の内訳としては,RA系抑制薬が 全患者の83%を占め,Ca拮抗薬が61%,利尿薬が19%と続いた。
単剤投与に限定した場合はRA系抑制薬が67%で,Ca拮抗薬が26%であった。
Ca拮抗薬が4分の1を占めた背景について同准教授は,糖尿病合併高血圧の第一選択薬をRA系抑制薬と明示したガイドライン改訂前の登録者が多く含まれていた点を挙げた。
なお,ARBとCa拮抗薬の使用によるSBP 130mmHg未満達成率は両群とも4割程度で変わりなかった。
 
2剤併用の際の薬剤選択としては,ARBとCa拮抗薬の組み合わせが61%で最も多く,ACE阻害薬とCa拮抗薬13%,ARBと利尿薬9%と続いた。
さらに3剤併用の場合では,ARBとCa拮抗薬,利尿薬の組み合わせが37%で最も多かった。
 
なお,糖尿病腎症病期と血圧管理状況を見たところ,顕性腎症でSBP 139mmHgと最も高かった。
RA系抑制薬の処方率は腎症早期で51%と約半数にとどまっていた。  
そのほか,1日50g以上のアルコール摂取ではⅠ度高血圧以上のリスクが有意に高まる,身体活動量が基準以上であると目標降圧値達成率が有意に高まるな ど,生活習慣と血圧管理の関係も見いだしている。
同研究では,登録者の遺伝子解析も行われており,久山町住民コホートとの比較という点でも注目されてい る。
 
 
日内血圧変動や脈圧の増大で日内血糖変動も増大
糖尿病患者の心血管疾患抑制には,HbA1c値の低下だけでなく日内血糖変動を減らすことも重要と指摘されている。
また,血圧変動は血圧と独立して心血管疾患リスクになることが報告されており,糖尿病合併高血圧では血糖変動と血圧変動をともにコントロールしていくことが重要と考えられる。
しかし, 両者に関する検討は十分に行われていなかった。
そこで,東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝内分泌内科の坂本昌也氏は, CGMと24時間連続血圧測定(ABPM)を用いて2型糖尿病患者の日内変動を検討した。
SBP高値やSBP変動が増大した患者群では血糖変動も増大して おり,特に脈圧と血糖変動に強い相関が示された。
 
CGMとABPMで日内変動を計測
今回の検討は,同科入院中の2型糖尿病患者のうち大血管障害合併例や食後高血糖改善薬治療例は除き,2日間のCGMおよびABPMに同意した65例を対象として行われた。
高血圧合併者は55例で正常血圧者は10例だった。
対象者の平均年齢は54歳で,糖尿病罹病期間は平均7.1年,HbA1c値は平均 8.7%だった。
 
平均血糖値と血糖変動については,平均血糖値が上昇するほど血糖変動も増大していた。
血圧も同様で,SBP値が上昇するほどSBP変動が増大する関係が示された。
 
SBP値と平均血糖値,SBP値とHbA1c値には有意な相関関係は認められなかったが, 血糖変動については,SBP値が上昇するほど変動が増大する傾向が示された。
 
血圧日内変動と血糖日内変動の関係については,SBP変動が増大するほど血糖変動も増大する正の相関関係が認められたが,DBPと血糖変動についてはそのような関係は示されなかった。
脈圧については,脈圧が上昇するほど血糖変動も有意に増大した()。
 

図表
 
坂本氏は,フラミンガムスタディでの脈圧の増大に伴う冠動脈疾患リスク増大の報告(Circulation 1999; 100: 354-360)を挙げ,SBP高値の2型糖尿病患者の中でも,特に,脈圧が高い患者では予後不良となる可能性があると指摘した。
今後,同氏らは血糖変動と血圧変動に関してさらに分析を行う予定だという。

高血圧合併糖尿病腎症
アリスキレンの尿蛋白抑制効果に早朝血圧低下が影響
2008年に報告されたAVOID研究(NEJM 2008; 358: 2433)では,ARBへのレニン阻害薬アリスキレン追加投与により,尿蛋白抑制作用が認められた一方で,血圧や推算糸球体濾過量(eGFR)の変化は示されなかったため,尿蛋白抑制の作用機序が未解明のままとなった。
そこで,埼玉医科大学腎臓内科の竹中恒夫准教授は,尿蛋白が改善しない糖尿病腎症患者に対するアリスキレンの作用を検証した。
ARBからアリスキレンへの変更で,6カ月後に尿蛋白が改善したが,その理由として早朝血圧の有意な低下が確認され た(Clin Exp Hypertenインプレス)。
 
eGFRや診察室血圧は変化なし
対象は,尿蛋白の管理が不十分で高血圧を有する糖尿病腎症患者(ネフローゼ症候群は除外)。
ARBからアリスキレンへの変更に同意が得られた27例について,薬剤変更前とアリスキレン変更後6カ月時点のデータを比較した。
対象者の平均年齢は60歳で男性6割,平均BMIは25,平均糖尿病歴11年で,平 均HbA1c値 6.8%だった。
アリスキレン変更前のARBの種類は,6種で各種偏りがなく,アリスキレンの用量は平均239mgだった。
 
腎機能についてはeGFRが変更前,変更後ともに約35mL/分で同程度だったが,尿蛋白は1.5g/gCr超から1.0g/gCr未満へ有意に低下した。
血漿アルドステロン濃度は200pg/mL程度で変化がなかったが,血漿レニン活性は約2ng/mL/時から約1ng/ mL/時へと有意に減少した。
 
血圧については,診察室血圧は変化がなかったが,早朝血圧がSBPとDBPともに有意に低下した。
この早朝血圧と尿蛋白の関係を見たところ,早朝SBPと尿蛋白の低下度が相関関係を示していた。
 
この結果から,竹中准教授は「アリスキレンは早朝血圧を低下させることで,糖尿病腎症に対して尿蛋白減少などの強力な腎保護作用を呈する」とまとめた。
 
糖尿病患者の心血管疾患抑制には,HbA1c値の低下だけでなく日内血糖変動を減らすことも重要と指摘されている。
また,血圧変動は血圧と独立して心血管疾患リスクになることが報告されており,糖尿病合併高血圧では血糖変動と血圧変動をともにコントロールしていくことが重要と考えられる。
しかし, 両者に関する検討は十分に行われていなかった。
そこで,東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝内分泌内科の坂本昌也氏は, CGMと24時間連続血圧測定(ABPM)を用いて2型糖尿病患者の日内変動を検討した。
SBP高値やSBP変動が増大した患者群では血糖変動も増大して おり,特に脈圧と血糖変動に強い相関が示された。
 
CGMとABPMで日内変動を計測
今回の検討は,同科入院中の2型糖尿病患者のうち大血管障害合併例や食後高血糖改善薬治療例は除き,2日間のCGMおよびABPMに同意した65例を対象として行われた。
高血圧合併者は55例で正常血圧者は10例だった。
対象者の平均年齢は54歳で,糖尿病罹病期間は平均7.1年,HbA1c値は平均 8.7%だった。
 
平均血糖値と血糖変動については,平均血糖値が上昇するほど血糖変動も増大していた。
血圧も同様で,SBP値が上昇するほどSBP変動が増大する関係が示された。
 
SBP値と平均血糖値,SBP値とHbA1c値には有意な相関関係は認められなかったが, 血糖変動については,SBP値が上昇するほど変動が増大する傾向が示された。
 
血圧日内変動と血糖日内変動の関係については,SBP変動が増大するほど血糖変動も増大する正の相関関係が認められたが,DBPと血糖変動についてはそのような関係は示されなかった。
脈圧については,脈圧が上昇するほど血糖変動も有意に増大した()。
 

図表
 
坂本氏は,フラミンガムスタディでの脈圧の増大に伴う冠動脈疾患リスク増大の報告(Circulation 1999; 100: 354-360)を挙げ,SBP高値の2型糖尿病患者の中でも,特に,脈圧が高い患者では予後不良となる可能性があると指摘した。
今後,同氏らは血糖変動と血圧変動に関してさらに分析を行う予定だという。


高血圧合併糖尿病腎症
アリスキレンの尿蛋白抑制効果に早朝血圧低下が影響
2008年に報告されたAVOID研究(NEJM 2008; 358: 2433)では,ARBへのレニン阻害薬アリスキレン追加投与により,尿蛋白抑制作用が認められた一方で,血圧や推算糸球体濾過量(eGFR)の変化は示されなかったため,尿蛋白抑制の作用機序が未解明のままとなった。
そこで,埼玉医科大学腎臓内科の竹中恒夫准教授は,尿蛋白が改善しない糖尿病腎症患者に対するアリスキレンの作用を検証した。
ARBからアリスキレンへの変更で,6カ月後に尿蛋白が改善したが,その理由として早朝血圧の有意な低下が確認され た(Clin Exp Hypertenインプレス)。
 
eGFRや診察室血圧は変化なし
対象は,尿蛋白の管理が不十分で高血圧を有する糖尿病腎症患者(ネフローゼ症候群は除外)。
ARBからアリスキレンへの変更に同意が得られた27例について,薬剤変更前とアリスキレン変更後6カ月時点のデータを比較した。
対象者の平均年齢は60歳で男性6割,平均BMIは25,平均糖尿病歴11年で,平 均HbA1c値 6.8%だった。
アリスキレン変更前のARBの種類は,6種で各種偏りがなく,アリスキレンの用量は平均239mgだった。
 
腎機能についてはeGFRが変更前,変更後ともに約35mL/分で同程度だったが,尿蛋白は1.5g/gCr超から1.0g/gCr未満へ有意に低下した。
血漿アルドステロン濃度は200pg/mL程度で変化がなかったが,血漿レニン活性は約2ng/mL/時から約1ng/ mL/時へと有意に減少した。
 
血圧については,診察室血圧は変化がなかったが,早朝血圧がSBPとDBPともに有意に低下した。
この早朝血圧と尿蛋白の関係を見たところ,早朝SBPと尿蛋白の低下度が相関関係を示していた。
 
この結果から,竹中准教授は「アリスキレンは早朝血圧を低下させることで,糖尿病腎症に対して尿蛋白減少などの強力な腎保護作用を呈する」とまとめた。

出典 Medical Tribune 2011.11.24
版権 メディカル・トリビューン社
 
読んでいただいて有り難うございます。
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その他
「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/
(「葦の髄から循環器の世界をのぞく」の補遺版
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
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(内科医向き)
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“最強スタチン対決試験”を読み解く
代田浩之氏,平山篤志氏に聞く
今年(2011年)の第84回米国心臓協会年次学術集会(AHA 2011:11月12~16日,オーランド)で発表され,N Engl J Med2011; 365: 2078-2087)に同時掲載されたSATURN試験。
Study of Coronary Atheroma by InTravascular Ultrasound: Effect of Rosuvastatin Versus AtorvastatiN

冠動脈に20%以上の狭窄がある症候性冠動脈疾患患者約1,000例を対象に,現状考えられる最強度の強化スタチン療法2レジメンを施行し,プラーク退縮効果を比較したものだ。結果は,11月17日に紹介した通り,両群ともに前例のない同等の大きな効果を示した。

そこで,順天堂大学循環器内科学教授の代田浩之氏,日本大学循環器内科学教授の平山篤志氏への取材を基に,SATURN試験をより詳細に読み解き,日本の臨床における意義を探った。
 
TAVはプラークの絶対量を,PAVは血管径をも反映する指標
SATURN試験では,血管内超音波(IVUS)を用いた標的冠動脈に対する評価が行われ,1次評価項目としてプラーク容積率(PAV)の変化 率,2次評価項目として全プラーク容積(TAV)が設定された。
治療104週後,PAVはロスバスタチン群,アトルバスタチン群ともにベースラインに比べ 有意に減少したが,群間差は認められなかった。
一方,TAVも両群ともに著明に減少したが,その程度はロスバスタチン群の方が有意に大きく,TAVの減少 が認められた患者の割合もロスバスタチン群の方が有意に高率だった。

類似しているように見える2つの指標だが,その臨床的意味は異なる。
平山氏によると,近年の臨床試験の結果から,心筋梗塞などの冠動脈イベントのリスクとして,
(1)プラークの不安定性,
(2)プラーク容積の絶対量,
(3)血管径の小ささ
―が提唱されている。
このうち(1)は今回のSATURN試 験では評価の対象外である。TAVは(2)そのものだ。
これに対し,PAVは血管全体に占めるプラーク容積の割合であり,(2)のみならず(3)をも評価 する指標だという。 

PAVとTAVは基本的に相関するが,そうでない場合も存在すると同氏は指摘する。
具体的には,血管径に変化がなくプラーク容積が減少した場合は,PAVもTAVも減少し,血管内腔は拡大している。
しかし,血管径が縮小しプラーク容積が減少した場合ではTAVは減少しても,PAVは減少せず,血 管内腔は拡大していない。

SATURN試験を実施したクリーブランドクリニック(米国)のグループがTAVではなく,PAVを1次評価項目に設定したのは,このようなこと からPAVの方が臨床的意義の高い指標だと判断したためだと考えられる。
同試験の試験統括者で,同クリニック循環器科部長のSteven E. Nissen氏はMT Proの取材に答え,PAVが臨床イベントと最も強い相関があることを強調している。
 

必ずしもPAVの方が有用といえない
ただし,代田氏はTAVに比べPAVが必ずしも臨床的に有用な指標とはいえないと指摘する。

同氏によると,一般にスタチンは,動脈硬化による病的変化である血管のポジティブリモデリングを改善(=血管径を縮小)しながらプラークを縮小させるという。
血管内腔の保持という点だけに注目すると不利な結果をもたらすのだが,スタチンはポジティブリモデリングの改善によって血管やプラークの性状を改善させる
その意味で,PAVはプラーク容積とポジティブリモデリングの両方を評価していることになり,TAVに比べ変動しにくく,PAVを改善することにより大きな意味があるとも言える。

しかし,血管のリモデリングはLDL-Cの低下以外の要因によって規定されている

治療によっては,(血管径を縮小させないで)プラークの性状が改善される可能性も示されており,「PAVとTAVの臨床的意義の差を明確に結論付けられない」とするのが代田氏の見方だ。

なお,両氏とも,ロスバスタチン群でTAVの改善効果が大きかった理由として,同群のほうがLDLコレステロール(LDL-C)の低下が有意に大きく,HDLコレステロール(HDL-C)の上昇が有意に大きかったことを挙げる
その意味では,脂質をより強力に改善することがより強力なプラーク容積の減少に有効であることが示唆される。
 

LDL-Cが高いほどプラークは退縮しやすい
SATURN試験については,PAV変化率に関するサブグループ解析の結果も発表されている。
ひとつには,ベースラインのLDL-Cで層別比較す ると,PAV減少率はLDL-C低値群に比べ高値群で有意に大きく,LDL-C高値群ではロスバスタチン群の方がPAV減少率が有意に大きかった。
LDL-Cが高いほどプラークが退縮しやすいという結果は,誰もが納得できるところだろう。
一方,両氏とも頭をひねるのは,性差に関する層別解析だ。
PAV減少率は男性に比べ女性で有意に大きく,女性ではロスバスタチン群の方が有意に大きい―この結果をどう解釈するのか。

代田氏はスタチンのプラーク退縮効果に性差があることについては,「HDL-Cのレベルでも交互作用の傾向があるので,HDL-Cがより高い群すなわち女性で差が出やすかった可能性があるが,一方SATURN試験参加者における女性の割合は3割弱。この規模の試験のサブ解析では偶然の結果である可 能性も否定できない」と述べる。
平山氏も,このデータだけでは確かなことはいえないという。

日本におけるLDL-C管理目標値の変更には多くの課題
SATURN試験の結果は,日本の臨床においてどのような意味を持つのだろうか。
両氏ともに高く評価するのは,LDL-Cを強力に低下させた(ロスバスタチン群62.6mg/dL,アトルバスタチン群70.2mg/dL)ことで,強力なプラーク退縮を実現したことだ。
SATURN試験が冠動脈疾患高リスク例に対する強化スタチン療法の有用性を裏付ける重要なエビデンスとなることは間違いない。
代田氏は「スタチン単独で約7割の患者においてプラーク退縮効果が得られたことの意義は大きい」と語る。

しかし,両氏ともに「今後の検討課題」と指摘するのは,日本人冠動脈疾患高リスク例に対するLDL-C管理目標(現行ガイドラインでは100mg/dL)を引き下げるべきかどうか,引き下げるとしたらどのレベルまで下げるかだ。

脂質低下とプラーク退縮の関係は明らかになりつつあるが,日本人における検討は不十分だ。
LDL-Cを下げるほどプラーク退縮効果は大きくなるのが,その効果はベースラインのLDL-Cが低くなるほど小さくなり,どこかでプラトーになる。その閾値を明らかにする必要がある」と平山氏。
代田氏は 「厳密な比較ではないが、欧米に比べ日本人のプラークの方が退縮しやすいという可能性も指摘されている。そのことから考えると,日本人のLDL-C管理目標は欧米より若干高めでよいのかもしれない」と述べる。

さらに,両氏とも,プラーク退縮と真の評価項目である冠動脈イベントとの関係についてのエビデンスは欧米を含め不十分だと指摘する。
SATURN 試験で達成された両薬剤のPAV・TAV減少効果,あるいはTAVにおける両薬剤の効果の差がどの程度の臨床イベントの違いに結び付くかは,今後の検討課題となる。
もちろん,日本人において現行より強力なスタチン療法を行う上では,安全性に対する綿密な検証も重要だ。

強化スタチン療法の意義を示したSATURN試験だが,プラーク退縮という観点からLDL-C管理目標値を変更するには,解決すべき多くの課題が残されている。

この分野の新研究成果が注目される。  (平田 直樹)
 
出典 MT pro 2011.12.19
版権 メディカル・トリビューン社  
 
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抗血栓療法前の血小板機能検査は有用
PCI施行ACS患者の虚血性イベントリスク評価
Careggi病院(伊フィレンツェ)循環器科のGuido Parodi博士らは,血管形成術などの処置を受けた急性冠症候群(ACS)患者に対して,適切なクロピドグレル用量を決定するための血小板機能検査 (PFT)を抗血栓療法の前に施行することの意義について検討。
「PFTで残余血小板反応性の高い患者では,短期追跡と2年間の長期追跡のいずれにおいても虚血性イベントリスクが高いことが分かった」とJAMA(2011; 306: 1215-1223)に発表した。
 
凝集能とイベントの相関を検討
残余血小板反応(residual platelet reactivity;RPR)は,抗血栓療法に対する抵抗性を反映する。
複数の先行研究で,経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行された患者では,クロピドグレル治療中のRPRの強さが主要心血管イベントの予測因子となることが示唆されている。
しかし,今回の論文の背景情報によると,in vitroのPFTで血小板反応性が一定のカットオフ値を超えれば,血栓塞栓イベントリスクが著明に上昇するかどうかについては,まだ明らかにされていな かった。
 
今回の研究では,PCI施行後にPFTの結果に基づいた長期抗血栓療法を受けるACS患者において,クロピドグレル負荷用量投与後の残余血小板反応高値 (HRPR)が,長期の血栓塞栓イベントの独立した予測マーカーとなるか否かを検討した。
Parodi博士らは,2005年4月~09年4月にPCI施行 後,RPR検査を受けたACS患者1,789例を登録。
全例にアスピリン325mgと負荷用量(600mg)のクロピドグレルを投与した後,維持用量とし てアスピリン325mg/日とクロピドグレル75mg/日を6カ月以上投与した。
 
アデノシン二リン酸(ADP)を用いた凝集能検査によりHRPRと判定された患者(血小板凝集能70%以上)では,ADPガイド下でクロピドグレルを増量するか,抗血小板薬のチクロピジンに変更した。
1次エンドポイントは,追跡2年後の心死亡,心筋梗塞,緊急冠動脈血行再建術,脳卒中の複合エンドポイン トとし,2次エンドポイントはステント血栓症および1次エンドポイントの個々の発生とした。
 
高凝集能で心死亡率上昇
解析の結果,1次エンドポイントは,RPRが低い群(LRPR群)の8.7%(1,525例中132例)に対し,高い群(HRPR群)では14.6% (247例中36例)と高かった。Parodi博士らはこれについて「心死亡率がLRPR群(4.3%)よりもHRPR群(9.7%)の方が高かったこと から,両群間のイベント発生率の相違は,主にこの心死亡率の差によると考えられる」と補足している。
 
また,ステント塞栓発生率はLRPR群の2.9%(1,525例中44例)と比べ,HRPR群では6.1%(247例中15例)と2倍であった。
追加解 析によりHRPRは,1次エンドポイント発生リスクの49%上昇,心死亡率の81%上昇と独立して相関することが分かった。
 
同博士は「このような患者ではHRPRの情報が虚血性イベントの予測に役立つ可能性が示された」としつつも,「今回の知見は,あくまで新規抗血栓薬を用いた個別化治療に向けてのさらなる研究の土台となる一仮説としてとらえるべきである」と述べている。
 
フロリダ大学ジャクソンビル校(フロリダ州ジャクソンビル)のDominick J. Angiolillo博士も,同誌の付随論評(2011; 306: 1260-1261)でPFTに関して同様にコメント。
「これまで有望な研究が実施されているにもかかわらず,臨床におけるルーチンのPFTを支持するエ ビデンスは十分に得られていない。適切な検出力を持ったランダム化比較試験の結果により,抗血栓療法の有効性と安全性(低い出血リスク)が示されるまで は,PFTはまだ研究用のツールにとどめておくべきである」としている。
 
出典 MT pro 2011.12.15
版権 メディカル・トリビューン社

 

<きょうの一曲>
DANIIL TRIFONOV Rehearsal - Tchaikovsky Piano Concerto No.1
http://www.youtube.com/watch?v=7XY7ro8VDu8&feature=related
 
Tchaikovsky - Concerto №1 - plays Daniil Trifonov
http://www.youtube.com/watch?v=g80VU33jr8Q&feature=related

 

 

 

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