戯れ言たれる侏儒
Profile

ブログ内検索

カレンダー

<< 2012/05 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

新着コメント

新着トラックバック

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

< スタチンのアンダーユース | メイン | ARB・CCB併用と血管インスリン抵抗性... >

CAD/CKD患者の冠動脈リスクはレムナントリポ蛋白
冠動脈疾患(CAD)や慢性腎臓病(CKD)を有する患者では、レムナントリポ蛋白が心血管イベントの強力な予測因子になる可能性が新たに指摘された。
フロリダ州オーランドで開催された第84回米国心臓協会・学術集会(AHA2011)で、山梨大学の斉藤幸生氏らが発表した。
 
CKD症例では、冠動脈イベントのリスクとなるトリグリセライド値が高い。
トリグリセライドに富むリポ蛋白は多彩に存在するが、それらの中でどのリポ蛋白が冠動脈リスクになるのかは未だ明らかではない。
今回、斉藤氏らは、レムナントリポ蛋白がCAD患者やCKD患者における冠動脈イベントの予測因子となる可能性についての検討結果を報告した。

対象は、山梨県において冠動脈インターベンションを施行した患者を前向きに連続して登録している多施設共同研究FUJISUN registry(2008年5月開始)から、連続で抽出したCAD/CKD患者229例。

CKDは、糸球体濾過量(GFR)60mL/分/1.73m2未満と定義した。
レムナントリポ蛋白の量的評価では、血漿中のレムナント様リポ蛋白コレステロール(RLP-C)を免疫分離法で定量して指標とした。

対象のうち、46例が冠動脈イベントの既往を有し、183例はイベントを経験していなかった。

両群のベースラインの患者背景では、既往あり群のBMIは24.8±3.3kg/m2で、既往なし群の23.4±3.8kg/m2に比べて有意に高く(P<0.05)、糖尿病罹患率(68% 対 41%)も有意に高かった(P<0.05)。

また、既往あり群ではトリグリセライド値(142±49mg/dL 対 124±54mg/dL)、BNP(287±326pg/mL 対 238±296pg/mL)、血清クレアチニン値(2.98±3.00mg/dL 対 1.69±1.92mg/dL)、RLP-C値(6.2±3.8mg/dL 対 4.3±1.8mg/dL)が有意に高かった(P<0.05)。

一方で、既往あり群のHDL-C値(39±10mg/dL 対 43±10mg/dL)、クレアチニンクリアランス(33±20mL/分/1.73m2 対 42±15 mL/分/1.73m2)は有意に低かったP<0.05)。

試験開始後、心臓死、非致死性心筋梗塞、冠動脈血管再建術を要する不安定狭心症、心不全の発症を記録した。対象をRLP-C値5.7mg/dL以上74例 と5.7mg/dL未満152例に分けて解析すると、18カ月の時点でRLP-C高値群では28例(38%)でいずれかのイベントが生じ、RLP-C低値 群の18例(12%)に比べて有意に多かった(P<0.0001)。

内訳は、心臓死5例 対 0例、心筋梗塞4例 対 2例、不安定狭心症15例 対 14例、心不全4例 対 2例だった。

Kaplan-Meier曲線による4つのイベント非発症率の解析でも、RLP-C高値群は低値 群に比べ、有意に低かった(P<0.01)。

さらに、段階的多変量Cox比例ハザードモデルによる解析では、RLP-C高値が冠動脈イベントの予測因子であることが示唆された(ハザード比1.8、95%信頼区間:1.3-6.9、P<0.01)。

ROC曲線の解析でも、既にリスクとされている加齢、男性、喫煙、糖尿病、LDL-C高値、HDL-C低値、収縮期血圧高値にRLP-C高値が加わると、ROC曲線化面積が0.63から0.76に有意に拡大し、予測値が高まることが示された(P<0.05)。

斉藤氏は以上の結果を踏まえ、「RLP-Cの定量は、CADおよびCKDの患者の冠動脈イベントリスクの層別化にも活用できると考えられる。今後は、実臨 床にRLP-Cの評価をより積極的に取り入れ、エビデンスを蓄積し、パラメータとしての信頼性を確立していきたい」と、さらに一歩踏み込んだ研究を見据え、意欲を示した。

 
出典   NM online 2011.11.22
版権 日経BP社
 

<私的コメント>

少し調べてみると「運動療法が脂質代謝、特に中性脂肪改善効果を通して、腎保護作用をもたらす可能性がある」、「ΔeGFRとΔ中性脂肪が有意な負の相関」といったCKDと中性脂肪の関連をみた論文が見つかりました。さらには「CKD患者において中性脂肪が独立した危険因子である」(Am J Med Sci. 2009;338(3):185-9)、
「高中性脂肪・低HDLがCKDにおける腎機能悪化の条件の一つで、この悪循環を断ち切ることも腎保護につながった可能性がある」(J Am Coll Cardiol. 2008;51(25):2375-84)」といった論文もあります。

論文を読んでいないので両者の関係をどのように考察しているのかわかりませんが、CKDといういわば漠然とした病態概念にTGがどのように関与するのか知りたいところです。

一方、家族性高コレステロール血症においては腎障害の
発症は報告されていないようです。

しかし,健常人における健診時の脂質異常症は,CKD 発症の危険因子であることが示されています。
Physician's Health Study では,健常男性においてTC,非HDLコレステロールの上昇,HDL コレステロールの低下は,CKD 発症の危険因子であることが示されています。
またHelsinki Heart Study では,LDL コレステロー
ル/HDL コレステロール比の上昇がCKD 進行の
危険因子であったと報告されています。

脂質異常症のCKD に対する影響は多くのコホート研究により示されており,TC 上昇,TG 上昇,LDL コレステロール上昇,HDL コレステロール低下は,それぞれCKD
進行の危険因子であったとのことです。

ARIC Study では,CKD におけるTC 上昇とTG 上昇がCVD 発症の危険因子であったということです。
Muntner P, He J, Astor BC, Folsom AR, Coresh J. Traditional and nontraditional risk factors predict coronary heart disease in chronic kidney disease: results from the atherosclerosis risk in communities
study. J Am Soc Nephrol 2005;16:529-538.


臨床というリアルワールドではCKDに対してフィブラート系薬を使用することについては細心の注意が必要となります。
ベザフィブラートとフェノフィブラートの投与はCKDス
テージ3で慎重投与,CKD ステージ4,5 においては原則禁忌とっているからです。



<自遊時間>
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1111/1111016.html
 
  
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1111/1111073.html
 
こういったデモは世界的に流行しています。
開業医と勤務医は同床異夢の部分もあります。
何事もそうですが、どんな組織でも「総意」というものがあっても完全に細部にわたって意見が一致することはありません。
総論賛成、各論反対また逆の場合もあります。
私がこういった組織に深入り出来ないのはこういった理由です。
東京でのデモをされた先生方の多くは病院関連の先生であると想像されます。
この先生方が日本医師会に加入されているのかどうかは知りませんが、日本医師会との関係を断ち切ってのデモなのでしょうか。
彼らは医学部新設を唱えています。
いわば、日本医師会とは立場を異にしています。
この団体に対して、今年は日本医師会の副会長が挨拶のために壇上に上がったとのこと 。
このことにはいささかの違和感を覚えます。
 
<関連サイト>
全国医師ユニオン

全国医師ユニオン - Wikipedia
 
 
読んでいただいて有り難うございます。
コメントをお待ちしています。
その他
「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/
(「葦の髄から循環器の世界をのぞく」の補遺版
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
「井蛙」内科メモ帖
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/
(「井蛙内科開業医/診療録」の補遺版)
があります。
  
 

固定リンク | コメント (0)

コメント

コメントはまだありません。

コメントを書く

ニックネーム*
メールアドレス*
URL
内容*
※「利用規約」をお読みのうえ、適切な投稿をお願いします。