戯れ言たれる侏儒
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< ビールに心血管イベント予防効果 | メイン | CAD/CKD患者の冠動脈リスクとPLP... >

AHA 2011で発表で発表されたSATURN試験についてのNissen先生のコメントが発表されました。

SATURN試験
http://blog.m3.com/reed/20111118/SATURN_

 
スタチンのアンダーユースは世界共通の課題
AHA 2011で発表のSATURN試験についてSteven Nissen氏と一問一答
冠動脈疾患の再発(二次)予防に重要な位置付けを占める2つのストロングスタチンの比較試験SATURNから学ぶべき点は何か―。
試験統括者であり,米クリーブランド・クリニック循環器科部長のSteven E. Nissen氏に聞いた。
同氏はスタチンのアンダーユースは世界共通の課題だと主張している。
 
PAV変化率は最も信頼性の高い評価項目
――なぜ,プラーク容積率(PAV)の変化率が1次評価項目に設定されたのか。
わたしたちは,プラークが進展するほどに臨床イベントは増加すると考えている。
したがって,治療では常に,冠動脈プラークの退縮を目指すことになる。
PAV変化率は最も信頼性の高い評価項目で,また,臨床イベントとも最も強い相関があることが分かっている。
この評価項目を用いることで,患者の予後を推測することができる。

――25%の脱落率は結果に影響を与えていないか。
血管内超音波法(IVUS)という侵襲的なカテーテル検査を評価項目に置く限り,相当数の患者が2回目(試験終了時)のIVUSを希望せずに脱落することは想定しなければならない。
脱落は両群間で同等に起きているので,試験結果にバイアスがかかったということは考えられない。

――最大用量のスタチン治療において安全性の懸念はないか。
この試験で,われわれは最大用量のスタチンを問題なく投与することができ,優れた安全性も担保された。
もちろん,欧州や北米,オーストラリア,南米で実施されているということを考慮すると,スタチンの高用量投与に対してより慎重なアジアでは,最大用量がわれわれの地域よりも低く設定されるだろう。
ただ,スタチンが治療されるべき患者に十分な用量で投与されていないということは,どこでも共通した課題である。
 
高用量スタチンが,少量~中等量スタチンよりも有益な臨床効果をもたらすことをわれわれは証明してきた。
副作用の発現率は確かに多少増えるが,それは,高用量スタチンであっても非常に低い。
今回の試験での副作用発現率を見ると,ロスバスタチンでは蛋白尿が多い傾向に,アトルバスタチンでは肝機能異常が多い傾向にあったが,全体で見ると非常に少ない発現率だ。
2つの薬剤はともに安全性が担保されている。
試験対象は,高リスクの冠動脈疾患患者群であるにもかかわらず,2年間での心血管イベント発生率はわずか7%だった。

――この試験から高用量スタチン療法を推薦されるのか。
高用量スタチンで心血管イベントリスクを低下させることは,複数のエビデンスで既に十分に明らかになっている。
この試験は,それをさらに確実なものにしたといえるだろう。                                      (田中 かおり)
 
出典 MT pro 2011.11.17
版権 メディカル・トリビューン社


<自遊時間>
首相がTPP参加表明をした後になって、日本の医療制度はどうなるのだろうか、といったことがマスコミで取り上げられるようになって来ました。
昨日の某報道番組でも米国の製薬メーカーが薬価引き上げを迫ってくるようなシミュレーションをしていました。
いわゆる医療界に新自由主義が持ち込まれるというものです。
ちょっと古い記事(2008.8.10)になりますが、「日経メディカル オンライン」に「医師すらも貧困層に転落する米国の現実」という記事が出ていました。
永六輔氏の「大往生」(1994年刊)以来の岩波新書の大ベストセラーとなった「ルポ貧困大国アメリカ」の著者・堤未果氏へのインタビュー記事です。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/200807/507412.html

■2006年出版の前著の『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命』(海鳴社刊)では、貧困層の高校生が軍にリクルートされ、イラク戦争に行かされている現実など、戦争をテーマに、マイノリティーが国の捨て駒にされている実情を書きました。
出版後も取材を続けていくうちに、大学も出て仕事にもきちんと就いている中間層の人たち、さらには社会的に尊敬されていた医師や教師といった人たちの中にも貧困層に転落し、低所得者食糧配給を受けているケースが少なくないことが分かってきました。

今年(2008年)の『文藝春秋』6月号に医療過誤保険の負担で年収が2万ドル以下になった医師のことを書きましたが、それは決してまれなケースではありません。
なぜ中間層、さらには医師までもが転落するようになってしまったのか。

最大の原因は、競争と規制緩和を推し進めて、これまで政府がつかさどっていた、医療や教育さえも市場原理に任せてしまおうとする新自由主義政策にあります。
新自由主義政策はレーガン政権のころから、大企業を減税し社会保障費を減らすという形で展開されてきましたが、特にそれが顕著になったのはブッシュ政権になってからです。
■中間層がしっかりといるときは、競争原理を入れなくても国内でモノが消費されていく。

ところが、中間層が減り、消費が萎んできたとき、それを喚起させるには、より安いモノを海外から入れなければならない。
すると国内の製造業が駄目になり、そこで働いていた中間層が落ちていく。
そういったことが見えてくると、これはアメリカだけの問題ではなく、国を超えて世界で起きていることではないかと考えるようになりました。
■小泉政権で経済財政諮問会議が混合診療や株式会社の病院経営などの解禁を主張していましたが、その根底にあるのは新自由主義そのものです。
アメリカ人からしてみると、日本の国民皆保険は理想的な制度で、なぜそれをわざわざ壊そうとするのか分からない。
■今、アメリカの医師が置かれた状況はひどいものです。開業医で患者さんをたくさん抱えている人以外、特に病院勤務が中心の医師たちは追いつめられています。
特にひどいのは医療過誤訴訟のリスクが高い産婦人科や心臓外科の医師たちです。

年収20万ドルだった外科医が、保険料が18万ドルになったため差し引き年収2万ドルのワーキングプア・レベルにまで転落、廃業に追い込まれた例もあります。
■さらに、保険会社が病院の経営方針に大きく介入するようになり、効率や採算性を優先するその経営手法が医療現場を激しい競争にさらしています。

過剰労働と十分な治療を患者に提供できない罪悪感などから、心や体を病む医師が増えています。
医師はまだ貧困層じゃないからいいじゃないか、と言う人もいますが、経済的には大丈夫でも、心が壊れていくのです。
今、医師の抗うつ薬の使用量は莫大なものになっています。
■国が守るべき国民の生存権は、単に経済的な要素ばかりでなく、誇りを持って働けるとか、人間らしい働き方ができるといったことも含めてのものだと私は思います。

しかし、かつて国が守ってくれていた医師や教師といった社会インフラの要となる人々ですら、国は守ってくれなくなったのです。
3年以上前の記事ですが、今回のTPP問題をあたかも予見しているような内容だったので取り上げさしていただきました。
以下のブログもご覧下さい。

<TPPを問う> 混合診療、現場に賛否
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/39186619.html
 
読んでいただいて有り難うございます。
コメントをお待ちしています。
その他
「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/
(「葦の髄から循環器の世界をのぞく」の補遺版
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
「井蛙」内科メモ帖
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/
(「井蛙内科開業医/診療録」の補遺版)
があります。
  

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