戯れ言たれる侏儒
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CKD患者の心血管疾患予防

戯れ言たれる侏儒 / 2011.11.12 00:48 / 推薦数 : 0
~シンバスタチン+エゼチミブ併用~
CKD患者の心血管疾患を予防
オックスフォード大学臨床試験サービスユニット(CTSU)のColin Baigent教授らは,脂質異常症治療薬のシンバスタチンとエゼチミブの併用は,中等度~重度の慢性腎臓病(CKD)患者の心疾患リスクを低下させるとする試験結果をLancet(2011; 377: 2181-2192)に発表した。
安全性に対する不安ない
スタチン系薬をはじめとする脂質異常症治療薬は,腎臓に問題のない人の心筋梗塞や虚血性脳卒中のリスクを低下させることが明らかになっている。
しかし,腎機能障害を有する人に対するスタチン系薬の効果については不明な点も多かった。
 
今回,試験統括医であるBaigent教授らが発表したSHARP(Study of Heart and Renal Protection)の結果は,昨年11月に開かれた米国腎臓病学会で最初に報告され,話題になったものである。
試験の結果,シンバスタチン+エゼチミ ブ併用群では非致死性心筋梗塞,冠動脈死,非出血性の脳卒中の発生率,および血行再建術施行のリスクがプラセボ服用群と比べて17%低かった。
さらに重要 な点は,この併用に関連した安全性についての不安がなかったことである。
 
1990年代に計画されたこの長期試験は,最終的に18カ国,9,500例を対象とする大規模試験となり,今回の報告で終了となる。
 
同教授は,今回の研究について「CKD患者は腎疾患の治療以外にも,腎疾患の合併症として発生する心筋梗塞や脳卒中の痛み,不安にさらされている。
さらに,腎疾患患者の半数以上は最終的には腎疾患ではなく,心血管疾患で死亡する。
しかし,今回の試験の結果から,シンバスタチンとエゼチミブの併用が有望であることが明らかになった。
これは,現在治療を受けている世界中の多くのCKD患者にとって朗報となろう」と記している。
 
薬剤は危険とする考えが支配
CKD患者は中年人口の20人に1人程度いるとされ,高齢者ではさらに割合が高い。
CKD患者では脳卒中や心筋梗塞のリスクが高いことが知られているが,これらの合併症予防に有効な治療薬についてはまだ明らかにされていない。
 
共同研究者でCTSUのMartin J. Landray博士は「腎障害は心血管疾患の原因となるが,コレステロール値を下げても予防できないと考える医師もいる。
しかし,今回の試験によって,コ レステロールを下げることによりCKD患者の心血管疾患リスクが確実に下がることが示された」と評価している。
 
Baigent教授はこの試験に対して特に個人的な思い入れがあるという。
というのも,同教授自身30年前に腎疾患を発症し,腎移植を受けるまでは透析 生活を余儀なくされた経験を持つからだ。
「わたしと同時期に透析治療を受けていた若年患者の多くは,既に心血管疾患で亡くなっている」と振り返り,「腎疾患患者の心疾患予防に対する薬物治療の開発は,他の疾患患者群と比べて後れを取っている。これは,薬剤が腎障害患者にとってリスクとなるのではないかとい う懸念がどこかに残っているからだ」と述べている。
 
また,「腎疾患患者の治療が,英国保健サービス(NHS)予算の3%以上を占め,その数字が今後確実に上昇することが分かっている今こそ,腎疾患患者のケアを改善する必要がある。
中でも,特に心血管疾患予防の優先順位を上げるべきだ」と付け加えている。
 
出典 Medical Tribune  2011.11.10
版権 メディカル・トリビューン社
 
 
<関連サイト>
シンバスタチンとエゼチミブの併用で慢性腎不全患者の心血管イベント抑制
SHARP試験から
■スタチンの虚血性心疾患や脳卒中などに対する心血管イベント抑制効果は初発予防,再発予防ともに認められ,例えば心筋梗塞後患者においては,再発予防のためにスタチン投与がガイドラインでも強く推奨されている。
一方,腎障害は心疾患に合併しやすいが,腎疾患合併時におけるスタチンの心血管疾患予防効果については一定の見解が得られていない。
特にAURORA試験では,透析患者においてロスバスタチンは心血管死+非致死性心筋梗塞+非致死性脳卒中のエンド ポイントを抑制しなかった(N Engl J Med 2009; 360: 1395-1407)。
■SHARP試験は,腎疾患患者においてスタチン+エゼチミブの心血管イベント抑制効果を初めて示した試験である(Lancet 6月9日オンライン版)。
■SHARP試験では,シンバスタチン20mg+エゼチミブ10mgは,(1)安全に腎障害患者に投与可能,(2)約30mg/dLのLDL-C低下作用,(3)心血管イベント抑制作用―があることが示された。
■前述したAURORA試験の結果により,腎障害患者にスタチンを投与した場合,心血管イベント抑制効果が認められない懸念もあったが,シンバスタチン+エ ゼチミブ群では特に冠動脈血行再建術の抑制効果が強く認められた。
この2つの試験結果の差は,どのエンドポイントが多く見られたかに左右された可能性がある。
例えば,AURORA試験ではイベントの半数が血管死であるが,SHARP試験では心血管死は少ない。
スタチンの冠動脈イベント抑制作用効果は強い が,心血管死抑制効果はやや劣ると考えると説明がつく。

出典 MT pro 2011.6.11
版権 メディカル・トリビューン社

 

読んでいただいて有り難うございます。
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「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/
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