戯れ言たれる侏儒
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心不全症状のある高齢患者
死亡リスクを予測する2つのバイオマーカー発見
リンチェピング大学(スウェーデン・リンチェピング)心血管学科のUrban Alehagen博士らは「血中コペプチン(copeptin)濃度や,同濃度と血中N末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)濃度の組み合わせは,心不全症状を有する高齢患者の全死亡リスクと関連しているようだ」とJAMA(2011; 305: 2088-2095)に発表した。
 
コペプチンは代替マーカー
Alehagen博士らは「心不全症状のある高齢患者を診る際,最も大切なのは高リスクと低リスクの患者を判別することである。そのため,リスクの鑑別に役立つ簡便なツールが必要とされてきた。心筋で産生されるバイオマーカーと中枢で産生されるマーカーを併用すれば,心不全症状のある患者のリスクが特定できるかもしれない。これまでの研究でも,循環器疾患とさまざまなバイオマーカーとの関連や臨床応用化が検討されている」と説明している。
 
脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)は既に確立されているマーカーの1つで,NT-proBNPはBNPの前駆体N末端フラグメントである。
一方,バ ソプレシン(VP)は脳下垂体から分泌される心血管疾患のマーカーで,その血中濃度は心不全患者で上昇し,左室機能不全との相関が示されている。
コペプチンは,VP濃度測定の代理マーカーの候補として最近注目されており,心不全で死亡リスクの高い患者や同リスクの低い患者を特定するのに役立つ可能性があ る。
同博士らは今回,血中のコペプチン濃度およびNT-proBNP濃度と心不全症状を有する高齢患者の死亡率との関連について検討した。
対象は1996年 1~12月にプライマリケアで診察を受けたスウェーデンの高齢患者470例。
全例が息切れ,浮腫,全身倦怠感などの心不全症状を示していた。
血液検査,心 エコー検査などを行い,2009年12月まで追跡した。
 
VPは今後の治療介入の標的
追跡期間(中央値13年)中の全死亡は226例で,そのうち146例が心血管死であった。
コペプチン濃度により患者を四分位に分けたところ,心血管死の 死亡率は最低四分位の26.5%に比べ,最高四分位では46.6%〔ハザード比(HR)1.96〕,全死亡は最低四分位の38.5%に比べ最高四分位では 69.5%(HR 2.04)と高かった。
同様にNT-proBNPでも,心血管死亡率,全死亡率は最低四分位に比べ最高四分位で高かった。
また,最低四分位と各四分位を比較しても,コペプチンとNT-proBNPの濃度は,それぞれ長期の全死亡,心血管死と相関した。
さらに,NT-proBNP濃度が上昇している患者ではコペプチン濃度も上昇している傾向が認められた。
予後に関しては,両マーカーを組み合わせた方がより正確に予測できた。
Kaplan-Meier法を用いた生存曲線によると,全死亡データでは両マーカーの血中濃度がともに低い群の生存率が 63.7%,ともに高い群の生存率が16.5%と顕著な差が見られた。
心血管死データでも,それぞれ74.6%,23.0%と同様の傾向が認められた。
Alehagen博士らは,今回の研究について「当初の目的は,プライマリケアの場でよく遭遇するが他の疾患も併発しているため,たびたび診断に難渋する高齢者集団用のマーカーを突き止めることであった。そこで対象をプライマリケアを受診した集団に限定し,マーカーから得られる予後の情報のみに焦点を合 わせた」と説明。
さらに「今回のデータから,心不全症状を有する高齢患者のコペプチン濃度を測定することで,予後を予測できる可能性が示された。この知見 は,今後VPが治療介入の標的となることも示唆している」と結論付けている。
 
出典  MT Pro 2011.10.13
版権 メディカル・トリビューン社

 
<自遊時間>
ノキア日本法人社員の過労死認定=「24時間体制の勤務過重」―大阪地裁
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111026-00000125-jij-soci
という記事が目にとまりました。
「『24時間、携帯の電源をオンにする勤務体制を求められていた』などとして過労死と認め、遺族補償年金などの不支給処分を取り消した。 」
「時間外労働が1カ月当たり約63~81時間 」
「休暇中や就寝中を含め、顧客からの通信障害などの連絡に24時間いつでも対応しなければならない不規則な状態に置かれた」
「量的にも質的にも過重な勤務だったとして、業務起因性を認めた」
というものです。
我が子は現在後期研修で循環器を専攻していますが、オンコールで病院まで ○分以内でかけつけれる場所から離れてはいけないということになっています。
当然 『24時間、携帯の電源をオンにする勤務体制』です。
インターベンションを行っている病院はどこでも同じ状況のはずです。
重症入院患者もいて二重に、「目に見えない鎖」で縛られています。
今では3Kの1つといわれる勤務医。
診療科によってこの差は大きいのですが、こういった労働環境の改善はどうなっているのでしょうか。
どうにもならないことは分かっているのですが・・・。
当直明けに、ナースが「夜勤明け」で帰っていくのをうらやましく見送った、はるか昔の勤務医時代を思い出しました。

医師の待遇を改善、たとえば自宅待機分やサービス残業をすべて時間外手当をカウントするといったことだけでも医療は崩壊します。(医師以外のパラメディカルの残業はきちんと支払われているかどうかは分かりません。)
ノキアの社員と同等ないしはそれ以上の過酷な労働条件により、現在の医療は支えられていることを再認識させる記事でした。
最近、皮膚科や精神科などへの大学入局者が、女性を中心として増えていると聞きます。
これはこれで賢い(?)選択です。
医師の偏在だけでなく診療科目の偏在も確実に起こっているのです。
 
読んでいただいて有り難うございます。
コメントをお待ちしています。

その他
「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/
(循環器専門医向き)
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ 

があります。  
   
 
 
 
 
 

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