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大動脈狭窄の新規予後予測因子:非侵襲的な心筋線維化の評価とは中等度または高度の大動脈弁狭窄患者に関し、左室心筋中層(midwall)の線維化が、新たな死亡率の独立予測因子となることが示された。英国・ Royal Brompton HospitalのMarc R. Dweck氏らが、非侵襲的に心筋線維化を検出できる心血管MR(CMR)を利用した評価の結果、「midwallの線維化は、左室駆出率よりも予測因子として有用であり、リスク層別化にも有用である可能性が示された」と結論している 。
LGE非検出群と比較してmidwall検出群の全死因死亡ハザード比は8倍Dweck氏らは、大動脈狭窄患者でのCMRによるmidwallと梗塞のガドリニウム遅延造影(late gadolinium enhancement :LGE)検出パターンを評価することを目的とした前向き観察研究を行った。LGEの使用は他の心臓病において、予後不良となることが明らかになっていたが、大動脈狭窄については、評価がされていなかった。対象は、2003年1月~2008年10月に、LGE法でのCMRを受けているレジストリ連続登録された中等度または高度の大動脈狭窄患者143例であった。患者は、LGE検出パターンについて、非検出、midwall、梗塞のそれぞれに分類され、患者調査票、診療記録、国家戦略追跡サービス(National Strategic Tracing Service)を利用し、ブラインドされた独立オブザーバーによる、フォローアップが行われた。おもな結果は以下のとおり。
●143例(平均年齢68±14歳、男性97例)の平均追跡期間は、2.0±1.4年であった。
●その間に、72例が大動脈弁置換術を受け、27例が死亡に至った(心臓病24例、突然死3例)。
●一変量解析の結果、midwall線維化検出群(54例)の全死因死亡率は、LGE非検出群(49例)と比較して、同程度の大動脈弁狭窄重症度および冠動脈疾患にもかかわらず8倍に上ることが示された。
●梗塞検出群(40例)については、6倍であった。
●多変量解析の結果、midwall線維化(ハザード比:5.35、95%CI:1.16~24.56、p=0.03)と左室駆出率(ハザード比:0.96、95%CI:0.94~0.99、p=0.01)は、全死因死亡の独立した予測因子であることが示された。 <監修者 自治医科大学循環器科・苅尾七臣教授のコメント>
本研究は、中等度・高度の大動脈弁狭窄患者では約1/3に、心臓MRIで左室心筋中層(midwall)にガドリニウム遅延造影(LGE)がみられ、その存在は、心機能低下とは独立して、約8倍の心臓死亡の予測因子となること示した貴重な臨床研究である。
重症・大動脈弁狭窄患者は、冠動脈疾患を合併することが多い。
心筋虚血に起因するLGEは心内膜にLGEがみられるが、本研究でも約1/3に心内膜層にLGEがみられている。
心筋中層LGEは、この心内膜LGEの死亡リスクと、同程度以上である点が、注目に値する。
これまでに、拡張型心筋症などでも、この心筋中層のLGEが予後の規定因子であることが示されていた。
心内膜層に見られるLGEは虚血を反映するが、心筋中層のLGEは心筋線維化を反映するといわれており、本研究の剖検例でも組織学的に確認されている。
心筋中層LGEの心臓死亡リスクを軽減できたのは大動脈弁置換術で、リスクを1/4に減少させている。
今後、大動脈弁狭窄患者のリスク層別化と手術時期の判定に、“心筋の質”の評価が取り入れられる可能性が高い。 出典 Care Net. com 2011.10.3
版権 ケアネット社 <循環器・ひとくちメモ>
■ 日本の冠動脈造影のパイオニア 山口 洋先生
「Dr.Sonesのもとで冠動脈造影を修得して帰国し、虎の門病院で冠動脈造影を始めた第一例目が、心尖部肥大型心筋症だった。
(出典; 循環器専門医第19巻第2号 2011.9 P347)<私的コメント> いきなりのセレンディピティー。
2011.10.10撮影 長野・蓼科(標高1650m)入道雲も消え、すっかり秋空になりました。「天高く・・・」 読んでいただいて有り難うございます。 コメントをお待ちしています。 その他 「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/ (循環器専門医向き) ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~ http://wellfrog4.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15 http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~ http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科医向き) 「井蛙」内科メモ帖 があります。
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