戯れ言たれる侏儒
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“ワルファリンと同等に危険な薬”の認識で処方を,桑島巌氏
ダビガトラン出血死亡例問題についてJ-CLEAR理事長として語る
新薬導入直後に重篤な有害事象が発生する連鎖が止まらない。
今年8月,新規抗凝固薬ダビガトラン(商品名プラザキサ)で,同薬との関連が否定できない5例の死亡が報告された。
いずれも高齢者で,重篤な出血が死因と考えられている。
今回の問題を重視した臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR)では,新規抗凝固薬の処方に関する提言をいち早く発表している。
J-CLEAR理事長(東京都健康長寿医療センター副院長)の桑島巌氏は,新規 抗凝固薬導入により心房細動患者における心原性脳塞栓症の予防が進むことを評価しながらも,ダビガトランに対する過信や誤解が不適正処方を招いたことを憂慮。
「実地臨床においては,“ワルファリンと同等に危険な薬”との認識を持って処方してほしい」と呼びかけている。
 
不適切使用の下では出血リスクが高いことが明らかに
――今回の提言に込めたメッセージは何か。
心房細動患者における心原性脳塞栓症を抗凝固療法によって予防することが重要な課題であることは間違いない。
従来薬のワルファリンには,
(1)プ ロトロンビン時間国際標準化比(PT-INR)をモニターするために定期的な採血を必要とする,
(2)ビタミンKを多く含む食品の制限をする必要がある― という使いづらさがあった。
これらの問題を克服したのがダビガトランをはじめとする新規抗凝固薬だが,今回の件で不適切な使用の下では出血リスクが高いことが明らかになった。
 
わたしもダビガトランには大きな期待を抱いており,不適正使用による有害事象のために,せっかくの新薬が使えなくなることを恐れる。
ダビガトランを処方する医師はこの薬の有効性とともにリスクも理解し,患者にインフォームド・コンセントしてほしい。
臨床試験での安全性は実地臨床での安全性とは異なる
――ダビガトランの評価を定めたRE-LY試験(N Engl J Med 2009;361: 1139-1151)の結果をどう理解するか。
安全性(大出血リスク)についてはワルファリンと比べダビガトラン150mg群では同等,110mg群では有意に少ないという結果だったが。
大規模臨床試験に一般的に言えることだが,重大な合併症を持つ者や後期高齢者は試験対象からあらかじめ除外されることが多い
しかし,実地臨床ではこのような患者こそむしろ多いRE-LY試験でも心房細動以外の重大な合併症を持つ患者は除外されており,この結果を実地臨床にそのまま当てはめることはできない。
臨床試験は専門医が専門施設で行うもの,極め付けの適正使用の世界だ。
臨床試験で安全性が証明されたからといって,実地臨床でも安全と安易に考えてはいけない
 
また,RE-LY試験ではPT-INR 2.0~3.0の範囲で調整されたワルファリン群が対照に用いられたが,これが日本人にとって至適なレベルかどうかにも疑問がある。
当センターでは1.5~2.0を目安にしている。
 
なお,PT-INRをモニターする必要ないということがダビガトランの利点として強調されているが,専門医の立場からすると,むしろ欠点として理解したい
“モニターしなくてよい”ではなく“モニターできない”のである。
<私的コメント>
私も最近そう思うようになりました。
ワルファリン処方中の患者さんに毎月きちんとINRを測定している先生が大方とは思います。
しかし、開業医の私は患者の顔色を窺いながら採血をお願いするクセがついています。
そのためINRのチェックは数ヶ月に1回というのが正直なところです。
プラザキサの登場はわれわれ開業医にはピッタリと安易に考えていたことを反省しているところです。
 
心房細動患者では動脈硬化性疾患を合併することが多く,抗血小板薬を併用する割合が高い。
当センターの外来患者では2割に上っている。
<私的コメント> 
ということは、抗血小板薬と抗凝固剤の併用ということになるのでしょうか。
 
高齢者や中等度以上の腎機能障害の割合も高い。
これらはいずれも出血リスクを高める要因だ。
ワルファリンの場合はこのような個々の患者の出血リスクを考慮し,PT-INRをモニターしながら投与量を微調整することで,出血を回避することができた。
ダビガトランの場合,そのさじ加減ができない。
 
“毒にも薬にもなる薬”という認識を医師も患者も持つべき
――PT-INRのモニターが不要ということで,ワルファリン時代には抗凝固療法の経験のなかった医師が多く処方するようになり,その中で重篤副作用が発生したという可能性はあるのか。
ダビガトランが発売されたのは今年3月だが,全国の推定処方患者数は既に6万4,000人に達している。
“夢のような薬”,あるいは降圧薬のような誰もが比較的容易に使いこなせる薬と過信あるいは誤解して,安易に処方した可能性はあるだろう。
しかし,忘れてはいけないのは,ワルファリンもダビガト ランも止血という生理反応に逆らうわけで,文字通り“毒にも薬にもなる薬”だということだ。
実地臨床においては,“ダビガトランもワルファリンも同等に危険な薬”との認識を持って処方してほしい
 中略
1つの考え方として,わたしはダビガトランのような使い方次第で副作用リスクの高い薬剤は,発売後一定期間は処方を専門医に限るべきだったのではないかと思う。
 
高齢,腎機能低下,抗血小板薬使用の2項目以上合致する場合は慎重な対処を
――死亡5例のプロフィールが公表されているが,これを見てどのような印象を受けるか。
全例70歳以上で,うち3例が80歳代,1例が100歳代という年齢構成だ。
腎機能も相当低下しており,驚くことに「不明」という例もある。
(1)高齢者,
(2)中等度の腎機能低下〔推算糸球体濾過量(eGFR)30~50mL/分/1.73m2以下;30mL/分/1.73m2未満は禁忌〕,
(3)抗血小板薬使用
―の3因子のうち2因子以上が併存する患者においてはダビガトランの心原性脳塞栓症予防効果を出血リスクが凌駕する可能性が高く,慎重の上にも慎重に対処する必要がある。
 
今回の重篤副作用続発の背景には,ワルファリンからダビガトランへの切り替えの際,両薬剤の血中半減期の違いが十分に理解されていなかったことも 原因の1つではないかと推測している。
ワルファリンが血中半減期48時間で1日1回投与なのに対し,ダビガトランは血中半減期12時間で1日2回投与切 り替え時に両薬剤の血中濃度が過剰になる時間帯が出現するはずだ。
そのことに細心の注意を払うべきだろう。
 
わたしはワルファリンで特に問題なく,良好に管理されている患者をあえてダビガトランに切り替える必要はないと考えている。
新規処方をする際には,ダビガトランは確かに魅力的だが,適正使用を徹底してもらいたい。
腎機能低下例には今後もワルファリンの選択もありうる。
出血リスクを恐れて,抗凝固療法を行わないのは逆に問題だ。
心房細動患者を心原性脳塞栓症のリスクにさらすことになる。
<私的コメント>  
ここまで読んでクローズアップされた問題点があります。
それは、非弁膜症性心房細動患者の多くは高齢であり、抗血小板療法の適応となる動脈硬化性疾患を合併しているということです。
こういっ症例に抗凝固療法と抗血小板療法の二者択一を行うのか、あるいは併用するかということです。
 
――今後のJ-CLEARの活動は。
臨床試験を正しく評価し,真に実地臨床に役立つ情報を発信していきたい。
抗凝固薬については,ダビガトラン(抗トロンビン薬)に続くⅩa阻害薬で はさらに良好な成績も発表されており,日本に導入される日も近いと思われるが,臨床試験の成績を実地臨床に当てはめる際の原則は同じだと思っている。        (平田 直樹)
  臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR):臨床現場の医師に大規模臨床試験の適正かつ公正な解釈を伝えることを目指して,2010年2月1日に設立さ れた。特定非営利活動法人(NPO)。
医師を中心に薬剤師,製薬企業社員など約180人の会員がいる。10月1日には札幌市でシンポジウム「新規抗凝固薬 の適正使用をめぐって―『諸刃の剣』をどのように使い分けるか―」を開催する
 
出典 MT pro 2011.9.15
版権 メディカル・トリビューン社
 
 
<自遊時間>
昨朝、NHKで日本画家の堀文子のドキュメンタリーを放送していました。
観られた先生も多いのではないでしょうか。
現在93歳。
神奈川県大磯町に独居して創作活動中。
「群れない、慣れない、頼らない」というのがモットーで今も創作活動を続けています。
お仕着せの常識や権威にくみせず、自分自身の価値観と美意識を追求し続けてきた生き方が素晴らしいと思いました。
医学、特に医学会は画壇とどこが違うかというほどに似ています。
「画壇があるのは日本だけ」と番組の中で喝破しています。
孤独を恐れずに自由を求めるその言葉は、私達に勇気を与えてくれます。
中川一政は私の好きな画家で最近展覧会にも出かけました。
彼は独学で画を習得し春陽会という会派に属していました。
一方彼女は女子美術専門学校を出て、会派には属していません。
生き方は違いますが、老年になっても創作意欲は衰えないところは同じです。

ジャズサックス奏者の坂田明氏に顕微鏡でミジンコを見せられて感動するシーンも感動的でした。
ブルーポピーに魅せられてヒマラヤ登山もしています。
何とも好奇心の旺盛な方です。


ヒューマンドキュメンタリー「画家・堀文子 93歳の決意」
http://nhkworldpremium.com/program/detail.aspx?d=20110919081500&ssl=false&c=26
画家 堀文子さん
http://charan-charan123.blogspot.com/2011/09/blog-post_7083.html
堀 文子氏
http://ok2010h.exblog.jp/14591994/
堀文子「ひとりで生きる」堀文子の言葉
http://kitanomori-hacci.seesaa.net/article/152953264.html

 
中川一政
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%B7%9D%E4%B8%80%E6%94%BF
97歳の“正念場” 洋画家 中川一政
http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2011/0313/index.html

坂田明
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9D%82%E7%94%B0%E6%98%8E
 
 

http://acoaco.seesaa.net/category/2312825-4.html
 


この先
どんなことに驚き
熱中するのか
私のなかの未知の何かが
芽を吹くかもしれないと
これからの初体験に期待がわく
私にはもう
老年に甘えている
ひまなどないのだ


美というものは
役に立たないように見えるが
それでいいのだと思う
役に立ったら欲と結びついて
美は消えてしまうだろう
美は
かたらないもので柔らかく
仰々しい姿を見せない
では いったい何だろうと
考えてみれば
永遠に輪廻する命
ということになるだろう




 
 
読んでいただいて有り難うございます。
コメントをお待ちしています。
その他
「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/
(循環器専門医向き)
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
「井蛙」内科メモ帖 
があります。 
 

 
 
 
 

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