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きょうのタイトルの内容は、2011.8.7の当ブログで勉強した論文と同じソースです。 たこつぼ心筋症の症状は多様http://blog.m3.com/reed/20110807/1医学雑誌により同じ論文でもフォーカスの当て方が違うのは新聞記事と同様です。 読み比べてみるのも一興と思って勉強し直してみました。 たこつぼ型心筋症に多様な臨床的特徴初の大規模臨床研究で明らかにライプチヒ大学(独ライプチヒ)内科学のIngo Eitel博士らは,ストレスが引き金となって発症する一過性の急性心不全であるたこつぼ型心筋症(stress cardiomyopathy;SC)の臨床的特徴を大規模集団で初めて調査した。その結果,若年患者や男性患者,引き金となるストレス事象のない患者など,臨床的特徴はこれまで知られていたものより幅広いことが分かった。詳細はJAMA(2011; 306: 277-286)に発表された。<私的コメント>たこつぼ型心筋症が「ストレスが引き金となって発症する」という定義でありながら、ストレス事象のない患者がいる、というのは何だか禅問答のようです。ストレス(心理的、身体的)の定義自体もはっきりしません。この論文に意義を見出すとすれば、 「stress cardiomyopathy(SC)という呼称は引き下げるべき」という結論にすることではないでしょうか。 71%でストレス事象を同定SCは著明な冠動脈疾患が認められない急性で重度ではあるが,可逆性の左室機能不全で,閉経後女性に多く発症する。この疾患の臨床的特徴は単一施設の小規模集団では検討されているが,多施設の大規模集団のデータはこれまで報告されていない。また,入院時に速やかに診断を確定することも依然として難 しい。 そこでEitel博士らは今回,SCの臨床スペクトルを包括的に定義し,SCが疑われる患者の診断における心血管核磁気共鳴法(CMR)による検査に基づく指標の有効性を検討するため,2005年1月~10年10月に欧州と北米の三次医療センター7施設で前向き試験を実施。連続するSC患者256例を対象に,急性症状を呈して最初に来院した時点と,その1~6カ月後の2回評価を行った。 対象となったSC患者の平均年齢は69歳で,女性が89%(227例),閉経後女性が81%(207例)であった。50歳以下の女性は20例(8%)で,男性も11%存在した来院前の48時間以内に重大なストレス事象が同定できた患者は71%(182例)で,内訳は心理的ストレスが30%, 身体的ストレスが41%であった。また,最初の来院時に心電図異常が87%に認められた。冠動脈造影では,193例(75%)の冠動脈が健康と判定され た。CMR画像では全例に左室心尖部のバルーン状拡張と中等度~重度の左室機能低下が認められ,バルーン状拡張では4つの異なるパターンが同定された。 画像に基づく4基準で診断可能また,SCはCMR画像に(1)典型的パターンの左室機能不全(2)心筋浮腫(3)著明な壊死あるいは線維形成がない(4)心筋炎症のマーカーが 見られる-という基準を適用することで正確に同定できることが分かった。追跡評価時のCMR画像では,全例で左室駆出率の完全な正常化と著明な線維形成を伴わず,炎症マーカーが認められた。 今回,発症前のストレス事象が明確に同定できたのは全体の3分の2のみであったが,以前の報告では89%とこれより高率であった。このことから,Eitel博士らは「ストレス事象が同定できなくてもSCの可能性は排除されないため,SCの誘発機序は血管系や内分泌系,中枢神経系の関与など,これまで報告されていたよりも複雑と考えられる。こうした臨床面での多様性がSCの認識をあいまいにし,治療方針に影響を与える可能性がある。そのため,今回明らかになったSCが広い臨床スペクトルを持つという結果について十分認識することは,SCが疑われる患者を正しく診断,治療する上で不可欠である」と指摘。さらに「CMR画像はSCの診断に有益で,SCに関連する機能と組織のすべての変化を検証できる可能性がある。したがって,急性症状が現れた時点で直ちにこの検査によりSCを診断することや,SCの可能性を排除することが可能かもしれない」と述べている。 出典 Medical Tribune 2011.9.1版権 メディカル・トリビューン社 <私的コメント>諸外国では
stress induced cardiomyopathy
broken heart syndrome
neurocardiogenic stunning
neurogenic stress cardiomyopathy
neurogenic stunned myocardium
apical balooning などと呼ばれているようです。このように、統一的呼称呼称がないので何となくすっきりしません。AHAではどのような病名になっているのでしょうか。 「外因性のカテコラミン過剰投与による心筋障害はたこつぼ心筋症の病態モデルの一つ」ということになっているようです。個人的な話になって恐縮ですが、在局中に心筋肥大を起こす目的でイソプロテレノールをラットに注射して、サクリファイス後に心筋重量/体重をコントロールのラットと比較したことがありました。心筋をホモジネートしてNEやcyclic AMP などを測定したのですが研究目的も曖昧なままの実験だったので地方会で1回発表しただけになってしまいました。ラットには申し訳ないことをしたと思っていますが、今にして思えば「たこつぼ心筋症」の実験をしていたことになります。心筋を部位別に検討すれば少しはまともな研究になっていたかも知れません。もちろん、当時には「たこつぼ心筋症」の概念はありませんでした。要するに 、私のような凡人にはセレンディピティがなかっただけの話なんです。
<心臓MRI検査 関連サイト>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%B8%E7%A3%81%E6%B0%97%E5%85%B1%E9%B3%B4%E7%94%BB%E5%83%8F%E6%B3%95■心臓MRI検査ではシネMRI(cine MRI)による左室収縮能の評価、遅延造影MRIによる心筋梗塞や心筋線維化の評価、冠動脈MRAなどが知られている。■cine MRI心電図同期を利用して心臓の動きを1心拍16~40コマの動画として撮影する方法である。SSFP法(ステディー・ステート・フリープリセッション法)では造影剤を用いないでも高い血液信号が得られる。2010年現在、最も正確な心機能測定法とされている。心基部から心尖部まで連続した短軸シネ MRIを撮影しシンプソン法を用いて左室容積、左室駆出率や左室重量を計測する。 ■遅延増強効果Gd造影剤を静注して約10分後撮影する方法を遅延造影MRIという。正常心筋が低信号を示すが梗塞心筋や線維化が認められた場合は高信号を示す。糖尿病患者の無症候性心筋梗塞など心臓超音波検査でも検出ができない病変の検出も可能である。 冠動脈MRA(whole heart coronary MRA)■16列マルチスライスCTとほぼ同等の検出率を示すが撮影時間が10分以上と長い。64列マルチスライスCTと比較すると診断感度がやや劣るとされている。3TのMRIでは64列マルチスライスCTに匹敵すると考えられている。 <私的コメント>
最近、循環器関連の講演会に出席すると、動画で説得力のあるシネMRIのプレゼンテーションがしばしばあります。とてもimpressiveです。開業医にわからないことは、この検査方法がどのくらい普及しているのか(臨床現場で普通に使用されているのか)、どこの医療機関でやってもらえるのか、適応はどのあたりまで認められるのか、保険適応があるのか、自己負担はいくらぐらいなのか、といったことです。
<たこつぼ心筋症 関連サイト>たこつぼ心筋症の成因http://blog.m3.com/reed/20100701/1 たこつぼ心筋症http://blog.m3.com/reed/20070831/1
たこつぼ心筋症 その2
http://blog.m3.com/reed/20070929/1たこつぼ心筋障害
http://blog.m3.com/reed/20100817/1たこつぼ心筋症の症状は多様
http://blog.m3.com/reed/20110807/1 <自遊時間 その1> 本日のgoogleホリデーロゴはフレディマーキュリーでした。http://www.youtube.com/watch?v=VfVAcw0ZJW4
http://www.youtube.com/watch?v=a-AvdINht5U <自遊時間 その2> ちょっと前の新聞に、天野祐吉氏のエッセイが出ていました。東日本大震災の被災地の人達へのお見舞いのメッセージを込めたサントリーのCMについてです。
「上を向いて歩こう」と「見上げてごらん夜の星を」を、サントリー一座(伊右衛門など、サントリーのCMに所縁のある人達)のすごい顔ぶれでやっていること、そしてこの顔ぶれに一貫した好みがあって、”サントリー調”というトーンを作り出している、という内容でした。
世の中にはイメージ作りに成功した商品が数多くあります。
昔のメルセデス、現代ではアップル社の製品。
飲み物ではやはりサントリーがトップでしょうか。
オーディオ製品もアイデンティティーのある製品も数多くあります。
音の善し悪しは別として、CMはあまり見かけませんが、YAMAHAなんかもデザイン的に一貫性を持っていて感心します。
トレンツ・リャド ライの薔薇
http://blog.livedoor.jp/miles1950/archives/1093168.html
(当院ではリャドのリトグラフが3作あって待合室に時々飾っています。)
読んでいただいて有り難うございます。コメントをお待ちしています。 その他に「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/(循環器専門医向き)ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy(一般の方または患者さん向き) 井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~http://wellfrog4.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15http://wellfrog3.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~http://wellfrog2.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科医向き) 「井蛙」内科メモ帖 があります。
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