戯れ言たれる侏儒
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< 無症状の大動脈弁狭窄症への外科手術 | メイン | 無症候性頸動脈狭窄症の脳卒中リスク >

心血管疾患既往患者は低用量アスピリン療法の継続を
スペイン薬剤疫学研究所(マドリード)のLuis García Rodriguez博士らは,英国のプライマリケア関連のデータベースを用いた研究から,心血管疾患既往歴のある患者がアスピリンの服用を中止すると,非致死的心筋梗塞リスクが高まることが分かったとBMJ(2011; 343: d4094)に発表した。
 
中止で非致死的心筋梗塞のリスクが約60%増加
心血管疾患既往歴のある患者には,血栓予防のために低用量アスピリンの服用が推奨されているが,中止率は50%に上る。
 
これまでに複数の研究で,低用量アスピリンの服用中止が心血管疾患リスクの上昇をもたらすことが示されているが,低用量アスピリンの服用中止が心筋梗塞リスクや冠動脈疾患による死亡リスクに及ぼす影響について,一般住民を対象に検討した研究は少なかった。
 
そこで,同博士らは今回,英国でのプライマリケアの記録を保存している大規模データベースであるHealth Improvement Networkの登録データ(3万9,513例)を用いてコホート内症例対照研究を行った。
対象は50~84歳で,2000~07年に心血管イベントの二 次予防のためにアスピリン(75~300mg/日)の服用を開始した者とした。
低用量アスピリンの中止群と継続群における非致命的心筋梗塞リスクおよび冠動脈性心疾患(CHD)による死亡リスクを比較した。
 
平均3.2年間の追跡期間中に876例が非致死的心筋梗塞を発症,346例がCHDにより死亡した。
解析の結果,継続群と比べた中止群の非致死的心筋梗塞とCHD死の複合発生率比(RR)は1.43〔95%信頼区間(CI)1.12~1.84〕と有意に高かった。
そのうち,非致死的心筋梗塞のRRは 1.63(95%CI 1.23~2.14)と有意であったが,CHD死のRRは1.07(同0.67~1.69)で有意ではなかった。
なお,この関連性は低用量アスピリンの投与期間に関係なく認められた。
また,中止群では継続群と比べ,1,000人年当たりの非致死的心筋梗塞の発症が約4例多かった。
<私的コメント> 「約4例多かった」という文面の、」も「4例」の意味もよくわかりません。
統計学的にも「約4例」はどうなんでしょうか
 
服用継続の指導を
今回の研究では,低用量アスピリンの服用中止を回避することで,一般住民にはアスピリン療法による便益をさらに享受できる余地があることが示された。
同博士らは,今後さらに研究を進め,患者に低用量アスピリン療法の継続を指導することで非致死的心筋梗塞リスクを低減できるか否かについて検討する必要があるとしている。
モデナ・レッジョ・エミリア大学(伊モデナ)のGiuseppe Biondi-Zoccai助教授らは,同誌の論評(2011; 343: d3942)で「今回の研究結果は極めて重要で,アスピリンの服用中止が悪影響をもたらすことを示した以前の研究結果を支持するものである」と強調。「患者には服用中止の指示がない限りは低用量アスピリンの服用を継続するよう指導すべきである」と述べている。
 
出典 Medical Tribune 2011.8.25
版権 メディカル・トリビューン社

 
<私的コメント>
この結果は、日本人の場合にもそのままあてはまるものでしょうか。
日本人は欧米人に比べて心筋梗塞後の予後が良い、という事実があるため心筋梗塞の再発の際にも致死的にならないかも知れません。
1994年に,心筋梗塞慢性期における抗血小板薬の効果に関する研究の成績が発表されました。
急性心筋梗塞発症後1か月以降の症例でアスピリン群と対照群に分けて比較検討したところ,アスピリン群で有意に再梗塞の発生が抑制されることが明らかになりました。

たしかに低用量アスピリンが心筋梗塞の二次予防に有効という結果でしたが、Ca拮抗薬やβ遮断剤(欧米ではβ遮断薬が推奨されている)との比較をした論文はあるのでしょうか。
どちらも主役かも知れません。
またどちらかが「下支え」かも知れません。
アスピリンには抗血小板作用に加えて抗炎症作用がある、といわれています。,
この抗炎症作も心血管イベント抑制に寄与していると考えれば、興味深い結果だと思いました。
以前に、アスピリンとチクロピジンの併用療法が心筋梗塞再発予防に有効である、という2種類の抗血小板剤併用の有用性が書かれた記事を読んだ覚えがあります。
こういった目的で、たとえばアスピリン+プラビックスといった処方をするのはどうなんでしょうか。
開業医としては、保険請求が可能かどうかが一番気になるところです。
 
 <参考>


 
 
 
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2002/M3526201/
 

 
読んでいただいて有り難うございます。
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