戯れ言たれる侏儒
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ABPMによる血圧測定は心血管・腎リスク予測に有効
ナポリ第2大学(伊ナポリ)のRoberto Minutolo博士らは「自由行動下血圧測定(ABPM)による血圧データは,透析を必要としない慢性腎臓病(CKD)患者の末期腎不全(ESRD),死亡,入院を要する心血管イベントなどのリスクを診療室血圧測定よりも正確に予測できる」との研究結果をArchives of Internal Medicine(2011; 171: 1090-1098)に発表した。
 

夜間DBP≧70mmHgは心血管・腎リスクを予測
ABPM装置は衣服の下に装着して使用し,24時間自動で繰り返し血圧を測定することが可能だ。
収集されたデータは病院で分析される。
ABPMは,来院するだけで血圧が上昇する“白衣高血圧”の軽減に有効とされている。
この現象はCKD患者で特に多い。
さらに,身体的・精神的ストレスなどから解放される夜間の血圧は,患者の実際の血圧と心血管リスクをよく反映することも示されている。
 
そこでMinutolo博士らは今回,イタリアの4つの腎臓病クリニックでルーチンに血圧検査を受けているCKD患者を対象に,ABPM法により測定した血圧(ABPM血圧)と診察室で測定した血圧(診察室血圧)の役割を比較する前向きコホート研究を実施した。
 
2003~05年に436例を登録し,朝の来院時に3回血圧を測定後,ABPM装置を装着。
日中は15分ごと,夜間は30分ごとに測定し,翌日の来院時に診察室でさらに3回測定した。
また,測定データの解釈を助ける手段として,患者にその日の活動について日記を付けてもらった。
その後,重篤な腎イベントと心血管イベントの発現について追跡した。
 
その結果,中央値4.2年の追跡期間中,86例がESRDに至り,69例が死亡した。
また,非致死的な心血管イベントが63件あり,心血管イベントによる死亡は52例だった。
 
腎リスクと心血管リスクは,ABPM法で測定した日中の収縮期血圧(SBP)が135mmHg以上の参加者で最も高かった。
拡張期血圧(DBP)が最高五分位の参加者,夜間SBPが124mmHg以上の参加者でもこれらのリスクは高かった。
さらに,夜間DBP 70mmHg以上は,心血管イベントとESRDの予測因子となることが分かった。
反対に,診察室血圧(SBPとDBP)は心血管イベントも腎イベントも予測しなかった。
今回の研究では,ABPM血圧は,CKD患者における重篤な腎イベントと心血管イベントを予測する上で診察室血圧よりも有益で,その的中率は他の危険因子と独立していることが示された。
 
同博士らは「この高リスク集団を対象に,診察室血圧ではなく,ABPM法による血圧に基づいた介入試験を実施することが早急に求められる」と結論している。

 
心血管・腎リスクは相互に関連
キング保健パートナー・ガイ病院(ロンドン)のDavid Goldsmith博士らは,同誌の付随論評(2011; 171: 1098-1099)で,CKD患者にとって,血圧モニタリングは極めて重要だと強調している。
同博士によると,腎リスクと心血管リスクは相互に関連し,高血圧はそれらに共通する危険因子の1つである。
実際「CKD患者では,透析が必要となるまで 病態が進行して死亡するのと同程度かそれ以上の割合が,心血管疾患が原因で死亡する。透析に至った“生存者”の多くが心血管疾患で死亡する」と説明してい る。
そのため,同博士はABPM法による血圧モニタリングがCKD患者のケアにおいて重要だと指摘。
特に,白衣高血圧の割合が高かったことを考慮すると,ABPM法の重要性はいっそう高まると述べている。
 
出典  MT Pro 2011.8.18
版権 メディカル・トリビューン社

 
<私的コメント>
この論文紹介では、研究対象のCKDのステージ分類別の記載がありません。

以下の関連サイトでは「平均糸球体濾過率は、42.9mL/分 」と記載されています。
しかし、ステージ分類別のリスクやABPMの結果の解析はされているのでしょうか。
「ESRD,死亡,入院を要する心血管イベントなどのリスク」検出にはABPMによる血圧モニタリングが、診療室血圧測定より有用である、というだけの結論のようです。
ステージ別のABPMによるリスク検出能が検討されていれば、もう少し興味深い論文になったのではないでしょうか。
さらには、ABPMによる血圧がCKDのリスク評価が有用ということであれば、CKDの予後は血圧に依存するということになります。
「蛋白尿の有無や程度」と「血圧」では、後者がCKDの予後により大きく関係する、ということも、この論文からはわかりません。
CKDという、特定の集団だからこそこういったABPMの優位性が出たのか、高血圧患者にも同様に、この結論があてはまるのか?
これもわかりません。
 
以前から繰り返し書かせていただきましたが、CKDの概念自体が未だに私にとっては謎です。
体重を考慮しないで、性別と年齢とクレアチン(いずれシスタチンCにとって変わる?)で算出するeGFRも謎です。
(身長を考慮せず腹囲のみで内臓肥満を予測するダメポ健診も同様)
 
<関連サイト>
携帯型24時間血圧モニタリングは腎臓病患者のリスクプロファイリングに有用
http://www.kanematsu-rmn.jp/news/daiichisankyo/news2.php?mode=jpview&num=201106290053526

(今回の論文に関する補足的なものです)
■「この技術を用いれば、夜間に血圧を測定することで、腎臓病の進行リスクと致死的/非致死的心血管事故のリスクが最も高くなる夜間高血圧を有する患者を特定できる。我々の施設では、高血圧を有するCKD患者全員に、年に1度、ABPMを実施している」とDr. Roberto Minutoloは補足した。
■プロスペクティブコホート研究。
■験者の平均年齢は65歳で、42%が女性であり、36%が糖尿病、30%が心血管疾患を発症していた。
平均糸球体濾過率は、42.9mL/分であった。
■日中の収縮期血圧が136~146mmHgの被験者と146mmHg超の被験者では、追跡調査期間中の心血管イベン トの補正後リスクは、それぞれ2.23倍と3.07倍に上昇していた。これら2つの五分位群では、腎死リスクも上昇しており、ハザード比(HR)はそれぞ れ、1.72と1.85であった。
■同様に、日中の拡張期血圧が最高五分位(84mmHg超)であった被験者群では、心血管イベントリスクは2.55倍、腎死リスクは2.67倍に上昇した。
■夜間の収縮期血圧が125~137mmHgである場合は、心血管イベントリスクは2.52倍に上昇しており、夜間の収縮期血圧が137mmHg超の場合、同リスクは4倍に上昇した。腎死に関して両群のHRは、それぞれ1.87と2.54であった。
夜間の拡張期血圧が70~75mmHgまたは75mmHg超の場合は、心血管イベントリスクは、それぞれ2.00倍、2.38倍上昇しており、腎死は、それぞれ1.48倍、1.81倍上昇していた。
■診療所血圧では、収縮期血圧、拡張期血圧のいずれでも心血管イベントも腎イベントも予測されなかった。
■同研究者らは、non-dipperとreverse dipperのサブグループで、両エンドポイントのリスクが有意に上昇することも観察した。
■ABPMを実施するために追加的にかかる時間や手間、費用が正当化される患者群である選択的コホートが存在する。
今回の新規研究により、CKDを有する今回の被験者については、そうした主張がますます説得力のあるも のとなっている。

 
<自遊時間>
ドクブロ(ドクターズ・ブログ)が紹介するピックアップブログ 
思わず辞書英単語 バースディ (英文医誌+α)
http://blog.m3.com/EW/

(英検挑戦者用?)
どくとるMIHIの、何言ってんだか
http://blog.m3.com/DocMIHINani/

(勤務医限定?)

 
2011.8.21撮影 ヒルトン大阪 午前9時40分
http://www.hilton.co.jp/osaka?WT.srch=1
http://hiltonjapan.ehotel-reserve.com/hilton-osaka/
 
読んでいただいて有り難うございます。
コメントをお待ちしています。

その他
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