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出血性副作用死亡例受け、販売元がブルーレターで注意喚起抗凝固薬ダビガトラン(商品名プラザキサ、2011年3月発売)を服用し、因果関係を否定できない重篤な出血性副作用を起こした患者が8月11日までに81例報告され、そのうち5例が死亡したことから、製造販売元の日本ベーリンガー インゲルハイムは厚生労働省の指示を受けて安全性速報(ブルーレター)による注意喚起と添付文書の改訂を行った。
死亡したのは、70歳代男性1人、80歳代女性3人、100歳代女性1人。うち4人は心房細動のほか、腎障害や心不全など複数の合併症を有していた。1例目の死亡例(80歳代女性)が報告された6月にも、同社は厚労省の指示を受け、高齢者や腎障害のある患者に対して慎重投与を求める「適正使用のお願い」を配布していた。
今回のブルーレターでは、以下の項目について改めて注意を喚起した。
(1)患者の状態(腎機能、高齢者、消化管出血の既往など)による出血の危険性を考慮し、投与の適否を慎重に判断する。投与中は出血や貧血などの徴候を十分観察し、これらの徴候が認められた場合には直ちに適切な処置を行う。
(2)患者に対し、出血しやすくなることを説明し、鼻出血、歯肉出血、皮下出血、血尿、血便など異常な出血が認められた場合には直ちに医師に連絡するよう指導する。
(3)投与前は必ず腎機能を確認し、投与中は適宜、腎機能検査を行い、腎機能の悪化が認められた場合には投与の中止や減量を考慮する。
添付文書の改訂に当たっては、警告欄を新たに設け、上記(1)の項目を記載するとともに、「慎重投与」の対象として、「P-糖蛋白阻害薬[経口剤]を併用している患者」(ダビガトランの血中濃度が上昇する恐れがある)を追記するなどした。
添付文書の相互作用欄には、併用に注意すべきP-糖蛋白阻害薬として、イトラコナゾール(併用禁忌)、ベラパミル、アミオダロン、キニジン、タクロリムス、シクロスポリン、リトナビル、ネルフィナビル、サキナビル、クラリスロマイシンなどが記載されている。
ダビガトランは非弁膜症性の心房細動患者における脳や全身の塞栓症の発症抑制を適応とする国内初の経口直接トロンビン阻害薬であり、ワルファリンと異なり血液凝固モニタリングが不要であるなど使い勝手が良いことから、3月の販売以降、処方数が伸びており、現在の推定使用患者数は約6万4000人。
同薬は腎排泄型の薬剤であるため、腎機能に障害があると薬剤の血中濃度が上昇し、出血性副作用が発生しやすいことは開発段階から分かっており、従来の添付文書においても高齢者や腎障害のある患者に対しては慎重な投与を求めていた。 (財)心臓血管研究所所長・付属病院長の山下武志氏は、「ダビガトラン使用と因果関係が否定できない今回の死亡例の内容を見ると、いずれも高齢者であり、高度の腎機能障害例、腎機能不明例を含むだけでなく、年齢とクレアチニン値から腎機能障害を合併していると推定される症例が目立つ。ダビガトランはその 80%を腎排泄に依存する薬物であり、クレアチニンクリアランス30mL/分を下回る患者に投与禁忌であり、30〜50mL/分の患者でも慎重な投与を要すること、特に高齢者はクレアチニン値から感じられる以上にクレアチニンは低下していることを処方する医師は改めて認識する必要がある。例えば、 eGFR(推算糸球体濾過量)という、クレアチニンクリアランスより低めに出る厳しい基準をクレアチニンクリアランス値として用いながら適応を判断することも一つの安全対策になる」と話している。 出典 NM online 2011.8.19版権 日経BP社 <私的コメント> 2011.8.22 PM11追加奇しくも今日の昼、B社のMRさんがダビガトランのブルーレターを持って来ました。 死亡例5例について、「全例が慎重投与ないし投与禁忌例に該当する」とのこと。はたして本当だろうか。これらの症例を添付文書改定前の文面で深読みする必要がありそうです。添付文書は薬剤を投与するわれわれ医師にとってはいわばバイブルです。ドラッグラグの問題が取り沙汰されて来ましたが、ダビガトランに関しては製造認可や薬価収載が早すぎる気がします。 F社の末梢性神経障害性疼痛治療剤リリカ(一般名プレガバリン) についても問題があります。死亡例が15例もあるのにかかわらず 「バイブル」には「通常、成人には初期用量として1日150mgを2回に分けて経口投与」と記載されています。この初期量は明らかにオーバードーシスです。MRさんも「1日50mgを2回に分けて経口投与(25mg×2)」を推奨しています。「バイブル」通りに投与するととんでみない結果を招きます。厚労省のお役人さん、早く対処して下さいよ。 話は脱線しましたが、ダビガトラン投与患者にaPTT (80秒以内にコントロール?)の検査をして支払基金で、はねられるか認められるかをMRさんに訊きました。ブルーレターを引っぱり出して 「本剤による出血リスクを正確に評価できる指標は確立されておらず、・・・、本剤投与中は、血液凝固に関する検査のみならず、出血や貧血等の徴候を十分に観察すること。」の部分を指差しました。二人で読みましたが、 「血液凝固に関する検査」を認めながら「正確に評価できる指標は確立されておらず」という矛盾に満ちた文章にアホらしくなってしまいました。諸先生方はaPT検査は行われますか? <自遊時間> 昨日、F社主催の「富士山シンポジウム 臨床現場からエビデンスを発信する!」(ヒルトン大阪 午前10時〜12時) の講演を聴きに言って来ました。座長 愛媛大学 檜垣實男 教授基調講演 琉球大学 植田真一郎 教授 「臨床研究を成功させる鍵は?」 勤務医や開業医なども、日頃の臨床体験で疑問に思ったことを是非臨床研究という形にして欲しい、という内容です。企業色を余り感じさせない点(但し「第1部 実践者が語る臨床研究」はアムロジピンを持ち上げていました) で好感の持てる講演会でした。どうしてこのような企画がされたのかは、ちょっと不思議ではありましたが、来年も第2回が行われるようです。
2011.8.21撮影 ヒルトン大阪 午前9時40分 読んでいただいて有り難うございます。コメントをお待ちしています。 その他「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/(循環器専門医向き)ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy(一般の方または患者さん向き) 井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~http://wellfrog4.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15http://wellfrog3.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~http://wellfrog2.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科医向き) 「井蛙」内科メモ帖 があります。
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