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ダビガトランの副作用による死亡例報告で警告欄追加厚生労働省は8月12日,直接トロンビン阻害薬ダビガトラン(商品名プラザキサ)の服用で,薬剤との関連が否定できない出血性副作用による死亡例が5例報告されていたとして改めて注意喚起を行った。これを受け,発売元の日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は安全性速報(ブルーレター)を出し,添付文書に警告欄を新たに設けるなどの対応を行うことを明らかにしている。一方,同じ日には日本循環器学会が「心房細動における抗血栓療法に関する緊急ステートメント」を発表した。 6月「重篤副作用はワルファリンからの切り替え症例多い」とも同薬の適応症は,非弁膜性心房細動患者における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制。今年(2011年)3月の発売以来,約6万4,000 人に使用されている。従来薬(ワルファリン)に比べ,用量調節は原則不要で,食事や薬剤との相互作用が少ないことが特徴。そのため,ワルファリンの使用が 難しかった患者の治療が可能になるとして,臨床現場の期待を集めている。 もともと同薬の適応症の患者年齢は高齢であることが多く,新しい機序の薬剤であることから,発売から間もない6月に厚労省や販売元は適正使用のお願いを出している。その時点では3例の重篤な出血性副作用の症例があったことが明らかにされており,うち1例は死亡している。また,同文書には「重篤な副作用はワルファリンからの切り替え症例に多く見られた」と記されている。 正確な出血リスク評価指標は未確立,慎重な判断と十分な観察を今回の発表では,発売後から8月11日までに新たに4例の死亡例が報告されたことが明らかになっている。全5例の死亡時年齢は70歳代1例,80歳以上が4例で,男性1例,女性4例。 厚労省が今回指示した主な改訂内容は,警告欄として以下の文章を追加すること。 本剤の投与により消化管出血等の出血による死亡例が認められている。本剤の使用にあたっては,出血の危険性を考慮し,本剤の投与の適否を慎重に判 断すること。本剤による出血リスクを正確に評価できる指標は確立されておらず,本剤の抗凝固作用を中和する薬剤はないため,本剤投与中は,血液凝固に関する検査値のみならず,出血や貧血等の徴候を十分に観察すること。これらの徴候が認められた場合には,直ちに適切な処置を行うこと。(厚労省8月12日付文 書「使用上の注意」の改訂内容) さらに,腎障害,併用薬,高齢者や消化管出血などに関する慎重投与の記載も強化されている。厚労省は患者の安全確保のため,(1)同薬の投与前か ら投与中の腎機能検査を行うこと,(2)出血や貧血等の徴候を十分に観察し,出血が見られた場合には適切な処置を行うこと,(3)出血(鼻出血,歯肉出 血,皮下出血,血尿や血便)などの徴候が現れた場合は直ちに医師へ連絡するよう患者に指導すること—が重要としている。(坂口 恵) 出典 MT Pro 2011.8.15
版権 メディカル・トリビューン社 昨日速達で届いた安全性速報(ブルーレター)
日本循環器学会,ダビガトラン適正使用推進に関する緊急声明http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1108/1108043.html■日本循環器学会は8月12日,「心房細動(AF)における抗血栓療法に関する緊急ステートメント」を発表した。この声明は同日,経口直接トロンビン阻害薬ダビガトラン(商品名プラザキサ)との関連が否定できない出血性副作用による死亡例が報告されたとして,安全性速報ならびに添付文書改訂が行われた(関連記事)ことを受けて出されたとみられる。
■緊急声明の責任者である「心房細動治療(薬物)ガイドライン(2008年改訂版)」班長の小川聡氏(国際医療福祉大学三田病院院長,慶應義塾大学名誉教授)は今回の緊急声明発表に至った経緯として,次のような背景を挙げている。
(1)米国,カナダではダビガトラン発売直後にAFガイドライン改訂が行われ,同薬が未発売の欧州でもガイドラインにワルファリンの代替療法としての記載があるなど,同薬がAF治療を大きく転換させる薬剤であること
(2)RE-LY試験で,同薬がワルファリンに比べ出血事象を増加することなく,脳卒中や全身性塞栓症発症率を同等もしくはそれ以上に低下させた事実は,AF診療において積極的にダビガトランによる抗凝固療法を推進する要因となる
(3)一方,禁忌症例への投与も含め,重篤な出血事例が報告されており,薬剤の特性を十分理解した上で適正使用の重要性を循環器専門医として発信していくことが重要
その上で,現在,同薬の承認の根拠となるRE-LY試験の結果を踏まえ,新たにダビガトランの使用を「推奨」あるいは「考慮可」とする適応の考え方について新たな提案を示している(図)。
声明では出血性合併症が起きた時の対応として,血漿分画製剤の使用法や透析,胃洗浄などを考慮すること,ワルファリンからの切り替え例に関する対応についても言及している。

■ワルファリンからの切り替えについては,今年6月に販売元が出した適正使用の注意喚起によると,重篤な副作用が報告された症例ではワルファリンからの切り替え症例が多く認められていることも明らかになっている。
■これに関連して,「循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン(2009年版)」策定班班長で,RE-LY試験にも参加した堀正二氏(大阪府立成人病センター総長)は7月末の同社取材に対し,次のような見解を示している(関連記事)。
●同薬のベネフィットが最も大きい患者プロフィールとして「ワルファリンが使いにくい,これまで使えなかった患者」
●コスト面のバランスなどから「ワルファリンで問題なく管理できている場合には,あえて切り替える必要はない」
■実際,今回の声明においてもRE-LY試験の結果が「ダビガトランによる抗凝固療法を積極的に推進する要因」に結び付くとする一方で,「同試験に登録された日本人患者は326例のみであったことを忘れるべきではない」と安易な使用拡大に警鐘を鳴らす姿勢も見せている。
郵送されたブルーレターに同封されていた今回の経緯は書かれた文面の主旨■8月12日(金) 夜、厚労省より添付文書改訂と安全情報提供の指示があった。■発売以来、推定患者約6万4千人に処方されたが、本剤との因果関係が否定できないとされる重篤な出血性の副作用を発現した死亡症例が5例報告されている。■本情報は8月13日には一般紙朝刊でも報道され、患者さんも周知している可能性がある。 読んでいただいて有り難うございます。コメントをお待ちしています。 その他「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/(循環器専門医向き)ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy(一般の方または患者さん向き) 井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~http://wellfrog4.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15http://wellfrog3.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~http://wellfrog2.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科医向き) 「井蛙」内科メモ帖 があります。
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使用例数が約6万人(もちろん中止症例もあり)、うち重篤な出血による死者が5人ということで、単純概算1万人に1人未満であり0.01%以下。
ある意味「予期された範囲内」でもあるでしょう、と答えておきました。別に使用中止するつもりもありません。
大出血を起こした症例はいずれも腎機能障害を考慮せず、通常用量の下限(220mg/日)を使用していたということで、本来適応とならない症例が多かったように思いました。死亡例全例が投与開始後14日以内であり、この点も本来適応とならない症例に投与したものと思われます。
だがeGFR 30未満は不適、という縛りはキツいものです。高齢者のほとんどに投与適応がなくなったり、投与している間に加齢により、eGFRが低下してくることもあります。年齢が進んだからもう一度Wfに戻しましょう、とは説明しにくいですね。
今後はWfにおけるPT-INR同様、モニタリング可能な指標が用意されるべきかもしれません。APTTだけでは厳しいものがあります。
気になったのは、出血が確認されてから一例も血液透析を行っていないこと。これも施設によりますが、透析で「抜ける」ことが分かっている以上、出血が見られれば即透析可能な施設へ紹介、という警告は必要です。特に開業医、実地医家の先生には徹底したほうがいいでしょう、とMRさんにお伝えしました。
適切なコメントというかご教示ありがとうございました。
量を減らしたらどうだろうか、というのは誰しもが考えることです。
下限が220mg/日ということですが、(日本人の)高齢者への150mg/日が無効であるというエビデンス(?)はあるのでしょうか。
日盾が声明を出していますが、自らこういったことに取り組む姿勢はなさそうです。
余談になりますが、eGFRが性別と年齢だけで、かつ筋肉量が影響するクレアチニンを用いて評価されることに疑問を持っていました。
すなわち小さいおじいさんもいれば、大きなおばあちゃんもいます。
新しいCKDガイドラインでは、クレアチニンに換わってシスタチンCが用いられるようになる、という噂もあります。
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