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バイエル薬品は選択的Xa因子阻害薬リバロキサバンについて、心房細動患者における脳卒中発症抑制の適応で厚生労働省へ承認申請を行っています。
きょうは、リバロキサバンの第3相試験「J-ROCKET-AF」について勉強しました。海外では、同剤の臨床第3相試験として「ROCKET AF」が実施されており、すでに米国心臓協会2010年次学術集会(AHA)で、有効性・安全性両面における非劣性が示されている、とのことです。 リバロキサバン、日本人でもワルファリンに対する非劣性を証明国内第3相試験「J-ROCKET AF」が発表心房細動(AF)患者の脳卒中予防における安全性について、選択的Xa因子阻害薬であるリバロキサバンを用いた抗凝固療法がワルファリンに対して非劣性であることが、日本人を対象に行われた臨床試験の結果で明らかになった。第23回国際血栓止血学会(ISTH2011、7月23〜28日、開催地:京都)のLate Breaking Clinical Trialsで、大阪府立成人病センター総長の堀正二氏は、日本で行われたリバロキサバンの第3相試験「J-ROCKET-AF」の結果を発表した。
同試験は、リバロキサバンのAF患者に対する脳卒中予防効果と安全性を、従来薬のワルファリンと比較した二重盲検ランダム化比較試験(私的コメント;他の記事では二重盲検下ダブルダミー法と表現)で、リバロキサバンの 国内第3相試験と位置付けられている。海外での投与量は通常20mg1日1回だが、国内ではそれを15mg1日1回(クレアチニンクリアランスが30〜 50mL/分の患者は10mg1日1回)に用量調節した上で実施されており、既に発表されている海外での大規模臨床試験「ROCKET-AF」と同様に、ワルファリンに対する非劣性が証明できるかが焦点となっていた。
被験者は脳卒中、一過性脳虚血発作(TIA)、非中枢神経系塞栓症のいずれかの既往がある、もしくは慢性心不全、高血圧、75歳以上、糖尿病の4つのうち2〜3つを有する非弁膜性心房細動患者1280人を対象にした。リバロキサバン投与群とワルファリン投与群にランダムに割り付け、安全性と予防効果を比較した。患者の平均年齢はリバロキサバン群が71.0歳、ワルファリン群 が71.2歳。また、平均CHADS2スコアは、リバロキサバン群が3.27、ワルファリン群が3.22だった。
主要安全性評価項目は 「重大な出血」と「重大ではないが臨床的に問題となる出血」の複合で、その発現率はリバロキサバン群が18.04件/100人・年、ワルファリン群は 16.42件/100人・年で、有意差は認められなかった(ハザード比[HR]:1.11、95%信頼区間[95%CI]:0.87-1.42)。非劣性 検定ではP<0.001で、ワルファリンに対する非劣性が証明された。
個別に見ると、重大な出血はリバロキサバン群で3.00件 /100人・年、ワルファリン群は3.59件/100人・年で有意差は認められなかった(HR:0.85、95%CI:0.50-1.43)。重大ではないが臨床的に問題となる出血も、リバロキサバン群で15.42件/100人・年、ワルファリン群で12.99件/100人・年(HR:1.20、 95%CI:0.92-1.56)で有意差はなかった。
一方、主要評価項目である脳卒中と非中枢神経系塞栓症の複合出現率は、リバロキ サバン群1.26件/100人・年、ワルファリン群2.61件/100人・年(HR:0.49、95%CI:0.24-1.00)となり、リスク減少率が 50%を上回ったが、有意差は認められなかった(P=0.050)。
堀氏は、「本試験は有効性の検証に関して十分な検出力を有する試験ではないにもかかわらず、リバロキサバン群では脳卒中と非中枢神経系塞栓症の出現率が減少する傾向が見られた」として、海外で行われた「ROCKET-AF」の結果と一貫性があるとの考えを示した。
J-ROCKET AFJapanese Rivaroxaban Once daily oral direct Factor Xa inhibition Compared with vitamin K antagonism for prevention of stroke and Embolism Trial in Atrial Fibrillation
<関連サイト>
【ISTHリポート】J-ROCKET AF 日本人対象にリバロキサバンのワルファリンへの非劣性示す
http://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/41167/Default.aspx
■堀氏はこれらの結果から、「主要評価項目である安全性の治療成績における、リバロキサバンのワルファリンへの非劣性が示された」と述べ、致死性の出血や頭蓋内出血の頻度がリバロキサバン群で少ないことを強調した。■そのほか、有効性を評価するのに十分な統計学的パワーがないものの、「リバロキサバン群は、ワルファリン群に比べ、脳卒中の発症を抑制する傾向がみられた」とした。 ■その上で、「J-ROCKET AFは、1万4264例を対象に海外で実施されたROCKET AFと一貫性を示している」と結論付けた。 <私的コメント> プラザキサ(一般名ダビガトラン) の添付文書に効能効果として「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」と書かれています。すなわち、弁膜症性心房細動には適応がないのです。 ROCKET AFもJ-ROCKET AFも、非弁膜性心房細動患者が対象となっています。したがって、市販された場合にはプラザキサと同様な適応となる可能性があります。弁膜症を扱って見える心臓外科医の方々は、プラザキサをどのように処方されているのでしょうか。保険病名として弁膜症が出る限り、基金でカットされる理屈です。
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