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循環器疾患と2型糖尿病 その1(1/2)... >
携帯型心エコーは読影経験の少ない医師には適さない診断精度を標準心エコーと比較超音波検査機器の小型化が進み、臨床現場で気軽に使用できる携帯型心エコー(PME:pocket mobile echocardiography)デバイスが利用できるようになった。そうした最新の機器の有用性を標準的な経胸壁心エコー(TTE:transthoracic echocardiography)検査と比較した米Scripps Translational Science InstituteのMax J. Liebo氏らは、TTEから得られる情報のすべてをPME像から得ることはできず、読影経験の少ない医師の間では判断が一致しない傾向が高いことを明らかにした。Liebo氏らは、「経験の少ない医師による日常的な使用には適さない」との考えを示している。論文は、Ann Intern Med誌2011年7月5日号に掲載された。
最新のPMEデバイスは、携帯電話より少し大きい程度で、白衣のポケットに入れておけるものになっている。しかしその精度をTTE検査と比較した研究報告はこれまでなかった。
そこで著者らは、PMEで得られるエコー影とTTEによるエコー影の心疾患評価における精度を比較する横断的研究を行った。用いられたPMEはGE Healthcare社の「Vscan」で、今回はより迅速に検査を行うためにドップラーモードはオフにして使用した。
10年2月22日から3月16日までにTTE検査が必要と判断された入院患者と外来患者を、ほぼ同数ずつ97人登録した。これは、より広範な心疾患の患者を対象に評価を行うためだ。TTE検査実施の直前に、5分以内を目標としてPMEによる検査を行った。
読影は、心エコー像 の読影経験が豊富な循環器の専門医2人と、心エコー読影に関する基礎的な訓練が2カ月に満たない循環器科の研修医2人に依頼した。読影者には、患者のそれぞれについて心エコー検査が必要と判断された理由とTTEの結果は知らせず、PMEによるエコー像であることは告げた。
読影は以下の7 項目について行った。駆出率(正常/低下)、壁運動の異常(あり/なし)、左室拡張末期径(正常/肥大)、心囊液貯留(臨床的に意義のあるレベル/それ以 下)、僧帽弁の状態(正常/異常)、大動脈弁の状態(正常/硬化あり/狭窄あり)、下大静脈径(正常/拡張)。すべての項目について「可視化不十分による 読影不能」という選択肢も用意した。
PMEを用いた検査に要した時間の平均は4.7分で、5分以内に検査が終了した患者は全体の59%だった。
4人の読影者全員がPME像の読影が可能だった患者の割合は、駆出率(95%の患者について読影可能)、左室拡張末期径(同95%)などで高く、下大静脈径(75%)などでは低かった。
TTE検査の結果に基づく真陽性と真陰性の合計を指標に精度を比較した。読影可能だった患者のうち真陽性+真陰性の割合は、大動脈弁が96%で最高、下大 静脈径が78%で最低だった。可視化不十分で読解できなかった症例も合わせると、精度はさらに下がった。真陽性+真陰性の割合は、駆出率が91%、大動脈 弁は79%、下大静脈径は58%で、90%を超えたのは駆出率だけだった。
偽陽性率は、専門医が項目によって1〜14%、研修医は2〜21%だった。偽陰性率は1〜13%と2〜8%になった。
専門医と研修医、それぞれ2人の間の判断の一致率はCohenのκ係数を用いて比較した(1.0に近いほど一致率は高い)。研修医2人の判断の一致率は一 貫して低く(κ係数は0.29から0.75)、専門医2人の間では高かった(0.59から0.95)。研修医と専門医の一致率の差が最大になったのは下大静脈径で、κ係数は研修医が0.39、専門医は0.84だった。
熟練した読影者によるPME像の読影は、多くの患者について、駆出率そ の他については正確に評価できたが、TTEで検出可能なすべての特徴を読み取ることはできなかった。また、熟練度によって読影精度が大きく異なることも明 らかになった。PMEの広範な使用を推奨する前に、様々な心疾患を有する患者コホートを対象に、訓練を積んでいない臨床医がプローブを操作して読影した場合の精度を確認する大規模な試験を行う必要がある、と著者らは述べている。
大西 淳子=医学ジャーナリスト
出典 NM online 2011.7.26
版権 日経BP社 Is Pocket Mobile Echocardiography the Next-Generation Stethoscope? A Cross-sectional Comparison of Rapidly Acquired Images With Standard Transthoracic Echocardiographyhttp://www.annals.org/content/155/1/33.abstract
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