戯れ言たれる侏儒
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PROBE法による臨床試験の信頼性を担保する発表の在り方とは?
近年,国際的学術誌や国際学会において日本の試験が取り上げられる機会が多くなってきたが,わが国ではいまだに最も信頼性が高いとされる二重盲検によるランダム化比較試験(RCT)の実施が難しいのが現状だ。
そのため,医師・患者双方が割り付けを知るPROBE法によるRCTが主流となっており,「試験命題がPROBE法に適しているか」,「評価項目は恣意的な要素が入らない客観的なものか」など,試験デザインの注意点が論議されてきた。
PROBE:
Prospective Randomized Open Blinded-Endpoint
そこで,論点を一歩先に進め,PROBE法による試験の信頼性を担保する発表の在り方や論文作成のポイントを京都大学医学教育推 進センターの森本剛講師に聞いた。
 
デザイン論文発表のタイミングに注意して
近年,臨床試験を計画した段階からの透明性が重視されている。
試験のほとんどは米国国立衛生研究所(NIH)の臨床試験サイト大学病院医療情報ネットワーク(UMIN)のサイトに登録されており,外部の者も計画段階から試験デザインを閲覧することができる。
UMIN
http://www.umin.ac.jp/ctr/index-j.htm
 
また,試験デザインをプロトコル論文として論文化するケースも多くなっており,試験結果の報告では,詳細なデザインについてはこの論文を参照することになる。
森本講師はまず,試験デザインを論文化する際には,そのタイミングに気を付ける必要があると指摘する。
試験デザイン論文の発表時期に関して制限はないが,例えば,2年程度の患者登録期間に加えて3年程度の観察期間があるにもかかわらず,結果が発表される2年以内に試験デザインが論文化されていると,部分的にでも結果に合わせて試験デザインを執筆することが可能となる。
そのような恣意性を感じさせる要素は極力避けた方がよい。
 
同講師が統計解析を担ったJPAD試験では,初期段階でプロトコル論文を論文化しておらず,途中の段階でプロトコル論文の提出が提案されたが,見送ったという。
上記NIHサイトに試験デザインが登録されており,透明性は保たれている。
恣意性が疑われる時期に論文化するのは賢明ではないと判断したという。
同試験は,結果的にJAMAに報告され,その後もサブ解析が国際的な主要ジャーナルに次々と発表されている。
避けるべきパターンは,初期段階で試験サイトに登録されたデザインとプロトコル論文や試験結果の報告の際における研究方法の内容が異なることだ。
特に,変更を行ったのにもかかわらず,プロトコル論文の段階であたかも初めて計画したように記載すると,査読者など第三者への信頼性を損ねることになる。
恣意的なデザイン変更は避け,デザインに忠実な発表を
次に森本講師が挙げるのが,デザイン変更に関する注意点だ。
先に挙げたNIHのサイトでは,デザインの変更歴も一目で分かるようになっており,変更がいつなされたのか,またどのような点が変更されたのかも第三者の目に触れる。
 
第三者が理解できない変更がなされると,試験者にとって都合の良い結果を出すために変更したと受け取られかねない。
そのため,試験の目的を大きく変える変更は避け,変更する場合は試験の目的から考えて妥当な点に限定すべきである。
特に,試験結果の要となる1次評価項目と2次評価項目の変更は慎重に考える必要がある。
 
また,試験結果を発表する際には,デザイン通りにすべてを発表すべきだと指摘する。
「試験結果の一貫性」という観点から,1次評価項目を裏付けたり,説明できる2次評価項目が設定されることが多いが,PROBE法ではそこに客観的な指標を挙げる必要がある。
症例数が少なくなる死亡や心筋梗塞などの限定された項目とも一貫性があるか,さらにその背景を裏付ける客観的な指標が全体の結果を支持していることが重要であるという。
客観的な指標としては,左室駆出 率(LVEF)やヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)などが挙げられる。試験デザインで予定されていたエンドポイントが発表の際に抜けていたり,客観的な指標が省略されていたりすると,その場合も恣意的と見なされる恐れがある。

森本講師は,臨床試験の意義は「仮説が正しかったことを証明」−つまり試験薬の優位性を示すことよりも,背景を含めて試験の全体像が理解されることであると説明する。
試験薬が仮説と反して有意差をもって優位でなくても,仮に劣性であったとしても,試験結果の報告を通してその全体像が理解できれば,信頼性の高い有用な知見として,臨床に応用できるという。
出典 Medical Tribune 2011.5.26
版権 メディカル・トリビューン社

 

<関連サイト>

治験ナビ-治験・医薬用語集<PROBE法

PROBE法
(Prospective,Randomized,Open,Blinded-Endopoint design)
試験デザインの1つで、
前向き(Prospective)
無作為 (Randomized)
オープン (Open)
エンドポイントブラインド (Blinded-Endopoint)
で行う試験方法です。
この「PROBE法」で実施される試験を「PROBE試験」と言います。
「PROBE試験」は、「前向き無作為オープン結果遮蔽試験」と呼ばれることもあります。
PROBE法は、高血圧の大規模臨床試験で
初めて提唱された試験デザインで前向き(プロスペクティブ)、 無作為化(ランダム化)、オープン(非盲検)で試験が実施され、
エンドポイントの評価を、被験者がいずれの群に割り付けられたかを知らない 第三者が行うことにより盲検化するのが特徴です。
大規模臨床試験においては、二重盲検試験を導入することには困難が伴う為、結局オープン試験が実施される場合が多いのですが、オープン試験には、被験者がいずれの群に割り付けられたかを評価者が知ってしまう為、
結果(エンドポイント)の評価にバイアスがかかる
可能性があるという欠点があります。
そこで、このオープン試験の欠点を解消し、試験の精度を高める方法として「PROBE法」が提唱されたのです。
 
JIKEI HEART STUDY と PROBE 法(070518、090923)
 
薬の臨床試験 - 万事塞翁が馬
私的コメント;最初に2005年5月31日/HealthDayNewsの「ファイザー社、メルク社はまだすべての情報を公開せず」という興味深い記事を紹介しています。そしてPROBE法の問題点に切り込んで「PROBE法を喧伝した人間が2人いる。2人ともスウェーデン人で,大学教授の肩書きを持っているが,その実態は,臨床試験実施会社(治験屋)の社長だ」と舌鋒鋭く書いています。そうだったんだ。スウェーデン・シャルグレンスカ大学病院教授Björn Dahlöf氏って。ショックです。しかも医療関係者でないブロガーがここまで切り込んでいるのには感服しました。)
 
ウィキジャーナル 地域医療に役立つ論文まとめサイト - PROBE法

PROBE法で複合エンドポイントなJIKEI HEART STUDY - 病院薬剤師の ...
 
特別企画/JIKEI HEART Study/その成果の理解を深める
PROBE法の問題点|生活習慣病の予防
 
MEGAスタディーなど - 女性のメタボとコレステロールを考える ニコー ...

PROBE法 - 田舎に暮らしたい! - Yahoo!ブログ

PROBE法の問題点|生活習慣病の予防

■山崎力先生(東大大学院医学系研究科 クリニカル バイオインフォマティクス研究ユニット教授)のご講演を聴く機会があった。
慈恵ハートスタディ、京都ハートスタディは問題のある研究だということがよく分かった。
■オープン試験にソフトエンドポイントを入れると、結果をある程度操作できると思われるので、海外のPROBE法を用いた研究はハードエンドポイントだけでソフトエンドポイントを入れていないものが多い。
しかし、上記の研究はどちらもソフトエンドポイント(狭心症による入院など)を取り入れており、そこが大きな有意差発生の要因となってしまっている。
ハー ドエンドポイントである心筋梗塞の発生にはほとんど差がない。
■ちなみに、同じ企業のサポートによる研究でも、Value研究は極めて質が高く価値のある研究だった。
山崎先生によると、

1)統計学的有意差=薬の力 × 企業努力
2)大規模臨床試験=小規模効果試験
(私的コメント;この「小規模効果試験」は「小さな効果をみる試験」という意味のようです)

確かにSteno2研究(N Engl J Med 2003;348:383-93)などは、1群80人、計160人を対象とした研究だ。
■本当に良い治療は、NNTも少ないし大規模にしなくても有意差が出ている。

 

 

その他
「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/
(循環器専門医向き)
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
「井蛙」内科メモ帖 
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/  
があります

 

 

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