戯れ言たれる侏儒
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< 心不全治療としての迷走神経刺激装置 | メイン | CKD患者の降圧 >

MMJ誌に掲載されたLANCETの論文紹介の記事で勉強しました。

HDL cholesterol and residual risk of first cardiovascular events after treatment eith potent statin therapy:an analysis from the JUPITER trial
MMJ 2011 Vol.7 No.1 P24-25
Ridker PM,et al. LANCET 2010;376:333-339.
 
この研究はJUPITER試験の対象集団から得たデータが用いられました。
研究の目的は、高用量スタチン療法によりLDLコレステロール値がきわめて低い範囲に低下した場合でも、HDLコレステロール値と心血管イベントの関連が維持されるのかどうか、ということの解明です。
 
■ JUPITER試験の参加者は、糖尿病および心血管疾患の既往がなく、試験開始時のLDLコレステロール値が130mg/dl未満、高感度CRP値が2mg/L以上をしめした成人。
■JUPITER試験の主要エンドポイントは、非致死的心筋梗塞、不安定狭心症による入院、動脈血行再建、心血管死。
■結論
LDLコレステロール値の測定は、初期の心血管リスク評価の一環としては有用であるが、強力なスタチン療法を受けてLDLコレステロールがきわめて定値に達した患者における残存リスクの予測には役立たない。
 
以下
神戸大学・石田達郎准教授の解説。
■積極的LDL-C低下療法による心血管イベント減少率はいずれの報告においても30%前後であり、残存リスクに対する治療的介入が今後の課題である。
(HDL−C低値も残存リスクに対する治療標的の一つ)
■ HDLは炎症や糖尿病などの病態ではその構成成分が変化し、「dysfunctional=悪玉」となることが報告されている。
HDLの質はHDL−C量では判断できず、HDLの質的変化と心血管イベントとの関係も検討する必要があろう。
■本論文発表直後、欧州心臓病学会(ECS) はプレスリリースにおいて懸念を表明し、1つのサブ解析だけでHDL−C上昇に臨床的な意がないと判断すべきではないと反論している。

<私的コメント>
文中に
「ロスバスタチンの投与量が20mg/日と欧米や日本でも使用可能な用量であることなどから大きな話題を呼んだ」
とあります。
さて、この20mg/日は実際にはどうなんでしょうか。
私はほとんどの症例は2.5mgで十分な効果がえられており、せいぜいごく一部で2錠(5mg)を使用します。
そしてスタチン増量を考える前に エゼチミブの併用を考えます。
他の先生方の処方が分かりませんのでコメントをいただけると有り難いのですが。 
 

ロスバスタチン - MEDICAL LIBRARY

ロスバスタチンの市販後調査結果が明らかに:日経メディカル オンライン

井蛙内科開業医/診療録(2) : hs-CRPとロスバスタチン

 

<関連サイト>
動脈硬化とHDL
http://blog.m3.com/reed/20090129/_HDL


スタチン使用中でのHDL-C低値
http://blog.m3.com/reed/20110114/_HDL-C_


高齢者ではHDL-C値が高い場合にはコレステロール低下薬(スタチン)の効果は期待できない
http://www.m-junkanki.com/topics/topics15h.html
 

ポスト・スタチン”の最右翼はCETP阻害薬か HDLコレステロール値が2倍に--米研究
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/301941.html
(要パスワード)
■HDLコレステロール値を上昇させる、新しい脂質改善薬の臨床試験結果が、New England Journal of Medicine(NEJM)誌2004年4月8日号に掲載された。
わずか19人を対象とした短期間のパイロット試験だが、8週間の服用でHDLコレステロール値が 2倍になるなど、期待の持てる結果になった。
■今回の臨床試験に使われたのは、脂質代謝で大きな役割を果たしている、コレステロールエステル転送蛋白(CETP)の阻害薬。
CETPには、HDLからコ レステロールエステルを引き抜き、LDLや超低比重リポ蛋白(VLDL)に転送する(中性脂肪と交換する)作用がある。
CETPを阻害すると、HDLコレ ステロールが増え、LDLコレステロールが減ることが期待できる。
■面白いのは、LDLコレステロールやHDLコレステロールの「サブクラス分布」に変化がみられることだ。
作用機序からは当然ともいえるが、HDLコレステロールについては、粒子径が大きいHDL(HDL2)の比率が増えていた。
同様にLDLコレステロールでも、粒子径が小さく、比重が高いLDL(small,denseLDL)が減り、粒子径の大きなLDLが増えていた。
■ただし、CETPを完全に欠損した人(日本人では約1000人に一人と、他の人種より多い)の場合、HDLコレステロール値が高く、HDLの粒子径も大きいが、心疾患リスクはむしろ高いとの報告もある。
つまり、HDL2が増えることが、本当に心疾患予防の方向に働くか否かはまだわからない。
■ 次の課題は、CETP阻害薬によるHDLコレステロール値の増加が、心疾患の予防に結び付くことを、長期間の大規模試験で示すこと。副作用がスタチン並みに少なく、患者の服薬継続率(コンプライアンス)が高いことも必須条件だ。
原著
Effects of an Inhibitor of Cholesteryl Ester Transfer Protein on HDL Cholesterol
N Engl J Med 2004; 350:1505-1515
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa031766

 

 

 

その他
「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/
(循環器専門医向き)
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
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井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
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(内科医向き)
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http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/  
があります



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