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穿刺部合併症や出血が少なく入院日数を短縮できるなどとして,経橈骨動脈アプローチ(TRA)による冠動脈造影(CAG)や経皮的冠動脈インターベンショ ン(PCI)が,わが国でも全国的に普及してきた。しかし急性冠症候群(ACS)患者を対象に,大規模なランダム化比較試験(RCT)で経大腿動脈アプ ローチ(TFA)との優劣を直接比較した成績はこれまでない。マクマスター大学(カナダ・ハミルトン)のSanjit Jolly准教授はこの点を検証したRIVAL試験の成績を,当地で開かれた米国心臓病学会(ACC)/米国心血管造影インターベンション学会 (SCAI)合同学術集会(ACC.11& i2 Summit)で発表。1次評価項目の「30日後の死亡,心筋梗塞,脳卒中,冠動脈バイパス術(CABG)に関連しない大出血」はTRA群 3.7%,TFA群4.0%と両群に有意差はなかったものの,穿刺部血管合併症はTRA群で有意に低減したと報告した。
経験豊富な施設,STEMIでは経橈骨動脈アプローチが優れる
大出血はACS患者の心血管リスクを増すが,Jolly准教授らはTRAとTFAを比較したRCTのメタ解析から,TRAでは大出血が有意に少なく,心 血管疾患も少ない傾向を示すものの,PCI手技の失敗は多い傾向にあることを既に報告している。そこでCAG,PCIにおいて,TRAはTFAに比べて虚 血性イベントを増すことなく,大出血や穿刺部合併症を有意に低減するとの仮説が検証された。
対象は,32カ国158施設のACS患者7,021例で,(1)TRA群3,507例(2)TFA群3,514例—の2群にランダム化し,30日間追跡した。なお,手技者は両手技に熟練し,前年にTRA施行50例以上の実績があることとした。両群の背景因子は同様で,平均年齢62歳,両群ともにPCI施 行はほぼ66%,成功率は約95%だった。
1次評価項目の発生率は,TRA群3.7%,TFA群4.0%〔ハザード比(HR)0.92〕で両群に有意差はなかった。個別にも死亡,心筋梗塞,脳卒中,CABGに関連しない大出血のいずれも両群に有意差はなく,ステント血栓症も有意差はなかった(P=0.14)。
しかし,主要血管穿刺部合併症は,TRA群1.4%,TFA群3.7%と前者で有意に低かった。穿刺部大出血はそれぞれ6%,12%で,有意差はなかったもののTRA群で半減した。
1次評価項目のサブグループ解析では,ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者とTRAによるPCIの経験豊富な施設で,TRA群が有意に優れたが,他のサブグループでは両群に有意差はなかった(図)。 
同准教授は「TRAとTFAは,ともに安全で有効だが,血管合併症の減少はTRAの選択理由になるかもしれない」とし,TRAの施行経験を積むことで転帰が改善する可能性があることを指摘した。 出典 MT pro 2010.5.19版権 メディカル・トリビューン社
<関連サイト>
ACSのCAGには橈骨動脈アクセス
http://blog.m3.com/reed/20110512/ACS_CAG_1
(Lancet誌電子版 2011年4月4日)
■どちらのアプローチを用いても30日時点の死亡や心筋梗塞、脳卒中などを合わせた複合イベントの発生率には差はないが、主要な血管合併症は橈骨動脈アクセスの方が有意に少ない。<私的コメント>きょうの記事と何か似ていると思ったら、内容も発表者も同一でした。学会発表前に医学雑誌に発表。このスピード感はちょっと国内とは違うような・・・。
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