戯れ言たれる侏儒
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< EXCELLENT試験 | メイン | CKD患者の降圧、“低め”で利益があるの... >

CETP阻害剤

戯れ言たれる侏儒 / 2011.04.11 00:00 / 推薦数 : 0
この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
犠牲になられた方、そしてご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
また、福島第一原発事案(事故)で避難中の方、そして計画停電中の首都圏の方にお見舞い申し上げます。
また、被災者支援や原発復旧作業などの災害対策に全力を尽くしてみえる皆様に敬意を表します。

LDL-C低下にはスタチンがあり、完成した薬剤と評価されています。
残るコレステロール関連の薬剤としては、如何にHDL-Cを上げるか」に関心が集まっています。
その中で最も注目されている薬剤はCETP阻害剤です。
CETP阻害剤は、ファイザー社がトルセトラピブ、JTとロッシュ社がダルセトラピブ、メルク社がアナセトラピブを開発中でした。一番先行していたトルセトラピブはプラセボ群より死亡が多くなってしまい,開発を中止
この中でアナセトラピブはHDL-C上昇作用は強く,LDL-C低下作用も強力で大いに期待されています。
きょうは、このアナセトラピブについて勉強しました。

LDL-C半減,HDL-C倍増! CETP阻害薬anacetrapibの驚くべき脂質改善効果
Torcetrapibの開発中止から3年後のAHA 2010で報告,安全性も確認
より有効な脂質管理を目指した新薬の開発が続いているが,中でも有望視されていたのがコレステロールエステル転送蛋白(CETP)阻害薬注1)だ。
注1 CETPは、HDLからコレステロールエステルを回収し超低比重リポ蛋白(VLDL)やLDLに転送、この際にVLDLから中性脂肪がHDLに引き渡される。このため,CETP阻害薬は,HDL-Cを上昇させ,LDL-Cを減少させる作用が期待される
 
このクラスの薬で最初に第Ⅲ相臨床試験が行われたtorcetrapibは,心血管イベントリスクの上昇が認められたため開発中止に至った(N Engl J Med 2007; 357: 2109-2122)。
私的コメント;ILLUMINATE試験の中間安全性解析で有害性が発覚し、07年に開発が中止。アテローム抑制作用を調べたIVUS試験やCIMT試験の結果でも、全く効果がありませんでした。)
それから3年,第83回米国心臓協会年次集会(AHA 2010;11月13~17日,シカゴ)で同クラス2剤目となるanacetrapibの第Ⅲ相臨床試験DEFINE試験注2の結果が明らかにされ,N Engl J Med 11月17日オンライン版に同時掲載された。
注2 Determining the EFficacy and Tolerability of CETP INhibition with AnacEtrapib
 
安全性を確認した今回の試験では,torcetrapibで見られた血圧上昇や副腎への影響などは認められなかった。
また,それ以上に注目されたのが強力な脂質改善効果で,24週後にLDLコレステロール(LDL-C)は半減, HDLコレステロール(HDL-C)は倍増した。
報告した米ハーバード大学ブリガムアンドウィメンズ病院のChristopher P. Cannon氏は,今後,臨床効果(イベント抑制効果)を検証する大規模第Ⅲ相試験を実施することも明らかにした。
 
プラセボとの比較ではLDL-C値は約40%減少,HDL-C値は約140%増加
試験には20カ国153施設が参加し,二重盲検ランダム化比較試験(RCT)として行われた。
対象は冠動脈疾患(CHD),またはCHDのリスク 因子があり,スタチンなどの脂質管理を受けている患者。
脂質レベルは,LDL-C値が50~100mg/dL,HDL-C値が60mg/dL未満,中性脂 肪値は400mg/dL以下の患者と設定された。
 
2,757人がスクリーニングを受け,このうち1,623人がanacetrapib 100mg/日群またはプラセボ群にランダムに割り付けられた。
試験薬は18カ月投与され,その後も3カ月間経過観察された。
両群とも99%はスタチン治療を受けていた。
 
ベースラインから24週後にかけてのLDL-C値の変化を見ると,プラセボ群では82mg/dL→77mg/dLだったのに対 し,anacetrapib群では81mg/dL→45mg/dLとほぼ半減した。
1次エンドポイントとしたこの間の変化率では,プラセボ群に比べ 39.8%の有意な減少が認められた(P<0.001)。
 
同様の期間でのHDL-C値の変化は,プラセボ群の40mg/dL→46mg/dLに対し,anacetrapib群では41mg /dL→101mg/dLと2倍以上に増加した。
2次エンドポイントとしたこの間の変化率では,プラセボ群に比べ138.1%の有意な上昇が示された (P<0.001)。
 
そのため,anacetrapib群のLDL-C/HDL-C比はベースラインの2.1から24~76週後に0.5と大幅に低下した。
 
懸念された有害事象の増加はなし,3万人対象の第Ⅲ相臨床試験REVEALを実施
プラセボ群と比較して,血圧上昇やアルドステロン値,血清カリウム値の上昇は認められなかった。
また,事前に設定された主要心血管イベント (MACE)はプラセボ群2.6%に対してanacetrarpib群2.0%で両群間に差はなかった。
Cannon氏は,臨床効果を比較するには症例数 が少ないことを前置きしながらも,血行再建術の施行数がそれぞれ25例,6例とanacetrapib群で少なかったことを報告した。
 
指定討論者のスイス・チューリヒ大学病院のThomas F. Luscher氏は「torcetrapibは12カ月後にHDL-Cを72%上昇させてLDL-Cを25%低下させた。
しかし,血圧や血清アルドステロ ン値が上昇したほか,酸化ストレスやeNOS発現量の低下などにより血管内皮機能が低下した」と振り返り,anacetrapibでそのような悪影響がな かったのは「同じクラスの薬でもわずかな分子構造の変化が大きな違いを生むため」と説明した。
 
Anacetrapibの安全性が確認され,臨床効果の可能性も示されたことから,Cannon氏は3万例を対照とする第Ⅲ相臨床試験REVEAL注3開始すると明らかにした(英オックスフォード大学公式サイト参照)。
なお,CETP阻害薬としてはdalcetrapibも開発中だ。
 
注3 Randomized Evaluation of the Effects of Anacetrapib through Lipid Modification

 


 
 
 

<関連サイト>
CETP阻害剤
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&source=hp&biw=1473&bih=850&q=CETP%E9%98%BB%E5%AE%B3%E5%89%A4&aq=f&aqi=g1&aql=&oq=
 
CETP阻害剤の謎
http://medicineblog.asablo.jp/blog/2007/11/11/1903193
 
脂質降下薬
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%82%E8%B3%AA%E9%99%8D%E4%B8%8B%E8%96%AC
■7CETP阻害薬
リポ蛋白のLDLとHDLの間でコレステロールを交換するCETPを阻害し、HDLコレステロールを増やす薬。
ファイザーのトルセトラピブ® (torcetrapib) は血圧が上がり心血管事故が増え、投与群の方が死亡(トルセトラピブ®とリピトール®の併用群82例対リピトール®群51例、各群約7500名)が多かったので2006年(平成18年)12月開発が中止された。
類薬に日本タバコのJTT-705などがある。
  
 
<自遊時間>
日経新聞のスポーツ欄に豊田泰光氏のコラムが時々載っています。
 あえて言う「昔は・・・」  野球評論家・豊田泰光
 ■ナイター開催の是非などが 問題となった今回の件でいうと、我々の世代が声をそろえて「昔はみんなデーゲームだった。あのころを思い出そう。お天道様の下でやる野球も悪くないよ」と訴えるべきだったのかも知れない。
■「昔はこうだった」 は老人の繰り言として嫌われるもとになるが、この局面では「たとえ粗末な球場であれ、夜行列車で移動しながらであれ、昔もちゃんと野球をしていたもんだ」と語ってもいいだろう。
■今年はみんな真っ黒になって野球をやればいい。今プロ野球に必要なのは、立派な球場や練習設備を、好きなように使う中で身についた”ぜい肉” をそぎ落とすことだ。厳しい練習を負った若い人たちに、私はせめて経験を語り、助力していきたい。
出典 日経新聞・朝刊  2011.4.7
版権 日経新聞社
私は本音で物事を語る豊田氏のような直言居士の人が好きです。
欠かさずこのコラムは読むようにしています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B1%8A%E7%94%B0%E6%B3%B0%E5%85%89
 
「歯に衣着せた?」お話(例えば「当たり障りのない大規模臨床試験のコメント」など)などは、人生残り少ない身にとっては時間の無駄使いに感じてしまいます。
昨日の東京都知事選で再選を果たした石原氏も(賛否の意見はあるものの )、そんなところが人気なのかも知れません。
 
私の思う「直言居士」は
音楽界では
吉田 秀和氏
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%89%E7%94%B0%E7%A7%80%E5%92%8C
■1983年、ホロヴィッツが初来日した際、その演奏を「なるほど、この芸術は、かつては無類の名品だった ろうが、今は──最も控えめにいっても──ひびが入ってる。それも一つや二つ のひびではない」と評して話題となった(ボロビッツと揶揄)が、1986年のホロヴィッツ再来日の時は、「この 人は今も比類のない鍵盤上の魔術師であると共に、この概念そのものがどんなに深く十九世紀的なものかということと、当時の名手大家の何たるかを伝える貴重 な存在といわねばならない」と称賛した。
宇野功芳氏
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E9%87%8E%E5%8A%9F%E8%8A%B3
 
文芸関係では
故 安原顕氏
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E5%8E%9F%E9%A1%AF
 
循環器関係では
桑原巌氏先生
などの方々です。 
 
その他
「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/
(循環器専門医向き)
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
「井蛙」内科メモ帖 
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/  
があります

 

 

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