戯れ言たれる侏儒
Profile

ブログ内検索

カレンダー

<< 2011/04 >>
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

新着コメント

新着トラックバック

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

< 前のページ
この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
犠牲になられた方、そしてご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
また、福島第一原発事案(事故)で避難中の方、そして計画停電中の首都圏の方にお見舞い申し上げます。
また、被災者支援や原発復旧作業などの災害対策に全力を尽くされている作業員の皆様に敬意を表します。
 
 
 
自治医科大学 循環器科の苅尾七臣教授が解説された「全身性アテローム血栓症症候群」の記事で勉強しました。
 
末梢動脈疾患(PAD)を伴う冠動脈疾患患者では、より広範に石灰化が進んだ冠動脈アテローム硬化症、収縮性動脈リモデリング、および重大な疾患進行が認められ、これらが有害な心血管アウトカムの原因として有望視されることが、米国クリーブランド・クリニック心血管部門のAyman A. Hussein氏らによる解析で明らかにされた。
同解析からは、低LDLを達成したすべての患者にベネフィットがあることも示され、PADを有する患者で は強化LDL低下療法が必要であることが支持されることも示された。
 
全身性アテローム血栓症症候群:末梢動脈疾患の冠動脈疾患進展への影響
PAD有無別冠動脈疾患患者の血管内エコーデータを解析
研究グループは、冠動脈疾患患者の冠動脈アテローム硬化症の発症と進行におけるPADの影響を調べるため、PADを伴う冠動脈疾患患者(216例)とPAD を伴わない同患者(3,263例)の計3,479例について調査を行った。
被験者は7つの臨床試験に参加し連続的に血管内エコーを受けており、そのデータ を解析した。
おもな結果は以下のとおり。
 
●PAD患者群の方が、アテローム容積率(40.4±9.2% vs. 38.5±9.1%、p=0.002)、含カルシウム像率(35.1±26.2% vs. 29.6±24.2%、p=0.002)が大きく、内腔容積[275.7±101.6mm(3) vs. 301.4±110.3mm(3)、p<0.001]、血管壁容積[467.7±166.8mm(3) vs. 492.9±169.8mm(3)、p=0.01]は小さいことが認められた。
 
●連続評価の結果、PAD患者群の方が、アテローム容積 率の進行(+0.58±0.38% vs. +0.23±0.3%、p=0.009)、総アテローム容積の進行[−0.17±2.69mm(3) vs. −2.05±2.15mm(3)、p=0.03]がより大きく、心血管イベント率(26.3% vs. 19.8%、p=0.03)がより高いことが示された。
 
●PADの有無にかかわらず、低LDL達成(<70mg/dL)患者は、アテ ローム容積率の進行および総アテローム容積の進行が抑制されることが認められた。PAD患者群で達成vs.非達成のアテローム容積率進行 は、+0.16±0.27% vs. +0.76±0.20%(p=0.04)、非PAD群では、+0.05±0.14% vs. +0.29±0.13%(p<0.001)、またPAD患者群で達成vs.非達成の総アテローム容積の進行は、−3.0±1.9mm(3) vs. +1.0±1.4mm(3)(p=0.04)、非PAD群では、−3.3±1.1mm(3) vs. −1.6±1.0mm(3)(p<0.001)であった。

 
[監修者 苅尾教授のコメント]
本研究は、冠動脈疾患(CAD)患者において、末梢動脈疾患(PAD)を伴う場合には、冠動脈アテローム硬化が高度で、さらに進行速度が大きいことを、経時的に血管内エコー(IVUS)を用いて証明した。
PAD患者の、冠動脈病変の特徴は、より広範囲で、石灰化病変を伴い、狭窄血管リモデリングを伴うことであった。 
さらに、PAD患者では、心血管イベントの発生リスクもより高かった。
このことは、全身のアテローム硬化の進展が同一機序で、全身の血管が、同一時系列で進行することを示している。 
<私的コメント>
「全身のアテローム硬化の進展が同一機序」 というのは」はたして真実でしょうか。
ちょっと私にとっては疑問です。
すなわち、「逆は真なりか」ということにおいてです。
PADとCADとは成因が全く同一ではない「はず」だからです。
 
経時的変化では、LDLコレステロール>70 mg/dLの群では、PAD患者では、PADがない群に比べて、より冠動脈アテローム硬化の進展が加速している。 
一方、LDLコレステロールが 70mg/dL未満にコントロールされている群では、冠動脈アテローム硬化が存在していても、進展が抑制されていた。  
したがって、PADを伴う冠動脈疾患患者では、より厳格なリスク因子のコントロールが必要で、LDLコレステロール<70mg/dLを目指した強化なスタチン療法が望まれる。

 

出典 Care Net.com  2011.4.25
http://www.carenet.com/news/cardiology/newsnow/det.php?nws_c=20267
(要パスワード)
版権 Care Net
 

原文
Hussein AA et el. J Am Coll Cardiol. 2011; 57: 1220-1225.



<関連サイト>

PADの発見と管理は、 全身性アテローム血栓症の 抑制に重要である PAD ...

REACH Registry_抗血栓療法トライアルデータベース
ASO患者の予後から見た診療のポイント

アテローム血栓症発症 原虫、細菌感染がトリガーとなる可能性も
 
アテローム血栓症(ATIS)と冠動脈疾患
 
アテローム血栓症(ATIS・エイティス)

 

 

<自遊時間>
ドナルド・キーン名誉教授:日本永住、米コロンビア大で最終講義

「少しでも勇気を与えられたらうれしい」
米国における日本文学研究の第一人者で、今年秋までに日本に移住し国籍を取得する考えを明らかにしている米コロンビア大名誉教授のドナルド・キーンさん(88)が26日、ニューヨーク市内の同大で最終講義を行った。
 
授業の冒頭、キーンさんは「この授業が最後。残りの人生を日本で過ごす。原発事故が起きる中で、私の決定に驚いた友もいたが、『勇気づけられる』と言ってくれた人もいた。
私はその言葉が真実だと願う。長年の間、日本人は驚くほど私に親切だった」と述べた。
 
授業のテーマは「能」。
普段は謡曲の詞の意味を分析するが、この日は能の歴史やキーンさん自身の能との出会いを1時間以上にわたって語った。
「1953年以来、能を通じて素晴らしい体験を重ねた。みなさんも日本で同じような経験をされるといいですね」と講義を結んだ。
質疑を終えたキーンさんは 「クラス イズ オーバー」と述べて、55年から続けてきた教師生活に幕を下ろした。
 
授業後、キーンさんは記者団に対し、今年1月、東京都内で入院していたことを明かし「今後どう過ごすかを考え、好きな日本への感謝の気持ちを形にするのは日本人になることだと考えた」と国籍取得を考えた経緯を説明。
東日本大震災でその思いが強まったという。
キーンさんの決意が被災者ら日本人の感動を呼んだことに「少しでも(日本人に)勇気を与えることができたら何よりもうれしい」と語った。
キーンさんは日本文学の研究で08年、文化勲章を受章している。
出典 毎日新聞 2011年4月27日 東京夕刊
版権 毎日新聞社

 

 

「私は日本という女性と結婚」 ドナルド・キーン氏、永住へ帰化手続き
■関係者は「東日本大震災で大変心を痛め、被災者との連帯を示すために永住への思いが固くなったようだ」と話している。
■ キーンさんは1922年、ニューヨーク生まれ。
学生時代に「源氏物語」の英訳を読み、日本文化に興味を抱いた。日米開戦後は海軍情報士官として、玉砕した日本兵の遺書を翻訳したり捕虜を尋問。
復員後、英ケンブリッジ大、米コロンビア大、京都大で日本文学を学んだ。「日本文学の歴史」「百代の過客」「明治天皇」などの著作で知られる。
■三島由紀夫とは京大留学中の54(昭和29)年に知り合って以来の友人で、三島作品の翻訳も行った。2008(平成20)年に文化勲章を受章した。
■松尾芭蕉の「おくのほそ道」をたどる旅をし、英訳も出版。東北大(仙台市)で半年間、講義したこともある。
それだけに、被災地の状況を心配している。
平泉の中尊寺は難を逃れたが、何度も訪れた松島や多賀城など芭蕉ゆかりの地は大きな打撃を受けた…。
■法務省は15日、震災直後の3月12日から4月8日までの4週間に日本から出国した外国人は延べ53万1000人で、このうち発生後1週間では24万4000人だったと発表した。震災発生前の1週間は14万人だった。
■NHKのインタビューに応じたキーンさんは「日本は危ないからと、(外資系の)会社が日本にいる社員を呼び戻したり、野球の外国人選手が辞めたりしているが、そういうときに、私の日本に対する信念を見せるのは意味がある」と語った。
■「私は自分の感謝のしるしとして、日本の国籍をいただきたいと思う」とし、夏までに日本国籍を取得する考えだ。
■独身を通してきたキーンさんは「私は『日本』という女性と結婚した。
日本人は大変優秀な国民だ。
現在は一瞬打撃を受けたが、未来は以前よりも立派になると私は信じる」と、新たな祖国になる日本の復活を信じている。
出典 msn 産経ニュース 2011.4.17
版権 産経新聞社

 

<私的コメント>
ちょっといい話としてとりあげました。
日本という国に愛想をつかして海外に脱出しようという気持ちをお持ちの先生もおみえではないでしょうか。
その考えも悪くありません。
その一方で、渦中に飛び込んで来る外国の人もいるのです。
キーンさん氏といえば、司馬遼太郎氏との対談「日本人と日本文化」 を昔に読んだことを思い出します。
 

 

mazon.co.jp: 日本人と日本文化 (中公文庫): 司馬 遼太郎, ドナルド ...

「日本人と日本文化」司馬遼太郎、ドナルド・キーン 読書の記録 ...

 

日本人と日本文化 司馬遼太郎・ドナルド・キーン **** - 意志による ...

 

 
その他
「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/
(循環器専門医向き)
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
「井蛙」内科メモ帖 
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/  
があります
 
 
 

 

固定リンク

この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
犠牲になられた方、そしてご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
また、福島第一原発事案(事故)で避難中の方、そして計画停電中の首都圏の方にお見舞い申し上げます。
また、被災者支援や原発復旧作業などの災害対策に全力を尽くされている作業員の皆様に敬意を表します。
 
 
2009年7月の第39回先進医療専門家会議で、拡張型心筋症に対する「免疫吸着療法」は「不適」と評価されました。
第39回先進医療専門家会議議事録 - 厚生労働省
しかし、その後も慶大や北里研究所病院を中心として研究が進められています。日本医事新報の「週一話」のコーナーに、北里大学北里研究所病院循環器内科の馬場彰泰副部長が「拡張型心筋症の免疫吸着療法」というタイトルで寄稿されています。

 

 

日本医事新報 No.4500 2010.7.24 P86-87
■拡張型心筋症は、遺伝因子を背景として、ウイルス性心筋炎等が契機となり、遷延する自己免疫異常によって生じると想定されている。
抗心筋自己抗体の抗原としては、ミオシン、β1アドレナリン受容体、M2ムスカリン受容体などの報告がある。
従来より抗ミオシン抗体は単独では心筋炎は生じないとされていたが、いくつかの心筋抗体(抗トロポニンⅠ抗体、抗β1アドレナリン受容体抗体)は健常マウスもしくはラットに持続投与することで、拡張型心筋症類似の心病変を誘発することが最近になって明らかとなった。
■これらの心筋抗体を除去する試みは、約10年以上前から主にドイツで行われており、少なくとも現在までに200例以上の実施例が報告されている。
■初期の検討では重症心不全例(NYHA 3度以上)に行われたが、治療例の2年生存率は約8割と、それ以外の標準的心不全治療による約6割を上回る予後改善効果も期待されている。
■このアフェレシス治療には、血漿交換療法、二重濾過血漿交換療法、免疫吸着療法などがある。
現在ドイツや本邦で臨床試験が実施されているのは、このうち免疫吸着療法である。
■初期の検討では重症心不全例(NYHA 3度以上)に行われたが、治療例の2年生存率は約8割と、それ以外の標準的心不全治療による約6割を上回る予後改善効果も期待されている。
■このアフェレシス治療には、血漿交換療法、二重濾過血漿交換療法、免疫吸着療法などがある。
現在ドイツや本邦で臨床試験が実施されているのは、このうち免疫吸着療法である。

 

 

 

以下は新聞記事からです。

血中の原因物質除去
心臓移植でしか助からない重い心臓病患者の症状を、病気の原因物質を除去する治療法で改善させることに、北里研究所病院と慶応義塾大学のチームが成功した。

患者によっては移植を待つ間に人工心臓を装着しなくて済むようになるほか、移植を前提にしない長期温存療法の実現につながる可能性があるという。
鹿児島市で開催する日本心臓病学会で二十七日発表する。

人工透析のように治療治療法を実施したのは北里研病院の馬場彰泰副部長と慶大の吉川勉・助 教授ら。

対象は心臓の筋肉が伸びきって機能不全を起こす「拡張型心筋症」の患者。
同症は病状が進行すると心臓移植が必要になる重い病気で、国内の患者数は約一万七干人。
年間約二干人が死亡している。
心臓移植を必要とする患者の九割がこの病気だ。
同症を巡っては、京都大学の本庶佑特任教授らが2003年、心臓の細胞(心筋細胞)の中にあるたんぱく質を異物として認識してできる抗体によって発症することをマウスで突き止めた。

馬揚副部長らぼヒトでもこうした抗体があり、同症を引き起こしていることを確認。同症患者の六割が該当した。
治療法はまず、腐気の原因となる抗体が血中に含まれている患者を選別。

関節リウマチなどの治療に使う「自已抗体除去法」と呼ぶ方法で、人工透析のように血液から原因抗体を取り除く。
研究チームは心臓移植が必要 な同症患者のうち原因抗体が見つかった三人(女性二人、男性一人でいずれも五十歳代)に治療法を実施。
治療前は心臓から血液を送り出す能力が健康な人の半分以下だったのが、治療後は八割程度と日常生活に支障のないレベルまで回復した。
三カ月程度で原因物質は増えてくるが、再治療で除去できる。
ドイツでも同 様の抗体除去法を約百人の患者に実施。七割の患者で治療効果が認められ、二年以上移植せずに生存している患者がいるという。

画期的な成果
大阪夫学の澤芳樹教授(心臓血管外科)の話(抗体ができている患者だけという)条件が限られるとはいえ、画期的な成果だと言える。

心臓の血液を送り出す能力 が人工心臓を付ける一歩手前の状態から、正常の一歩手前まで回復した効果は大きい。
特に症状が悪化している場合では有効だろう。
心不全を起こしているような重い患者にとって、移植や人工心臓装着の代替治療になるかどうかは現時点では判断できない。
症例数を増やし様々な角度から評価していく必要がある

出典 日経新聞・朝刊  2006.9.25
版権 日経新聞社

 

【拡張型心筋症—心移植せず治療。臨床研究に注目。抗体取り除く「免疫吸着療法」。効果に慎重意見も】
臓器移植でしか助からないとされる心臓の病気、拡張型心筋症の新しい治療法として「免疫吸着療法」が注目されている。
特殊な装置で体内の血液をろ過し、病気の原因を除去する手法だ。
まだ、いくつかの医療機関で有効性を確認する臨床研究が始まった段階だが、脳死移植医療が進展しないなか、期待は大きい。

「臓器移植が進まない現実では、何らかの救済策が求められる」。慶応義塾大学の吉川勉・准教授が新たに免疫吸着療法の臨床研究をスタートさせた背景をこう語る。


1997年に施行された臓器移植法のもと国内での心臓移植はこれまで69症例が実施された。

だが、430人が移植の希望を申請しており、実施まで2年は 待つというのが現実。
7月には改正臓器移植法が本格的に施行され、本人の意思が不明な場合でも家族が承諾すれば脳死での移植が可能になったが、今後、急速 に心臓移植が増えるとみる専門家は少ない。

◇「移植待ち」の大半

心臓移植が必要になる病気にはいくつかあるが、移植を待つ患者の8〜9割が拡張型心筋症とされる。

国内の患者数は約2万人で年間2000人が亡くなる。
心臓の筋肉(心筋)に何らかの異常が発生し、血液を全身に送り出す力が弱まってしまう病気だ。

原因が分からず、少しずつ弱まっていく心臓を見守りながら心臓移植を待つケースが多かった。

「ただ、必ずしも原因不明ではなくなってきた」と吉川准教授 は言う。
今では遺伝的な要因とウイルス感染や免疫系の異常などが複雑に絡み合っているとみられている。
リウマチやアレルギーなどの自己免疫疾患と同じよう に、体を守るはずの免疫系が間違って自分自身を、拡張型心筋症だと心筋を攻撃している可能性がある。

心筋を攻撃する抗体は血液中にある。

血液をろ過して抗体を取り除き、攻撃をなくそうと狙うのが免疫吸着療法だ。
ドイツでは90年代から臨床試験が進められ、200例以上実施された。
今回国内での臨床研究には慶大病院のほか、国立循環器病研究センターや北里研究所病院など全国8施設が参加し、症状の重い40人の患者を対象に効果を確認する計画だ。

治療は1回あたり血液の液体成分1.5リットルを特殊なろ過装置に通す。1日おきに5回実施する。その後、3ヵ月後にもう一度同じ処置を繰り返す。腎臓病患者の人工透析に近いイメージだ。


2006年に17人を対象に実施された小規模臨床研究では、ある程度の効果があった。

心臓移植を考えていたある男性患者の場合、治療を受けた後は自分の足で歩いて退院でき、その後も日常生活を送れるようになったという。

◇未解明の部分多く

ただ、拡張型心筋症に対する免疫吸着療法には慎重な意見もある。

信州大学の池田宇一教授は「まだ本当に何が効いているのかが分からない。“ブラックボックス”が多い」と話す。

血液をろ過すると、抗体以外にも様々な物質が取り除かれる。

もともと抗体が増えていない人でも効果があったという報告もあり、狙った抗体ではなく別の物質がなくなった結果、症状が緩和された可能性もある。

ほかの自己免疫疾患でも抗体を取り除く治療法はあるが、抗体は一度取り除いてもしばらくすると増えるケースが多い。

拡張型心筋症の場合、一度減少した抗体は1年たっても増えないという報告もある一方、処置前の状態に戻ってしまったという報告もある。

信州大学が独自に進めている臨床研究でも8人の患者に試みたところ、「処置後すぐは症状の改善がある程度みられたが、1年以上たった効果については疑問 も残る」(笠井宏樹・信大助教)。

ドイツ以外の欧州各国でも免疫吸着療法が広まらない現状も、何が効いているのか、どんな患者であれば特に効果が期待でき るのか絞り込めない点にあるとみている。

こうした課題を踏まえつつ、池田教授は「多くの症例を比較してどんなタイプの症例に特に有効か手掛かりが見つかればいいだろう」と臨床研究に期待も込める。

免疫系の働きを抑える薬との併用が効果的かもしれないとみる。
 
出典 日経新聞・夕刊  2010.8.6
版権 日経新聞社

 

<関連サイト>
拡張型心筋症|慶應義塾大学病院 KOMPAS
人工透析のようなカラムを用いて、拡張型心筋症の患者さんの血清に存在する抗心筋自己抗体の除去を行うことで心機能の改善を認めることが報告されています。
日本では当院においてはじめて臨床応用を行い、現在までに17例(共同研究施設を含む)に治療を行っています。
まだ確立された治療ではありませんが、 拡張型心筋症による治療抵抗性心不全の場合に考慮すべき治療と思われます。
当院が全国の中核施設となって、現在臨床試験を推進中です。

 
[PDF] 拡張型心筋症による重症心不全に対する免疫吸着療法重症心不全の「免疫吸着療法」を発表:信州大学医学部

 


拡張型心筋症に対する免疫吸着療法の治験について
http://www.kitasato-u.ac.jp/hokken-hp/consultation/guide/diagnosis/circulation/immunoadsorption.html
 
[PDF] PowerPoint プレゼンテーション
 
拡張型心筋症に対する「免疫吸着療法」 
http://yaplog.jp/hurst/archive/150

 

拡張型心筋症に新治療
http://blog.m3.com/reed/20101224/1

~心筋症~  病因解明・治療に新展開
http://blog.m3.com/reed/20100627/2
 
 
 
その他
「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/
(循環器専門医向き)
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
「井蛙」内科メモ帖 
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/  
があります
 

 

固定リンク

この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
犠牲になられた方、そしてご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
また、福島第一原発事案(事故)で避難中の方、そして計画停電中の首都圏の方にお見舞い申し上げます。
また、被災者支援や原発復旧作業などの災害対策に全力を尽くされている作業員の皆様に敬意を表します。
 
 
 
糖尿病治療薬として一般的に使用されるメトホルミンは、血糖値を安定化するだけでなく、心疾患の予防にもなることが報告された。
メトホルミンまたはインスリン分泌促進薬を服用する患者10万人強を対象としたデンマークの研究から、メトホルミンおよびインスリン分泌促進薬のグリクラジド(※日本ではSU薬に分類)、レパグリニドで、心血管疾患および死亡リスクが最も低いことが判明し、欧州心臓病学会(ESC)誌「European Heart Journal」オンライン版に4月6日掲載された。

 

同誌付随論説の共著者で、米テキサス・サウスウェスタン大学(ダラス)メディカルセンター准教授のDarren McGuire 博士は「今回の知見はこの3薬に予防的効果のあることを示している」と述べている。
過去の研究から、メトホルミンは偽薬(プラセボ)に比較し、主要な有害心イベント(事象)リスクを低減することが示されていた。
メトホルミンは2型糖尿病治療のファーストライン(first line)治療薬として推奨される薬剤である。
インスリン分泌促進薬は単独あるいはメトホルミンとの併用で広く処方されているが、心血管への長期的な影響 についての情報が欠けていた。
今回、心臓への影響を検討するために、デンマーク、コペンハーゲン大学病院のTina Ken Schramm博士らは、20歳以上のデンマーク在住の10万7,806人のデータをレビューした。全員がメトホルミン、グリメピリド、グリクラジド、グ リベンクラミド、glipizideグリピジド(※国内未承認)、トルブタミド、レパグリニドなどの糖尿病治療薬を服用しており、9,607人が過去に心血管イベント(心臓発作、脳卒中)などを経験していた。
その結果、インスリン分泌促進薬の4薬剤で過去に心血管イベントがなかった人で全死因死亡リスクが高く、メトホルミンと比較してグリメピリドは32%、グリベンクラミドは19%、グリピジドは27%、トルブタミドは28%それぞれ高かった。
過去に心血管イベント歴のある人ではリスクはさらに高かった。
また、これら薬剤を服用している人では、心臓発作、脳卒中などのリスクが高いことも判明した。
しかしグリクラジド、レパグリニドはメトホルミンと似たリスクプロファイルを有しており、死亡、心臓発作、脳卒中のリスク増大とは関連がみられなかったという。
なお、McGuire氏は「いかなるタイプの糖尿病治療薬であっても、患者自身で服用を中止してはいけない」と警告、心配であれば医師と相談することを勧めている。
 
出典 Health Day News 2011.4.7
版権 Health Day

 

 

<自遊時間>
ずっとウソだった(歌詞付き) http://www.youtube.com/watch?v=q_rY6y24NAU&feature=related
 
黒い雨
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E3%81%84%E9%9B%A8
 
黒い雨 (映画)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E3%81%84%E9%9B%A8_%28%E6%98%A0%E7%94%BB%29


その他
「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/
(循環器専門医向き)
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
「井蛙」内科メモ帖 
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/  
があります
 
 
 

固定リンク

STICH試験

戯れ言たれる侏儒 / 2011.04.27 00:32 / 推薦数 : 2
この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
犠牲になられた方、そしてご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
また、福島第一原発事案(事故)で避難中の方、そして計画停電中の首都圏の方にお見舞い申し上げます。
また、被災者支援や原発復旧作業などの災害対策に全力を尽くされている作業員の皆様に敬意を表します。
 
 
 
米国心臓病学会(ACC)学術集会2011(2011.4.3~5 米国・ニューオーリンズ)でのLate-Breaking Clinical Trials IIのSTICH(Surgical Treatment for Ischemic Heart Failure)試験の記事で勉強しました。
「虚血性心不全ではCABGが有用である可能性も」というサブタイトルのついた記事です。

 

 

虚血性心不全患者においてCABG+薬物療法は,薬物療法のみの場合と比較し30日後の死亡率が高く,6年後の死亡率にも有意差は得られないことが,STICH試験の結果によって示された。
STICH試験の対象者は,左室駆出率≦35%かつCABGに適した冠動脈疾患を有する1212例。
一次エンドポイントである6年後の全死亡に有意差は示されなかった(CABG+薬物療法群36% vs 薬物療法群41%,ハザード比0.86,95%信頼区間 0.72-1.04,P=0.12)。
ただし,6年後までの心血管死亡率および全死亡+心血管疾患による入院の発生率は,CABG+薬物療法で有意に少ないことが示された。
また,per-protocol解析では6年後までの全死亡率もCABG+薬物療法群のほうが低かったとし,発表者のEric J. Velazquez氏は,「虚血性心不全に対するCABGについての重要な知見である」と述べた。

 

STICH試験についてのミシガン大学医学部外科学のSteven F. Bolling氏先生へのインタビュー記事は

 

STICH試験とPRECOMBAT試験
http://blog.m3.com/reed/20110418/PRECOMBAT_

 

でとりあげました。

 

以下はメイヨークリニック医学校のGersh教授へのインタビュー記事です。

 

CABGは虚血性心不全にも有効,ただし代償も伴う
ニューオーリンズで開催されたACC 2011のLBCTにて,4月4日,CABG関連トライアルであるSTICH試験とPRECOMBAT試験が発表となった。
虚血性心不全に対するCABG について検討したSTICH試験では,一次エンドポイントには薬物療法との有意差がみられていない。
しかし,per-protocol解析ではCABGの有意な死亡抑制効果が示された。
専門家はこの結果をどのように捉えているのか。
メイヨークリニック医学校の Bernard Gersh氏に感想を聞いた。 
 
「冬眠心筋」の概念が土台となったSTICH試験
1960年代,世界的な心臓病学の権威であった故George Birch氏は,虚血性心筋症,つまり心不全で来院した患者が実は冠動脈疾患を有していたという病態について発表しています。
こののち,南カリフォルニア 大学の研究者によって「冬眠心筋」の概念が提唱され,これがSTICH試験の構想の土台となっています。
左室機能障害(LVD)患者では,虚血は強力な予後決定因子です。逆に,
虚血性心疾患患者では,LVDがもっとも重要な死亡予測因子になります。
このように,虚血とLVDの合併には注意が必要であり,バイパス手術が適応されるべきと考えられます。
このことを裏付ける臨床試験はたくさんありますが,そ の多くが古いデータです。
手術の危険も今に比べてかなり高かったため,25年前なら,STICH試験のような患者に手術をするのは「最先端の治療」ではありませんでした。

 

 

CABGによる死亡抑制効果が認められたと捉えるのが妥当
STICH試験では,手術可能な重症虚血性心不全患者を対象にCABG+薬物療法と薬物療法のみの有用性が比較されました。
一次エンドポイントである全死亡は,intention-to-treat解析では有意な群間差は認められませんでしたが,死亡+心血管イベントによる入院の複合はCABGによるはっきりとした抑制効果が示されました。
さらに,今回はper-protocol解析やon-treatment解析も実施され,これらの解析では,CABGによる有意な死亡抑制効果が 明確に示されました。
今回のon-treatment解析の結果は非常に重要だと思います。
CABG群に割り付けられた患者の9%が,実際にはCABGを受けなかったからです。
この試験は,患者の重症度が高く,実施も非常に難しい試験でした。
重症例を試験に組み入れてランダム割付けするのは困難ですし,そもそも手術が可能な重症例であれば,医師は当然,バイパス手術を行って患者を救いたいと考えるでしょうから,割付け可能な患者を見つけること自体が難しかったはずです。

 

 
 
心筋バイアビリティについては解釈が難しい結果
STICH試験の前向きサブスタディであるSTICH Viability試験の 結果は,非常にわかりにくいものでした。
とくに,心筋バイアビリティのある例に比べ,ない例のほうがCABGのベネフィットが大きかったというのは,解釈 が難しい結果です。
ひとつ考えられるのは,心筋バイアビリティがないほどの重症例だからこそ,CABGのメリットが大きかったのではないかということです。
このような厳しい状態にある患者は,心筋梗塞がもう一度起これば致命的になりますから,CABGにより再発を予防できたことが良好な予後につながった のかもしれません。
ただし,これは今回のデータからは検証できません。
現在進行中のさまざまな解析結果もみて,判断していく必要があります。
STICH Viability試験では,同意した患者でのみ心筋バイアビリティの判定を行っており,ランダム割付けが行えなかったため,選択バイアスの可能性もあると考えられます。

 

心不全患者の手術にはそれなりの代償が伴う
では,STICH試験のこれらの結果を臨床現場でどのように生かせるでしょうか。
まず1つは,心不全患者に対して,医師はその心不全の病因を明らかにし,冠動脈疾患をもつ患者を同定する責任があるということです。
もし冠動脈疾患であれば,STICH試験の結果をふまえてCABGによるベネフィットが期待できることから,さらに手術の適応を判断する必要があります。
具体的には血管造影を行うのがよいでしょう。
もう1つは,治療方法は個々の患者の状況に応じて決定されるべきだということです。
手術を行う患者の選択は慎重に行わなければならず,年齢,腎機能,その他の合併症も考慮しなくてはなりません。
心不全患者の手術には,それなりの代償が伴います。
今回の結果をうけて,患者にできる説明はこのようになると思います。
『CABGを実施した場合は,術後早期に死亡リスクが少し高まりますが,その時期を乗り切れば心不全入院リスクは下がります』
私は,自分の患者にはしかるべき方法で心筋バイアビリティ検査を続けたいと思います。
今回は心筋バイアビリティの判定にドブタミン負荷心エコーと心筋SPECTが用いられましたが,PETや心臓MRIのほうが望ましいと考えられるため,手法に疑問をもつ人もいるでしょう。
MRIを使えば,心筋バイアビリティだけでなく,瘢痕組織,リモデリングの範囲,左室容積などの評価も可能です。
具体的には,もしある患者で心筋バイアビリティがなく,瘢痕組織が 多くみられたとしたら,私は手術には踏み切りません。

 

Profile: Dr. Bernard Gersh, MB, ChB, D.Phil, FRCP, FACC
メイヨークリニック医学校教授。専門は冠動脈疾患,臨床電気生理学,成人先天性心疾患, 心筋症など。Circulation,Journal of American College of Cardiology,European Heart Journalなど25の専門誌の編集委員で,これまでの自身の発表論文は650以上にのぼる。AHA臨床心臓病学部門の元議長,ACCの元評議員であり,現在はWHOの心血管ワーキンググループ議長も務める。
 
http://therres.jp/1conferences/2011/ACC2011/20110411091852.php

 

<関連サイト>
STICH
http://blog.m3.com/reed/20090604/STICH
 
PRECOMBAT試験
http://blog.m3.com/reed/20110418/PRECOMBAT_

 
 
CABGかPCIか,それは病変の位置,数,広がり,複雑性で決まる
(メイヨークリニック医学校Bernard Gersh教授によるPRECOMBAT試験に関するインタビュー記事)
 
 
<番外編>
日本循環器学会が急告、中止の学術集会の夏開催決定
3月に中止決定するも、日程を再調整して7月から8月をめどに開催へ
日本循環器学会は4月13日、総会・学術集会を7月から8月をめどに開催することを発表した。
当初、3月18日から20日の日程で、横浜で開催する予定だったが、東日本大震災の発生を受けて中止を決定していた。
発表演題が2362に上る大きな大会であるために、学術活動の停滞も懸念されるとして4月9日 の理事会で夏に延期しての開催を決定した。
会期を短縮し、災害医療に関する緊急企画を実施するなど、プログラムを再編する方針。 
http://www.m3.com/academy/news/article/135296/?portalId=mailmag&mm=MA110417_111
出典 m3.com

 

<きょうの一曲>  秋桜
山口百恵 秋桜
http://www.youtube.com/watch?v=QJw5i79VIrA&feature=fvwrel
 
Marlene - Cosmos
http://www.youtube.com/watch?v=JYXsbjqibkQ
(シャーリー・バッシーばりに感動的に唱い上げる歌唱力は大したものです。)

秋桜 さだまさし
http://www.youtube.com/watch?v=bbYWo86i6Es&feature=related

秋桜~福山雅治
http://www.youtube.com/watch?v=Gh1wKdxQp9Y&feature=related

徳永英明 / 秋桜
http://www.youtube.com/watch?v=Q4HZvG7BWXI&feature=related

 
 
 
 
渡辺 啓輔  安曇野新緑 F6
http://www.ichimainoe.co.jp/index/watanabe_keisuke.html

 

 

その他
「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/
(循環器専門医向き)
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
「井蛙」内科メモ帖 
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/  
があります

 

 

 

 

 

 
 
 
 
 


 

 

 

固定リンク

この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
犠牲になられた方、そしてご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
また、福島第一原発事案(事故)で避難中の方、そして計画停電中の首都圏の方にお見舞い申し上げます。
また、被災者支援や原発復旧作業などの災害対策に全力を尽くしてみえる皆様に敬意を表します。
 
 
ダビガトラン「出血慎重論は不要なイベントを増やす」で150mgのみ承認
米FDA諮問委員会報告
昨年(2010年),米食品医薬品局(FDA)は優先審査品目に指定した心房細動患者の脳卒中発症抑制を適応とする経口の直接トロンビン阻害薬ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩を承認した(日本では75mg,110mg製剤が今年1月に承認,3月に販売開始)。
当初,設定されていたダビガトラン150mgと110mgのいずれの製剤も承認する可能性があった。
しかし,承認時の参考にした臨床試験の結果は,150mg投与ではワルファリンに比べ優越性が高く出血リスクより脳卒中または全身性塞栓症抑制のベネフィットが上まわっていた。
一方,110mgではワルファリンに比べてリスクは低いが,ベ ネフィットは同等であったため,出血リスクに慎重になりすぎるあまり,不要なイベントを発生させる可能性があるとの理由から,150mgのみを承認したことをFDA冠動脈・腎疾患製剤担当部門のB Nhi Beasley氏らは,N Engl J Med4月13日オンライン版に報告した。

 

非劣性に加え優越性を検討
ダビガトランの承認はRE-LY試験(Randomized Evaluation of Long term anticoagulant therapy)の結果に基づいて行われた。
同試験は,日本を含む44カ国,900以上の施設に登録された少なくとも1つ以上の脳卒中リスクを有する非弁 膜症性心房細動(AF)患者1万8,113例が対象。
ダビガトラン150mg(1日2回投与)群,同110mg(1日2回投与)群,ワルファリン群にランダムに割り付け,長期の有用性と安全性を比較検討したが,ワルファリンに対するダビガトランの非劣性を検討した上で,さらに優越性を検討するように統計デザインされた。
 
結果は,ダビガトラン150mg群はワルファリン投与群に比べて心房細動患者の脳卒中または全身性塞栓症の発症リスクが34%有意に低下(ハザード比0.66,95%CI 0.53~0.82,P<0.001,)。
ダビガトラン150mg群の優越性が示された。
大出血リスクは両群に差はなかった。

 

一方,ダビガトラン110mg群では脳卒中または全身性塞栓症の発症リスクをワルファリン投与群と同程度に抑制(ハザード比0.91,95%CI 0.74~1.11,P=0.34)。
しかし,大出血リスクはワルファリン投与群に比べて20%有意に(同 0.80,6.69~0.93,P=0.003)低下していたことから,ダビガトラン110mg群の優越性が示された。
 
さらに,ダビガトラン150mg群および110mg群の脳卒中または全身性塞栓症の発症リスクを比較。結果は,110mg群に比べて150mg群の脳卒中または全身性塞栓症の発症リスクが27%有意に低かった(同0.73,0.58~1.91,P=0.005)。

 
 

110mgのリスク/ベネフィット・プロファイルに疑問符
Beasley氏らFDA諮問委員会は,同試験サブグループについても詳細な検討を加えている。

対象を75歳以上(7,238例,全対象者の40%)に絞り,用量の違いによるイベント発生率を検討。
心房細動患者の脳卒中または全身性塞栓症の 発症率はダビガトラン150mg投与群で低かったが(1.4/100人・年 vs. 1.9/100人・年),出血については110mg群の方が低かった(5.1/100人・年 vs. 4.4/100人・年)。

 

同試験では重症の腎障害例が除外されたが,中等度腎障害例(クレアチニンクリアランス>30~50/分,3,343例)のサブグループでは,ダビ ガトラン150mg投与群の脳卒中または全身性塞栓症の発症率は110mg群の約半数であり(1.3/100人・年 vs. 2.4/100人・年),大出血の発生に大きな差はなかった(5.3/100人・年 vs. 5.7/100人・年)。

さらに,出血の既往がある高リスクの患者についても検討。同試験対象の57%は大出血が見らたが,脱落せずに試験を完遂,出血率はダビガトラン150mg投与群16%,110mg群14%,ワルファリン投与群12%であった。

これらの結果を踏まえ,Beasley氏らは「ダビガトラン150mg服用による脳卒中または全身性塞栓症の発症抑制というベネフィットが非致死 性出血のリスクを上まわっており,各サブグループの検討結果を見ても用量が低い110mgの服用がリスク/ベネフィット・プロファイルを改善するとは考え にくかった」と述懐した。

それまでワルファリン服用例には出血リスクを危惧する患者もいる。
そのため,ダビガトラン110mgを承認すればワルファリンに比べて出血リスクが低い薬剤として新たなオプションに位置付けられたかもしれない。
しかし,出血リスクに慎重になりすぎるあまり,十分なイベント抑制効果が得られなかった110mgを使用することで不要なイベントを発生させる可 能性があると結論付けられた。
最終的に,FDA諮問委員会はワルファリンに比べてイベント発生抑制の優越性が示されたダビガトラン150mgのみの承認を決定したという。
                (田上 玲子)
出典 MT Pro 2011.4.19
版権 メディカル・トリビューン社
 
 
ダビガトラン 関連サイト>
身近になる抗凝固療法 抗血栓療法に新展開
http://blog.m3.com/reed/20110402/1
■RE-LY試験では、ダビガトラン150mgを1日2回服用した患者群は、脳卒中および全身性塞栓症の発症率(有効性)、頭蓋内出血の発現率(安全性)ともに、ワルファリン服用群よりも有意に抑制された。
また110mgを1日2回服用した患者群でも、脳卒中および全身性塞栓症の発症率がワルファリンと同等で、頭蓋内出血の発現率が有意に抑制された。
■腎排泄されるため、腎機能が低下した患者では禁忌(クレアチニンクリアラ ンス[Ccr]が30mL/分未満)または慎重投与(同30〜50mL/分の場合は110mg×2/日への減量を考慮する)となっている。
■腎機能が正常であれば手術前の24時間前から休薬すればよく、術後も服用すればすぐ抗凝固作用が表れる。

トロンビン阻害薬ダビガトラン
http://blog.m3.com/reed/20110218/1

新規抗凝固薬dabigatran
http://blog.m3.com/reed/20110105/_dabigatran

Dabigatran
http://blog.m3.com/reed/20090922/dabigatran

RE-LY
http://blog.m3.com/reed/20101011/RE-LY

RE-LY試験アゲイン
http://blog.m3.com/reed/20091231/RE-LY_

 

 

その他
「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/
(循環器専門医向き)
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
「井蛙」内科メモ帖 
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/  
があります

固定リンク

この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
犠牲になられた方、そしてご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
また、福島第一原発事案(事故)で避難中の方、そして計画停電中の首都圏の方にお見舞い申し上げます。
また、被災者支援や原発復旧作業などの災害対策に全力を尽くしてみえる皆様に敬意を表します。
 
 
東大・藤田教授ら,食塩感受性高血圧へのエピジェネティクス関与を発見
ヒストン修飾によってNa排泄低下
食塩感受性高血圧の発症リスクは,肥満やメタボリックシンドローム,食塩の過剰摂取などによって高まることが知られている。
東京大学大学院腎臓・内分泌内 科の穆勝宇氏,教授の藤田敏郎氏らは,世界で初めて食塩の高摂取に伴う交感神経活動の亢進が食塩感受性高血圧の発症をもたらす機序を詳しく解き明かし,そ の研究成果がNature Medicine4月17日オンライン版に掲載された。
食塩感受性高血圧の発症には,真核細胞の染色体を構成する蛋白質であるヒストンが修飾され,腎臓におけるナトリウム(Na)排泄が低下するなど,遺伝子の発現を制御する現象であるエピジェネティクスが関与しているという。
 
 
ヒストンのアセチル化はβ2アドレナリン作動性受容体が前提
食塩摂取に伴う交感神経活動の亢進は,腎臓におけるNa排泄を低下させると考えられており,排泄能は,細胞核内にある食塩排泄性遺伝子であるWNK4の転写活性の度合いによって左右される。
WNK4は 腎臓の遠位尿細管のNa-塩素(Cl)共輸送体(NCC)活性を抑制し,Na排泄を促す役割があるが,ヒストンアセチル化はこの遺伝子に関与する。
藤田氏 らは,交感神経活動の亢進によって活性化されるβ2アドレナリン作動性受容体による刺激が,ヒストンアセチル化を引き起こすことを発見した。
 
具体的には,食塩摂取で交感神経活動が亢進すると,神経伝達物質であるノルアドレナリンの放出が起こり,β2アドレナリン作動性受容体を活性化。
それに起因して,ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)8がリン酸化され,ヒストンアセチル化がもたらされるという。
 
しかし,通常,ヒストンアセチル化は,遺伝子の転写活性を促進するが,WNK4はこのような機序を経るにもかかわらず発現が抑制されており,腎臓におけるNa排泄機能が障害され,血圧が上昇する結果となっていた。
 
 
nGREに遺伝子調節蛋白質が作用し,WNK4の発現を抑制
そこで研究がさらに進められ,WNK4のプロモーター領域に,遺伝子の転写活性を抑制する働きを持つnegative糖質コルチコイド認識配列(nGRE)があり,ヒストンアセチル化がnGREの作用を強めていることが明らかになった。
この仕組みが,ヒストンアセチル化によるWNK4の発現抑制を導く要因と言える()。
 
WNK4の発現にアドレナリンが,抑制にヒストンアセチル化が関連するという概念は,今までまったく知られていなかった。この概念は,食塩の過剰な摂取が,食塩感受性高血圧の発症リスクを上昇させる背景に,WNK4の転写活性の変化,すなわち“エピジェネティクス”が関与するという新知見である」と解説した。 

高まる“ヒストン修飾薬”への期待
以上の研究成果から,食塩感受性高血圧に対する新たな創薬ターゲットとして,ヒストンのアセチル化を阻害するヒストン修飾薬の臨床応用が試みられている。
同薬の有効性については,鉱質コルチコイドの酢酸デオキシコルチコステロン(DOCA)により高血圧状態にしたラットに投与したところ,DOCA 単独投与ラットに比べ,WNK4の発現量が有意に増加し,動脈圧が有意に低下した検討結果が示されている。

 
また,同薬は,高血圧治療に用いられる利尿薬の副作用である,高尿酸血症や低カリウム血症の発症リスクも低いと見られるという。

 
藤田氏は「わが国において約4,000万人にのぼる高血圧患者のうち,食塩感受性が高い人の割合は欧米より高く,現在,食塩感受性高血圧に有効な 治療薬の開発が望まれている。今回の研究成果が,食塩摂取の多いわが国の高血圧患者に恩恵をもたらすのではと期待している」と述べた

                 (陶山 慎晃)
出典 MT pro 2010.4.18
版権 メディカル・トリビューン社

 
 
その他
「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/
(循環器専門医向き)
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
「井蛙」内科メモ帖 
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/  
があります
 

固定リンク

心筋梗塞発症関連 2題

戯れ言たれる侏儒 / 2011.04.24 11:32 / 推薦数 : 0
この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
犠牲になられた方、そしてご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
また、福島第一原発事案(事故)で避難中の方、そして計画停電中の首都圏の方にお見舞い申し上げます。
また、被災者支援や原発復旧作業などの災害対策に全力を尽くしてみえる皆様に敬意を表します。

 

心疾患患者へのストレス管理療法は心筋梗塞予防に有効
ウプサラ大学病院(スウェーデン・ウプサラ)のMats Gulliksson博士らは,冠動脈性心疾患(CHD)患者にストレス管理を目的とした認知行動療法(CBT)を実施したところ,心筋梗塞や他の心血管イベントの再発リスクが低下した。
Archives of Internal Medicine(2011; 171: 134-140)
 
教育や技能訓練などに焦点
心筋梗塞リスクの約30%は心理社会的要因によるものとされている。Gulliksson博士らによると,アテローム動脈硬化や心血管疾患(CVD)の 進行を招く心理社会的要因には,
(1)社会経済的地位が低い
(2)社会的支援が乏しい
(3)結婚や職業に関する問題がある
—などの慢性ストレッサーと,大うつ病,敵意,怒りや不安などの感情要因の2種類があるという。
これらの要因は,既存の危険因子で調整後も心疾患リスクの上昇をもたらすと考えられてい る。
同博士らは,CBTの効果を検討するため,過去12カ月以内にCHDのため入院治療を受け退院した男女362例を対象にランダム化比較試験を実施した。
被験者を従来治療群(170例)と従来治療にCBTプログラムを追加したCBT群(192例)にランダムに割り付け, 治療効果を比較した。
CBTプログラムは,
(1)教育
(2)自己モニタリング
(3)技能訓練
(4)認知再構成
(5)精神的発達
—の5つの領域に焦点が合わせられており,それぞれの領域には目標が設けられた。
プログラムの目的はストレス管理で,ストレスに対処し,日常のストレス,時間に追い立てられる感覚や敵意をなるべく持た ないようにするよう指導した。
CBT群では,少人数の男女別グループにて1回2時間のセッションを1年間に20回行った。
従来治療群では,既存の危険因子に対する治療が行われた。
 
グループ治療で効果
平均94カ月間の追跡期間中,CBT群では23例が死亡し,69例(35.9%)が非致死的心血管イベントを,41例(21.4%)が非致死的心筋梗塞 を起こした。
従来治療群では25例が死亡,77例(45.3%)が非致死的心血管イベントを,51例(30%)が非致死的心筋梗塞を起こした。
CBT群の 致死的・非致死的心血管イベントの初回再発率は,いずれも従来治療群より41%低く,心筋梗塞の再発率は45%低いという結果で,ともに統計学的に有意で あった。
死亡率は,従来治療群に比べてCBT群の方が28%低かったが,有意差は生じなかった。
CBT群では,プログラムの出席率が高い患者でリスク低下 度が大きかった。 
同博士らは「CVDや冠動脈疾患リスクを低下させるには,グループで行う長期間のCBTが有効なことが分かった。CBTを行うことで行動的・感情的反応が低減し,心血管系への心理社会的負担が軽減すると考えられる。これがリスク低下につながっている」と説明。
「この結果はCBTを急性心筋梗塞の二次予防 プログラムに含めることで,治療へのアドヒアランスが向上し,アウトカムの改善が得られることを示しており,臨床的に重要である」と結論付けている。
 
出典 Medical Tribune  2011.4.21
版権 メディカル・トリビューン社

 

 

 
身体活動や性的活動
急性心イベントへの影響は限定的
これまでの研究で,身体活動や性的活動をたまに行うことが急性心イベントのトリガー(誘発因子)となる可能性が示されている。
そこで,タフツ医療センター 臨床研究・保健政策研究所(ボストン)のIssa J. Dahabreh博士らは,身体・性的活動と心筋梗塞または心臓突然死(SCD)との関連を検討した研究14件についてシステマチックレビューとメタ解析 を実施。
その結果,これらの活動により心筋梗塞やSCDのリスクは短期的には上昇するが,絶対リスクは小さく,トリガーとしての影響は限定的であることが分かった。
また,これらの活動を定期的に行う人では,活動の頻度が低い人に比べて心筋梗塞やSCDのリスクが低いことも分かった。
 
JAMA(2011; 305: 1225-1233)
 
 
 
個人レベルの絶対リスク上昇は小さい
米国では急性心イベントの発生や同イベントが原因の死亡は極めて多く,急性心筋梗塞の発症件数は年間100万件,心停止の発生件数は同30万件に上ると報告されている。
研究の背景情報によると,これまでの研究で定期的な身体活動が心血管疾患リスクや同疾患に関連した死亡リスクの低下に強く関連することが確認されている。
このような定期的な身体活動からもたらされる便益が明確に示されている一方で,急に身体活動や性的活動を行ったり,心理的なストレスがかかることが, 急性心イベントのトリガーとなる可能性が示されている。
そこで,Dahabreh博士らは今回,解析対象となる基準を満たしたケースクロスオーバー研究14件を対象にシステマチックレビューとメタ解析を行い,(定期的ではなく)たまに身体活動や性的活動を行うことが,急性心イベントと関連するか否かについて検討した。
その結果,身体活動と性的活動はいずれも心筋梗塞リスクの上昇と関連していた〔身体活動による相対リスク(RR)3.45,95%信頼区間 (CI)2.33~5.13;性的活動によるRR 2.70,95%CI 1.48~4.91〕。
また,身体活動とSCDリスクの上昇との関連も認められた(RR 4.98,95%CI 1.47~16.91)。
ただし,同博士らは「個人レベルで見た絶対リスクの上昇は小さく,身体活動や性的活動の影響は限定的なものである」としている。
今回の解析の結果では, 身体活動または性的活動に充てられる時間が1週間当たり1時間増えるごとに,心筋梗塞の発生は1万人年当たり2~3ポイント,SCDの発生は1ポイント上 昇するにとどまった。
 
定期的な活動でリスク低下
さらにDahabreh博士らは,身体活動や性的活動を行う頻度が急性心イベントリスクとの関連にどのように影響するかについて,フィッシャーの正確確率検定により検討した。
 
その結果,身体活動と心筋梗塞リスクおよびSCDリスク(いずれもP<0.001)や,性的活動と心筋梗塞リスク(P=0.04)などの関連において,これらの活動の頻度が有意に影響することが明らかになった。
これらの活動の頻度が低くなるほど,急性心イベントのトリガーとしての影響は強くなった。
これに対して身体活動を行う時間が1週間当たり1時間増えるごとに,心筋梗塞のRRは45%,SCDのRRは30%低下した。
 
今回の研究結果について,同博士らは「身体活動や性的活動と,心筋梗塞との間に有意な関連が認められ,身体活動とSCDとの関連も示唆された。最も重要な点として,このような関連にはどの程度習慣的にこれらの活動を行っているかが強く影響しており,身体活動を行う頻度が高い人では低い人に比べてリスクの上昇は小さかった。また,短期的な身体活動や性的活動による急性心イベントの絶対リスクは小さかった」と説明した上で,「これらの結果から,身体活動や性的活動が有害な作用をもたらすと考えるのは誤った解釈である。これらの活動による急性心イベントリスクの上昇は,一時的かつ短期的なものにすぎない」と述 べている。
 
出典 Medical Tribune  2011.4.21
版権 メディカル・トリビューン社 
 
 
その他
「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/
(循環器専門医向き)
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
「井蛙」内科メモ帖 
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/  
があります
 
 

固定リンク

この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
犠牲になられた方、そしてご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
また、福島第一原発事案(事故)で避難中の方、そして計画停電中の首都圏の方にお見舞い申し上げます。
また、被災者支援や原発復旧作業などの災害対策に全力を尽くしてみえる皆様に敬意を表します。
 
 
非STEMI患者
半数強が発症から2時間超えて来院
メイヨー・クリニック(ミネソタ州ロチェスター)のHenry H. Ting博士らは,非ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者を対象に発症から来院までの所要時間を調べた結果,2時間を超えることが明らかになった。
詳細はArchives of Internal Medicine(2010; 170: 1834-1841)に発表された。
同博士らは「非STEMI患者では,来院までの所要時間と院内死亡との間に相関は見られなかったが,患者は自分が非 STEMIかどうかを判断できないため,どちらにしてもできる限り早く来院することが望ましい」と指摘している。
 
患者10万4,622例を検討
研究の背景情報によると,米国心臓病学会(ACC)/米国心臓協会(AHA)ガイドラインでは,急性冠症候群を示唆する症状が5分以内に改善しない場合は,救急車を要請するよう患者に勧めている。
先行研究では,STEMI患者の場合,来院が遅れるほど,院内で死亡するリスクが高まることが示されている。
Ting博士らは「STEMI患者では,発症から来院までの平均時間は2時間で,多数の公的教育キャンペーンにもかかわらず,大幅な短縮は見られない」と説明している。
その一方で,非STEMI患者では,来院までの所要時間がアウトカム不良につながるかどうか,また所要時間に影響を及ぼす因子を検討した研 究はまだないとしている。
 
そこで同博士らは今回,非STEMI患者の来院までの所要時間を調べるため,2001~06年にCRUSADE(注)に参加した568病院から,非STEMI患者10万4,622例のデータを抽出。患者の人口統計学的情報,臨床情報,医師と病院の特徴,薬剤使用歴と治療法およびアウトカムに関するデータを収集した。
(注)Can Rapid Risk Stratification of Unstable Angina Patients Suppress Adverse Outcomes With Early Implementation of the American College of Cardiology/American Heart Association Guidelines
 
 
院内死亡リスクとの関連なし
解析の結果,発症から病院到着までの所要時間(中央値)は2.6時間で,2001年から2006年にかけてほぼ一定であった。
患者の約59%が来院までに2時間を超え,11%では発症から12時間以上も経過してから病院に到着していた。
今回の研究では,経過時間と患者の院内死亡リスクに一貫した,または強い関連性は認められなかった。
 
高齢,女性,白人以外の人種,糖尿病または喫煙中の患者では,発症から病院到着までの所要時間が長くなる傾向にあった。
しかし,Ting博士らは「これ らの因子が発症から病院到着までの時間に及ぼす影響は10%未満と比較的小さいため,症状の自覚と受診への意識の向上を目的とした介入は,危険因子(年 齢,性または糖尿病)を有するか否かに関係なく,心筋梗塞リスクがあるすべての患者に実施すべきである」と述べている。
 
また,平日の午前8時~午後4時に受診した患者と比べ,平日と週末の夜間(深夜0時~午前8時)に受診した患者の方が,来院までの時間が約24%短かった。
同博士らは,この知見について「夜間に迅速に受診を決めた理由は断定できないが,もしかしたら
(1)1人で自宅にいる夜間に不安が高まる
(2)活動中 または仕事中である日中に症状を我慢しがちである
(3)夜間の救急科は待ち時間が短く,それほど混んでいないと認識されている
—ことなどが考えられる」と述べている。
 
同博士らは「今回の研究から,非STEMI患者でも,発症から来院までの時間が推奨よりも大幅に遅れていることが明らかになった。受診への意識を高めるための戦略は,STEMI患者,非STEMI患者双方に必要である」と結論している。
 
出典 Medical Tribune 2011.4.21
版権 メディカル・トリビューン社

 

<きょうの一曲> マーラー Symphony No. 10
『マーラー 君に捧げるアダージョ』映画公式サイト
http://www.cetera.co.jp/mahler/
 
マーラー 君に捧げるアダージョ
http://www.moviecollection.jp/movie/detail.html?p=1475
 
映画『マーラー 君に捧げるアダージョ』予告編
http://www.youtube.com/watch?v=h7fyALTwPEI
 
Mahler: Symphony No. 10: Adagio - Part 1 of 3
http://www.youtube.com/watch?v=4kDWPfEpMyU&feature=related
 
Mahler: Symphony No. 10: Adagio - Part 2 of 3
http://www.youtube.com/watch?v=ikTni7DPROM&feature=related
 
Mahler: Symphony No. 10: Adagio - Part 3 of 3
http://www.youtube.com/watch?v=-GVUnb_e3h8&feature=related
 
交響曲第10番 (マーラー)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC10%E7%95%AA_%28%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BC%29

 

 
その他
「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/
(循環器専門医向き)
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
「井蛙」内科メモ帖 
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/  
があります

 

 

 
 
 

固定リンク

この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
犠牲になられた方、そしてご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
また、福島第一原発事案(事故)で避難中の方、そして計画停電中の首都圏の方にお見舞い申し上げます。
また、被災者支援や原発復旧作業などの災害対策に全力を尽くしてみえる皆様に敬意を表します。
 
 
厳格な心拍数管理に便益はない
ACC/AHA/ESC心房細動ガイドラインの一部改訂
米国心臓病学会(ACC),米国心臓協会(AHA),欧州心臓病学会(ESC)は最新のデータから得られたエビデンスに基づき,心房細動(AF)管理に関する2006年の共同ガイドラインを一部改訂し,Circulation(2011; 123: 104-123),Journal of the American College of Cardiology(2011; 57: 223-242),HeartRhythm Journal(2011; 8: 157-176)の3誌に発表。
心房細動患者に対して厳格な心拍数管理を行っても,緩やかな管理に勝ることはないとしている。
 
心機能が安定した患者では緩やかな管理で十分
米国ではAF患者は200万人を超える。
今回の改訂は,重要な最新知見をいち早くガイドラインに取り入れるため,問題のある個所のみ見直しが行われた。
 
心拍数に関する改訂では,心機能が安定している持続性AF患者に対して,厳格な心拍数管理(安静時80回/分未満,6分間の歩行中110回/分未満)を行っても,緩やかな管理(安静時110回/分未満)を上回る便益はないとしている。
 
<私的コメント>
慢性AF患者では、さしたるレートコントロールを行わなくとも「厳格な心拍数管理(安静時80回/分未満)」は達成されるのではないでしょうか。
安静時110回/分未満というのは急性期のことでしょうか?
安静時110回/分以上が持続するという状態は、それ自体問題があるのではないでしょうか。
心不全や甲状腺機能亢進症を疑ってしまいます。
 
ガイドライン作成委員長を務めるウィスコンシン心臓病院(ウィスコンシン州ミルウォーキー)心臓病学部のL. Samuel Wann部長は,この改訂について「厳格な心拍数管理が患者の利益にはつながらないことが明らかになった。運動負荷試験や心拍数調節目的での多剤服用において,特に心拍数の目標値を絶対視する必要はない。ただし,頻脈による症状がある患者には治療が必要で,持続する頻脈による心機能への長期的な有害作用も依然として重大な問題だ」と述べている。
 
 
カテーテルアブレーションは「洞調律維持に有効」
心拍数管理以外の改訂は以下の通り。
1)クロピドグレル
ワルファリンが適応しないAF患者では,心原性の脳塞栓症を予防するためのアスピリンとクロピドグレルの併用は「考慮してもよい」としている。

ワルファ リンが有効であることに変わりはないが,患者は有効性の確認と用量調整のために定期的に検査を受けなければならず,Wann部長は,これについて「ほとん どの患者にとってはそんなに問題とならないが,不便を感じる患者もいる」と指摘している。
2)doronedarone
Doronedarone錠は,AFに関連した心血管イベントによる入院を抑制することが最近の研究で示されている。

しかし,ニューヨーク心臓協会 (NYHA)心機能分類Ⅳ度に属する心不全患者や過去4週間に非代償性心不全を起こした患者(特に心機能が低下している場合)には,同薬を投与すべきでは ない。
同薬はアミオダロンと比べて患者の入院と副作用が少ない。
3)カテーテルアブレーション
正常な洞調率の維持にカテーテルアブレーションが果たす役割については,いくつかの推奨が追加,改訂されている。

カテーテルアブレーションとは,血管にチューブを挿入して心臓に到達させ,不整脈の原因となっている組織をラジオ波で焼灼する治療法である。
カテーテルアブレーションは,経験の多い施設(年間50例以上)で適切な患者に実施される場合は有益である。症候性の発作性AF患者で薬物療法が奏効せず,重症肺疾患がなく,さらに左房の大きさが正常~軽度拡大または左室機能が正常~軽度低下の者では,同法は「洞調律維持に有効」としている。
また同法は,症候性の持続性AF患者に対しても妥当な選択肢で,左房が著明に拡大しているか,左室機能が著しく低下している症候性の発作性AF患者の治療にも適用できる場合がある。
同部長は「カテーテルアブレーションは心臓領域で現在最も急速に発展している手技で,エビデンスも得られている」と述べている。
 
出典 Medical Tribune 2011.4.14
版権 メディカル・トリビューン社
 
 
<新聞切り抜き帖>
出典 日経新聞・朝刊  2011.4.19(一部略)
版権 日経新聞社
▼フィンランドの首都ヘルシンキから西へ約250キロ。オルキルオトという島がある。2004年から、世界で初めての高レベル放射性廃棄物の最終処分場造りが進んでいる。「オンカロ」。フィンランド語で「隠れた場所」を意味する。

▼岩盤を地下500メートルほど掘って都市のような巨大構造を造り、廃棄物を詰めたカプセルを貯蔵していく。22世紀に貯蔵を終えたら、入り 口をふさぎ、名前通り隠してしまう。廃棄物が無害になるという10万年後までの安全が目標。ピラミッドも万里の長城も、ものの数ではない。気の遠くなる耐 用年数の建造物だ。

▼18億年前の岩盤が あるフィンランドに比べ、地震と火山の巣である日本で10万年後の安全を確保するのは、さらに難しい。とはいえ、避けて通れる問題ではない。

▼都内でオンカロをテーマにしたドキュメンタリー映画「100000年後の安全」を上映している。休日には観客が入りきれないほど、関心は高い。
 
 
 
その他
「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/
(循環器専門医向き)
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
「井蛙」内科メモ帖 
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/  
があります

 

 

固定リンク

ROCKと動脈硬化進展

戯れ言たれる侏儒 / 2011.04.21 00:26 / 推薦数 : 0
この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
犠牲になられた方、そしてご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
また、福島第一原発事案(事故)で避難中の方、そして計画停電中の首都圏の方にお見舞い申し上げます。
また、被災者支援や原発復旧作業などの災害対策に全力を尽くしてみえる皆様に敬意を表します。
 
 
低分子量GTP結合蛋白質RhoAにより活性化されるRhoキナーゼ(ROCK)が,動脈硬化の発生,進展にメディエータとして深く関与しており,その活性は動脈硬化のバイオマーカーとなりうる。
きょうは、広島大学大学院心臓血管生理医学の野間玄督先生らが報告した記事で勉強しました。

 

ROCKは動脈硬化進展のメディエータ
活性が動脈硬化のバイオマーカーに
ROCK2は治療標的に適する
ROCKは,くも膜下出血後の脳血管攣縮の治療に用いられているファスジルが阻害する,血管収縮シグナリングカスケードの下流蛋白として話題となった。
最近は,シグナルにおける上流蛋白としての役割にも注目が集まり,多くの報告がなされている。
例えば,ROCK活性亢進は冠攣縮性狭心症の一因であるが,その血管内皮機能障害はファスジル投与により改善する。
また,動脈硬化による労作性狭心症,脳梗塞,心不全などの病態にも関与していることが明らかにされつつある。
 
野間氏らは,ROCKのアイソフォームであるROCK1ROCK2のヘテロ接合ノックアウトマウスを用いて,脳心血管疾患における ROCK1,ROCK2の役割を解析。
さらに,ヒト酸化ストレスモデルである喫煙者を対象とした臨床研究により,ROCKの臨床的意義を検討した。
その結果,内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)の発現低下や脱リン酸化を介した血管内皮機能障害を原因とする脳心血管疾患では,ROCK2が治療標的として適することが分かった。
また,喫煙により,酸化ストレスとROCK活性はともに亢進するが,いずれも生物学的NO利用能の低下による血管内皮機能障害,白血 球の走化・遊走能の亢進という2つの経路を介して相乗的に動脈硬化の進展に寄与していることが示された()。
白血球ROCK活性は脳心血管疾患の病態を反映するバイオマーカーとして活用できると考えられるデータも得られた。
 
図表
同氏は「ROCKは動脈硬化の発生や進展にメディエータとして深く関与している。
ROCKを標的分子とした脳心血管疾患に対する新たな治療戦略,動脈硬 化早期段階におけるバイオマーカーとしての白血球ROCK活性の活用,特に血管内皮機能との併用活用が強く期待される。簡易的かつ非侵襲的なROCK活性 評価法の開発,確立が急務だ」と述べた。
出典 MT Pro 2011.4.14
版権 メディカル・トリビューン社

 

<きょうの一曲> We Will Rock You
We Will Rock You and We Are The Champion (Live)
http://www.youtube.com/watch?v=zBUJztI884M
We Will Rock You
http://www.youtube.com/watch?v=mhTRhAX_QBA

 
その他
「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/
(循環器専門医向き)
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
「井蛙」内科メモ帖 
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/  
があります

 

 

 


固定リンク