戯れ言たれる侏儒
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DES時代のCABG

戯れ言たれる侏儒 / 2011.03.09 00:03 / 推薦数 : 1
第41回日本心臓血管外科学会(2月23~25日,千葉県浦安市)で発表されたDES時代の冠動脈バイパス術(CABG)の現状を考察する2演題を紹介した記事で勉強しました。
 
DES時代のCABGでは何が変わったのか?
薬剤溶出ステント(DES)がわが国に登場してから7年が経過する。
以前はワイヤが到達しなかったり,通過できなかった病変でも成績が向上し,複雑病変 に経皮的冠動脈インターベンション(PCI)が施行される機会が増加している。
このような内科的治療の進歩で外科側はどのような変化を経験しているのか。
第41回日本心臓血管外科学会(2月23~25日,千葉県浦安市)で発表されたDES時代の冠動脈バイパス術(CABG)の現状を考察する2演題を紹介する。
 
“オフラベルユース”後の紹介が圧倒的なDES
DES登場後,PCI施行後にCABGへ送られるケースに変化はあったのか。
 
まず,東京医科歯科大学大学院心臓血管外科の三原茜氏は,長岡英気氏らとともに行ったDESとベアメタルステント(BMS)の比較を紹介した。
三原氏らは,2005年11月~10年8月に行われた単独CABGのうち,以前にPCIが実施された53例をBMS群34例とDES群19例に分けて比べた。
なお,BMSとDESがともに留置された症例はDES群とした。
患者背景については,DES群では糖尿病症例が84%でBMS群の2倍近い比率となっていた。
また,PCI後にCABG施行へ至る平均期間が,BMS群が999日なのに対してDES群は198日と短かった。
平均ステント留置本数は,BMS群1.3本に対してDES群2.4本と多く,左冠動脈 主幹部(LMT)を含む症例の割合もBMS群27%に対してDES群63%と有意に高くなっていた)。
 
同氏は,DESの登場で「LMT」,「3枝病変」,「完全閉塞病変(CTO)」などの“オフラベルユース”が増加したと考察
実際に,同氏らの検討ではDES群の85%が“オフラベルユース”であった。
 
DESの“オフラベルユース”:
添付文書には「禁忌・禁止」に該当する条件として「急性心筋梗塞を発症した患者,保護されていない左冠動脈主幹部・冠動脈 入口部又は分岐部に病変が認められる患者,冠動脈バイパス手術(CABG)がより好ましい患者」などが挙がっている。
ステントによって若干異なる。
 
また,DES群でLMT病変を有し,CABGを実施した14例のうち,左冠動脈(LCA)へのPCI例が85%を占めていたことから,LCA領域へのPCI操作がLMT病変の発生や進行に影響した可能性があると考察した。
ただし,CABGの成績についてはBMS留置後とDES留置後で差はなく,平均追跡期間1.4年での生存率もBMS群94%に対してDES群100%と良好であった。
 
 
再血行再建術を除いてもハードエンドポイントでCABGが勝る
では,現時点でDESのオフラベルユースである3枝病変やLMTのわが国での治療成績はどうか。
これらの病変は,従来,CABGが第一選択となっていたが,DESの登場によりPCIが施行されるケースが増加している。
そこで,岡村記念病院(静岡県)心臓血管外科の幾野毅氏は,同院における該当病変の PCIとCABGの成績を比較した。
検討対象は,2004年10月~09年12月に同院で実施された3枝病変または・かつLMT病変の273例(CABG群196例,PCI群77 例)。
CABG群の平均グラフト数は3.3本で,うち内胸動脈グラフトが1.39本。
オフポンプによるCABGが9割を占めた。
PCI群のステント留置平 均本数は3.87本で,ほとんどがDESだった。
ステントの種類としては,シロリムス溶出ステント(Cypher)が93%を占めた。
平均30.4カ月の追跡の結果,死亡率には有意な差がなかったが,死亡に心筋梗塞や脳卒中,CABGの施行を追加した場合の非イベント発生率は CABG群90.6%に対してPCI群81.9%とCABG群が有意に良好であった(P=0.0025)
LMT病変に限定した解析においても同様の傾向で,順に89.0%,84.3%だった(P=0.032)。
欧州で行われたランダム化比較試験(RCT)SYNTAXと比べると,PCIでは死亡や心筋梗塞の発生が同院の方が有意に少なかったが,再血行再建術は同院の方が有意に多くなっていた。
CABGでは,死亡や心筋梗塞の発生が同院の方が有意に少なくなっていた。
同氏は以上の結果を踏まえ,欧州でのSYNTAX試験の結果と比べて同院の内科的治療は優位な結果であったが,外科的治療もやはり同院の結果が優位であった点を強調。
さらに,院内の比較では,PCIによる再血行再建術を含めないイベント発生のみの比較においてもCABGの優位性が示されており,これらの病変においてはCABGが優先されるべきであるとまとめた。
 
求められるハートチーム体制,院内コンセンサスが重要
発表後の質疑応答では,「内科へのフィードバックを行っているか」が議題に上がった。
三原氏は,DES留置後に血栓症を発症してCABGを施行する症例については内科側へフィードバックするように心がけていると説明。
同科教授の荒井裕国氏は「問題症例に関しては,院内で内科側から提示していただき,合同カンファレンスをするようになった」とハートチームの体制を築きつつあると補足した。
一方,幾野氏は,3枝病変やLMT病変について外科に確認なく実施されているケースも増加してきていることから,今後,院内での連携を深めていきたいと話した。
 
座長を務めた日本医科大学心臓血管外科教授の落雅美氏は,BMS後よりもDES後の方が外科施行までの期間が短い点を挙げ,「内科の先生方の予測と異なっているのではないか」と指摘し,このような結果を院内で共有していくことが重要であると述べた。
 
また,外科サイドも重要なエビデンスは把握した上で,内科側にフィードバックしていくことが大切であるとした。
例えば,わが国におけるDESの代表的なレジストリー調査であるj-Cypherの2009年に発表された報告(Circulation2009; 120: 1866-1874)では,分岐部病変における複数のステント留置では予後が悪化していたが,外科側もこのような情報を把握することによって,エビデンスも踏まえたコンセンサス形成が可能であるとまとめた。
             (田中 かおり)
出典  MT Pro 2011.3.8
版権  メディカルトリビューン社  

 

 

マチス  マグノリアのある生物
http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hi-yama/1page40.htm

 

その他
「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/
(循環器専門医向き)
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
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 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
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井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
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(内科医向き)
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があります。  
 
 

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