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この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
犠牲になられた方々、そしてご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
また、福島第一原発事案(事故)で避難中の方々、そして計画停電中の首都圏の方々にお見舞い申し上げます。
また、被災者支援や原発復旧作業などの災害対策に全力を尽くしてみえる皆様に敬意を表します。
RAAS阻害薬を適切に使い分け,組み合わせていくためのポイントを,滋賀医科大学呼吸循環器内科学の松本鉄也講師と慶應義塾大学抗加齢内分泌学の市原淳弘准教が解説された記事です。きょうは
松本先生の記事(「ACE阻害薬とARB位置付けに見直しは必要か
」)で勉強しました。明日は
市原先生の記事(「アルドステロン拮抗薬・DRIは合併例への効果」
で勉強します。 レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系レニン・
アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)は,数十年にわたり新規降圧薬開発のターゲットとして君臨してきた。昇圧,臓器障害の主役を演じる生理活性物質アンジオテンシンⅡ(AⅡ)の抑制にはACE阻害薬,AⅡ受容体拮抗薬(ARB)に加え,一昨年,わが国でもRAASの律速酵素レニンをブ ロックする直接的レニン阻害薬(DRI)が登場。
一方,アルドステロン拮抗薬による臓器保護効果が次第に明らかになり,女性化乳房など副作用が軽減された選択的アルドステロン拮抗薬も認可されている。
選択肢が広がりを見せる中,日常診療の場で各種RAAS阻害薬は高血圧の治療にどのように位置付けられるのか—。 ACE阻害薬とARB位置付けに見直しは必要かRAASの生理活性を担うAⅡは,AⅡ自身の作用と下流のアルドステロン経由の作用も相まって,血管収縮,腎臓でのナトリウム(Na)再吸収による体液貯留などを介して血圧を上昇させ,炎症反応や血管内皮機能障害などを来して臓器障害を惹起する。AⅡの作用を阻害するACE阻害薬,ARBは,わが国の高血 圧治療ガイドライン2009(JSH2009)で,第一選択薬として重要な位置を占める。<私的コメント> ARBは AⅡを増加させます。この増加したAⅡは受容体レベルでブロックされるから問題ないということなのでしょうか。しかし、このブロックはどの程度なのでしょうか。(AT1受容体との結合力には薬剤間に差があることがわかっているわけですから、当然のことながら完全にブロックするわけではありません) 最近、ある講演会でこの点について質問しました。もしこのことが本当だとしたら、突然のARBの中止 (withdrawal)により昇圧などの現象(rebound)が起こるような気もします。あまりにも素人的な発想でしょうか。 合併症のない高血圧患者に加え,積極的適応は左室肥大,心不全, 心房細動予防,心筋梗塞後,蛋白尿,腎不全,脳血管障害慢性期,糖尿病/メタボリックシンドローム,高齢者と各種降圧薬の中で最も幅広い。ACE阻害薬 は,誤嚥性肺炎を伴う高齢の高血圧患者にも推奨されている。 ACE阻害薬は過小評価か 降圧薬の第一選択薬はCa拮抗薬,ARB,ACE阻害薬,利尿薬,β遮断薬の5種類から,ガイドラインに則して個々の患者に適する薬剤を選ぶのが基本だ。「ACE阻害薬もARBも優れた降圧薬だが,日本では両薬の適応例にARBが汎用され,ACE阻害薬は過小評価されている」と松本講師は指摘する。<私的コメント> 最近、米国でもこの傾向は問題となっているようです。 特に問題と考えられるのが,冠動脈疾患の合併例であるという。その根拠としては,2007年に発表されたBPLTTCによるメタアナリシスの結果が挙げられる。ACE阻害薬,ARBをプラセボまたは他の降圧薬と比較した26試験,計14万6,838例を対象としたこの解析では,脳卒中,心不全については プラセボに対する両薬の抑制効果に差はなかったが,冠動脈疾患はACE阻害薬で降圧に依存しない9%の抑制効果が確認されたのに対して,ARBには降圧を 越えた抑制効果は見られず,両薬間に有意差が認められた(図1)。
一方,2008年の男女別解析では,ACE阻害薬は男性22%,女性19%と男女同等に冠動脈疾患を抑制したが,ARBは男性で20%の冠動脈疾患のリスク低下を示したものの有意には至らず,女性では,有意ではないが28%のリスク増加傾向を示していた。 線溶系活性化を示す新たな知見 なぜ,ACE阻害薬とARBの冠動脈疾患抑制効果に相違が認められたのか。ACE阻害薬やARBには降圧作用以外の多面的作用が知られているが,原因の1つと考えられるのが“線溶系”に対する作用の相違だ。 ACE阻害薬はAⅡの産生阻害とともにブラジキニン(BK)の分解を抑制してその作用を増強する。BKは内皮細胞のBKB2受容体を介して一酸化窒素(NO)などを産生して内皮依存性の血管拡張を生じる。またBKが,内皮細胞による組織プラスミノーゲンアクチベータ(tPA)産生を促し線溶系を活性化することは1990年代から知られていたが,同講師らは,2001年にBKがヒトの冠循環でtPAを産生させることを初めて報告(J Am Coll Cardiol 2001; 37: 1565)。ACE阻害薬が,BKによるtPA産生を著明に増強することも明らかにした。ARBには, tPA産生増強効果は認められなかったという。 AⅡにはPAI-1産生作用も認められ,ACE阻害薬の降圧に依存しない冠動脈疾患抑制効果には,レニン・アンジオテンシン(RA)系抑制を介する PAI-1の産生抑制とキニン・カリクレイン系増強を介するtPA産生増強の2方向から線溶系を活性化し,抗血栓性効果を発現したことが関与したと考えられる。<私的コメント>ARBのAⅡ増加作用についてはメーカーサイドや講演会ではあまり情報発信されません。AⅡのPAI-1産生作用だけをとり上げてもACE阻害薬に軍配があがりそうです。 男女別の解析結果にもACE阻害薬による線溶系の改善が関連したと推察した同講師らは,SPAIC試験でACE阻害薬,非ACE阻害薬投与時の冠循環における内因性tPA産生量を検討。その結果,ACE阻害薬群では内因性tPA産生の有意な増加を示したが,男女別に見ると女性のみ有意だった(図2)。
性差,加齢も考慮を
この結果は,血管機能の男女差を反映するものであり,BPLTTCにおけるARBの冠動脈疾患抑制における性差は,RA系の抑制だけでは,女性の冠動脈疾患を十分抑制できないことを示唆している。
こうした成績から,「線溶系の低下が指摘される閉経後女性,糖尿病,肥満,メタボリックシンドロームなどの合併例には,ACE阻害薬により冠動脈疾患を含めた心血管イベント抑制効果が期待できる」と松本講師。ACE阻害薬による咳嗽への懸念についても,咳が出るということは,ACE阻害薬によりBKやサブスタンスP(SP)の作用が増強していることを示しているわけで,認容できるようなら使用を継続することによって心血管イベントの抑制が期待できる。咳 のためにいったん中止に至ったとしても,「咳嗽・嚥下機能は加齢とともに低下するので,また時期を見てトライする価値はある」と同講師は提言する。
ACE阻害薬によるBKやSPの増強作用は,高齢者での誤嚥性肺炎を防ぐという点ではメリットとして作用する点でもある。
ACE阻害薬の降圧効果が弱いとの指摘がある点については,欧米に比べて日本でのACE阻害薬の承認用量が低いことの影響もある。
「降圧薬を使用する究極の目標は,心血管イベントの予防にある。その意味から,RA系阻害薬の適応例,ことに線溶系の低下が指摘される場合には,まずACE阻害薬で治療を開始するというスタンスが求められる」と同講師は強調する。
ARB間の作用差示すが臨床的意義は未解明 最近,ARB間にもARBに共通するクラスエフェクト以外に,薬剤固有のドラッグエフェクトの存在が指摘され,後者に属するインバースアゴニスト作用※の有無などが注目されている。 福岡大学の三浦伸一郎准教授らの検討では,in vitroではオルメサルタンやバルサルタンにはインバースアゴニスト作用が認められたが,ロサルタンには認められなかった。同作用の発現には,ARBに共通のビフェニールテトラゾール基よりもカルボキシル基が重要で,カンデサルタンもその点からインバースアゴニストといえるという。 最近,スウェーデンの心不全患者登録研究Swedish Heart Failure Registryの解析により,カンデサルタンに比べてロサルタンの1年後,5年後の生存率が有意に低いとの結果が報告されたが(JAMA 2011; 305: 175),インバースアゴニスト作用やAT1受容体との結合力など,ARB間の相違がイベント抑制効果の相違に結び付くかの結論には,前向きランダム化比較試験によるエビデンスの集積が必要であるという。 一方,昨年にはARBの発がんリスク上昇を示すメタアナリシスの成績が発表され論争を呼んだ。この点についても,「現在のところARBの使用例で直ちに服用を中止する必要はなく,米食品医薬品局の最終的な結論を待つ必要がある」と松本講師は話している。
出典 Medical Tribune 2011.3.24
版権 メディカル・トリビューン社
<番外編> ある日の医学雑誌より
「ガイドラインの意味するもの」大阪府立成人病センター・堀 正二総長■日本循環器学会では1998年より循環器診療のガイドラインを作成することになり、学術委員会がその任を負うことになった。これまで学会として46のガイドラインを作成し、すでに22のガイドラインについては改訂版が公表されている。■しかし、ガイドラインが診療に浸透すればするほど、その利用の仕方も本来の域を超えて拡大していくものである。最近では医療訴訟に利用され、医師の医療行為を審査するルール・ブックとして使われることもあると聞いている。■ガイドラインはあくまでも、その時点における標準的治療のあり方を提示するものであり、医師の行為を拘束するものではない。そのために、ガイドラインの公表に当たっては、「ガイドラインの目的は標準的な診療情報の提供であり、個々の症例における臨床的判断や治療法の決定・責任は医師と患者にあること」という一文が入っている。■EBMが立脚しているエビデンス自体が真に日常診療のエビデンスといえるかどうかはもともと不確かである。欧米のRCTの結果が、すべて我が国のエビデンスになるかどうかは疑問が残るからである。■船の航海にたとえるならば、ガイドラインは、海図のようなものであり、様々な航路の選択肢がありうると考えるのが妥当である。出典 日医新報 No.4513 2010.10.23 P1 (「プラタナス」)(一部改変)
版権 日本医事新報社
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ACE阻害薬+ARB併用で腎機能低下リスク上昇カナダの実地臨床でONTARGET試験の結果を追認 ONTARGET試験(N Engl J Med 2008; 358: 1547-1559) をはじめとする複数のランダム化比較試験(RCT)の結果から,アンジオテンシン転換酵素(ACE)阻害薬とアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)の 併用投与では,いずれかの薬剤を単独投与した場合より腎アウトカムが不良となるリスクが高いことが示されていた。しかし,実際の臨床では,RCTとは異な り,患者ごとに両剤の用量を調節することで有害事象の発生を抑えることができるとの意見も存在する。はたして,実地臨床でも併用投与によって腎アウトカム は不良となるのだろうか。カナダ・アルバータ大学一般内科のFinlay A. McAlister氏らは「アルバータ州在住の66歳以上の住民を対象とした後ろ向きコホート研究の結果,ACE阻害薬とARBの併用期間が約3カ月で あっても,単剤投与群と比べ腎機能低下リスクが上昇することが示された」とCMAJ3月21日オンライン版で報告した。 併用群における一次評価項目の調整後HRは2.36レニン・アンジオテンシン(RA)系に作用するACE阻害薬とARBの併用投与は糖尿病腎症や左室収縮機能不全患者の一部で有用,との報告も存在 する。しかし,カナダでは,こうした適応以外にも両剤の併用投与が広く行われていたが,腎アウトカムにどのような影響が生じるのだろうか。 今回の検討対象は2002年5月〜06年12月にACE阻害薬,ARB,またはその両剤を新たに服用開始して複数回の処方を受けた66歳以上の患 者3万2,312例(平均年齢76.1歳)。単剤投与が大半であったが,両剤の併用投与を受けていた患者も1,750例(5.4%)あり,うち1,512 例は上述の適応に該当しない患者であった。 フォローアップは2007年5月まで行い,服薬開始6カ月以内の(1)血清クレアチニン値の倍化,(2)透析を必要とする末期腎疾患の発症, (3)全死亡—の3項目からなる複合アウトカムを一次評価項目とした。加えて,服薬開始6カ月以内の高カリウム(K)血症(血清K>6.0mmol/L) 発症についても検討した。まず,服薬開始前後の血清クレアチニン値の比較が可能であった2万4,800例の一次評価項目のひと月あたり発生数(患者1,000例あたり)を 検討したところ,併用群では5.2(95%CI 3.4〜7.9)であったのに対し,単剤投与群では2.4(同2.2〜2.7)にとどまっており,Cox比例ハザード解析による調整後ハザード比(HR) は2.36(95%CI 1.51〜3.71)という結果が得られた。

また,高K血症のひと月あたり発生数(患者1,000例あたり)は併用群では2.5(95%CI 1.4〜4.3),単剤投与群では0.9(95%CI 0.8〜1.0),調整後HRは2.42(95%CI 1.36〜4.32)であった。
併用群において実際に両剤を併用していた期間は短く,併用期間の中央値は約3カ月。
McAlister氏は今回の研究から,
(1)カナダでは,左 室収縮機能障害や蛋白尿がみられない患者に対してもACE阻害薬とARBの併用投与が多く実施されていた,
(2)併用投与群では単剤投与群より腎アウトカ ムが不良となる頻度が高かった
―ことが明らかになったと指摘。
「実際の臨床でもONTARGET試験などと同様の結果が得られる可能性が示された。治療に 際しては腎臓や心臓に対する保護作用を長期的に担保する必要があり,ACE阻害薬とARBの併用投与は適応を見極めて慎重に実施すべきだ」としている。
(医学ライター・古川 忠広)
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この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
犠牲になられた方々、そしてご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
また、福島第一原発事案(事故)で避難中の方々、そして計画停電中の首都圏の方々にお見舞い申し上げます。
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国立循環器病研究センター(大阪府)脳血管内科の上原敏志医長が解説されたSCASTの記事で勉強しました。
このSCASTは、カンデサルタンによる脳卒中急性期の降圧は血管疾患の発症リスクおよび身体機能の改善効果のは認められないという結果でした。
脳卒中急性期の降圧は必要なし」と結論付けることはできるのか、というのがテーマです。
脳卒中急性期の降圧の在り方 SCASTで結論は出たのか
「脳卒中急性期の高血圧患者に対して降圧を行うべきか」の問いに対して,アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)カンデサルタンを用いたプラセボ対照二重盲検ランダム化比較試験(RCT)が実施された。
このSCAST(Scandinavian Candesartan Acute Stroke Trial)では,ARBによる心血管疾患の発症リスクの低下は認められず,身体機能の改善効果も示されなかった(Lancet 2011; 377: 741-750)。
脳梗塞急性期,ガイドライン上では220/120mmHg超で降圧
脳卒中患者の急性期の降圧は,実際にどのように行われているのか。
日本の脳卒中ガイドライン2009では,くも膜下出血が強く疑われる場合以外は,病型診断が確定してからでよいとされている。また,脳梗塞急性期では, 収縮期血圧(SBP)220mmHg超または拡張期血圧(DBP)120mmHg超の高血圧が持続する場合や高血圧によるリスクが予測される合併症を有する場合に限り,慎重な降圧療法が推奨されている。
SBP 185mmHg超やDBP 110mmHg超では経静脈的血栓溶解療法の禁忌となっており,ある程度の血圧管理は求められるが,厳格な管理目標は挙げられていない。
上原医長は,今回のSCASTの対象の85%を占める脳梗塞の急性期血圧管理として,「極度に血圧が高くない限り原則として降圧をせず,数週間後 からARBなどを用いて徐々に降圧している」と言う。
その理由は,急性期では血圧の変動に対して脳血流を一定に保持する機構が障害されており,血圧を下げ るとペナンブラ領域(注1)まで梗塞巣となり,神経症状の増悪を招く恐れがあるためである。
中でも,頸部や頭蓋内主幹動脈に高度狭窄あるいは閉塞を有する症例は,このようなリスクが高いため,特に慎重な降圧が求められている。
ガイドライン上でも,日本の脳卒中治療の現場においても,従来,急性期の積極的な降圧はなされていないのが実情だ。
小規模試験ではイベントリスクを低下
その背景にはより慎重な登録基準が
このように積極的な急性期の降圧が推奨されていないにもかかわらず,なぜ,SCASTは実施されたのか。
その背景には,2003年のACCESS試験(Stroke 2003; 34: 1699-1703)がある。
同試験の対象は,342例と小規模であるが,急性期にカンデサルタンを投与した群では,脳梗塞発症後1年程度の期間で,総死 亡および心血管イベントの発生リスクが47.5%(95%信頼区間0.252~0.895)有意に低下していた。
この試験の対象は脳梗塞発症後6~24時間で200/110mmHg以上,または発症後24~36時間で180/105mmHg以上であった。
8日目以 降は全例がカンデサルタンを内服していた。
急性期から慢性期にかけて,両群間の血圧に有意差が認められなかったことから,降圧効果以外の多面的作用が示唆 されていたという。
なぜ,SCAST試験ではこのACCESS試験と異なる結果となったのか。
上原医長は,次の3点を背景に挙げる。
まず,血圧の登録基準の違いだ。
今回の SCASTでは,脳卒中発症30時間以内のSBPが140~179mmHgとACCESS試験よりも低い血圧の患者が含まれていた。
次に,SCAST試験 では,プラセボ群に比べて実薬群でSBP5mmHg,DBP2mmHgの有意な降圧が認められた。さらに,慎重な降圧が求められる内頸動脈の狭窄例 (70%以上)が,ACCESSでは除外されていたという。
実薬群の効果が認められなかったSCASTでは,さらに,主要評価項目である6カ月の機能的転帰が有意ではないものの,実薬群で不良な傾向であった。
この点について同医長は,副次評価項目である「脳卒中の進行」が,プラセボ群の4%に対して実薬群は6%と不良(P=0.04)で,この点がカンデサルタン 群の機能的転帰不良傾向に少なからず関与しているのではないかと推測している。
アテローム血栓性梗塞で実薬群が不良だったことが考えられるが,今回は示さ れなかった脳梗塞病型別のサブ解析結果が待たれるところである。
従来通り発症数週間後から徐々に降圧を
以上の背景から,上原医長は,もし,今回のSCAST試験において実薬群での降圧効果により心血管イベントの発生リスクが低下した場合には,「今までの 定説を覆すインパクトのある結果になっていただろう」と振り返る。
したがって,この結果については「予想通りであり,想定内の結果と言える」と考察する。
しかし,今回の検討が行われたのは欧州である。
人種差などは考慮しないでよいのだろうか。
この点について,同医長は,両者に脳梗塞病型の違いがある場合 は考慮する必要がある点や,降圧療法のレジメが日本と異なる点,すなわち,3日目以降のカンデサルタン投与量が16mgと多い点を挙げた。
「この結果をそ のまま日本に当てはめることはできないかもしれない」と同医長。
ただし,結果自体は想定内のものであり,現在の治療方針である「脳梗塞急性期においては血圧が極度に高くない限りは降圧療法を行わず,発症数週間後からARBなどの降圧薬を用いて徐々に降圧を図る」方針は今後も変わらないだろうとした。
脳出血急性期の血圧管理はこれから検討
このように脳梗塞急性期の血圧管理については一定の見解が得られたものの,急性期脳出血については,降圧療法をどのように行うべきかが検討課題となっており,複数の臨床研究が進行中であるという。
上原医長によると,脳出血の場合,脳梗塞よりも血圧が上昇することが多く,血圧高値が急性期の血腫や浮腫の増大を招きやすいとする報告がある。
実際の臨 床現場でも降圧療法を行うことが多いという。一方で,降圧によって血腫周囲の低灌流や虚血を招き,かえって予後を悪化させることも懸念されている。
国内外 の指針では,SBP 180mmHg,DBP 105mmHgを降圧開始の目安としているが,降圧目標値などに関しては十分なエビデンスがない。そこで現在,ATACH試験(注2)や INTERACT(注3)といった複数の臨床試験が進行中だ。
わが国においても,厚生労働科学研究班による「SAMURAI研究」(主任研究者:豊田一則氏)が実施されており,その結果が注目される。
(注1)ペナンブラ領域は脳梗塞周囲の細胞死には至っていないが,脳血流が減少して神経細胞の電気生理学的活動が停止している領域を指す
(注2)Antihypertensive Treatment of Acute Cerebral Hemorrhage
(注3)Intensive blood pressure reduction in acute cerebral haemorrhage trial
出典 Medical Tribune 2011.3.24
版権 メディカル・トリビューン社
その他「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/(循環器専門医向き)ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy(一般の方または患者さん向き) 井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~http://wellfrog4.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15http://wellfrog3.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~http://wellfrog2.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科医向き) 「井蛙」内科メモ帖 http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/ があります。
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INTERSALT研究は、 世界32カ国、52の集団に対して高度な標準化を達成して、24時間蓄尿による電解質、とくにNaとKの役割、24時間尿中窒素排泄量(蛋白質摂取量の指 標)、BMI、アルコール摂取量と血圧との関連について検討してきた。 そして食塩摂取量の多い集団では年齢とともに血圧が上昇する度合いが大きいこと、 また、個人間の検討で、Na摂取量は血圧と正の関連、Kは負の関連、アルコールは正の関連があることを明らかにした。
しかし、これはINTERSALT研究のみでは説明できない個人間の血圧値の差、集団間の血圧値の差があり、それは、主要栄養素、微量栄養素が関連して いると考えられた。 そこであらたに、INTERSALT研究の経験を踏まえて、栄養素と血圧についての国際共同研究INTERMAPが生まれた。
INTERMAP研究は、 INTERSALTの高度な標準化の経験を踏まえ、異なった生活習慣を有する中国3集団、日本4集団、アメリカ8集団、イギリス2集団の、40〜59歳の 男女4,680人が調査された。 調査対象は特定の集団から男女10歳年齢別区分に等分に、ランダムサンプリングにより選ばれたものである。
2回の24時間蓄尿のほかに、4日間の24時間思いだし法による栄養調査が実施された。また、ランダムゼロ血圧計による、異なる4日、合計8回の血圧測定がなされた。 アルコール摂取量は2回の1週間分の思いだし調査が、24時間思い出し法に加えて実施された。
出典http://hs-web.shiga-med.ac.jp/study/INTERMAP/gaiyo.html 以下のサイトではINTERSALTとINTERMAPが分かりやすく解説されています。 INTERSALThttp://www.epi-c.jp/e114_1_0001.html ■ INTERSALT(INTERnational study of SALT and blood pressure) Studyは,世界32か国の52集団について,24時間蓄尿により尿中ナトリウム・カリウム排泄と血圧との関連について検討した国際共同研究。WHOや 米国国立心肺血液研究所(NHLBI)のサポートを受けて行われた。食塩をまったくとらないことで知られるブラジルのヤノマミ族も,調査の対象に含まれて いる。 ■食塩と血圧の関係についてはこれまでにも多くの調査研究が行われてきたが,調査手法にばらつきがあり,集団間で結果を比較したり,国際的な傾向をつかんだりすることが難しかった。 ■そこでINTERSALT研究では,質の高いデータを収集するために,高度に標準化された調査手法が用いられた。例えば調査マニュアルや質問票は統一さ れ,翻訳の正確性もチェックされた。検査機器は,血圧計や蓄尿器から聴診器にいたるまで,世界中で同一のものが使用された。さらには,収集した24時間蓄 尿のサンプルは世界各地からベルギーのルーベンにあるセント・ラファエル大学に運ばれ,生化学的な分析はすべてそこで行われた。 ■その結果,食塩摂取量の多い集団では年齢とともに血圧が上昇する度合いが大きいこと,また,個人間の検討で,ナトリウム摂取量は血圧と正の関連,カリウムは負の関連,アルコールは正の関連があることが明らかになった。 INTERMAPhttp://www.epi-c.jp/e113_1_0001.html ■INTERMAP(INTernational study of MAcro- and micronutrients and blood Pressure)は,4か国17集団の4680例において,栄養と血圧との関連を検討した国際共同研究。INTERSALTの結果からだけでは説明できなかった個人間の血圧差や集団間の血圧差には,主要栄養素および微量栄養素が大きな影響を及ぼしているのではないかと考えられたことから,INTERSALT研究の手法を踏襲し,米国国立心肺血液研究所(NHLBI)などのサポートを受けて1996~99年にフィールド調査が行われた。
■それまでの研究により,収縮期血圧120~130 mmHgのいわゆる正常高値血圧の人でも,心血管疾患の発症や死亡のリスクが高いことがわかってきていた。この正常高値血圧を至適水準に降下させるために は,薬物療法だけでなく,食事のパターンなど生活習慣の改善も大切になる。しかし血圧の一次予防のための食事因子,特に栄養素についてはこれまでに詳しい ことがわかっていなかった。そこで開始されたのがINTERMAP研究である。
■INTERMAPの特徴は,多様な食生活の影響を調べるために東洋または欧米の食習慣を有する4か国を対象としたこと,また,INTERSALTと同様に検査機器やマニュアルをすべて統一し,国際比較が可能となる質の高い標準化が行われたことである。
<関連サイト>
ナトリウム摂取量が極端に低いヤノマミ族では,高血圧が見られなかった
Mancilha-Carvalho JJ, et al. Blood pressure and electrolyte excretion in the Yanomamo Indians, an isolated population. J Hum Hypertens. 1989; 3: 309-14.
http://www.epi-c.jp/entry/e114_0_0013.html ナトリウム摂取およびNa / K比が高い地域では,拡張期血圧が有意に高かったhttp://www.epi-c.jp/entry/e114_0_0008.html 1980年代後半~1990年代前半にかけて,日本人の血圧,およびナトリウム/カリウム比は低下傾向http://www.epi-c.jp/entry/e114_0_0003.html 日本人の食事摂取基準についてhttp://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/11/h1122-2.html(
私的コメント;せいぜい1日2gの食塩相当量を摂取すれば、生理的に必要な量は確保できる)
「高血圧における『食』の意義と効用(その1)」川崎晃一先生 九州大学名誉教授「New Food Industry」 2003 Vol.45 No.2
■「現在では“食塩中毒(salt-o-holic)”といわれるほど多くの人々は食塩摂取過剰状態にある。食塩の生理的な最小必要量は2g位といわれてい るが、この量は日本人の食物の素材にすでに含まれている量とほぼ同じである。すなわち、ヒトは食塩を調味料として使用しなくても、食素材中のナトリウム (Na)で最低必要量は摂取可能である、ということである。」
以下は
日本高血圧学会のガイドラインからです。日本人の高血圧の特徴1)多い食塩摂取量
か つて,本邦に高血圧が多く脳卒中が多発した理由の一つとして,食塩の過剰摂取があげられていた。食塩摂取量が多くなると血圧が高くなる。 INTERSALT研究では,24時間蓄尿でみた食塩摂取量の多い集団では血圧が高く,また,個人の食塩摂取量と血圧との間にも正の関連がある。
現在の日本の食塩摂取量は,24時間蓄尿の成績からは,1日12g程度である。女 性では男性よりもエネルギー摂取量の少ない分だけ少なく,1985年当時のINTERSALT研究では,日本の20歳代女性の食塩摂取量の推定値 は,10g程度であった。1997年当時のINTERMAP研究による24時間蓄尿成績からの40-59歳男性の推定値も12g程度であった。240人を調査した2000年当時の35-60歳の事業所勤務者男性では,同じく24時間蓄尿による食塩摂取量の推定値は約11gであった。
平成18年(2006年)の国民健康・栄養調査結果では,国民1人1日当たりの食塩摂取量は約11g(男性12.2g,女性10.5g)であり,本邦の現在の食塩摂取量は1日11-12g程度であると考えられる。24時間蓄尿による過去の成績では,1950年代の東北地方の食塩摂取量推定値は,1日25gにも達していた。
『健康日本21』の食塩摂取量の目標値は,1日当たり10g未満であり,蓄尿成績から判断するとここ10年以上は大きな低下はみられず,その目標値にはいまだ達していない。日本を含む東アジア地域は食塩摂取量が多く,特に24時間蓄尿からの体重当たりのNa排泄量は,中国,韓国,日本ともINTERSALT研究の世界32か国52集団のなかで,いずれも高い集団に属している。
国民の食塩摂取量の減少は,その国民の血圧低下に影響を与える。INTERSALT研究では,集団の食塩摂取量が1日6g低下すれば,30年後の収縮期血圧の上昇が9mmHg抑制されると推定している。DASH研究では,減塩による血圧低下効果を検証しているが,それでは,INTERSALT研究から推定されたものと同程度であった。本邦の高血圧対策にとって,さらなる減塩対策の推進が必要である。
2)肥満度の推移とメタボリックシンドロームの率
本邦は,先進工業国のなかでは肥満者の少ない国である。しかし,肥満度の指標であるBody Mass Index(BMI,kg/m2)は,男性では年々増加している。一方,女性では,50歳代まではむしろやや低下している。
日本の高血圧者の特徴は,かつては食塩摂取量がきわめて多いやせている高血圧者が多かったが,近年,男性では肥満を伴う高血圧者が増加している。
米国では,1990年以降のBMIの増加は著しく,メタボリックシンドロームに伴う高血圧が大きな比重を占めてきている。日本ではBMIの平均は23.5前後であり,平均が28以上もある米国とは大きく異なる。しかし,日本の男性では肥満に伴う高血圧が増加していると考えられる。平成18年(2006年)の国民健康・栄養調査では,20歳以上においてメタボリックシンドロームが強く疑われる者の比率は,男性24.4%,女性12.1%,予備軍と考えられる者の比率は,男性27.1%,女性8.2%であった。
3)高血圧未治療者および管理不十分の問題
140/90mmHg以上を高血圧とした場合,本邦の高血圧者のうち,30,40歳代では8割から9割の人が治療を受けていない。少なくとも,この人たちは生活習慣の改善による血圧低下を図り,血圧の正常化に努める必要がある。2000-2001年に実施された,12事業所の20歳以上の男女勤務者6186人の調査では,30歳代では,男女とも約70%の人が未治療であった。40,50歳代男性においても,44%,39%が未治療であった。これらの事業所では,毎年健診を実施しており,受診率も高いが,それでも40,50歳代男女の高血圧認識率は71-77%であった。
降圧治療患者における血圧管理状況を調査している大迫研究では,約半数の患者が通常の診察室血圧で判定しても家庭血圧で判定しても,血圧管理が不十分であることを見いだしている。さらに,全国の主治医のもとで降圧治療を受けている患者の家庭血圧測定による治療状況の研究(J-HOME)では,1533人の高血圧患者のうち約半数において,家庭血圧は高血圧に分類された。したがって,この研究においても,約半数が管理不十分であった。 <出典> 日本高血圧学会高血圧治療GL作成委員会/医療・GL(09年)/ガイドラインhttp://minds.jcqhc.or.jp/stc/0019/1/0019_G0000180_0011.html
<番外編> 「本態性高血圧の主犯は食塩 アンジオテンシンⅡは従犯」 Nikkei Medical 2010.4 特別編集版 P5 - 8福岡大学名誉教授・日本高血圧協会理事長 荒川規矩
男先生■本態性高血圧の発症には遺伝的素因やストレスなど多様な因子が関与するとされる。荒川氏は主因は食塩であり、多の要因は食塩の作用を増強または修飾する因子だとみる。
■歴史をさかのぼると食塩と高血圧の関係は、中国最古の医学書「黄帝内経」に記されている。それによれば、紀元前2600年ごろの君主と伝えられる黄帝の侍医が、食塩を過剰に摂取すると脈が硬くなると述べている。食塩が高血圧を引き起こすことを暗に示していたという記述だが、このようなことを慧眼の士が5000年前に気付いていたのは驚くべきことだ。それほど食塩との因縁は深いということでもある。
<自遊時間>
Doctors Communutyは、まさに考えが共有できる場だと再認識できました。
溜飲を下げることが出来ます。
まさにチンピラのような記者。
http://community.m3.com/doctor/showMessageDetail.do?boardId=4&messageId=1584706&messageRecommendationMessageId=1584706&topicListBoardTopicId=160193 その他「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/(循環器専門医向き)ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy(一般の方または患者さん向き) 井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~http://wellfrog4.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15http://wellfrog3.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~http://wellfrog2.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科医向き) 「井蛙」内科メモ帖 http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/ があります。
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この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
犠牲になられた方々、そしてご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
また、福島第一原発事案(事故)で避難中の方々、そして計画停電中の首都圏の方々にお見舞い申し上げます。
また、被災者支援や原発復旧作業などの災害対策に全力を尽くしてみえる皆様に敬意を表します。 日医新報 No.4531 2011.2.26 P90-91の「質疑応答」に「心肥大から心不全発症予防としてのスタチン
」という記事が出ていました。きょうは、この「スタチンが血管新生を介して心不全の発症を予防する」という内容の記事で勉強しました。この記事の質問で興味深かったのは「癌発生時の血管新生促進が癌の進行を早める可能性がないのか」という内容の質問が付いていたこともあります。(回答者 阪大・小室一成 教授)■心不全全般の5年生存率は50%、重症心不全では3年生存率が30%と言われており、その予後の不良さは癌に匹敵する。
■心不全の原因としては、虚血性心疾患、高血圧、弁膜症、心筋症の四つが主であるが、多くの場合、心不全発症の前段階として心肥大を認める。
■心肥大は、心室壁に当るストレスを減少させるといった代償的な側面がある。
しかし、肥大した心臓を長時間放置すると収縮機能が低下し、心不全を発症する。
■この肥大した心臓の収縮機能が低下する分子機序は不明であった。
■筆者(小室)らは最近、マウスを使った研究から、心筋内の血管数減少による虚血が心不全発症の分子機序であるという仮説を提唱した。
マウスの大動脈を縮窄して心臓に圧負荷を加えたところ、最初は心重量が増し、血管数も増加、心機能は維持されていたが(代償期)、徐々に心重量の増加は停止し、血管数は逆に減少し、心機能が低下した(非代償期)。
■血管を人為的に増加させたところ、さらに心肥大が進行したが、 心機能は維持され、逆に血管新生を抑制したところ、心肥大の形成は抑制され、早期に心機能が低下した。私的コメント;
心肥大自体は心不全を起こさないようにするための代償機序です。心肥大を赤字国債、血管新生を新規国債発行に例えると、際限ない新規国債発行(血管新生治療)の先に待っているものは際限ない心肥大でしょうか。心肥大自体に限界はあるはずでしょうし、(多分ないとは思いますが)必要以上の心肥大(過代償)が起こる可能性はないのでしょうか。 ■肥大した心臓はその容積が増えた分、より多くの酸素を必要とする。もしその酸素が補給されない場合、心臓は自らその働きを弱め、酸素需要を減らす。心不全を発症するのではないかというのが筆者(小室)らの仮説である。
■高血圧患者の5割以上、弁膜症患者のほとんどに心肥大を認められる。また心筋梗塞患者でも、梗塞部以外の部分では肥大を認める。 ■弁膜症患者の心機能は心筋血流と相関する、心不全心筋の血流は低下しているなどの報告がある。したがって、心不全発症の前段階には多くの場合心肥大が存在し、血流が低下することによって収縮機能が低下し、心不全を発症する可能性がある。もしこの仮説が正しければ、血管を増やすといった血管新生を増やすといった血管新生治療が心不全の新しい治療になる。 ■血管を増やすには、血管新生効果のある薬物の開発、血管新生に関与する遺伝子や細胞を用いた遺伝子治療や再生治療など、いくつかの方法が考えられる。しかし一番早く臨床応用可能なのは、既存薬の中で血管新生作用の可能性のある薬の心不全治療への応用であり、そのような薬の一つがスタチンである。 ■血管新生治療は、常に癌を悪化させる可能性を秘めている。しかし、多くの大規模臨床試験において、スタチンによる癌の悪化は報告されていない。安全面で問題は少ないと考えられる。 私的コメント;
文中では「安全性の面で問題は少ないとかんがえている」という表現がとられています。
理論的には「 癌を悪化させる可能性秘めている」わけですから、潜在性の癌が顕性化する可能性もありえるのではないでしょうか。 私的コメント;
現在
、小室教授らは、心不全患者にスタチンが有効かどうかを検討する前向き臨床試験を行っているとのことです。
本年3月に終了予定で、結果が楽しみです。
<関連サイト>スタチンと心不全
ttp://blog.m3.com/reed/20100123/1 <自遊時間>
昨日観たTV放送(NHK・BS)の新番組紹介コーナーで「glee(グリー)」を紹介していました。
4月8日スタートで毎週金曜日 PM10:00〜10:45放送のようです。
評判のドラマのようですので、とりあえずこの日は観てみたいと考えています。
海外連続ドラマ glee(グリー)
http://cgi2.nhk.or.jp/navi/details/index.cgi?target=1869
海外ドラマ「glee/グリー踊る合唱部!?」
http://video.foxjapan.com/tv/glee/
Gleehttp://ja.wikipedia.org/wiki/Glee
オバマ大統領も魅了された!全米大人気ドラマ「glee」が遂に日本上陸
http://news.walkerplus.com/2010/1021/3/
人気ドラマ「グリー」(Glee)は今のアメリカ文化を学ぶのにピッタリ?
http://nyliberty.exblog.jp/14933383/
(動画が見れます) その他「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/(循環器専門医向き)ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy(一般の方または患者さん向き) 井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~http://wellfrog4.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15http://wellfrog3.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~http://wellfrog2.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科医向き) 「井蛙」内科メモ帖 http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/ があります。
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この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
犠牲になられた方々、そしてご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
また、福島第一原発事案(事故)で避難中の方々、そして計画停電中の首都圏の方々にお見舞い申し上げます。
また、被災者支援や原発復旧作業などの災害対策に全力を尽くしてみえる皆様に敬意を表します。 日医新報 No.4513 2010.10.23 P72-73の「質疑応答」に「健診で発見された無症状の心電図異常」という記事が出ていました。促進型心室固有調律(accelerated idioventricular rhythm:AIVR)の症例です。きょうは、このAIVRで勉強しました。(執筆者 日大・笠巻祐二先生) ここからは、この記事からの抜粋です。■AIVRは、心室期外収縮に似た幅の広いQRS波がP波と無関係に規則正しく出現するのが特徴であり、心拍数が60〜110/分、非発作性のもので、His-Purkinje系の自動能亢進によると言われている。■通常、急性心筋梗塞や冠動脈の再疎通成功直後やジギタリス中毒などの時に出現することが多いとされており、通常特に治療を要しないことが多い。■特徴として、Schamrothは、①異所性興奮の発生は先行する洞調律とは無関係である。②異所性興奮の心拍数は55〜108/分である。③AIVRが発生するのはa.異所性調律が洞調律より速くなった時(私的コメント:原文は「早くなった時」)b.異所性調律が洞調律より遅くなった時c.aとdが結合した時d.房室ブロックや洞房ブロックが出現した時に発生する。④AIVRは、通常数個の融合波形で始まる。⑤異所性興奮の興奮部位は、洞調律からの保護がない。としている。(Schamroth L.:I Electrocardiol 1:205,1968)■AIVR30例中、明らかな心疾患を認めなかった例は2例のみであり、その他は急性心筋梗塞、虚血性心疾患、大動脈弁閉鎖不全症、先天性心疾患などを合併していた。(Massumi RA,et al :Am J Cardiol 26:170,1970)■基礎心疾患がなければ一般に良性の不整脈とされているが、心室細動に移行するという報告もある。■健診で発見されるような無症状の場合も突然死のリスクをチェックする必要がある。 心臓電気生理学的検査 心室頻拍誘発試験 加算平均心電図による心室遅延電位の検討その他の検査 心エコー 運動負荷心電図 ホルター心電図 アトロピン負荷試験出典 日医新報 No.4513 2010.10.23 P72-73版権 日本医事新報社 <関連サイト>心室固有調律http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%83%E9%9B%BB%E5%9B%B3#wide_QRS_regular_Tachycardia ■心室固有調律は心室由来の補充調律である。心室期外収縮に似た幅の広いQRS波がP波と関係なく規則正しく出現するのが特徴である。期外収縮と補充調律の違いは予定されるQRS波より早く出現するか、遅く出現されるかによって決まる。早ければ期外収縮であり、遅ければ補充調律である。■房室接合部調律と同様に心拍数により60bpm以下の心室固有調律と60~100bpmの促進性心室固有調律(AIVR)に分類される。心室固有調律は房室ブロックで認められることが多い。また潜在性房室接合部機能障害を認める場合は洞徐脈、洞房ブロック、洞停止、徐脈性心房細動でも認められ る。心室筋の補充調律は20~40bpmが本来であるため心室固有調律は著しい徐脈となり、失神といった症状があり、ペースメーカーの適応となることが多い。■促進性心室固有調律(AIVR)は心筋梗塞でPTCAや血栓溶解療法後に再灌流を得られた場合に認められる良性所見であり原則としては治療は必要ない。■AIVRの開始と終了に融合収縮が認められることがある。 補充調律:Escape rhythmhttp://d.hatena.ne.jp/nishionishi/searchdiary?word=%2A%5B%BD%DB%B4%C4%B4%EF%C6%E2%B2%CA%5D ■AIVR(accerated idioventricular rhythm):促進性心室固有調律○普通心室固有調律は20〜40/分だが、自動能が亢進する状態(虚血・低酸素・ジギタリス中毒・カテコラミン↑)ではAIVRとなる。○60〜100/分であり通称Slow VT(100以上はVT)。○AMI急性期(特に再灌流直後)に認める事が多い。○予後良好でリドカイン不要。切り替わりの時にNSRと重なるとFusion beatを認める。 AIVR(スローVT)http://www.t-heiwa.com/eggnurse/log_sindenzu.html■AIVRは促進性(頻拍性)心室固有調律と言い、60-120/min前後の心拍数の心室性頻脈です。この調律は、洞結節や心房、房室接合部すべてのペー スメーカーが働くなったとき出現します。洞性徐脈など心拍数が少なくなったときに出現しやすく、その補充調律として捉えられ、緊急性はありません。心室頻 脈(VT)との鑑別は心拍数でみます。VTは120/分以上のものを言います。 心室調律ですが血圧が維持できているなら、治療の必要性はなく、経過観察だけでよいとされています。まれに心室頻拍へ移行することがあるので、それをふまえた観察と準備をしておかなければなりません。 AIVR http://blogs.yahoo.co.jp/ecgmonitorcheck/7481212.html Slow VTはVT?
(私的コメント;この心電図は「ハート先生のブログ」から引用させていただきました) http://blogs.yahoo.co.jp/soyashi/3696304.html AIVR/PVCshttp://www.medhelp.org/posts/Heart-Disease/AIVR-PVCs/show/253275Accelerated Idioventricular Rhythmhttp://emedicine.medscape.com/article/150074-overview AIVR in anterior wall myocardial infarction after thrombolysishttp://cardiophile.org/2010/08/aivr-in-anterior-wall-myocardial-infarction-after-thrombolysis.html AIVRで梗塞部位を推定し得た心筋梗塞の一例http://157.1.40.181/naid/110006914596 地震、津波による被災地での注意すべき心臓疾患 http://blogs.yahoo.co.jp/soyashi/64161108.html <症例報告>明らかな器質的心疾患を伴わなかった促進型心室性固有調律の一例http://opac.lib.yamanashi.ac.jp/meta-bin/mt-pdetail.cgi?cd=00028351 Effects of left ventricular unloading on reperfusion-related AIVR in acute myocardial infarction
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2644383/ Acute Inferior STEMI with 3rd Degree / Complete Atrioventricular Block and Accelerated Idioventricular Escape RhythmAccerated Idioventricular Rhythmhttp://www.lookfordiagnosis.com/mesh_info.php?term=Accelerated+Idioventricular+Rhythm&lang=1 AIVR and NSVT
http://www.medhelp.org/posts/Heart-Disease/AIVR-and-NSVT/show/254950
その他「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/(循環器専門医向き)ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy(一般の方または患者さん向き) 井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~http://wellfrog4.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15http://wellfrog3.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~http://wellfrog2.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科医向き) 「井蛙」内科メモ帖 http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/ があります。
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この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
犠牲になられた方々、そしてご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
また、福島第一原発事案(事故)で避難中の方々、そして計画停電中の首都圏の方々にお見舞い申し上げます。
また、被災者支援や原発復旧作業などの災害対策に全力を尽くしてみえる皆様に敬意を表します。 近年、アルドステロンの直接的な臓器障害が注目されています。
選択的アルドステロンブロッカー(SAB)のエプレレノンには、臓器障害の抑制、特に心保護が期待されます。
開業医レベルでは、なかなかその効果を実感することは出来ません。
しかし、2003年に4E-LVHというスタディの結果が論文となりました。
Effects of eplerenone, enalapril, and eplerenone/enalapril in patients with essential hypertension and left ventricular hypertrophy: the 4E-left ventricular hypertrophy study.
Pitt B et al. Circulation. 2003; 108: 1831-8.
以下は、「循環器トライアルベース」のサイトからです。
4E-Left Ventricular Hypertrophy
http://circ.ebm-library.jp/trial/doc/c2001660.html
目的;
左室肥大(LVH)を有する高血圧患者において,LVH退縮効果を選択的アルドステロン拮抗薬eplerenone,ACE阻害薬enalapril,あるいは併用で比較。一次エンドポイントはMRIで評価した9か月後(または試験中止時)の左室重量。
結果;
一次エンドポイントなどの有効性はベースライン/終了時のMRI所見が得られた153例(eplerenone群50例,enalapril群54例,併用群49例)で評価。
一 次エンドポイントである左室重量は平均-14.5g,-19.7g,-27.2gでいずれも有意に減少したが,eplerenone群 vs enalapril群(p=0.258)と,併用群 vs enalapril群(p=0.107)に有意差はみられなかったが,併用群 vs eplerenone単独群では併用群の変化の方が有意に大きかった(p=0.007)。
平均SBP/DBPは3群ともベースライン時に比較して 有意に低下(-23.8/-11.9mmHg,-24.7/-13.4mmHg,-28.7/-14.4mmHg)。併用群でeplerenone群に比 較してSBP低下が有意に大きかった(p=0.048)ことを除いて,治療群間に差はなかった。
有害事象発症率は3群とも同様 (65.6%,70.4%,55.2%)で,重篤であったのは7例,5例,9例であった(ただし試験薬との関連が考えられるのは2例のみ)。
eplerenone群に比較してenalapril群で咳の発症率が有意に高かった[2例 vs 10例(うち2例は投与中止),p=0.033]。eplerenone群ではカリウム値上昇(≧6mEq/L)の頻度が高かった。
結果;
eplerenoneのLVH退縮と降圧効果はenalaprilと同等である。単独投与よりもenalaprilとの併用投与の方が退縮効果がより大きかった。
<関連サイト>
JSH2009から見たエプレレノンの位置付け
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2009/M42230361/(要パスワード)
■JSH2009では,心筋梗塞後と心不全合併高血圧患者においてアルドステロン拮抗薬の追加を推奨しています。
その根拠としては,RALESやEPHESUSの両試験で,心不全患者に対する標準治療にアルドス テロン拮抗薬を併用した結果,有意に生命予後に好影響をもたらせたことが挙げられます。
また,興味深いことにEPHESUS高血圧既往例のサブ解析でも,アルドステロン・ブロックにより心臓突然死の有意な抑制作用が認められています。
■より早期の病態である左室肥大を伴う本態性高血圧患者を対象にした4E-LVHでも,アルドステロン・ブロックによる心肥大退縮が示されています。
■In vitro の検討では,アルドステロンは高食塩存在下で心肥大を進行させ,エプレレノンがその抑制に寄与することが知られており(Yamamuro M, et al: Endocrinology 147: 1314-1321, 2006),食塩摂取が過剰な日本人に対するエプレレノンの有用性が期待されます。
■高齢者高血圧の特徴は血圧変動が激しいことで,それには繊維化が大きく関与することがわかっています。
私たちは平均血圧が高血圧モデルと同等で,繊維化によって血圧変動性を増した血圧変動高血圧モデルを作成して検討を行いました。
このモデルでは心肥大,心筋繊維化の進行が認められましたが,非降圧量の エプレレノンをあらかじめ投与することでそれらが抑制されることがわかりました。
■エプレレノンは,非降圧量で心肥大,心筋繊維化を抑制することが示唆されています。
そのような薬剤は,理想的な拡張不全を伴う高血圧の治療薬になりうる可能性を秘めていると考えます。
(久留米大学・今泉 勉教授)
腎疾患合併高血圧患者におけるアルドステロンのリスクとスピロノラクトンの有用性
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2010/M43470281/ (要パスワード)
■アルドステロンは,腎臓において糸球体硬化症,間質繊維化,蛋白尿にかかわるなど臓器障害を引き起こします。
さらに,このことが左室肥大,心筋繊維化,収縮不全とも関連し,内皮機能障害,炎症,酸化ストレスを介して脳卒中,心不全,腎疾患などを引き起こす要因となります。
■アルドステロンにはゲノム作用と非ゲノム作用がありますが,ここではゲノム作用に焦点を当てます。
アルドステロンはMRに結合し,核内に移行しますが,そこで多くの遺伝子やプロモーターと結合します。
これらの遺伝子の転写によりERKの活性化とNADPHオキシダーゼのアップレギュ レーションが誘発されます。そしてこのERKやNADPHオキシダーゼによってNF-κB,AP-1やスーパーオキサイドが増加し,それに続いて炎症メディエータであるICAM-1,MCP-1,IL-6が誘動されます。
実際,アルドステロンを持続投与した動物モデルの血管周囲には炎症性病変が認められ ますが,副腎の摘出あるいはアルドステロンブロッカーの投与により,こうした炎症性病変が改善することが示されています。
重要なことは,このようなアルドステロンの有害作用が高食塩共存下に見られることです。
■スピロノラクトンには,心不全患者の転帰を改善するという確たるエビデンスがRALES によって示されています。
しかし腎症合併高血圧については,そこまで明確なエビデンスは得られていませんが,RA系の抑制に加えてアルドステ ロンをレセプターで直接ブロックすることで蛋白尿の減少が期待できることが多くの臨床研究によって示されています。
(Department of Internal Medicine, The University of Texas Southwestern Medical Center ・Robert D Toto教授)
セララ®発売1周年記念シンポジウム
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2009/M42060451/■最近,腎臓でNa再吸収を担うと考えられていたMRが全身に存在することが明らかになり,あらためて副腎皮質ホルモンの全身への作用が注目される。さまざまな検討の結果,食塩存在下におけるアルドステロンの有害作用を解くうえで,心筋細胞においてアルドステロンが作用し,細胞内にNa+を流入させるチャネルであるNa+/H+exchager1(NHE1)の重要性が浮き彫りになった。■心筋細胞を培養液の食塩濃度をわずかに上げて2時間静置すると,心筋細胞は脱水を起こして変形するが,あらかじめアルドステロンを添加しておくと脱水が抑制される。すなわちアルドステロンは,細胞外液のNa濃度が上がると細胞内にNa+を流入させて脱水から守るnon-genomicな保護作用(抗細胞脱水作用)を示すことがわかった。この機序にかかわるkey moleculeがNHE1であると考えられる。 ■一方,このような細胞外液のNa濃度が高い状態を72時間継続させると,心筋細胞は著しく肥大化した。すなわち,心筋細胞内にNa+が過剰に流入することによりNHE1が過度に活性化し,Ca2+が上昇して心筋細胞の肥大を招くgenomicな機序が進行することが示唆される。これに対し,あらかじめ培養液にエプレレノンを添加しておくと,心筋細胞の肥大が完全に抑制されることがわかった。 (慈恵医大・吉村 道博教授)

Urabe.A. et al. Hypertens Res 29(8):627,2006出典 日本医事新報 no.4523 2011.1.1
版権 日本医事新報社 
出典 日本医事新報 no.4523 2011.1.1
版権 日本医事新報社<私的コメント>この図では、血圧のコントロール、心筋肥大の抑制、心筋繊維化の抑制のいずれもBNPの抑制(心負荷の改善)となっています。
2年前のセララ発売1周年記念講演(東京)で吉村先生の発表を聴きました。
その際にフロアーから「心筋繊維化は可逆的な変化でしょうか」という質問がありました。
<自遊時間>
某外国企業がいち早く被災者受け入れの行動に出ました。
目・鼻・耳は正しく洗浄
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/archive/2011/03/25
(「自遊時間」)
その他「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/(循環器専門医向き)ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy(一般の方または患者さん向き) 井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~http://wellfrog4.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15http://wellfrog3.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~http://wellfrog2.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科医向き) 「井蛙」内科メモ帖 http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/ があります。
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この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
犠牲になられた方々、そしてご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
また、福島第一原発事案(事故)で避難中の方々、そして計画停電中の首都圏の方々にお見舞い申し上げます。
また、被災者支援や原発復旧作業などの災害対策に全力を尽くしてみえる皆様に敬意を表します。
「脳に代わって心臓を制御するBionic Medicine」というタイトルの砂川賢二先生に関する記事が目にとまりました。
MMJ January 2010 Vo.l6 No.1 P6-8
その記事の中の「バイオニックブレイン」に興味を抱いて調べている間に、今回の別の以下の記事に巡り逢いました。
――先生の最近のご研究についてご紹介いただけますか。砂川:私たちは循環器疾患を制御の破綻と捉え、循環制御系への直接介入による循環器疾患の治療、すなわちバイオニック心臓病学という分野に取り組んでいます。まず、「脳を聴く」試み、神経制御のペースメーカーについてお話しましょう。脳による心拍の制御はペースメーカーを装着した状態ではうまくいきません。そこで、脳から心臓へ送られる制御命令を私たちが直接聞き取って翻訳し、その情報に基づいて理想的な脈拍を決め、心臓を刺激するという方法を試みました。しかし、脳からの制御信号とそれに対応する脈拍数には相関は認められませんでした。そこで、過去の制御信号の履歴が今の脈拍を決定すると考え、過去30秒間の神経活動を反映させたところ、推定心拍と実測心拍はほぼ一致し、脳からの制御信号と脈拍には高い関連性が認められるようになりました。次の試みは「脳を創る」ことです。体位が変化しても必要量の血液が脳に送られ続ける理由は、血液が重力によって脚に引き寄せられても、その偏りを調節する制御系が備わっているからです。しかし、血圧制御系が破綻してしまうと、体位の変化に伴う血圧の変化が調整できなくなります。そこで、圧センサーと交感神経刺激装置を組み合わせたバイオニックブレインを作製し、血圧の制御が可能かどうかを検討しました。その結果、バイオニックブレインによって、生理的な応答とほぼ同一の血圧調整が可能であることが分かってきました。この方法は臨床にも導入されており、手術後の患者さんの血圧調節などに用いられています。 また、心不全の治療では「脳を超える」ことを試みています。心不全の病態では血圧の低下を補うために、交感神経やRAS系の亢進など、活動を促す多様な刺激命令が心臓に届きます。それが寿命を短くする原因であることが分かっていますので、予後を延長するためには、薬物療法あるいはバイオニックブレインによって心臓の働きを抑制すればよいことになります。心不全モデルマウスを用いた実験バイオニクブレインによる心制御を受けた群では、予後が著しく改善しました 。さらに、最近では非常に単純な方法で脳を制御できることも分かってきました。それが「脳に語る」アプローチで、体表からの物理的な刺激によって心臓の自律神経の働きを自由に変える方法です。例えば脊髄損傷患者では、体位変化による血圧変動が大きくなりますが、末梢を電気刺激することで、血圧が上昇することが示されています。このように、調節系に介入することによって循環器疾患を治療しうることが示されました。これまで生命科学と医学が主体であった医療の分野に、新しいテクノロジーが導入されることにより 、医療の新領域がつくられつつあります 。――RAS抑制による循環器調節系への影響についてはいかがで しょうか。砂川:私は薬剤も調節系に介入する手段の一つと考えています。テルミサルタンは、ラットの胸部大動脈から採取した血管平滑筋細胞におけるAT1受容体発現を濃度依存性に低下させます(図6) 。この系にPPARγ阻害薬を添加すると、テルミサルタンのAT1受容体発現抑制作用は消失することから(図7)、テルミサルタンのAT1受容体発現抑制作用は、PPARγ活性化作用を介したものであることが示唆されました。こうした作用は他のARBでは認められません。このようにテルミサルタンは、アンジオテンシンⅡの作用を、AT1受容体の遮断、さらにはAT1受容体発現抑制の両方の作用によってブロックしますから、 確実にRASを遮断し、調整系に介入できる薬剤であると考えられます。 <佐川先生のコメント>生体は巨大なシステムですから、私たちが把握している薬剤の作用はその一部分でしかない可能性は高いと思います。
出典 Nokkei Medical Online版権 日経BP社
http://docs.google.com/viewer?a=v&q=cache:yi9AOyfLuW4J:medical.nikkeibp.co.jp/all/special/micardis/ontarget/pdf/micardis_0312.pdf+%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%96%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%B3&hl=ja&gl=jp&pid=bl&srcid=ADGEESg-wppy5Bkf6YEaGrNC-PDAd9XwVos6v3qUO0DnEkE8jSFJdGbtoZwSGMGN1r9MEvxj8twHuqg21AbZ6ohQZacVlh83T7gWBIaCC6hsczinXrqua6CmQsw_-TuleKwpg_3njGs9&sig=AHIEtbRfPzYyNYIxwEOowRUM4ay8er1Gaw
あるサイトに「脳に変わる人工脳(バイオニック・ブレイン)」というタイトルのTV番組の内容が紹介されていました。
九州大学病院にて
九州大学大学院医学研究院 循環器内科 砂川賢二教授
教授:「代表的な循環器疾患としましては、高血圧や心臓病ですね。
特にその中でも高血圧が多いことがわかっておりまして、最近の統計によりますと、国内で4000万人弱のいるんではないかと想定されています。
ーー循環器がご専門の砂川教授なんですが、なぜ人工の脳の研究に取り組んでいらっしゃるんでしょうか?ーー
教授:「私が言っております人工の脳という場合の機能は、血圧の調節というそこの機能をコンピューターを使いまして電子的に再構成するというのが脳を作ると言う場合の意味合いです。」
ーーそもそも高血圧などに関わる血圧や脈拍の数値は脳が心臓や血管に出す指令によって調節されているんですね。ーー
教授:「循環器疾患の背景には循環器を調節しているしくみの破綻が常にあるということが明らかになってきました。」
ーー循環器の病気の主な要因は脳が指令を出すこの調節機能がおかしくなることにあるんです。ーー
教授:「今使われている心臓病や高血圧で使われております循環器の薬というのは多くはこの調節系に効くわけですけど、ただどうしても薬ですと瞬時瞬時に体 の様子が変わった時にそれにあわせて効き目がどんどん変わるという薬を作ったりするのは大変難しいということも知られています。」
ーーそこで砂川教授は、脳がどんな指令を心臓や血管に出しているかを解読し、脳と同じような指令を出すことができる人工の脳つまりバイオニック・ブレインを開発したんです。
現在砂川教授はこのバイオニック・ブレインを使ってあるシステムの実用化をめざしています。
このシステムを実際に見せていただきました。ーー
「先生、こちらの装置はどういうものなんですか?」
教授:「我々が言っている”バイオニック血圧安定化システム”と言ってる道具でして、主に脊髄損傷の患者さんを対象にしまして、彼らが体位を起こした時に低血圧が起きるというのを防ぐしくみとして開発したものです。」
ーー脊髄損傷患者は背骨の中を通る神経を怪我しているために、血圧を調節しようとする脳からの指令が心臓や血管にうまく伝わりません。このため起き上がる時に血液が足の方に流れて起こる低血圧をもとに戻すことができないんです。ーー
脊髄損傷患者:「(低血圧になると)まず視野が狭くなって、人の声は聞こえてるんですけど、自分の呼吸も荒くなって、でそのままにしていると本当に意識がなくなっていく状態に陥るから、背もたれをぐっと下に、低い位置にさせて、で足を高くあげてもらって。。」
ーーこうした問題の解決に向けて、砂川教授はバイオニック・ブレインを使い、脳の代わりに脳と同じような指令を出すことで、血圧を調節するシステムの実用化に取り組んでいるんです。ーー
教授:「現在この指先でですね、血圧を計っていまして、その血圧をもとにしてそれが高いか低いかというのをこれが判断します。これが血圧を制御するための人工脳という位置付けになります。」
ーー人工脳が血圧の測定結果をもとに、血圧を高くする指令を出すと、皮膚に刺激が与えられ、血圧が高くなるということなんですねー。 砂川教授は、将来的にはこのバイオニック・ブレインがより多くの患者をかかえる心不全の治療に脳を超える形で役立つだろうと考えていらっしゃいます。
教授:「心臓の病気になるとですね、代表的なのは心不全ですが、むしろ脳にあるそういう機能そのものが脳を悪化させるということがわかってきています。心 不全という病気は心臓がきちんと収縮できなくなる病気と、弱くなる病気ということなんですが、それに対しまして、脳はもっとその心臓にがんばれと命令を送 ります。そのがんばれという命令が実は心臓を余計悪くするということが最近になってわかってまいりました。」
「じゃ、脳から送られてくる信号がすべて正しいというわけではないんですね?」
教授:「そういうことですね。脳はあまりいいことをしていない。正しくないということになりますので、それではもう脳に任せるんではなくて、われわれがそ の病態に一番適した調節環境を人工のバイオニック・ブレインを使って実現しようと、全く新しい次世代の21世紀にふさわしい新しい医学や医療が生まれるん ではないかと。。」
ここまでは以下のサイトから引用
http://blog.goo.ne.jp/gd4ap19jrfw52tna/e/74243ef23b169a9cefc3e342ce021e68 http://blog.goo.ne.jp/gd4ap19jrfw52tna/e/c574d2bd54b9773f75fa47ef524489d3 <関連サイト>バイオニック研究室http://www.med.kyushu-u.ac.jp/cardiol/kyoshitsu/baio/theme.html 記事 : 「バイオニック・ブレイン」システムが現実のものとなった http://www.mypress.jp/v2_writers/beep/story/?story_id=1451678
<私的コメント>砂川賢二先生は米国Jhons Hopkins大学に1978〜83年の間、留学しておみえになります。
留学された教室はGuyton、佐川喜一両先生らが主宰するBME研究室で、国立循環器病センター研究所名誉長・菅 弘之先生や北海道大学名誉教授・北畠 顕先生らの錚々たる先生方の留学先でもあります。
急性心不全時の心機能に「収縮期血圧」
http://blog.m3.com/reed/20100401ガイトン臨床生理学
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2000dir/n2380dir/n2380_07.htmポストゲノム研究におけるフィジオーム-(統合生理学)研究の必要性
http://wwwsoc.nii.ac.jp/psj/opn/65-4-1.html佐川喜一
http://kotobank.jp/word/%E4%BD%90%E5%B7%9D%E5%96%9C%E4%B8%80
その他「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/(循環器専門医向き)ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy(一般の方または患者さん向き) 井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~http://wellfrog4.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15http://wellfrog3.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~http://wellfrog2.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科医向き) 「井蛙」内科メモ帖 http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/ があります。
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この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
犠牲になられた方々、そしてご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
また、福島第一原発事案(事故)で避難中の方々、そして計画停電中の首都圏の方々にお見舞い申し上げます。
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AF患者における抗凝固療法の評価基準として,CHADS2スコアが普及しています。
きょうは、このスコアについて復習しました。
「CHADS2スコアを用いた心原性脳塞栓症の検討:スコア1にワルファリン療法を行うべきか?」という論文を読んだことがきっかけです。
J Cardiol Jpn Ed Vol. 6 No.1 2011 P26-31

この論文の結論は「CHADS2スコア1であっても、ワルファリン療法を積極的に考慮すべきである」です。
周知のように、日本循環器学会のガイドラインでは、「同スコア1では、同療法を考慮する」としています。
さて、この論文の研究は「緒言」にあるように、「CHADS2スコア0と1の間で、脳梗塞の重症度と転帰に差があれば、スコア1へのワルファリン治療をより積極的に考慮すべきと考えられる」ということに端を発しています。
実は心臓血管研究所(東京都)のShinken Databaseで0点と1点ではハザード比が明らかに異なることが報告されています。
もちろん、 このことからスコア1へのワルファリン療法が有意義ということにはなりません。
CHADS2スコア0から1では臨床的な利益がないという報告もあります。
The net clinical benefit of warfarin anticoagulation in atrial fibrillation.
Singer DE,et al. Ann Intern Med 2009;151:297-305

出典 Medical Tribune 2008.5.8
版権 メディカル・トリビューン社
<私的コメント その1>このShinken Databaseで興味深いのは「AF患者651例(15%)の平均CHADS2スコアは0.9点で,一般的に抗凝固療法の検討基準となる1点以上が6割程度,2点以上は約3割だったことを示した」ということです。
つまり0点〜1点が7割 と大半を占めているということになり、AF患者の抗凝固療法が「推奨される」のは3割のみということになってしまいます。
<私的コメント その2>CHADS2スコアといえば素晴らしいサイトがあります。
すでにご存知の先生方も多いかと思いますが、
新潟県立六日町病院のサイトです。
CHADS2の有無をチェックするとスコアと推奨治療とINRが表示されます。
http://www.muikamachi-hp.muika.niigata.jp/ClinCal/chads.htmlこのサイトには同時に、
以下の論文のCHADS2のスコア別の患者数が掲載されています。
Gage BF. Validation of clinical classification schemes for predicting stroke: results from the National Resgistry of Atrial Fibrillation. JAMA 2001 Jun 13;285(22):2864-70
Shinken Databaseよりハイスコアの症例が多いのですが、総患者数1733例のうち
スコア5は65例、スコア6に至っては5例に過ぎません。
論文中の脳卒中発症率、修正脳卒中発症率の計算法そして何より、スコア6の5例中2例の脳卒中発症数というごく少数例の統計処理の仕方がわかりません。
<自遊時間>昨日、東大農学部の学生が来院しました。
小さいときから知っている子だったのでいろいろな話をしました。
その会話で出た言葉。
「東大農学部は国土の総面積の1000分の1を占めてるんですよ」
これには驚きました。
気になって診察後に少し調べてみました。
ソースは
東大の演習林
http://www.ut-life.net/guide/info/enshurin.phpです。
■東京大学の施設は全国津々浦々に存在し、総面積は国土のおよそ0.1%にもなります。このうち、最も広い面積(32,402ha,JR山手線内部の約5倍)を誇るのが、東京大学農学部附属演習林です。
■現在、千葉演習林(千葉県鴨川市)をはじめ、北海道演習林(北海道富良野市)、秩父演習林(埼玉県秩父市)、愛知演習林(愛知県瀬戸市)、富士演習林(山梨県山中湖村)、樹芸研究所(静岡県南伊豆町)、田無試験地(東京都西東京市)、および演習林研究部(弥生キャンパス構内)と、全国8カ所に演習林の施設があります。
弥生キャンパス
http://www.ut-life.net/guide/map/yayoi/本郷キャンパス
http://www.ut-life.net/guide/map/hongo/このサイトでも分かる通り農学部(正確には弥生キャンパス)と医学部が本郷キャンパスの多くを占めているんですね。
不動産的価値はどれだけあるんだろうと「下衆の勘ぐり」をしてしまいます。
こんな自分が恥ずかしいです。

ヨハネス・フェルメール「地理学者」 1669年、油彩/カンバス
窓から差し込む光を強調するように、作品全体が左上から右下へと視線を誘う構図になっているようだ。地理学者の頭の中も、未知なる世界へのあこがれが、光のように満ち始めたのではないだろうか。私も彼のように、自分のコンパスと地図を使って新たな世界を発見したいと思った。さて、あなたにはどう見えますか。
(地方部 谷口誠)
男性単身像を描いた作品は「天文学者」と「地理学者」のみが残る。
Bunkamuraザ・ミュージアム(東京・渋谷)で開催中の「シュテーデル美術館蔵 フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展」で「地理学者」を展示中(5月22日まで )
http://www.nikkei.com/life/culture/article/g=96958A90889DE0E6E4E7E5E5EBE2E2EAE2E1E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;p=9694E0E3E3E0E0E2E2EBE0E5E6E1
その他「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/(循環器専門医向き)ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy(一般の方または患者さん向き) 井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~http://wellfrog4.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15http://wellfrog3.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~http://wellfrog2.exblog.jp/井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科医向き) 「井蛙」内科メモ帖 http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/ があります。
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クリニックの自動血圧計の血圧値は医師の測定より高精度受診した患者の本来の血圧値を知るためにはどのような測定法が好ましいのだろうか。そんな疑問に基づき、無作為試験を行ったカナダToronto大学のMartin G Myers氏らは、クリニック用の全自動血圧計を静かな個室に設置し、患者以外に誰もいない状態で測定した血圧は、医師が測定する値より24時間自由歩行下血圧測定の覚醒時血圧に近いことを明らかにした。
論文は、BMJ誌2011年2月12日号に掲載された。<私的コメント>「24時間自由歩行下」という些か耳慣れない日本語は"ambulatory"の直訳でしょうか。結局はホルター血圧計のことのようです。
受診のたびに医師が測定する血圧値が有用かどうかについては議論がある。著者らは、最新のクリニック用自動血圧計を用いて、患者が自己測定した血圧の精度と質を、医師による測定値と比較するための多施設クラスター無作為化試験を行った。カナダ東部の5都市のプライマリケア67施設で、88人の医師が患者登録を実施。収縮期高血圧(未治療の患者では160mmHg以上/95mmHg未満、治療中の患者では140mmHg以上/90mmHg未満)だが、重症の併存疾患はない患者を選んだ。患者ではなく個々の施設単位で、無作為に、医師による血圧測定(対照群)またはクリニック用自動血圧計を用いた測定(介入群)に割り付けた。自動血圧計はBpTru Medical Device社のプロ用腕帯式血圧計を使用。この全自動測定器は、初回測定の結果を基にクリニックのスタッフがカフの巻き方が適切かどうかを確認、実際の測定はその後に2分間隔で5回行われ、平均値が示されるようになっている。介入群となった施設には、自動血圧計を静かな個室に設置し、1回目の測定が終わったらスタッフは退出して患者を1人にするよう指示した。36施設(303人の患者、65歳、降圧治療なしは13人)を自動血圧計を用いた測定に、31施設(252人の患者、平均年齢65歳、降圧治療なしは12人)を医師による血圧測定に割り付けた。全員が割り付けから次の受診日までの間に24時間自由歩行下血圧測定を受けた。得られたデータを基に、覚醒していた時間の血圧値の平均を求めた。主要アウトカム評価指標は、自由歩行下覚醒時血圧測定値とそれぞれの測定法による血圧値の差に設定した。まず、個々の患者の医療記録から登録前に最後に医師が測定した血圧値を得て、介入群、対照群のそれぞれについて、登録後の血圧値と比較した。さらに、すべての測定値を自由歩行下血圧測定の覚醒時の値と比較した。登録前の医師による血圧測定値は、介入群が149.5/81.4mmHg、対照群は149.9/81.8mmHg、その後測定された自由歩行下覚醒時血圧は、それぞれ133.2/74.4mmHgと135.0/75.9mmHgだった。 割り付け後の初回受診時に、自動血圧計によって測定された介入群の血圧は135.6/77.7mmHg、医師によって測定された対照群の血圧は 141.4/80.2mmHgだった。これらの測定値を自由歩行下覚醒時血圧と比較すると、差はそれぞれ2.3/3.3mmHgと6.5/4.3mmHg となった。収縮期血圧の平均差の差(2.3mmHgと6.5mmHg)は有意だった(P=0.006)が、拡張期血圧の平均差については、差は有意にならなかった(P=0.26)。自動血圧計による収縮期/拡張期血圧と自由歩行下覚醒時血圧との相関は強力だった(P<0.001)。介入群の相関係数は、収縮期血圧がr=0.34、拡張期血圧がr=0.56、介入群の登録前の医師による測定値と自由歩行下覚醒時血圧との相関係数はそれぞれ r=0.10とr=0.40だった。対照群については、それぞれr=0.22/r=0.30、r=0.04/r=0.42となった。水銀柱の読みが0や5に偏るという末端数字傾向(terminal digit preference)は、自動血圧計の使用より大きく減少した。<私的コメント>随分昔に、水銀血圧計の2mmHg きざみの目盛りを切りげて読む医師と、切り下げて読む医師とそれぞれ傾向があるという論文を読んだことがありました。
介入群の登録前の医師による測定時に末端数字傾向が見られた患者の割合は、収縮期血圧値 が61%、拡張期血圧値が58%だったが、自動血圧計による測定ではそれぞれ14%と14%になった。自動血圧計は、患者1人当たり6 回測定を行う。6回の測定値すべてが入手できた284人について、各回の測定値の平均を求めたところ、1回目(スタッフが在室)は147/82mmHg、 2回目(患者のみ在室)は140/79mmHg、3回目は136/78mmHg、4回目は134/77mmHg、5回目は132/76mmHg、6回目は 133/77mmHgで、1回目の測定値はそれ以降の測定値より有意に高かった(P<0.001)。これは、スタッフの退室により徐々に白衣高血圧の影響が薄れたことを意味すると考えられた。自由歩行下覚醒時血圧と比較した場合に、自動血圧計による測定の質と精度は医師による測定より良好で、医師による測定の欠点のいくつかを解消できることが示唆された。「通常の医師による測定の代替としての自動血圧計による測定を推奨するためには、異なる高血圧患者集団を対象に今回の結果を確認する研究が必要だ」と著者らは述べている。原題は「Conventional versus automated measurement of blood pressure in primary care patients with systolic hypertension: randomised parallel design controlled trial」http://www.bmj.com/content/342/bmj.d286.full 出典 NM online 2011.2.23
版権 日経BP社 <私的コメント> タイトルを早読みした時に、医師の聴診法による血圧測定と自動血圧計のどちらの測定法が正確か、という研究かと思いました。
この論文ではこの両者の直接の比較は行っていまいようです。
結局は白衣高血圧の関与を証明した論文ということなのでしょうか。
当院でも時々、ナースの立ち会いのもとで自動血圧計で血圧測定を行い、その後診察室で聴診法で測定し直すことがあります。
しばしば、診察室の方が血圧が低いことがあります。
今までは「駆けつけ3杯」と思っていましたが、こういった場合どう解釈したらよいのでしょうか。
ナースが怖いから?もとへ。
ナースがチャーミング だから?
<自遊時間>『英国王のスピーチ』(原題:King's speech)http://kingsspeech.gaga.ne.jp/英国王のスピーチhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8B%B1%E5%9B%BD%E7%8E%8B%E3%81%AE%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%81 ヒュー・グラント、『英国王のスピーチ』主演を断って大後悔http://www.news-gate.jp/2010/1215/14/
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