| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
| 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
| 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
| 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
| 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
< 心臓イメージング検査による放射線被曝 | メイン | AHA 2010で発表のEMPHASIS... >
##LDL-C半減,HDL-C倍増! CETP阻害薬anacetrapibの驚くべき脂質改善効果
##Torcetrapibの開発中止から3年後のAHA 2010で報告,安全性も確認
より有効な脂質管理を目指した新薬の開発が続いているが,中でも有望視されていたのがコレステロールエステル転送蛋白(CETP)阻害薬*だ。
このクラスの薬で最初に第Ⅲ相臨床試験が行われたtorcetrapibは,心血管イベントリスクの上昇が認められたため開発中止に至った(N Engl J Med 2007; 357: 2109-2122)。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/17984165
それから3年,第83回米国心臓協会年次集会(AHA 2010;11月13~17日,シカゴ)で同クラス2剤目となるanacetrapibの第Ⅲ相臨床試験DEFINE**試験の結果が明らかにされ,N Engl J Med 11月17日オンライン版に同時掲載された。
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1009744
安全性を確認した今回の試験では,torcetrapibで見られた血圧上昇や副腎への影響などは認められなかった。
また,それ以上に注目されたのが強力な脂質改善効果で,24週後にLDLコレステロール(LDL-C)は半減, HDLコレステロール(HDL-C)は倍増した。
報告した米ハーバード大学ブリガムアンドウィメンズ病院のChristopher P. Cannon氏は,今後,臨床効果(イベント抑制効果)を検証する大規模第Ⅲ相試験を実施することも明らかにした。
#プラセボとの比較ではLDL-C値は約40%減少,HDL-C値は約140%増加
試験には20カ国153施設が参加し,二重盲検ランダム化比較試験(RCT)として行われた。対象は冠動脈疾患(CHD),またはCHDのリスク因子があり,スタチンなどの脂質管理を受けている患者。脂質レベルは,LDL-C値が50~100mg/dL,HDL-C値が60mg/dL未満,中性脂肪値は400mg/dL以下の患者と設定された。
2,757人がスクリーニングを受け,このうち1,623人がanacetrapib 100mg/日群またはプラセボ群にランダムに割り付けられた。
試験薬は18カ月投与され,その後も3カ月間経過観察された。両群とも99%はスタチン治療を受けていた。
ベースラインから24週後にかけてのLDL-C値の変化を見ると,プラセボ群では82mg/dL→77mg/dLだったのに対し,anacetrapib群では81mg/dL→45mg/dLとほぼ半減した。
1次エンドポイントとしたこの間の変化率では,プラセボ群に比べ39.8%の有意な減少が認められた(P<0.001)。
同様の期間でのHDL-C値の変化は,プラセボ群の40mg/dL→46mg/dLに対し,anacetrapib群では41mg/dL→101mg/dLと2倍以上に増加した。
2次エンドポイントとしたこの間の変化率では,プラセボ群に比べ138.1%の有意な上昇が示された(P<0.001)。
そのため,anacetrapib群のLDL-C/HDL-C比はベースラインの2.1から24~76週後に0.5と大幅に低下した。
#懸念された有害事象の増加はなし,3万人対象の第Ⅲ相臨床試験REVEALを実施
プラセボ群と比較して,血圧上昇やアルドステロン値,血清カリウム値の上昇は認められなかった。
また,事前に設定された主要心血管イベント(MACE)はプラセボ群2.6%に対してanacetrarpib群2.0%で両群間に差はなかった。
Cannon氏は,臨床効果を比較するには症例数が少ないことを前置きしながらも,血行再建術の施行数がそれぞれ25例,6例とanacetrapib群で少なかったことを報告した。
指定討論者のスイス・チューリヒ大学病院のThomas F. Luscher氏は「torcetrapibは12カ月後にHDL-Cを72%上昇させてLDL-Cを25%低下させた。
しかし,血圧や血清アルドステロン値が上昇したほか,酸化ストレスやeNOS発現量の低下などにより血管内皮機能が低下した」と振り返り,anacetrapibでそのような悪影響がなかったのは「同じクラスの薬でもわずかな分子構造の変化が大きな違いを生むため」と説明した。
Anacetrapibの安全性が確認され,臨床効果の可能性も示されたことから,Cannon氏は3万例を対照とする第Ⅲ相臨床試験REVEAL***を開始すると明らかにした(表;英オックスフォード大学公式サイト参照)。
http://www.ctsu.ox.ac.uk/reveal/
なお,CETP阻害薬としてはdalcetrapibも開発中だ。

*:CETP阻害薬は,HDL-Cを超低比重リポ蛋白やLDL-Cに転送する血清蛋白であるCETPを阻害することで,HDL-Cを上昇させ,LDL-Cを低下させるとされる
**:Determining the EFficacy and Tolerability of CETP INhibition with AnacEtrapib
***:Randomized Evaluation of the Effects of Anacetrapib through Lipid Modification

鎮西直秀 『彩雲・支笏湖夕景』 油彩
http://www.seikougarou.co.jp/sell/chinzeinaohide/260.html
その他
「葦の髄」循環器メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/
(内科医向き)
「井蛙」内科メモ帖
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/
があります。
コメント
コメントはまだありません。コメントを書く