戯れ言たれる侏儒
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AHA2010  開催される

戯れ言たれる侏儒 / 2010.11.16 00:14 / 推薦数 : 0

米国心臓協会(AHA)2010年学術集会が米国・シカゴで11月13日、開幕しました。

今後、今回の学会発表の記事がいろいろな形で掲載されることと思います。

AHAなどには行けない(想像だにしたことがない)私のような一開業医にとっては、こういった記事で勉強することが楽しみの一つでもあります。

 

EMPHASIS-HF  
エプレレノン投与で収縮期心不全患者の死亡、入院リスクともに減少
 収縮期心不全患者を対象に、アルドステロン拮抗薬・エプレレノンを投与したところ、心血管死亡と心不全による入院の発生を37%抑制したことが、同剤のフェーズⅢB試験「EMPHASIS-HF」の結果から分かった。

EMPHASIS-HF Study GroupのFairez Zannad氏が米国心臓協会(AHA)2010年学術集会で11月14日に開かれた「Late-Breaking Clinical Trials」セッションで報告した。
試験は、軽症の収縮期心不全患者に対し、エビデンスに基づいた標準療法にエプレレノンを追加投与することで、臨床転帰を改善するか検討することを目的に、日本を除く世界29カ国272施設で実施された。

中間解析の結果、エプレレノン投与群で、有意に主要評価項目の発生率を低下させていることが示されたことから、独立安全性データ監視委員会により、2010年5月25日、試験は早期中止された。

試験期間は、2006年3月30日~5月25日。
対象は、
①NYHA心機能分類でⅡ度(心疾患があり、身体活動が軽度に制約されるもの)
②左室駆出率(EF)<30%(EFが30~35%であればQRS>130msec)
③推奨量または最大用量のACE阻害薬、ARB、β遮断薬で治療されている
④心臓疾患により6カ月以上入院している

55歳以上の収縮期心不全患者2737例。


①エプレレノン25~50mg投与群1364例
②プラセボ投与群1373例

の2群に分け、治療効果を比較した。

エプレレノン群では、25mg1日1回から投与をスタートし、試験開始4週時点で50mg1日1回投与に増量することを可能とした。

主要評価項目は、心血管死亡+心不全による最初の入院の複合エンドポイント。追跡期間(中央値)は21カ月。


◎心血管死亡+心不全による入院を37%抑制
その結果、主要評価項目の発生率は、プラセボ群の25.9%に対し、エプレレノン群では18.3%で、エプレレノン群で有意に37%発生を抑制した(ハザード比:0.63、95%CI:0.54~0.74、P値<0.001)。

総死亡は、プラセボ群の15.5%に対し、エプレレノン群では12.5%で、エプレレノン群で有意に24%抑制した(ハザード比:0.76、95%CI:0.62~0.93、P値=0.0081)。

入院についても、エプレレノンの投与により、あらゆる理由による入院を23%、心不全による入院を42%有意に抑制し、死亡と入院、いずれのリスクも減少させることが分かった。

この結果はサブグループ解析でも同様の傾向を示した。

一方、安全性については、有害事象の発生率はエプレレノン群で72%(979例)、プラセボ群で73.6%(1007例)で、有意差はみられなかった(P値=0.37)。

ただし、高カリウム血症は、エプレレノン群で8%(109例)報告されたのに対し、プラセボ群では3.7%(50例)報告され、エプレレノン群で有意に高い結果となった(P値<0.001)。高カリウム血症による入院は両群間に有意差はみられなかった(P値=0.85)。

そのほか、同じクラスの薬剤であるスピロノラクトンでは腎機能の悪化が報告され、腎機能への影響も懸念されたが、腎不全や腎不全による入院も、エプレレノン群とプラセボ群で大きな差はみられなかった。

◎Zannad氏「治療を変える説得力のあるエビデンス」
結果を報告したZannad氏は、軽症収縮期心不全患者に対し、標準療法にエプレレノンを追加投与することは、「高い認容性で、生存率を向上し、入院を予防する」と説明。

同じクラスの薬剤であるスピロノラクトンを追加投与により死亡率低下が示された「RALES」試験と今回の試験結果から、「治療を変える説得力のあるエビデンスが提供できたと信じている」と述べた。

なお、同試験は同日付の「The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE」に掲載された。

http://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/39914/Default.aspx


 

 

ASCENDHF
急性非代償性うっ血性心不全へのネシリチド投与で呼吸困難改善効果示せず
急性非代償性うっ血性心不全(ADHF)患者に対する組み換えヒトB型ナトリウムペプチド静脈内点滴製剤ネシリチドの投与は、懸念されていた死亡率増加や腎障害のリスクはないものの、呼吸困難改善効果はわずかであることが分かった。

大規模臨床試験「ASCEND-HF(Acute Srudy of Clinical Effecriveness of Nesiritide in Docompensated Heart Failure)」の結果から明らかになった。11月14日、米国イリノイ州シカゴで開催されている米国心臓協会(AHA)2010年学術集会のLate-Braking Clinical Trials セッションで、Duke Clinical Research InstituteのAdrian F Hernandez氏が報告した。

急性心不全による入院患者は毎年数百万人と言われる。一方で、標準治療は1970年代から変わらず、利尿薬と血管拡張薬または強心薬だ。

こうした中、小規模な試験ながら、ネシリチドが投与3時間において、急性心不全患者の呼吸困難、肺動脈楔入圧を改善しうるとの成績が示され、同薬剤は2001年、FDAに承認された。

しかし2005年、2つのメタ解析で死亡率増加および腎障害のリスクがあることが指摘され、ネシリチドを開発したScios Incは独立委員会を設置。

この委員会が実施を推奨し、ネシリチドの安全性と有効性を検討すべく開始されたのが、前向き二重盲検ランダム化試験「ASCEND-HF」試験だ。

対象は、入院から24時間以内の急性心不全患者で、2007年5月から2010年9月までに、北米を中心とする30カ国398施設から7141例が登録された。

標準治療に上乗せする形で、ネシリチド(3564例)群またはプラセボ(3577例)群にランダム化された。

患者の年齢は両群ともに67歳(中央値)、左室駆出率(LVEF)<40%がプラセボ群は79.5%、ネシリチド群は80.8%であるなど、治療開始時の両群の患者背景に差は認められなかった。


主要評価項目は、
①6時間後、24時間後における急性呼吸困難(6時間、24時間後ともにP≦0.005またはいずれかがP≦0.0025で有意とする)
②30日以内の死亡または心不全による入院(P≦0.045で有意とする)

とした。

解析対象は、薬剤を投与しなかった患者を除くプラセボ群3511例、ネシリチド群3496例。

 

Hernandez氏 「安全性確立も効果はわずか」
その結果、30日以内の死亡または心不全による再入院は、プラセボ群10.1%に対してネシリチド群9.4%(30日以内の死亡は4.0%対3.6%、心不全による再入院は6.1%対6.0%)、リスク減少率は0.7[95%CI:-2.1~0.7]、 P値は0.31で、有意差はなかった。

呼吸困難の改善(有意な改善/中等度の改善)を認めた患者割合は、6時間後はプラセボ群42.1%(13.4%/28.7%)に対してネシリチド群44.0%(15.0%/29.0%)だった(P値=0.030)。

24時間ではそれぞれ66.1%(27.5%/38.6%)、68.2%(30.4%/37.8%)(P値=0.007)で、いずれもネシリチド群でより高い傾向があったものの、有意差には至らなかった。

Hernandez氏は、「この試験のメッセージは、効果と安全性のバランスを見極めるためには、適切な試験を行う必要があるということだろう」と述べた。

またネシリチドについては、「ASCEND-HFでの適切な評価の結果、安全に適用できるが効果はわずかで、使うべきとは言えない」とした。

独立委員会で委員長を務めたHarvard大学のEugine Braunwald氏は、ディスカッサントとして登壇し、「(広く用いられて来た)ネシリチドに、懸念されたリスクはないというエビデンスが得られたことは良いニュースだが、アウトカムを改善するというエビデンスが得られなかったのは残念だ」と結論付けた。その上で、「試験が見事に実施されたことは喜ばしい。この(悪い結果が出る可能性のある)綿密な検討を可能にした企業の決断にも感謝する」と述べた。

http://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/39916/Default.aspx

 

<関連サイト>

[PDF] AHA 2010

http://www.biomedis.co.jp/aha2010hl/images/AHA2010flyer.pdf

その他
「葦の髄」循環器メモ帖
http://yaplog.jp/hurst/
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~
http://wellfrog4.exblog.jp/
 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15
http://wellfrog3.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
「井蛙」内科メモ帖 
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/  
があります。
    

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